2025年5月31日土曜日

久しぶりに1日晴天だったけど、ついてなかった日

  


 昨日は、久しぶりに1日、パリは晴天だという予報だったので、いくつか写真を撮りに出かけました。こんなに気持ちよく晴れるのも最近では珍しく、晴れているというだけでなく、気温もグッと上がって、30℃を超える夏日。

 街中の人々の服装もすっかり真夏の装いになっていて、そんな時は、「わぁ~もう夏だ!」と、ちょっとウキウキ嬉しくなります。

 お天気が良いからか?もう少しずつ観光客が増えてきているのか、心なしか、バスやメトロなども平日の昼間なのに、けっこう混んでいます。

 外出するときは、たいてい同じなのですが、でかける場所によって、ここへ行くなら、ついでにあそことあそこも寄って行こう・・となんとなくプランをたてます。

 そんなことを考えながら、バスに乗っていると、なぜか、まだ目的地につかないのに、なぜかバスはストップ・・最初のバスには終点まで・・と思っていたところが、いつのまにか?というか、今日はここが終点だといいます。

 「なんだよ・・ついこの間、乗ったときには、ちゃんと終点まで行ったのに、また工事?」と思いながら、しぶしぶバスを降りて、歩きました。またまた、このパターンか・・とぶつくさ思っていると、これで終わりではありませんでした。

 そして、次はメトロに乗ると、今度は、けっこう混雑していました。しかし、混雑といっても、いつもよりも若干混んでいる程度で、不快なほどではありません。むしろ、みんな天気が良いと、それだけで、ちょっと楽しそうで、高揚しているような感じもあり、いつもより明るい雰囲気でさえあります。

 パリで写真を撮りたかったら、晴天の日が断然、美しいです。今は、特に緑の木々が若い芽から延びてきた芽から、色々な緑に包まれていて、それがブルーの快晴の空ととてもマッチして、また、どこを撮っても、パリの美しい建築類がアクセントに入ってくれて、とてもきれいです。

 だいたい目ぼしをつけていた場所を数ヶ所廻って、次の場所へ移動しようとメトロ14号線に乗り換えようと思ったら、まさかの全線不通。工事のために2日間終日不通なんだとか。

 14号線はずっと工事が続いていましたが、たいていは、夜間、あるいは、週末の工事なために、最近は、ほぼほぼ影響を受けてこなかったので、まさかの平日の全日の工事とは、油断していました。

 しかたなく、その分を別のルートで移動するわけですが、14号線のような乗客の多い路線が終日止まっているとなると、他の路線に大きくシワ寄せが行くわけです。

 私は、代わりにバスで・・と思ったのが悪かった・・すごい混雑・・に加えて、急な気温上昇のために、冷房なしのバスがきついきつい。また、いつもは乗らない路線に皆が乗っているものだから、いちいち行く先などを運転手さんに尋ねたりしているので、バスはなかなか動きません。

 おまけに、(私はNavigo(パリ市内を使える定期のようなもの)を持っているので、関係ないのですが・・)バスの乗車時にチケットを買おうとしている人に、運転手さんが、「もう、チケットなくなっちゃったから、ネットでRATPのサイトで買ってください!」などと説明しています。

 皆がスマホですいすいチケットを買えるわけではないので、これがまた大混乱。

 だいたい、バスの運転手さんがその場で売るチケットがなくなっちゃった・・なんてことがあるんだろうか?とビックリしました。

 久しぶりのよいお天気で気持ちよく、歩いたものの、なんだかガックリと疲れてしまいました。でも、さすがに外はけっこう暑くても、まだ本格的な夏ではないので、自宅のアパートの建物の中に入ると空気がスッとして気持ちよい程度です。

 しかし、これがお天気の悪い日だったら、もっとイライラしたかなとも思うので、とりあえずは、お天気が良いということは、精神衛生上もよいことだと一人納得しました。


晴天のパリ


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2025年5月30日金曜日

7月1日からフランス全土で子どものいる場所は禁煙

  


 労働保健大臣は7月1日からフランス全土の「ビーチ、公共の公園や庭園、学校、バス停、スポーツ施設の周囲」での喫煙が禁止されると発表しました。

 禁煙に関しては、フランスは日本よりもずっと緩く、以前は歩きたばこ・・歩きながらタバコを吸っている人も多くて、危ないな~と思うことがよくありました。ただ、最近は、ずいぶん路上喫煙者も減った感じで、もしかしたら、電子タバコに移行している人もいるから、気が付かないのかもしれませんが、それにしても、やっぱり、ずいぶんとは減っていると思います。

 それでも、別に禁止されているわけではないので、たまに外での喫煙者を見かけることはあるし、バス停などから、数メートル?離れたゴミ箱などには、灰皿とまではいかないまでも、タバコの火を消すトレイのようなものがついていたりもします。

 これまでフランスはそんな感じに喫煙については、わりと緩かったので、日本に行くと、本当に街中で喫煙者を見かけなくなったのには、いつのまにか、すごい徹底しているもんだ・・と感心します。

 今回のフランス全土禁煙令?とも言われる勧告は、とりあえず子どものいる可能性のある場所では禁煙ということで、これに違反すると罰金135ユーロが請求されるそうです。罰金のない禁止は禁止ではないフランスならではの感じです。実際には誰が取り締まるのか?これもまた謎です。

 フランスには、この罰金つきの罰則はけっこうある気がしますが、例えば、恐らく各市ごとに、犬などの糞を放置すると罰金○○ユーロ・・などという看板を見かけますが、これを実際に罰せられている人を見たことはありません。

 この喫煙禁止令は、中学校、高校にも適用され、特に「中高生が校舎前で喫煙することを防ぐのが目的」というどっちがどっち?とよくわからない説明も添えられています。そもそも中学生や高校生の喫煙はどこでも禁止なはずです。

 フランス政府は遅ればせながら、「初のタバコのない世代を創出したい」と考えていると述べています。言うまでもなく喫煙者は見るからに減っていると思うので、そのうち、そんな時代が来るのかもしれませんが、そんなに言うなら、もうタバコ売るのやめれば?!と言いたくなります。

 またタバコの値段も値上げだそうで、もともとのタバコの原価というものはわかりませんが、ひと箱だいたい11ユーロ(約1,800円)くらいだそうです。これは、おそらく、その大部分が税金なのだろうと思います。この税収も政府にとったら、侮れないものなのかもしれません。

 また、一方では、タバコ以上に麻薬や覚せい剤などのドラッグの勢力がどんどん拡大しているらしいことは、なんだか片手落ちな気もしないではありません。

 なんといっても、フランスは欧州一の麻薬消費国と言われているそうで、そっちの方もなんとかすれば? こちらの方はタバコのような莫大な税収もありません。つい先日もテレビのニュースで莫大な量のメタンフェタミンの製造所を差し押さえたという話をしていました。

 とりあえず、政府関係者は、このタバコ禁止令を掲げて、「タバコが公衆衛生に及ぼす損失について」ひたすら言及しています。フランスでは毎年、10人に1人がタバコに関連して死亡しており、喫煙が原因で7万5千人が亡くなっているのだそうで、これは、1日あたり200人以上の死に相当するそうです。

 タバコも麻薬もドラッグもどれも身体に悪いことだと思いますが、とりあえず、喫煙者は目に見えるほど減っているので、こちらの方に罰則をつけて禁止の方向に向かうのは良いとして、どちらかといえば、増加の一途を辿っているような麻薬・ドラッグの方をなんとかしたらよいのに・・と思わないでもありません。


フランス全土禁煙


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2025年5月29日木曜日

睡眠時無呼吸症候群という病気について

  



 私が就寝時にマスクを装着して寝るようになってから、3ヶ月くらい経ちました。

 そもそも、私は、この病気であることがわかるまでにかれこれ、1年近く、色々な検査をしてきました。これまで、すでに、血圧が高かったり、肝臓の数値が悪かったり、甲状腺だのなんだのと、色々と問題があるとのことで、いつの間にか、私が日々飲んでいる薬は周囲が驚くほどの量の薬を自分では、そんなに驚くことなくあたりまえのように飲んでいました。

 薬は少しずつ増えていったので、友人が家に来たときに、山のような薬を見て、「えっ?そんなにたくさん薬飲んでるの?」と言われて、あらためて、「そうか・・多いのか・・」と初めて気付いたくらいでした。

 なので、体調が悪くても、ひとつひとつはそこまで深刻ではないにせよ、このうちのどれかが悪化してしまって、具合悪いのかな?と思っていました。

 体調が悪いといっても、その悪さはとても漠然としたもので、なんだか疲れやすくなった気がする・・くらいから始まって、そのうち、朝、起きたときのだるさが生半可ではない感じになってきて、寝てるのにこんなにだるくて疲れているってどういうこと?これは絶対、ふつうじゃないな・・と思い始めたのです。

 私の中では「だるい」=肝臓?というイメージがなんとなくあり、もしかして、肝臓ガンかも?などと思って、とりあえずかかりつけのお医者さんに相談して血液検査をしました。しかし、肝臓には特に変化はなく、次はもともと疾患があるとされている「心臓」の検査に行きました。

 心臓の方は、もともと問題があるため、1年に1回くらいは定期的に専門医にかかっています。しかし、こちらの方も特に変化はないとのことで、次にかかりつけのお医者さんが行ってみるようにと紹介してくれたのが「Pneumologue(呼吸器科)」でした。

 フランスにいて、というか海外にいて、最も心細いというか不安なのは病気になったときのことで、そもそも言葉が不自由?なところ、このような医学的なことなどになった場合に、余計にチンプンカンプンになりがちです。

 このプニュモログ・・という言葉も私はこれまで聞いたことがなかったので、最初に聞いたときには、「プニュ・・プニュ・・えっ?なにそれ?」となったのです。まあ、今はスマホですぐに調べられるので、不安はわりとすぐに解消されるのですが、それでも行ったことのない専門医にかかることは、やっぱりちょっと不安です。

 また、フランスの場合、これらの専門医はとにかく予約をとろうとしても、余裕で2ヶ月先、3ヶ月先になるので、ひとつひとつ検査をしていって、これでもない、あれでもない・・となると、余裕で1年くらい経ってしまい、ほんとに深刻な病気だったら、もう死んでるだろ・・って感じになります。

 結局、1度そのプニュモログに行って、簡単な検査と問診をしたのち、また、それから数ヶ月先に1泊入院して夜間睡眠時の呼吸状態を検査することになりました。

 検査の結果はすぐにわかるので、その検査の翌日、結果を聞きに行きました。検査の結果は、「Syndrome d'apnée du sommeil」(睡眠時無呼吸症候群)(アプネ・ドゥ・ソメイユ)だそうで、すぐに夜間時の呼吸のグラフのようなものを見て、お医者さんが、「アプネ・ドゥ・ソメイユ」ですと言われて、またまた、「アプネ・・アプネ・・ってなに?」となりました。

 日本語で言うところの「睡眠時無呼吸症候群」というものだそうで、睡眠時に誰でも、呼吸が一時的に止まっている瞬間というものがあるのだけれど、私の場合、その頻度が多すぎるということで、1時間に23回も呼吸が止まっているとのことで、「これじゃ、朝、だるいのも疲れているのも当然だね」と言われました。

 1時間に23回も呼吸が止まって、よく生きてるな・・と思ったのですが、とにかく、これを改善するためには、夜、寝るときに、酸素(というか空気が送られてくる)マスクをして寝てくださいということで、さっそくこのマスクの手配をしてくれました。

 一度、診断が定まってからは、早くて、それからすぐにマスクの設置に来てくれて、その機械の取り扱いの説明をしにきてくれました。

 日本語で色々と調べてみると、どうやら、「メタボのおじさんに多い病気」だそうで、「なぜ私が??」と、なんだか恨めしいような気持ちになりました。

 私は一人暮らしなので、当然、一人で寝ているので、夜中にどんな風に寝ているのかということは、わからないのですが、夜中にトイレに起きたり、朝、起きてみると、頭と足の位置が逆になったりしていたことはあったのです。

 つまり、呼吸が止まると無意識のうちに自分で体制を変えていたりするらしく、なんとなく、トイレに行きたくなった気がして、目が覚めていたのは、実はこの呼吸を回復させるために、覚醒させられるようになっているようで、呼吸が止まるたびに、心臓が余計に稼働しなければならなくなるために、心臓にも負担がかかることになるのだとか・・。

 マスクをつけて寝ることにはなかなか慣れず、最初は鼻だけのマスクだったのが、鼻孔がとんでもなく乾いて痛くなって、とても耐えられなくなったので、鼻も口も覆うマスクに変えてもらいました。

 なれるまでは、この機械を取り付けに来てくれたお兄さんがとても親切な人で、毎週のように電話をくれて、何度か様子を見に来てくれました。

 このマスクをして寝始めて、どうにか少しずつマスクにも慣れてきたとはいえ、今や睡眠の大切さを痛感し、少し良い枕に変えてみたり、マットレスを追加してみたり、色々、工夫しています。

 空気が送られてくるマスクをして寝なくてはならないなんて、障がい者になった気分ですが、これは障害ではなく、あくまでシンドロームなんだそうです。

 現在の睡眠時の呼吸がどんな風になっているのかは、正直わからないのですが、データは、オンラインで繋がっていて、いつでもお医者さんがチェックできる状態なんだそうです。

 一度、チェックに来てくれたお兄さんが、「あなたは、まじめに毎日、ちゃんとマスクして寝ていてえらい!」、「ふつう、こんなに真面目に毎日してる人いないもの・・フランスでは・・」と言われて、「えっ??だって治したいじゃない・・」と、なんか、こんなことで褒められても・・と複雑な気持ちになりました。

 とりあえずは、6ヶ月間、これを続けて・・と言われたので、「6ヶ月後には、これがいらなくなりますように・・」と思っていたのですが、このお兄さん曰く、「ふつう、これを使い始めたら、もうずっと使っている人の方が多いけど・・」とのことで、またガックリ。

 もしかして、夜、寝たまま、朝、起きてこなかった・・という話を聞いたことがありますが、これが悪化すると、そういうことになるのかな?と思うとまた、もやもや・・。でも死に方としては、悪くないかもしれないとも思ったりもしました。

 しかし、生きている間は元気で楽しみたいので、これで少しでもよくなって元気になれれば・・と今は、頑張って続けています。

 

睡眠時無呼吸症候群


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2025年5月28日水曜日

マクロン大統領がブリジット夫人に平手打ち?をくらった瞬間が撮られてしまって大騒ぎ

 


 ベトナムのハノイ空港に大統領専用機が到着し、飛行機の扉が開いて、機内にいたマクロン大統領の姿が映し出されたと思ったら、その奥にいる赤いジャケットを着た女性の手だけが映り、マクロン大統領の顔を両手で払いのけようとしている映像が写しだされたことで、SNS界隈は大騒ぎになりました。

 マクロン大統領でさえも予想していなかったこのアクションに彼は慌てて飛行機の扉を閉じましたが、時、すでに遅し、マクロン大統領夫妻のこの一瞬のアクションが大騒動?を巻き起こしました。

 この映像は、あっという間にSNS上で拡散され、慌てたエリゼ宮(大統領官邸)は、咄嗟に、「この映像は、信憑性がないもので、世論を操作する目的でAIを駆使して作成された偽画像だ!」と釈明しました。

 ところが、すぐ後に、この映像が非常に信頼のおけるAP通信社によって撮影されたものであったことが判明したことで、ごまかそうとしていたエリゼ宮は、さらに苦境に立たされる結果となりました。

 「マクロン大統領がブリジット夫人に平手打ちをくらった!」とSNS上では、全世界に拡散され、実際に見てみれば、平手打ちではないものの、どうみても通常、公に姿を表す二人の雰囲気とは違う、ハッキリ言ってケンカしている状態・・。

 その後、飛行機のタラップを二人で降りてくる際にも腕を組んでタラップを降りようとしているマクロン大統領の腕をとらずに一人で降りてくるブリジット夫人。

 おそらくこの映像を撮ったAP通信社でさえも、まさか、こんな映像を撮るつもりはなかった・・たまたま撮れてしまったものと思われますが、これを大スクープ映像?と言っていいのでしょうか?

 これがさらなる騒動に発展したのは、明らかにエリゼ宮が誰かの陰謀のように発表したことで、最初からしっかり確認して正直に説明すればよかったものの、他人のせいにして嘘を発表したのがいけなかった。

 結局、マクロン大統領本人がインタビューに答えて、「よくあること・・大騒ぎすることじゃない・・」と釈明。

 陰謀のように発表したことから、モスクワからも「クレムリンの仕業だったかもよ・・」などと嘲笑される始末です。

 まあ、普段は映像に公開されないだけで、夫婦の間ではよくあることなのかもしれませんが、なんとなく、このご夫婦の力関係を想像してしまうのでした。

 なんといってもマクロン大統領と彼女が知り合ったのは彼が15歳のとき、年齢差は24歳、しかも、教師と生徒だったのですから・・。


マクロン大統領平手打ち


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2025年5月27日火曜日

一晩で4件もの深刻な薬物過剰摂取による救急隊発動 国会議員までが含まれていた・・

  


 パリで24時間の間に4件の深刻な薬物の過剰摂取事件(事故?)が記録され、そのうち2件は重篤な症状で生命に危険を及ぼすものでした。

 被害者?のうち3名は、若い男性で土曜日の早朝に11区の同じバーから出てきたところでした。彼らは全員ケムセックスの愛好家の間で人気のあるドラッグGHBを他の合成薬物とアルコールと組み合わせて使用していたと見られています。

 今回の通報はいずれも路上に出てきて深刻な状況に陥ったところを通報されたもので、痙攣を起こした25歳の男性は、救急隊員によってすぐに手当が施されましたが、救急隊員は彼の所持品からピンク色の袋を発見。袋の中には、3-MMCと思われる白い粉末の痕跡が発見されました。

 ほぼ同時に救急隊はそこから数十メートル離れた歩道で別の若い男性が意識を失って倒れているという通報を受けました。

 彼は透明な液体(GHB)を所持していました。最初の男性は意識不明の危篤状態で10区のラボジエール病院に搬送され、二人目は、意識のある状態で12区のサン・アントワーヌ病院に搬送されました。

 これらの最初の事件発生の直後、わずか1キロ離れた公道で3件目の事件が発生。この被害者?も、実は同じバーから出てきた人物でしたが、こちらの方は若い国会議員であったそうで、彼も12区のサン・アントワーヌ病院に搬送されています。この国会議員の名前は公表されていませんが、この人は国会議員を続けるのでしょうか?

 そして、もう1件は、マレ地区の繁華街リヴォリ通り(4区)で発生。彼女は意識不明のまま15区のネッケル小児病院へ搬送。同行していた男は逮捕され、パリ中央警察署に拘留されています。彼は一晩中、彼女と一緒にGHBを使用していたと自供しています。

 薬物が蔓延しているとは聞いているものの、一晩に4件もの薬物による深刻な事態発生とは、こんなことを聞くのは初めてのことです。

 GHBというのは、私はこれまで聞いたことがなかったのですが、非常に危険な薬物であることは明白です。

 パリでは毎年平均20人から30人が薬物の過剰摂取で亡くなっているそうで、これらの死亡事故の半数は合成薬物が原因のようです。

 このような事件でしか、薬物の情報に触れることはないのですが、快楽を求めての薬物は、実は苦しみの方が多いのではないか?と思ってしまうのですが・・。


薬物過剰摂取


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2025年5月26日月曜日

予期せぬ涙に震えるとき 

  


 私は子どもの頃は、涙もろいというか、めそめそ泣き虫の子どもでした。 大人になってからは、人並みに涙をこらえることができるようになり、そうそう泣くこともなくなりました。

 それでも、悲しいことがあったとき、嬉しいことがあったとき、また感動的な映画を見たり、本を読んだりして、涙することは、それなりにあります。

 しかし、全く予期せぬタイミングで涙が溢れてきて、こぼれる涙に気が付いた瞬間に心が震えていることに気付かされることがあります。

 今までの私の人生では、このはっきりと理由がわからない予期せぬ涙に自分自身が驚くということをこれまで2回だけ体験したことがあります。これは不思議な感動です。

 一度目は、ずいぶん昔の話で、初めてイギリスに留学して、最初の日曜日にセントポール寺院の礼拝に参加したときのことでした。もちろん、その時はセントポール寺院に足を踏み入れるのも初めてのことで、その日はパームサンデーという特別な礼拝で(そんなことは知らずに行った)、荘厳な雰囲気に聖歌隊の少年たちの歌声が聖堂内に響きわたっていました。

 当初は一年間の予定の留学で、まだ右も左もわからないロンドンの街並み、思うように出てこなかった英語。不安も抱えつつ、これからやろうとしていることにワクワクしていました。

 そんな中、ロンドンで最初に参加した礼拝(といっても私は信者でもなんでもない)の最中に、私は自分の目から、いつのまにか涙が溢れてこぼれていたことに気付いて感動したのでした。

 理由がはっきりしている涙というものは、それなりに心が動かされていることを自覚しているので驚きというものは、ないのですが、涙が先で、自分でも「えっ??私、泣いてる?」と気付かされるのは、二重の意味で感動的な体験です。

 そんな経験は長い間、ずっとなく、しかし、あの感動的な涙については、時折、思い出しては、「あれは一体なんだったんだろう?でも感動的な涙だったな・・」と思うのでした。

 それが、つい最近、といっても、前回日本に一時帰国した時のフランスに帰国する際のフライトの中で起こりました。

 原稿の締め切りが迫っていた私は、これは、もう長いフライトの間で書くしかないな・・と思って、飛行機に乗って、離陸して少し落ち着いた頃に、「さて・・」と原稿にとりかかろうと準備を始めました。

 集中するためには、ふだん、家ではクラッシック音楽(モーツァルトのことが多い)を聴きながら書くことが多いので、飛行機についているオーディオライブラリーのようなものから、選曲しようとしたところ、思ったものが見つからず、その中でもクラッシックっぽい?ベートーベンの第九を選びました。

 私が行っていた学校でベートーベンの第九の合唱を原語で歌う・・ということを課している学校があり、学生時代はなんと、面倒なことを・・とドイツ語もわからないのにカタカナのふりがなをふり、かなり長期間練習させられたことを憤懣に思っていましたが、その後、社会に出て、しかも海外に出てからは、「第九を原語で歌えるよ!」というのは、けっこうウケの良い話で、たま~に思い出しては、口ずさみながら第九を聴くことはありました。

 原稿を書くつもりで聴き始めた第九に、「あ~久しぶりだ・・これこれ・・」と思いながら、心の中で歌いながら聴いていると、気付くと私の目には涙が・・この時の涙は、零れ落ちるというより、むしろ、最初はもう号泣に近い感じになっていき、「あ~これ・・セントポール寺院のときみたいだ・・」と自分が涙したことそれ自体がもう感動で、わけがわからなくなっていました。

 これも、懐かしさもあったのでしょうが、色々な気持ちが蘇ってきて、でも、単に懐かしいという気持ちではなく、涙までこぼれてくる・・自分の心の奥底にあるなにかが震えている・・ということが感動的でした。

 無意識の世界で自分の心が震えているということが何よりも感動的で、意味もよくわからず、この時のフライトはほとんどずっと第九を何度も何度も聴きながら長いフライト時間を過ごしたのでした。

 心が震えることって素晴らしい感動です。


深層心理 感動


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2025年5月25日日曜日

コカ・コーラなど甘い清涼飲料水にかけられているソーダ税と甘い飲み物

  


 「なんでこんなにソーダ類の値段が上がったんだ!」という話題が上がっており、これは、甘い清涼飲料水等にかけられている「ソーダ税」が上がったため・・と言われていて、私は、初めてこの「ソーダ税」というものがあることを知りました。

 この「ソーダ税」は、フランスでは、2012年から取り入れられている税制の一つのようですが、消費者に不健康な精製糖の摂取を減らすように促すことを目的として、甘い飲み物に国が課す税金です。ソーダや甘い飲み物の摂取は肥満や糖尿病、様々な心血管疾患などの予防可能な非感染性疾患の要因であると考えられているためです。

 今回のこのソーダ税については、今年の春に、1ℓのコカ・コーラの場合、これまでの15.7セントから35セントへと2倍以上に跳ね上がっています。

 このソーダ税は甘ければ甘いほど税率が高くなる仕組みになっており、1ℓあたりの税金(ソーダ税)が4セント、21セント、35セントの3段階が設置されているそうで、コカ・コーラは一番、甘い飲み物のカテゴリーに分類されているようです。

 しかし、一つの商品にかけられている税金の内訳を消費者が詳しくわかっているわけではなく、これが直接的に甘い清涼飲料水摂取を抑える役割を果たしているとも思いにくい気がしますが、政府はこれでけっこうな税収があり、2023年には、このソーダ税で4億4,300万ユーロの税収を得ており、今回のソーダ税の値上げによりさらに3億ユーロほどの増収を見込んでいるといいます。

 それにしても、そんなことはおかまいなしに、フランス人は実にコカ・コーラを始めとして、甘い炭酸飲料、清涼飲料水が好きだな~と思うのですが、たいていのスーパーマーケットには、いつでもドーンとこのコカ・コーラなどの大きなパック1ℓあるいは1.5リットルのボトルが山積みになっていて、多くの人々が大きなペットボトルを大量に買っていくことに驚きます。

 私は、全然、この手のソーダ類を飲む習慣がないので、日本にいた時は、もっぱらウーロン茶や日本茶などの甘くない飲み物を飲むのがふつうだったので、フランスに来たばかりの頃は、フランスって甘くない飲み物ってないの?とビックリした覚えがあります。

 アイスティーなどもないことはありませんが、たいていは、なんか、ピーチとか、レモンとか、フルーツのフレーバーが入っていて、甘いのです。甘くない飲み物が欲しかったら、水です。

 そのうえ、日本のようにどこでも自動販売機やコンビニがあるわけでもないので、今では、ふつうは自分でいれたお茶をペットボトルに入れて持ち歩いています。

 うちの夫なども娘には、非常に厳しく、「飲み物はダメ・・水を飲みなさい!水を!」と常々、言っていて、娘はそのとおり、非常に水をよく飲み、甘い飲料水を飲まない子に育ったのですが、たまに息子たちが家に来るとなると、いそいそとコカ・コーラを買って準備していたりしたので、「なんなんだ!この人は・・」と思っていました。

 また、コカ・コーラではなくとも、「グレナディン」というシロップ(ザクロとバニラを合わせた真っ赤なシロップ)を用意して、水や炭酸水で割ったり、ミルクで割ったりしたものを彼ら(息子たち)が喜んで飲んでいたのを見て、「この子たち、ほんとうに甘い飲み物が好きなんだな・・」とビックリした覚えがあります。

 でも、それは彼らに限ったことではなく、比較的、若い子全般に言えることでもあります。

 これは、どちらかといえば、税金というよりは、食習慣の問題で、フランスに比べれば、ずっと日本の食生活は広範囲にわたって、健康的だと思います。


ソーダ税


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2025年5月24日土曜日

フランスの研究者らが薬剤耐性ガン細胞を殺す分子の開発に成功

  


 国立科学研究センター(CNRS Centre National de la Recherche Scientifique)の研究ディレクターで、パリ・キュリー研究所の所長でもあるラファエル・ロドリゲス氏の率いるガン治療研究チームは、「現在、使用されている薬剤に耐性のあるガン細胞を殺すことのできる分子の作成に成功したこと」を発表しました。

 この詳しい内容については、5月22日号のフランス・アンテル紙で説明しています。

 また、ガン転移細胞の除去に関する彼らの研究は、5月7日号の科学誌「ネイチャー」にも掲載されています。

 現在のガン治療に使用されている薬の多くは、原発腫瘍を標的にしています。なぜならば、原発腫瘍は急速に増殖する細胞ですが、小部分の細胞は休眠状態にあり、増殖が少なく、そのため薬に抵抗性で体内を移動する能力を持っているのです。

 この体内を移動する能力を持った小部分の細胞が転移を形成するものとなります。

 ラファエル・ロドリゲス氏のチームはこれらの耐性細胞を標的にする方法を13年間、研究を続けてきた結果、これらの難治性細胞が現在の治療法に対抗するには、より多くの鉄と銅を必用としていることを突き止めました。

 鉄と銅は錆びる金属なので、この鉄を捕らえ、細胞膜を酸化して、細胞を死滅させる能力を10倍に高める新しい分子を開発したのだそうです。

 この新しい分子は、すでに膵臓癌や乳がんの患者の生研でテストされており、結果は良好であり、この分子は、現在、臨床で使用されている薬剤に反応しない細胞を殺すことができることがわかっています。

 ガンという病と闘病中の人々には朗報ですが、現段階では薬の開発は困難で、まだ、人間への効果を妨げる要因が数多く存在し、また毒性が強すぎる可能性も否定できないため、これが実際の臨床の場に登場するには、道半ばのようです。

 ガン治療の際によく、原発巣を取り除いて、5年以内に再発しなければ・・などという話を聞きますが、ちょうど5年を過ぎた頃に再発してしまい・・ということもあります。

 私の友人の一人もまさにこのケースだったのですが、再発してからは、あっという間でした。

 おそらく、この転移というのが、もう薬ではどうにもならない細胞ということだったのでしょうが、今回の研究成果が実際の臨床に使われるようになれば、多くの人の命が救われることになります。

 「この研究のために人生を捧げているので、実現を信じている」というロドリゲス氏・・素敵な人だなと思います。

 

薬剤耐性ガン細胞を殺す分子


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2025年5月23日金曜日

パリ・オリンピックから1年 フランスへの外国人観光客増加

  


 本当は、こちらの報道については、「外国人観光客がフランスに殺到!」と表現されていたのですが、この増加が果たして「殺到!」というほどなのか、ちょっと疑問に思ったので「増加」という言葉を使いました。

 観光業はフランスにとって(特にパリにとって)は、黒字が見込める有力な産業の一つでもありますが、この観光客(特に外国人観光客)について、観光大臣は、記者会見において、今年度は、昨年のパリオリンピック・パラリンピックの勢いの恩恵を受けて、観光の活況の指標として使用している国際航空旅客数などから、今年2025年第一四半期は、2024年に比べて8%は増加する見込みであると発表しています。

 また、この外国人観光客増加についての報告の中では、「特にカナダ人、日本人観光客が30%増」と日本人観光客が増加していることを挙げられていたので、「あら、また日本人観光客が増えてきてくれたの?」と、全然、気付かなかった事実にちょっと嬉しい気持ちになっています。

 もっとも、昨年の予約状況から8%増加といっても、正直、オリンピック直前や始まった当初などは、ホテルなどの宿泊施設の爆上がりや交通規制などのために、多くの観光客がパリを避け、むしろ、通常の年よりもガックリ観光客が減っていて、こんなにガラガラのパリ!見たことない!いつも混んでいる場所は今のうちに行こう!とやたらと、パリの街を歩き回っていた覚えがあります。

 なので、昨年から増加したといっても、そもそもは昨年は激減していたしな~と思うと正直、どうなのだろう?と思わないでもありません。

 しかし、カナダ人、日本人が30%増加・・30%の増加ともなれば、こちらの方はさすがに増加しているんだろうな・・と思います。そもそもこの10年くらい、日本人観光客は、激減していたので、少しパリに日本人が戻ってきてくれる兆しが見えてきたのかな?と、ちょっと嬉しいニュースです。

 私の場合は、日本に行くという逆のパターンではありますが、何と言っても一番のハードルは、飛行機に乗っている時間が長い(直行便で約14時間近く)・・つらい・・そして、航空券が高い・・ということなのですが、最近は、日本人観光客でも直行便ではなく、少しでも価格の安い経由便を利用する人も多いようで(娘などに言わせると、14時間乗り続けるよりも途中、経由地で一回降りて休める方がラクなのだそう・・)、色々とフライトの予約などを駆使してチケットを確保する人も増えたような感じでもあります。

 また、宿泊施設については、一般的なホテルよりも、家具付きの宿泊施設(短期のアパートのようなもの)の予約が40%も増加しており、このような割安に宿泊できる施設が増加したことにも観光客増加は起因していると見られています。

 また、パリ観光局は、オリンピックのおかげでサン・ドニを始めとしたこれまで知られていなかった地域が発掘されたことも観光客増加に繋がっていると豪語していますが、これは、半分事実で半分は嘘・・オリンピックのメインスタジアムや選手村があったサン・ドニは、一部はびっくりするほどきれいに作られていたのは事実ですが、オリンピックパークの近辺は、本当にこれがパリ?と驚くような発展途上国のような場所も存在しています。

 とても観光客集客を見込めるところではありません。

 パリの観光客集客には、まだまだオリンピックの余韻を利用する試みもあって、6月21日から9月14日までは、チュイルリー公園に気球の聖火台が再び戻ってきます。

 そして、7月5日からはセーヌ川が遊泳可能になる!とパリ観光局は宣伝しています。まあ、勇気のある方はどうぞとしか言えません。

 しかし、確実に観光客が増加する要因のひとつになっているのは、パリ・ノートルダム大聖堂が再開したことで、こちらの方は、再開から快調に訪問客数を記録しており、現在、1日3万人がノートルダム大聖堂を訪れています。

 いずれにしても、パリが観光客で賑わうのは嬉しいことです。


パリ 外国人観光客増加


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2025年5月22日木曜日

増加する携帯電話ショップ強盗と犯罪のウーバー化

  


 2025年に入ってから、イル・ド・フランス(パリ近郊地域)で携帯電話ショップ強盗が増加しています。

 犯罪にもトレンドというものがあるとするならば、今はこの携帯電話ショップ強盗が新たにそのトレンド入りしそうといったところかもしれません。

 以前(といっても10年くらい前まで)は、「メトロやバスなどの公共交通機関の中で携帯電話を出すのは危険です!」などと呼びかけられていたし、そんな注意喚起のポスターが貼られているのをみたこともあります。

 実際に、メトロの中で携帯を見ていて、駅で停車時に買ったばかりの携帯をひったくられた!とか、駅を出たところで、携帯をひったくられた!と嘆いている同僚がいました。

 しかし、さすがにパリでも今ではメトロなどの中では、もう大勢の人が携帯を覗いている状態で、あまり携帯をひったくられるという事件を耳にすることも減りました。

 今、増加している携帯電話強盗はダイレクトにショップを狙ってのもので、しかも、その多くの場合がSNSで強盗の依頼を受けた若者が組織的なグループの手先となって、いわゆる犯罪の一部を請け負う掛け子のような存在のようです。

 マニュアルがあるのか?彼らの手口はだいたい似通っていて、閉店間際のお店を狙って、ガスボンベとショッピングカートのようなもの数台をひいたフードで顔を隠した男が店内に押し入り、従業員を脅迫して、店内あるいは、店の奥にある商品を詰め込み携帯電話を始めとする通信機器を奪っていきます。

 強盗たちは、数分間の間に数百台の携帯電話を回収していき、店の被害は5万ユーロを超えることも少なくないといいます。彼らは短い時間で多くの利益を得られることがわかっています。

 しかし、実際にこの種の強盗に及ぶ多くは、14~15歳、あるいは18歳から25歳くらいの若者で、警察からマークされていない、いわば素人の犯行がほとんどで、彼らは、暗号化されたメッセージサービスにメッセージを投稿するだけで、強盗という犯罪に加担することになっているというのが実状のようです。

 彼らには、店舗から携帯を強奪してくることで、一定の報酬を受け取り、その上の組織が携帯電話を海外に売り飛ばすルートを確保しているようです。

 多くの場合はこの犯罪者同志もお互いに面識もなく、全くの知らない者同士です。

 2025年3月1日から5月1日の2ヶ月間の間に、イル・ド・フランスではこの携帯電話ショップ強盗事件が17件も発生しているそうです。

 それにしても、このSNSでの犯罪依頼に応じて、簡単に強盗を請け負う若者の増加には、暗澹たる気持ちにさせられます。

 このように、ウーバーのように簡単に犯罪を依頼すれば、すぐに犯罪者が乗ってくるということにも恐ろしさを感じますが、彼らはお互いを見知らぬ分だけ、雑に扱われ、簡単に切り捨てられるという側面も持っています。

 捜査官にとって、こうした強盗はランダムな側面を持っているため、予測が困難でもあります。

 しかし、いくら短時間で高収入とはいえ、強盗という、なかなか派手な犯罪に加担するのは、あまりにリスキーとは思わないのだろうか? 簡単に切り捨てられるとは思わないのだろうか? と短絡的な犯罪の増加が恐ろしい気がします。


携帯電話ショップ強盗


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2025年5月21日水曜日

専業主婦と共働きと・・

  


 私が子どもの頃は、日本では専業主婦がふつうで、実際に私の周囲の友人のお母さんたちは、ほとんどが専業主婦で、今から思えば酷い偏見だったのですが、お母さんが働きに行っているというと、「よっぽど経済的に厳しいおうちなんだな・・」と思うくらいでした。

 私の母は、仕事をしていたといえば、仕事をしていたのですが、家で子どもたちを集めて英語を教えていたという、当時ではあんまりない感じで、しかも、そもそもは私に英語を教えていくのに、親子二人でというよりも、数人の子どもたちに私を混ぜて教えるために始めたことで、そして、何よりも母は英語が大好きで(本人は英語の音が好きと言っていた)、半分は趣味(といったら、失礼ですが・・)のような感じで、母自身がとても楽しんでやっていたし、外にお勤めに出るというわけでもなかったので、あまり母が仕事をしている・・共働きをしている・・という感覚が私にはありませんでした。

 今から考えると、私は実に自分の将来というものを漠然としか考えてこなかったし、将来、きっちりとした仕事を持つということも、具体的には考えてきませんでした。

 ある程度の年齢になったら、結婚するだろうし、今では死語だと思いますが、よもや自分が煙たがられながら、オールドミス、お局・・などと言われながら会社に居続けるようになるとも思っていませんでした。

 時代と言ってしまえば、それまでですが、私はいわゆる適齢期と言われる年齢には結婚もせずに留学をしたりして、なんとなく自分がやりたいことに少しでも近づこうともがいていました。

 ただ一つ、私が考えていたことは、子どもを育ててみたいということで、しかし、それには、タイムリミットがあり、特に結婚願望らしいものはなかったのですが、そのタイムリミットに近い頃に知り合った男性と一緒に生活することになりました。

 それから、私の本格的な海外生活が始まったのですが、アフリカでは、フランス語の勉強のために大学に通い、そして出産、フランスに来てから1年後に再び仕事を始めました。

 海外で仕事を探すのはそんなに容易なことではありませんし、ビザの申請等に1年近く時間がかかったこともあり、なんだかドタバタした感じ・・しかも、娘はまだ生まれたばかりで、初めての子育てに必死なところもありました。

 フランスでは共働きがふつうのことなので、仕事さえ見つかれば、あまり抵抗もなく、むしろ、子どもから解放される時間が持てることや、家とはまた別の世界を持つことができるということも、今から考えれば救いでした。

 仕事があまり時間的に融通が利く仕事でもなかったこともあって、大変なこともたくさんありましたが、夫が亡くなるまでは、私は娘の学校のママたちとのお付き合いなどもほとんどしたことがなく、実際にそんな時間もなかったし、知っている顔といえば、バレエのお稽古などで顔を合わせるママさんたちや、お誕生日会などに娘がお呼ばれしてお宅に送り迎えに行くくらいだったし、実際に周囲のママさんたちも仕事をしているので、お互い忙しくしているのがふつうな感じでした。

 娘の小さい頃の時代でさえも、専業主婦というママには、ほぼほぼお目にかかったことがありませんでしたし、いても、逆にそんな専業主婦を(半分はやっかみもあったのかもしれませんが・・)白い目で見ているママたちもいたくらいです。

 今は日本でも専業主婦は少なくなったと聞きますが、ずいぶん時代が変わったんだろうな・・と思います。

 しかし、どちらにせよ、私は何の計画性もなく来たのに、よくもここまで仕事をしてきたもんだ・・しかも海外という暮らしづらい場所で・・。逆に考えれば、あまり選択肢がなかったために、そうせざるを得なかったというところもありますが、なんとかなるものです。

 それにひきかえ、娘などを見ていると、そもそも、自分でしっかり仕事を持って、ちゃんと自立して仕事していくことを若い時から考えて、それなりの学歴も持って、着々と仕事をしているのを見ると、我が娘ながら、すごいもんだ・・と思います。

 今から人生をやり直すつもりもありませんが、早くに目標を定めてそれに向かって努力していけば、ずいぶんとムダのない人生になっただろう・・と思います。そう思うと私は、ムダなことしかしてこなかった気もしますが、言い訳させてもらうと、ムダなことほど楽しくて、なんなら、ムダなことなんてありません。

 私の周囲は、独身の友人が多いこともあって、日本にいる友人でも専業主婦をしている友人は一人しかいませんが、仕事を持っていても、専業主婦をしていても、それなりに充実した人生を送っているようで、どっちもいいな・・どっちも経験してみたかった・・とも思います。でも、もしも、私が仕事をしてこなかったら、子どもがいなかったら・・つまらなかったかもしれないな・・とも思います。


専業主婦 共働き


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2025年5月20日火曜日

セーヌ川での遊泳解禁! パリ市が公開するセーヌ川沿いの3スポット

   


 昨年のパリオリンピックのセーヌ川でのトライアスロンも最後のギリギリまで、その水質上の安全性で中止・決行とドタバタ劇を演じ、パリ市長がデモンストレーションで泳いで見せたり、マクロン大統領まで泳いで見せる(結局、彼は実際には泳がなかった)と見栄を切ったりして、物議を醸してきましたが、結局、トライアスロンは強行され、傍目からも、「何の罰ゲーム?お気の毒に・・」と思わないでもありませんでした。

 セーヌ川での水泳問題はこのオリンピックで終わりだと思っていたら、全然、これに懲りていなかったどころか?同じテンションパが・・パリ市ではまだ続いていたのです。

 なんと、パリ市は7月5日から8月31日まで3つの新しい自然水泳場(ブラス・マリー、グルネル、ベルシー)をオープンさせるそうです。

 「今年の夏、パリ市民と観光客は、セーヌ川での水泳が禁止されてから100年を経て、セーヌ川での水泳の楽しさを再発見するだろう!」というなんとも「は~~?」と反応に困るようなフレーズを発表しております。

 これは単なるジョーク?ではなく、パリ市はパリプラージュと同時にセーヌ川遊泳スポットを公開するらしいです。

 見るからに、相変わらず、「ここでホントに泳ぐの?」と尻込みしそうな外観のセーヌ川で、どれだけの人が実際に泳ごうとするのかは、疑問ではあるものの、とりあえず、この遊泳スポット3ヶ所がオープンするらしいです。

〇マリーアーム(プラスマリー)

ここはシュリー橋のふもと、サン・ルイ島に面したスポット

月~土 am 8:30 ~am 11:30 , 日 am 8:00 ~ pm 5:30  約 70m ×20m 150人収容?可能

〇ベルシー地区

フランス国立図書館の向かい側、シモーヌ・ド・ボーヴォワール歩道橋の両側、ベルシー公園のすぐ下

毎日 am11:00 ~ pm 9:00  収容人数 700人(水泳エリア300人を含む)

35 x 12.5 mと67 x 11 mのプール2つ

〇グルネル

イル・オ・シグネの向かい側、エッフェル塔のすぐ近くにあるグルネル水泳エリア

大きなソラリウムと家族連れや子供向けの安全なプール(深さ 40 ~ 60 cm)が設置 カヤックあり

いずれのスポットでも更衣室、シャワー、トイレ、受付、救急ステーションなどが完備される予定になっています。

こうして見ると、単にセーヌ川というだけでなく、プールが設置される(もしくはすでにプールがあるエリア)ではあるので、実際にセーヌ川で泳ぐという選択をしなくともよいのかもしれません。

 しかし、けっこうな収容人数を公表していて、そんなに勇気のある人いる?とも思うのですが、これらのエリアは無料で提供されるとのことなので、水遊び程度なら・・また、話のタネに・・と訪れる人もけっこういるかもしれません。

 気になる水質の安全については、地域保健局(ARS)が公衆衛生法及び、欧州指令に基づいて、水質管理を行うと言っています。

 パリ市はこの水質検査について、パリオリンピックの際に実施した自動細菌モニタリング装置(従来は実験室での分析に24時間~48時間かかっていたところが、大腸菌や腸球菌などの細菌の存在を15分~20分で検出可能)を利用するそうです。

 これまで夏の間、セーヌ川沿いをビーチ風に仕立て上げてきた「パリ・プラージュ」はけっこうそれなりに美しくモダンな感じに仕上がっていましたが、さらにステップアップして、ついに遊泳場となるのか・・と思うと、まず第一にセーヌ川の水面を見て、そこで泳ぎたいと思うかどうかは、また別問題。

 実際にはどんな感じになるのかは、7月になったら見に行ってみようと思っていますが、今のところ、楽しみ?というよりも怖いもの見たさ・・という感じです。


セーヌ川遊泳場


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2025年5月19日月曜日

フランス政府 ギアナのジャングルの真ん中に厳重警備の刑務所開設

  


 麻薬密売人対応の厳重警備刑務所の設立については、かねてから発表されており、すでにヴァンダン・ル・ヴェイユ刑務所(パ・ド・カレ県)とコンデ・シュル・サルト刑務所(オルヌ県)が組織犯罪対策のために選ばれたのに続き、3つ目の厳重警備刑務所として、フランス領ギアナのサン・ローラン・デュ・マロニに新しい刑務所を建設することを発表されています。

 日本には島流しという言葉があり、熱帯雨林のジャングルの中の刑務所・・などと書かれているのを見ると、島流しに匹敵するようなイメージがありますが、それにしては、なかなか規模も大きく500名収容可能な施設というのですから、かなり大きなものです。

 もっとも、このうちの特別エリアを設け、厳重警備を必用とする60人~100人を特別隔離して、厳重警備体制を敷くということのようです。

 ここ数年で暴露されている現在の刑務所の様子を見ると、麻薬密売組織だったりすると、携帯電話なども使い放題だったり、刑務所の中から犯罪を指揮したりしているケースが見られたりもして、逃亡計画が綿密に練られて、実際に護送車が襲撃されて、逃亡が成功してしまったりする事件も発生しています。

 このような、実際に投獄されつつも犯罪行為が続行されることを阻止するために、この麻薬密売組織撲滅のために、彼らを本当の意味で隔離し、一般社会から隔離するために、このような特別厳重警備の刑務所を増やしていく意向のようです。

 しかし、実際には、これらの刑務所が選ばれている地域は実際に麻薬密売組織の温床となっている地域でもあり、今回のギアナに関しても、島送りというよりは、ギアナそのものが、麻薬密売県としての認識になっており、コカイン密売の主要拠点のひとつでもあるようです。

 フランス本土で消費されるコカインの少なくとも20%は、ギアナから来ていると言われており、毎年、何百人もの「運び屋」がカイエンヌ空港で逮捕され、彼らの荷物や胃の中には南米産のコカインが詰まっているそうです。

 荷物はもとより、胃の中にまで忍ばせてくるというのはスゴイ話です。

 当局は、フランス領ギアナとフランス本土を結ぶ航空便には約30人の運び屋が混ざっていると推定しています。

 このギアナの超厳重警備刑務所は2028年に開設される予定になっています。

 都市部にある刑務所とは異なり、電話やドローンの電波を完全にブロックできる場所に設置されるそうです。

 この麻薬密売組織撲滅のための厳重警備刑務所については、多くの批判の声と同時にこの麻薬密売組織と思われるこの計画への反発のために、フランス全土で同時に刑務所が襲撃されるという事件も起こっていますが、これらの動きに屈することなく、政府は着々と計画を進めていたようです。

 しかし、当然のことながら、これだけの規模の刑務所を管理するためには、相当数の厳格なルールを遂行できる職員が必用となると思うのですが、この人員をどこから確保するのだろうか?と疑問に思わないでもありません。


ギアナ ジャングル 厳重警備刑務所


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2025年5月18日日曜日

カンヌ国際映画祭でヤシの木が倒れて日本人プロデューサーが重症

  


 今年も華やかにカンヌ国際映画祭が開催中で、それとなく気にしてちらちらと様子を伺いつつ、トム・クルーズが来ているとか、露出の多いドレスを着ている女優さんがいるとか・・そんなニュースを見ていました。

 日本の映画はどんな映画が来ているんだろう?と思っていたら、あまり日本映画の話題はk「今年は今のところ、騒がれていないな・・」と思っていたら、思わぬアクシデント?のニュース・・しかも、どうやら日本人が被害者・・というニュースに驚きました。

 どうやら、5月17日の午後、カンヌ(アルプ・マルティーム県)のクロワゼット通りでヤシの木が倒れ、日本人プロデューサーが頭部に重傷を負った・・とのニュース。

 最初の報道によると、被害者は映画製作者週間で自身の映画「ニュー・ブランド・ランドスケープ」を発表するために来ていた30代の日本人プロデューサーとのこと。

 頭部を負傷した彼は救急隊員によって、その場で応急処置を受けたあと、危険な状態で病院に搬送されたといいます。アルプ・マルティーム県消防隊によると、彼の容態は重篤とみられるが生命の予後については、発表されていません。


 直後の調査結果によれば、木を支えていたテルミット(酸化鉄とアルミニウムの混合物)の支柱部分が弱まり、予想外の風圧でヤシの木が倒れたものと見られています。

 その場に居合わせた者の証言によると、「ものすごい突風が吹いて、叫び声が聞こえたので、振り向くと、ヤシの木が根こそぎ倒れていた」のだそうです。

 カンヌにあるヤシの木はカンヌ国際映画祭のシンボル的な存在でもあり、カンヌには欠かせない存在でもあります。

 パルム・ドール受賞70周年を記念して、クロワゼット劇場では、芸術家ジャン・クリストフ・ルソーがデザインした金の葉で覆われたヤシの木も設置されています。

 この時期、カンヌ映画祭の話題は多くの報道番組に取りあげられていますが、このヤシの木の事故については、とりあえず、当日の夜には、大きくは取り上げられていないのは、被害者の容態が大したことなかったのか?それとも、華々しい映画祭のイメージには、ふさわしくないと思われたのか?

 ニュースを掘り起こせば、いくつかの報道はあり、目撃者によれば、なかなかインパクトのあるヤシの木の倒れ方で、なにしろ、数メートルもあるヤシの木が根こそぎ倒れ、電線まで切断されたというのですから、そんなに小さな事故とも思えないのに、不可解なことです。

 怪我をされた日本人のプロデューサーの方の1日も早いご回復をお祈りしています。


カンヌ国際映画祭 日本人プロデューサー重症


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2025年5月17日土曜日

恐怖の腹痛に見舞われた夜と翌朝の歯医者

  


 最近、睡眠障害から、なにやら空気が送られてくるマスクのようなものを着用して寝るハメになって、その奇妙なマスクになかなか慣れなくて、眠りにつくまでに少々、時間がかかるようになっていました。

 それでも、睡眠は大事・・と自分に言い聞かせ、きちんと眠ることが治療なのだからと、一生懸命、寝るように心がけてきました。一生懸命、寝るというのもおかしな感じですが、睡眠に対して、生まれて初めて真剣に取り組んでいるような気持ちです。

 最近、ようやく、このマスクにも慣れ始め、まあまあ少しずつ、マスクをしていても眠れるようになってきたのですが、昨夜は眠るには眠れたものの、夜中から明け方にかけての時間帯に、なぜか妙にお腹の奥底で鈍い痛みを感じて、目が覚めてしまいました。

 吐き気がするとか、下痢のようにトイレに行きたいとか、そういうのとも違う感じで、しかし、この正体がわからない鈍い痛みが何なのか?このまま、また寝付けはしない感じの気味の悪い痛みでした。

 電気をつけてしまえば、また目が冴えてしまいそうだったので、そのまま、一応、トイレに行っておこうと思って、トイレに座り込んだが最後、急激にお腹の痛みが増してきて、脂汗がとまらなくなりました。

 だからといって、上からでも下からでも(へんな表現で失礼)、痛みのもとが出てくれたら、早くすっきりするのにと思いつつ、必死に片手にしていた本を読みながら、なんとか気を散らそうとしつつ、トイレでその痛みが去ってくれるのを待ったのですが、そんな時に限って、読んでいた本は読み切ってしまうという運の悪さ。

 真夜中にトイレにこもってひたすら脂汗が出てくるのに耐えるというのは、怖いものです。

 なんか、悪いものでも食べたのか?いやいや、生ものとか、怪しいものは食べていないので、何なのか?思い当たることもありません。

 2時間くらい経った頃でしょうか? ようやく気が確かになってきて、なんとかベッドに行っても大丈夫かも・・?と思ったので、再び寝ることに・・。

 しかし、翌朝、早くには、こんな時に限って、久しぶりの歯医者さんの予約が入っていたので、携帯のアラームをかけることに・・ふだんは滅多にアラームをかけることがないので、気が付かなかったのですが、アラームをかけると、あと〇時間後・・というのが出るのですね・・なんと、2時間後・・という表示が出て初めて、そんなに長い時間、トイレで一人で格闘していたのか?と気付いて、あらためて、ガックリ来ました。

 とにかく、ふつうじゃなかった痛み・・これはこれで来週、かかりつけのお医者さんに予約を入れました。まったく医者通いばかりが増えて、自分でも情けないです。

 久しぶりの歯医者さんは、来るたびにキラキラ綺麗になって行く様子。来るたびに思うのですが、子どもみたいだけど、歯医者さんって本当に嫌いです。

 奥歯の詰め物がとれてしまったところが欠けそうになって・・と言うと、さすがにずっと通っている歯医者さん・・しっかり私に関するデータが蓄積されていて、「その歯は、2013年に治療したところだから、もう寿命だったわね・・治療には、セラミックだと300ユーロ、それよりもっとよくしたければ、500ユーロかかるわよ」と。

 これはこれで、別の意味で具合が悪くなりそうなショッキングなニュース。

 奥歯だし、インプラントとかでもないので、もう最低限の治療で良いです・・と答えながら、昨夜の腹痛の次はまた別の痛み・・。

 いつも思うのですが、歯の治療をしてくれている間は痛みに耐えながら口をあけているというのに、なんで、歯医者さんというのは、こんなに人に話しかけるんだろう? と。

 歯医者さんて、お医者さんではあるものの、なんだか職人というか工事してる人みたい・・などとぐるぐる考えながら、昨夜、あまり眠れていないせいもあって、久しぶりの歯医者で、ガリガリと歯を削られたり、レントゲンを撮られたりしながら、もう気を失いそうになりながら、ひたすら、少しでも早く、ここから退出したい・・とひたすら願っていたのであります。

 それでも、この日の治療はあまり時間がかからず、30分ほどで終わりましたが、なんだか、昨夜はいつ寝たんだか?起きたんだか?よくわからない・・一日が昨日からずっと繋がっているような妙な一日でした。

 歯医者さんには、できるだけ行きたくないので、念入りに歯磨きもしているのに、やっぱり定期的に来るハメになることをひたすら恨めしく思うのです。


腹痛 歯医者


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2025年5月16日金曜日

30年以上も続けられたサンブレ強姦魔ディノ・スカラの犯行と追訴

  


 過去40年間で最大の性犯罪者の一人として知られている「サンブレ強姦魔」は、30年以上もの間、同じ方法、同じ地域で犯行を繰り返してきました。逆に言えば、警察はこれだけ長い間、彼を逮捕できなかったことで、被害者を増やし続けてしまったということもできます。

 彼はすでに2018年に逮捕され、2022年の裁判で54件の強姦を含む性的暴行事件で有罪となり、懲役20年の判決を受け、すでに拘留されていますが、今回、あらたに16件の性的暴力事件についての裁判が行われ、この事件が再注目されています。

 この「サンブレ強姦魔事件」は、フランス北部サンブレ渓谷を挟んでベルギーとフランスの両方にわたって同地域で犯行が続けられた事件で、最初の犯行は本人曰く、1984年のことで、それから彼が2018年に逮捕されるまで33年間にわたって続けられていました。

 彼の手口はいつも同じで、帽子などで顔を隠して、手袋をして、早朝に通学、通勤中の女性を背後から襲い、ナイフやロープでターゲットの女性を脅し、犯行に及ぶというもので、これがなぜ?そんなに長いこと、逮捕できなかったのかと疑問にも思うのですが、この徹底して顔を見られないように突然、被害者を襲うことで、被害者側の記憶が曖昧だったり、また、当時はDNAファイルが適用されていなかったこともあり、また、彼自身には犯罪歴がなかったために、彼の記録が警察側になかったことなどが挙げられています。

 そのうえ、彼自身は凶悪な性犯罪者という一面とはうらはらに、極めて周囲の人々には評判のよい善良な市民であり、良い父親でもあり、地元サッカーチームのコーチなど、地域活動などにも積極的に参加する人であり、また、アルコールや薬物に依存している人物でもなく、いわゆる犯罪者のイメージとはかけ離れた人物で、彼自身の二面性から、この人物の犯行とは疑われなかったためであると言われています。

 しかし、彼が続けてきた犯行は、いつも同じ時期、毎年9月中旬頃から始まり、4月から5月まで続き、ほぼ同じ時間、同じ場所、同じ瞬間に周期的に繰り返されてきました。

 当初は同一人物の犯行とは考えられずに別々のファイルに記録されていた事件がデジタル化により、共通点が絞りこまれ、また、別の警察署の管轄のものが統合して比較検討されるようになり、徐々に彼に容疑が絞りこまれていったようです。

 しかし、それにしても30年もかかるとは・・まるで小説かドラマみたいな話だ・・と思ったら、この事件はすでに「サンブレ」と名付けられた本になり、フランス2でもドラマ化されて放送されていたようです。

 彼は2022年の裁判のときに、自分の行動にはある種の興奮があったが、自分の喜びは実際には性行為自体からよりも、犠牲者を驚かせ、コントロールすることにあったし、これは一種の自分の中の「狩猟本能」であると説明しています。

 もはや30年以上も経過してしまった数々の事件のひとつひとつを彼自身が記憶しているかどうかも定かではないとはいえ、被害者にとっては、決して忘れられないトラウマであるに違いない事件、これまでに彼が54件の罪で裁かれているとはいえ、今回、追訴されている16件の事件の被害者ひとりひとりにとっては、見過ごしてほしくない事件であったに違いありません。

 そもそも性犯罪者は明らかに、ずっと性犯罪者の面を見せているという人はむしろ稀であり、表面的には善人の顔を装っている人がほとんどだろうし、むしろ、性犯罪者こそ、再犯が多いと言われる犯罪。このサンブレ強姦魔については、あまりに長期間に犯行が及んだこともあり、被害者数もちょっと信じられないくらい多いのですが、しかし、このようなケースは一概に稀であるとも言い難く、有名な俳優やタレントなどの性加害事件などのケースを見ていても、被害者数はかなりの数に及んでいる気もします。

 

サンブレ強姦魔


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2025年5月15日木曜日

最近、再び、見直しているお店 Nous Anti Gaspi ヌ・アンチ・ガスピ

  


 このお店を発見した時は、「なるほどね・・いいじゃん!」くらいに思っていたのですが、最近、たまたま、行く先々の近くでこのお店に遭遇することが重なって、まあ、時間もあるし、掘り出し物でもあれば・・と思って、あまり期待せずに見て行ったら、「やっぱり、ここ、いいかも? さすがにやっぱり安いかも・・?」とちょっと、機会があれば、寄ってみるようにしています。

 Nous Anti Gaspi はパリ市内に14店舗もあるそうで、どうりでよく見かけるようになったわけだ・・と思います。名前のとおり、食品廃棄物を減らすことをモットー?としており、野菜だったら、不揃いだったり、規定外の形だったりするものや、その他、他のお店で商品として、出せないものだったり、捌ききれないものだったりを値段を下げて売っています。


 今では、Nous Anti Gaspiの自社ブランドの商品もけっこうありますが、それ以外は、基本、色々なお店の在庫処分のようなものなので、いつもいつも同じものを売っているわけではないのですが、それでも、ふつうのスーパーマーケットで買うよりも、見たところ、どこが違うかわからないようなものが、ずっと格安に売られています。



 なので、カーフールブランドのものだったり、モノプリブランドのものだったりするものも、同時に同じところに並んでいるのが面白いところです。



 お国柄ともいうべきか?やはりこのお店で極端にお得な感じがするのは、バターやチーズなどの乳製品やハムやソーセージ類などは、かなり掘り出し物がある気がします。




 最近はインフレでどんな食料品もビックリするほど値上げしていて、会計の段になって、「えっ?こんな値段になっちゃった?」と思うのに、このお店だと、チーズやハム類、野菜ちょっと買っても(選び方にもよりますが・・)たいてい10ユーロ以内で済んでしまうので、やっぱりお得感があって、すごく倹約できた気がして、なんだかとっても満足です。




 この間も、エシレバターをみつけて(これもいつもあるわけではありませんが・・)小さいパッケージでしたが、1.35ユーロで、小さいパッケージにしたって、これやっぱり安いよな・・とビックリしました。

 最近は、すごく美味しいものはもちろんのこと、この倹約できた!と思える買い物をすることが楽しみのひとつとなっているのです。


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2025年5月14日水曜日

パリ11区で朝から誘拐未遂事件 ターゲットはまた、暗号通貨会社CEOの家族

  



 平日の朝8時半頃、ちょうど子どもたちが通学する時間帯にパリ11区で暴力的な誘拐未遂事件が発生しました。

 まことに今どきというか、この誘拐未遂の模様を隣人が撮影しており、犯行の一部始終の映像がSNS上で、瞬く間に拡散しました。

 この映像によれば、黒づくめの男性3人が若い女性と2歳の子どもを無理矢理ひきずって、クロノポストのバンにのせようとしていますが、この若い女性はかなり勇敢だったようで、必死で抵抗し、叫びながら、地面に横たわり、抵抗を続けています。この女性のパートナーらしき男性も必死で彼女を助けようとしています。



 この事態に気が付いた隣人が消火器を持って、応戦に加わり、ついには、この誘拐犯たち(運転手も含めて4名)は、誘拐を断念し、そのまま逃走しています。

 誘拐犯はエアガンを所持して、脅してバンにのせるつもりだったものの、女性が銃を振り払ったことで、凶器を落としてしまい、想像以上の女性の抵抗と周囲の応戦に誘拐未遂のまま逃走するに至ったようです。

 この女性は、2011年に設立されたビットコイン取引のヨーロッパの先駆者を自称するフランスの暗号通貨取引プラットフォームである暗号通貨会社ペイミウムのCEOの娘と孫であり、つい、先日も暗号通貨会社のCEOの父親が誘拐され、切断した指を送りつけられるという残忍な事件が発生したばかりです。

 しかし、今回の誘拐未遂事件は、女性がかなり勇敢であったと同時に、いくらなんでも、こんな通学時間帯という人通りの多い時間帯を選んだところが、誘拐というかなりリスキーな事件を起こすわりには、杜撰な計画。

 それにしても、この暗号通貨取引の億万長者ばかりが、立て続けに、なぜ?誘拐のターゲットにされているのか?

 この犯行に使われたバンは数百メートルの地点で乗り捨てられているところを発見されているようですが、誘拐犯は逃走中です。

 この暗号通貨取引関連の億万長者が誘拐事件のターゲットになる理由には、身代金を暗号通貨で受け取ることにより、その受け渡しの手間がなく、その後には、跡形もなく形跡が消えてしまうことによるものとも言われていますが、この杜撰な誘拐のシナリオがあまりにお粗末な気がしないでもありません。


パリ11区誘拐未遂事件


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2025年5月13日火曜日

サンジェルマン・デ・プレのルイ・ヴィトン ここ8ヶ月間で3度目の強盗被害

 


 ルイ・ヴィトンに強盗が入った!というので、「えっ??どこどこ?どこのルイ・ヴィトン?」と思ったら、なんとサンジェルマン・デ・プレにあるルイ・ヴィトンのことでした。

 あまり、ルイ・ヴィトンのお店に入ることはないけれど、この界隈は時々行くので、遠目に見ているだけですが、なんとなく、見るたびに大きくなっていくような・・いつでも工事しているような印象でした。

 サンジェルマン・デ・プレは私の好きな場所でもあり、いわゆる日本人がイメージする美しいパリを体現できるような、そんな場所でもあります。

 個人的には、ここにルイ・ヴィトンはなくていいのに・・と思うのですが、そこはさすがにルイ・ヴィトン・・ここを逃さないのも凄いところ・・かもしれません。

 そもそも、そんなにサンジェルマン・デ・プレは、そんなに大きなところではないこともあって、ルイ・ヴィトンのある場所も駅からすぐそこのところで、カフェ・ドゥマゴの並びにあります。

 そのドゥマゴのテラス席スペースがテントを張って、大きく場所をとっているので、この並びにどうやって車を突っ込んだのか?とビックリしますが、まあ車道ではあり、早朝ということで、突っ込もうと思えば突っ込めないこともないかもしれません。

 そもそも今回の強盗事件が起こったのは月曜日の早朝5時頃のことで、しかも、強盗被害に遭ったのが3度目という狙う方も狙う方ですが、狙われる方も狙われる方という気がしないでもありません。

 この店舗は昨年の9月、11月に同様の車両を使った強盗被害に遭っており、この過去2回の強盗捜査によって、すでに4人が公判前拘留されているということで、同一人物の犯行ではないものの、同一組織の犯行であるということは、あり得るのかもしれません。

 一時、パリでの暴動が悪化し続け、多くのお店が襲われたり、火がつけられたりした頃に、多くの店舗はシャッターをおろしたり、ショーウィンドーをガードしたり、一様の措置を講じていましたが、ヴァンドーム広場にあるルイ・ヴィトンは、鉄格子のようなバリアでありながら、さすがルイ・ヴィトン・・鉄格子もおしゃれ・・と感心するようなバリアでお店が覆われていたことがありました。

 さすがに、こんなに頻繁に襲われるのならば、このサンジェルマン・デ・プレのルイ・ヴィトンも夜間・営業時間外は、この手のガードが必用なのかもしれません。

 この手のハイブランドを狙った強盗は、残念ながら、そんなに珍しくはないパリではありますが、いかにもセキュリティがきつそうでありながら、鮮やかとも言える感じで強盗があっさり高額商品を手に入れて、去っていくのが不思議といえば、不思議な気がしないでもありません。

 今回の強盗は車で店舗に突っ込んで、数分のうちに商品を車に積み込み、A4高速道路を逃走していったということで、現在のところは、その車はイタリアナンバーであったということくらいです。

 イタリアナンバーの車だったということで、この犯行に及んだのがイタリア人とは限らないのですが、なるほど出稼ぎということもあり得るのか・・と妙な感心をしたところです。

 パリはやはりヨーロッパの中では、強盗だけでなく、スリや置き引き、詐欺など、観光客が多く集まる場所として、多くの犯罪者も出稼ぎにも人が集まる場所でもありますが、こんなダイナミックな犯罪に一店舗が3回も被害に遭うというのは、やっぱりなめられてる?気もしないでもありません。


ルイ・ヴィトン強盗 サンジェルマン・デ・プレ


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2025年5月12日月曜日

フランスとポーランド 相互防衛友好条約締結

  


 マクロン大統領とポーランドのドナルド・トゥスク首相は、フランス・ナンシーで相互防衛協力と友好のための条約を締結しました。

 ポーランドはフランスで生活している限り、フランスにとって、あまり大きな存在と感じることもないのですが、実は、ポーランドはフランスにとっての中央ヨーロッパにおける最大の経済バートナーでもあります。

 ポーランドは1999年にNATOに加盟、2004年に欧州連合に加盟し、ワイマール・トライアングル(ドイツ・フランス・ポーランドの首脳が集まる強力グループ)のメンバーでもあり、幾重にも重なって、関係を結んでいる国です。

 本来ならば、EUにしてもNATOにしても、それに加盟している時点で、両国ともに、相互防衛の役割を担っているはずのところ、また、新たに、このような敢えて二国間での相互防衛友好条約を結んでいくことで、より強い連携を高めていくものと考えられます。

 現在も続いているロシアとウクライナの問題についても、現在も、そして、この闘いが停戦になったとしても、終戦になったとしても、今後も存在し続けるロシアへの脅威からの防衛を欧州の力でなんとか固めていこうとしている動きの一つと見られます。

 まさに、この相互防衛友好条約締結後にマクロン大統領は、英国、ドイツ、ポーランドの首相とともにキエフを訪れ、ゼレンスキー大統領とともに、キエフからトランプ大統領とも電話会談を行い、モスクワに対し、30日間の無条件かつ完全な停戦を受け入れなければ、「大規模な制裁」を加えるという最後通牒を突きつけています。

 この停戦要求は翌月曜日にも・・という要求であったものの、モスクワ側は、5月15日にウクライナ側との直接交渉を望むとしており、このモスクワ側の反応に対して、この欧州メンバーは全く満足しておらず、まだ、プーチン大統領は時間稼ぎをしようと試みていると読んでいます。

 そもそも、トランプ大統領も提案しているこの30日間の停戦案に対しては、ゼレンスキー大統領は、もう2ヶ月前から、停戦に同意しているにもかかわらず、はぐらかし続けているロシアの態度にしびれを切らしているものでもあります。

 話はフランスとポーランドの相互防衛友好条約に戻りますが、これは、文字どおりの相互防衛の約束ではありますが、フランスは英国と並んで、西ヨーロッパで唯一核兵器を保有している国でもあることから、「核の傘拡大」に繋がる恐れもあるとの見方も出ています。

 しかし、この「核の傘」問題については、実際にはフランスの核兵器を防衛同盟国が自由に使えるというわけでもなく、「核保有の脅威」としての役割という意味においては、悪くない相互防衛のような気もしています。


フランスとポーランド 相互防衛友好条約


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2025年5月11日日曜日

土曜の午後の公園

  


 週末、土曜日の午後、たまたま公園・・というか、児童公園の近くを通りかかったら、お天気が良いこともあるのか? 楽しそうに遊具で遊ぶ子どもたちと、それを見守るママたちでけっこう賑わっていました。

 こういう児童公園にあるような遊具で遊ぶのは、せいぜい小学校低学年程度の子どもたちだと思うのですが、フランスでは小さい子どもたちもけっこう遅い時間まで学校があるので、平日はあんまり使われていないような気もします。

 それでも、学校がお休みの水曜日や土曜日などには、子どもをこのような公園で遊ばせている人も多いようで、そうか・・土曜日の午後や日曜日には、こうやって子どもを遊ばせているんだな・・と、今さらのようになんだかほのぼのとした気分になりました。

 というのも、私自身は、子どもが小さい頃から、土曜日といえば、超忙しい一日で、お休みでありながら、全くお休みではないようなのが土曜日でした。

 午前中には、洗濯をしたり、掃除をしたり、ひととおりの家事をざっと済ませ、昼食の支度をして、食べさせると、もうそれからは大変で、昼食が終われば、娘をバレエのレッスンに連れていき、レッスンの間は、娘のレッスンの様子を眺めつつ、本を読んだり、書き物をしたり、レッスンが終わると、娘を速攻で着替えさせ、次は公文(日本語)の教室へ移動。

 移動に使うバスがちょうど微妙な時間帯で、もう駆け足状態。娘を公文の教室に押し込むと、娘が日本語の勉強をしている間に、公文の教室がオペラ界隈にあったために、その周辺の日本食材店をハシゴして買い物。

 数店舗をまわって、けっこうな食料品をいっぱい抱えて、娘を再び、ピックアップして、帰宅。もう家に帰ると夕方で、食事の支度をして、ご飯を食べて一日、終了です。

 こんな感じが、娘が2歳の頃からずっとだったので、土曜日で仕事がお休みとはいえ、とても、児童公園で遊ばせるというゆったりとゆっくりした時間を過ごすことはなく、常に土曜日は運動会のような感じでした。

 こうして考えてみると、私の子育ては、なんだかドタバタした感じで、こんなふうに、休みの日をゆっくり公園で遊ばせる・・なんてことはしたことがなかったんだな・・と、ちょっとこんな時間もあってもよかったな・・と、今になって、公園で子どもを遊ばせているママたちのひとコマを眺めながら、ふと思ったのでした。

 公園といえば、一つだけ思い出すのは、娘はなぜかブランコが大好きで、そして、なぜかフランスの公園には、このブランコというものがほとんどなくて、たまにブランコをみつけると、わざわざ公園に行ったわけでもないのに、「ちょっとだけブランコに乗ってきてもいい?」とブランコに飛びついていきました。今でもなぜか、ブランコというものは、滅多に見かけないのです。


児童公園


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2025年5月10日土曜日

長年お世話になった電子レンジが突然壊れて・・

 


 よく電気製品には当たりはずれがあると言いますが、やけに早く壊れてしまうものと、やけに長持ちするものと・・。そんな中でも、かなり我が家で、特に寿命が長かった電化製品である電子レンジが今朝、突然、妙な音をたてはじめ、明らかに異常で、これ以上、色々とやってみるのも、もう怖いので、諦めることにしました。

 この電子レンジは、そもそも、自分で買ったものでもなく、フランスに来てすぐに義姉がもう使っていない電子レンジがあるから・・とくれたもので、かなり古いタイプで、やけに大きいのですが、今まで全然、壊れることもなく、ずっと使い続けてきました。

 TOSHIBAのもので、昔のものの方がものがしっかりしているのかな?と思いつつも、なんとなく、日本のメーカーのものということもあり、もう少なくとも25年以上、その前に義姉が使っていた期間を考えれば、おそらく30年以上前の、なかなかの骨董品とも言えるような電子レンジでした。

 なので、これまで私は電子レンジというものを買ったことがなく、これがだいたいいくらくらいするものなのか?最近はどんな機能が備わっているのか?などなど、全然、知識がありませんでした。

 どちらにせよ、あまり特別な機能がついていても、きっと使わないので、できるだけシンプルなもので良いのです。

 とはいえ、一人暮らしになってからは特に、ある程度の量を作って冷凍して保存するのが基本なので、電子レンジは私にとって必需品です。

 もうこうなったら、さっさと買ってしまおうと、おおよそネットで下見をしてから、やっぱり現物をみたいしな~・・わからないことは直接聞きたいし・・と電気屋さんに出かけました。

 本当なら、ネットで注文して届けてもらってもいいのですが、ないとなると、ものすごく不便な気がしてしまいます。まあ、電子レンジくらいなら、自分で運べないこともないので、これなら、もう自分で買って持って帰った方が配達云々で気を揉む必要もありません。

 もう電化製品の配達ではさんざん、これまでに嫌な思いをしてきた(予定の日時にこない・・もってきたと思ったら壊れている・・などなど)ので、できれば、少々、面倒でも自分で運んだほうが良いのです。

 何か、電化製品が故障した時にしか電気屋さんというものは足を踏み入れないので、そんなに頻繁に行くわけではありませんが、ここ数年は特に来るたびに日本のメーカーのものが消えているような気がします。

 今まで使っていた電子レンジが TOSHIBAで、長持ちしたので、今度もTOSHIBAにしようかな?と、なんとなく思っていたのですが、TOSHIBAのものなど、1つも置いてありませんでした。

 値段は50ユーロ程度のものから、上は500ユーロ近くのものまでありましたが、だいたい平均的には100ユーロから150ユーロ程度のものが標準的な感じでした。

 結果、私は早々に150ユーロ程度のものが割引で100ユーロくらいになっているものを購入しました。

 お金を払って、商品を受け取ると、用意してきたキャディに段ボール箱をくくりつけようと苦心していたら、若い男性の店員さんがやってきて、キャディに荷物を固定してくれました。やっぱり若い子は・・親切!と感激しながら、すっかり頼ってしまいました。

 今までのやたらと大きな電子レンジに比べると、中の容量はあまり変わらないのに、ずいぶんコンパクトになりました。

 この電子レンジには、なんといっても25年以上、娘の哺乳瓶のミルクからつい昨夜までずいぶんとお世話になりました。決して、利用頻度は低くなかったにもかかわらず、この間、洗濯機は2回、冷蔵庫も2回くらい買い替えているのに、ずっと壊れなかった電子レンジともとうとうお別れです。

 最近は、なにか大きなものを買うたびに、これが私が買う最後の○○かも?などと思うのですが、今度の電子レンジと私、どちらが寿命が長いでしょうか?


電子レンジ


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2025年5月9日金曜日

バチカンで白い煙があがった数分後にはパリ・ノートルダム大聖堂の鐘が鳴り響く

  


 バチカンのシスティーナ礼拝堂の屋根に設置された煙突から白い煙があがった数分後、パリではノートルダム大聖堂の鐘が鳴り始め、多くの観光客を驚かせました。

 これは、予告されていたことではなく、また、コンクラーベの2日目であったことから、大方の予想では、もう少し教皇選出には時間がかかるであろうと思われていたこともあり、これを期待して、パリのノートルダム大聖堂を訪れていた人は、ほとんどいなかったと思われます。


 これは、ちょうどパリのノートルダム大聖堂でもミサが行われていた最中だったようで、ちょうど、ミサが終わるころに教皇の名前も発表されました。

 しかし、もしも、この世紀の瞬間?バチカンで白い煙があがった数分後にパリのノートルダム大聖堂に鳴り響く鐘の音をオンタイムで同時中継していたら、なんとなく感動的な感じであったろうし、ましてや、そのどちらかの現場に居合わせたとしたら、信者ではなかったとしても、なんだかとても特別な感じのラッキーな瞬間に遭遇して立ち合えた、なんかハッピーな気分になるような気がします。

 この日はフランスの夜のニュース番組でも新教皇選出がトップニュースとなり、各局特番を組んで、この新教皇のニュースを取り扱っています。

 何よりも驚きだったのは、コンクラーベはもっと何日もかかると思っていたので、この新教皇の人となりよりも、選出が早かったというのがやはり多くの人の意見のようです。

 新しい教皇はアメリカ人だということも歴史的な出来事だと言っています。教皇だけあって、彼は多言語を話すということでしたが、どうもニュースによると彼はイタリア語は話さないらしい・・とも言っていて(真偽は不明)、ほんと?そんなことある?それ大丈夫?と思わないでもありません。

 日本では、どのくらい話題になっている話なのかわかりませんが、俗な言い方をしてしまえば、全世界にこれだけの影響力を持つ宗教、国境を越え、これだけの巨大組織が他にあるものだろうか?と思うと、同時に空恐ろしさも感じずにはいられません。

 番組によっては、プーチン大統領とゼレンスキー大統領とトランプ大統領の間に挟まれて置かれている新教皇の写真などを見ると、複雑な思いに駆られずにはいられない気持ちです。

 69歳の新教皇は、歴史上初のアメリカ人。シカゴ出身の彼は2023年から世界中の司教の任命を担当する強力な機関である司教庁の長官を務めており、長年、ペルーで宣教師として活動し、南米の国チクラヨの名誉大司教でもあります。

 また、彼はラテンアメリカ教皇庁委員会の委員長でもありました。

 新教皇はレオ14世と呼ばれることになったらしいです。


新教皇 レオ14世 パリ ノートルダム大聖堂


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2025年5月8日木曜日

パリのメトロで観葉植物の持ち込みに罰金150ユーロ

  


 日曜日に自宅のサロンに飾ろうと観葉植物を購入した女性が家に持ち帰るために、その鉢植え(高さ1.30メートル)をメトロで持ち帰ろうと、メトロの駅(レピュブリック駅)に入って、駅の通路内を歩いていると、コントロールの職員に呼び止められ「背の高い植物を運ぶのはかさばるので違法」であると言われ、罰金150ユーロを徴収されたと言います。

 彼女は憤慨しつつも、あまりに強く「違法である」ことを強調されたため、その場で150ユーロを支払いましたが、その後、彼女がSNS上にこの件「観葉植物をメトロで運ぼうとしたら、150ユーロも罰金をとられた!」と投稿した結果、その投稿はあっという間に40万回視聴と400件近くのコメントが寄せられました。

 彼女は投稿の中で、「地下鉄に植物を持ち込んだために、150ユーロの罰金を課せられるという不愉快な思いをしました」、「地下鉄でキセルなどの不正行為をするよりもコストがかかることを知って、とても驚きました」・・・・。

 彼女は70ユーロだったという観葉植物を運ぶために150ユーロ支払うことになったわけです。

 たしかに、RATP(パリ交通公団)では、運輸法典R2242-17条によると、「その性質、量、または不充分な梱包により、乗客に危険、妨害、または迷惑となる可能性のある物体を輸送または、運送する者が公共の旅客輸送に使用される車両に立ち入ることを禁止」しています。

 ただし、彼女が罰金を請求されたのは、駅の通路でのことで、メトロの車内どころか、駅のホームにさえも達していませんでした。

 しかし、RATPによれば、メトロで輸送できる荷物は最大2メートル、しかし、幅は20㎝を超えないもの(これはスキー板を想定したルールだと思われる・・が今どき、スキー板をかついでいる人はほぼほぼ見かけません)とされているので、この幅20㎝のところで、たしかにこの観葉植物は違反といえば、違反です。

 しかし、こんな杓子定規にルールをふりかざされるのは、フランスではめずらしいことで、どちらかといえば、緩くて臨機応変なところがよいところなのに・・。

 悪意が感じられるのは、それならば、駅に入る前の改札の時点で、「これはメトロには持ち込めませんよ・・」と注意してくれればよいものの・・、改札は通過させておいて、いきなり捕まえて罰金というのも意地悪な感じでもあります。

 なんなら、もっと邪魔な荷物を持っている人もいるし、ついこの間、自転車を引いている人を見かけて、メトロに自転車を持って乗る人って、久しぶりに見るな~と思ったばかりでした。

 しかも、彼女が植物を運ぼうとしていたのは、日曜日で明らかにウィークデーよりも人出が少ない日です。

 当初は、RATPも「この措置は妥当であった」、「一度支払った罰金に対しては異議は唱えられない」などと言い張っていたのですが、結局は、このSNS上での炎上に負けたのか?RATPはこの150ユーロを女性に返金することを約束したそうです。

 そもそも、このルール自体が少々、おかしいようにも思うのですが、なんなら、スキーの板の方がよっぽど怖い気もします。

 こんな騒ぎがあったせいか、メトロ等での大型荷物について、RATPはサイト上に詳細なルールを取りあげています。

 これによると、スーツケース、バッグ、各種荷物は最大寸法75㎝未満、長さが2メートルまでで、その寸法が20㎝を超えない荷物(例:スキー板)を垂直に持つ場合までが許可されているようです。

 これに比べるとバスは、少々、規則は緩く、他の乗客の妨げにならない限り、荷物は持ち込める・・となっています。

 しかし、住民はもちろんのこと、こんないちゃもんをいきなり突き付けられて、150ユーロも請求されるとなったら、特によく言葉もわからない観光客などには、たまったもんではありません。

 

パリのメトロ 大きな荷物罰金150ユーロ


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2025年5月7日水曜日

週末連休のSNCF(フランス国鉄)のストライキとRATPの線路に舞い降りた白鳥

 


 かねてから5月の週末連休(といっても飛び石)のストライキを予告していたSNCF(フランス国鉄)の運行に関して、SNCF社長は、「約9割の列車は運行できる」と発表しています。

 ということは、少なくとも1割の列車はキャンセルされるわけですが、今回は、ボランティア要員による欠員の補充により、かなりの部分が補えるものとしています。

 キャンセルされたチケットに関しては、「手数料なしで交換、払い戻し可能」と当然のことを堂々と述べ、このキャンセルされたチケットを予約していたお客様には、8月29日まで有効な50%割引券を配布する」とのことです。

 もう、こんなことなら、SNCFは嫌だ!という客離れを防ぐためとも見られます。

 しかし、これはSNCFのよくやる手の一つで、私は一度、ユーロスター(ユーロスターの経営もSNCF)の予約がキャンセルになって、そのまま返金してくれれば良いものの、返金ではなく、金券(しかも有効期限つき・・しかもパンデミックの最中)を戻されて、結局、使えないままで、捨てるハメになり、大変、憤慨した思い出があります。

 今回のストライキは、SNCFの定年間際の車掌が中心の賃上げ要求のストライキで、しかも、これは、年金増額につながる定年前6ヶ月間の給与が少しでも上がれば、年金の計算上、有利になるためという、本当に虫のいい話。

 そもそもオリンピックを盾に特別ボーナスや定年の年齢前倒しなど、すでにけっこうな利益を得ている彼らがまたストライキというのも益々腹立たしい話です。

 もとより、これらのSNCFとかRATPなどの公共交通機関の定年の年齢や年金などの制度や福利厚生などに関しては、一般社会人とはかけ離れた待遇で、ある種の特権ともいうべく対応がなされているにもかかわらず、彼らには、国民の足を人質にできるストライキという武器があり、この砦はなかなか崩されないようになっているのが腹立たしい話です。

 ならば、こんな交通機関はできるだけ利用したくない・・と私などは、連休やバカンス期間はまず、予定から外してしまうのですが、子どものいる人などにとっては避けようもないことです。

 そんな中、RER A線ビュシー・サン・ジョルジュ駅で白鳥が線路に舞い降り、悠々と線路を歩き始めたために、1時間半にわたって、交通が中断したという利用者にとっては、迷惑千万な話ながら、なんともほのぼのとしたニュースもありました。



 よく飛び込み事故などがあって、電車を停めると大変な賠償金の支払いを求められるなどという話を聞きますが、白鳥の場合には、請求しようもないし、多くの乗客の見守る中、線路を悠々と歩く白鳥には、なんとなくホッコリさせられます。


 白鳥は駅員によって無事、保護されています。


SNCFストライキ


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2025年5月6日火曜日

あっさり買えるものと、なぜかなかなか買えないもの

  



 そもそも私はあまりショッピングというものが昔から好きではないので、あまりショッピングを楽しむというタイプでもなく、私にとってはウィンドーショッピングというような習慣?は、ほぼほぼありません。

 それでも、最近は、街中を歩いていて、ふらっとお店の様子を見てみたりすること もないこともないのですが、まず何も買いません。

 買い物をするときは、ある程度、まとめて・・洋服などは、最近は日本に行ったときのユニクロくらいなものです。

 若い頃、本当に洋服が好きでおしゃれをしたくて、ほしいものがたくさんあった時期もあったのですが、見に行くのが買うときで、また、かなり好みもハッキリしているので、あまり迷うこともなく、第一印象と、ある程度の範囲内の価格であれば、あっという間に買い物は終了してしまうので、私の買い物はものすごく早いです。なので、自分のペースで買い物したいので、あまり人と一緒に買いものに行くこともありません。

 なのに・・そんな私が最近、とても迷っているのは、ベッドのマットレスで、これには、二の足を踏み続けています。実は今日もサイトで下見をしてから、お店に見に行ったのですが、まさかの店頭販売はない(サイトでは売っているのになんで???)とのことで、ガッカリ。

 日本に行ったときに、娘が友人からもらったというマットレスがびっくりするくらい寝心地がよくて、これはぜひ欲しい!特に現在、睡眠時に呼吸の問題がある病気の治療中ゆえ、睡眠に関して、とても真剣に取り組まなければ・・やっぱり寝具、マットレスって大事だと思ってフランスに帰ってきてから、探しています。

 日本の家にあったマットレスと同じものが買えれば簡単なのですが、これが日本製のもので、製造元なども調べたのですが、フランスで買うことはできません。まさか、日本で買って、フランスまで運ぶとなれば、大事なので、なんとかフランスで良いマットレスを探そうと最近、色々、見て歩いていますが、お店に行って、ちょっと寝転んでみるくらいはできるのですが、実際に眠ってみることはできないので、一体、どれがいいのか?決めかねています。

 以前、私が使っていたマットレスは今の家に引っ越してきたときに、夫がどこかから買ってきたもので、その後は、娘が使っていたベッドを使っています。

 おそらく、そんなに頻繁に買い替えるものではないので、私が自分で自分のために買う最初で最後のマットレスになるかと思うと、そんなにケチるつもりはないのだけど、まさにピンキリです。

 なによりも、寝心地が一番なのですが、あのマットレス(日本にあったもの)ほど、ちょっと横になってみただけで、「これは!」と思えるものに、まだ出会えていません。

 考えてみれば、これまでに私はあまり大きな買い物というものをしたことがなく、家を買ったこともなければ、車を買ったこともなく、私がフランスで一番、大きな買い物をしたのは、夫の墓石くらいなものです。

 しかし、墓石ですら、こんなに悩みはしませんでした。

 金額にしてみれば、なんとなく目をつけているマットレスは500ユーロ程度のものなので、金額的にということなら、日本に行くときのチケットや旅行のときのホテル代など、もっと高額な金額をあまり躊躇することなく消費しているのに、なんで私は、こんなマットレスごときで、こんなに迷ってしまうんだろうか?となんだか、自分でウンザリしてきます。

 なんだか、妙になかなか思い切りがつかないものってあるものだ・・と。

 思うに、家には、余分なスペースはないので、買ったものが気に入らなかった場合に始末に困る、そうそう簡単には捨てられないし、変えるのもなかなか大変なうえに、日頃、あまり買う習慣のない大きな買い物のために腰が引けてしまっているのだと思います。

 なんなら、睡眠グッズとして、日本にある抱き枕のようなもので良さそうなものも見つけたのですが、これもフランスでは買えません。

 どうせ買うなら、一日でも早く買って、早く、より心地よい眠りにつきたいと思うのですが、こうなったら、自分で期限を決めて、今月中にはなんとかしようと、思っています。

 一日の3分の1程度、毎日毎日使うもの、実はとっても大事なものです。もしも、良いマットレスがあったら、教えてください。


マットレス


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2025年5月5日月曜日

仮想通貨会社の社長の父親誘拐・監禁 指切断画像の脅迫

  


 5月1日午前10時半頃、パリ14区でフードをかぶった男たちが一人の男性を誘拐しました。この誘拐の様子は、かなり派手に行われたようで、この男性が配達用のバンで連れ去られるところを多くの人々が目撃しています。

 この男性は、莫大な資産を築いた仮想通貨会社の社長、いわゆるデジタル億万長者の父親で、誘拐されるとまもなく、この社長は身代金数百万ユーロ(500万~700万ユーロと言われている)が要求されました。

 そして、この誘拐犯たちは、身代金の要求にプレッシャーをかけるため、この父親の指を切断した画像を送っていました。

 この父親が誘拐された時点では、この社長はマルタにいたものの、この身代金要求を受けるとただちに警察に通報し、自分もパリに戻って、捜査官とともに警察に詰めており、父親の切断された指の画像を受け取ったときに、彼はすでに警察とともに、その脅迫状を見ていました。

 この捜査には、特別捜査隊が設けられ、この父親の捜索には、BRI(Brigarde de Recherche et d'Intervention)が介入し、誘拐から約60時間後にパレゾー(エッソンヌ県・イルドフランス地域圏)に監禁されているところを救助されました。

 誘拐された父親の年齢が50歳だった(若い)というのにも驚いたのですが、父親が50歳ということは、この億万長者の社長は何歳だったのでしょうか? そして、今回の事件で逮捕された7人の男たちも、1998年から2005年生まれの20歳から27歳の若者たち?ということで、その年齢層での集団誘拐・・恐ろしい話です。

 今回は、特別捜査のおかげで、監禁場所の特定ができ、比較的早くに救出することに成功しましたが、誘拐犯たちは、他にも、銃器、刃物、鈍器などを所持していたことがわかっており、これがさらに時間が経過していれば、指だけでは済まなかったかもしれない・・とも言われています。

 ここ数年にわたって、急速に拡大したこの仮想通貨システムにより、莫大な資産を築いた新たな富裕層が生まれ、彼らは非常に有名で、羨望の的となっていることから、この財産を狙った今回のような極めて暴力的な手段でそれを奪おうとする犯罪が増加しているようです。

 この社長は、脅迫を受けたのは今回が初めてでなかったようですが、誘拐(父親)、身代金要求を受けたのは、初めてのことで、彼の父親は身の安全を脅かされ、指を失っています。

 それでも、彼は身代金は全く支払わずに、父親を救出できたそうですが、仮想通貨で身代金が支払われた場合には、その後、仮想通貨の追跡が難しく、痕跡が残りづらいために、このような犯罪を企てるのではないか?とも言われています。

 巨額の富を得て、幸せだと思いきや、自らの、またその家族の安全な生活が脅かされるという恐ろしい事態。いったい、巨額の富は幸せなのか?と考えてしまいます。


仮想通貨会社社長の父親誘拐 指切断


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2025年5月4日日曜日

大きな雹(ひょう)が降る5月のパリ

  


 ここ数日、パリは30℃超えの暑い日が続いていて、それでも、比較的、湿度は低いので、木陰や日陰などに入れば、ホッとすっきりするのも助かるな・・と思いつつ、お天気が良いのはよいけれど、さすがに数日、この気温が続いていくと、もう締め切った空気でさえも、だんだんとどんよりしてきて、ちょっと身体がだるく感じるようになっていました。

 土曜日の午前中は、また晴天でしたが、それでも、昨日までほどの気温の上昇はないものの、お天気で、そこそこの気温でした。ところが、夕方になるにつれて、午後4時頃に急速に雲行きが怪しくなってきて、もしかして、雨が降るかも??と思っていました。

 その日、私は、家の中で掃除をして、ちょっといつのまにか溜まっていた雑誌などを山積みにしたりしながら、紙ってやたら重いものだな・・と思いながら、このゴミを捨てるのは明日でいいか・・と、玄関の扉の前に袋詰めにしたところでした。



 急にものすごい風・・というか、もう嵐のような突風が吹き始め、暴風雨??いやいや急いで、開いている窓を閉めなきゃ・・とキッチンの窓を閉めに行きました。

 ところが、これが、単なる暴風雨ではなく、この嵐には、大粒(粒とはいえないピンポン玉?ゴルフボール?くらい)の大きさの雹(ひょう)で窓ガラスに飛んでくる雹がパチパチというよりもカチカチ・・こつんこつんという感じに窓に吹き付けていました。

 また、風速もけっこうな強さのために、この大きさの物体が、頭や顔にあたったら、ちょっと痛そうかも?と怖くなるくらいのちょっと暴力的な感じの雹で、とりあえず、窓を閉めるのが大変なくらいの風速でした。(窓は引き戸ではなく、上の部分を手前に開閉するタイプの窓なために、外から吹き込んでくる風が強いと、全力で窓を支えても、完全に窓を閉めるのは、なかなか大変です。

 さすがに、これが長時間続くことはないだろうと思っていたら、案の定、これは、せいぜい15分~20分程度のことでしたが、ちょっと焦りました。しかし、家の中にいて、幸いでした。

 しかし、この突然の暴風雨と雹に、パリ市内は少々、混乱したようで、この異常気象に洪水のためにパリ市内の2・3・6・7・9号線のメトロの駅が閉鎖。


 パリのメトロの駅は、その駅にもよるのですが、その駅の出入り口は階段で少し降りていく程度の駅もけっこうあるのですが、(これが上がってくるときには、メトロの階段からパリの街の緑や青空が見える景色がきれい)このような突然の大雨などの被害には、めっぽう弱いつくりになっています。

 これまでも、パリに雹が降ったことはありましたが、今回のような、ちょっと危険を感じるような大きな雹を見たのは初めてのこと。

 この雹のために、パリの気温は数分で27℃から15℃まで下がったようです。

 これは、気をつけないと体調崩しそうです。


パリ 雹 ひょう


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2025年5月3日土曜日

仏大手製薬会社サノフィ 子会社オペラ(ドリプラン)の株式の50%を正式に売却

  


 昨年の10月に発表されたとおり、仏大手製薬会社サノフィは、子会社オペラの株式の50%をアメリカのファンドCD&Rに売却することを正式に決定しました。

 この発表がなされた当初は、今や子会社化しているとはいえ、サノフィの看板商品?とも言える「ドリプラン」の部門でもあり、この「ドリプラン」はおそらくフランスで最も有名な薬(鎮痛・解熱剤 パラセタモール)、フランスで最も売れている薬でもあり、毎年3億箱が販売されており、「フランス人の魂を売り払うのか?」というほどの勢いの世間からの反発、いわばフランスの国民的な薬の会社なのです。

 また、このドリプラン製造部門の工場がフランスから消えてしまうのではないか? それに伴い、この従業員の雇用問題は? などなど・・物議を醸していました。

 とにかく、フランスでは何でもかんでも、病気になれば、「とにかく、とりあえず、ドリプランでも飲んどけば・・」と言うほどの、とても身近な薬でもあり、実際にパンデミックの際もコロナウィルス感染しても、特効の治療薬はなかったために、この「とりあえず、ドリプランを飲んで様子をみてください」が横行していました。

 パンデミックの際は、多くの流通が世界的にもストップしたこともあり、このドリプラン(現在は海外で製造している分が多い)が不足する事態が起こり、大変なパニック状態に陥り、マクロン大統領までが出てきて、「これからは、非常時に備えてドリプランをできるだけ国内で生産するようにしていくようにする・・」などと発言していました。

 しかし、パンデミックがどうにか終息したかと思ったら、まさかのドリプランがアメリカのものになる?フランスから消える?などという話になり、余計に大騒ぎになったのです。

 実際のところ株式の50%はアメリカのファンドCD&Rが所有し、サノフィが株式の48.2%を所有し続け、残りの1.8%は、政府が絡んでBpi france(フランス公的投資銀行)が取得し、アメリカの言うがままにはさせない姿勢を保とうとしています。

 この子会社の株式50%売却により、サノフィは100億ユーロを得る見込みで、同社はこれを今後、免疫学のリーダーとなり、AIを原動力としてグループの成長に繋がる糧とするとしています。

 サノフィが具体的にどのような開発に取り組んでいるかは、わからないものの、ちょうど昨年の今ごろ、2024年5月にサノフィは、米国ノババックス社とライセンス契約を締結したことを発表しています。

 これは、新型コロナウィルス感染症ワクチンの販売とインフルエンザ及び新型コロナウィルス感染症ワクチンの開発に関するもので、アストラゼネカが新型コロナウィルス感染症ワクチンからの撤退を発表するなか、正反対の方向に進み始めたことでも注目を集めていました。

 そもそもこの新型コロナウィルス感染症ワクチンの開発については、サノフィは多額の研究費を投入しながら、実際にパンデミックの最中には完全に出遅れてしまった経緯がある中、今度は、たんぱく質ベースの非mRNAアジュバントワクチンへのアクセスとともに、同社のインフルエンザワクチンの混合ワクチンへの可能性も見込み、2025年からの販売を計画していました。

 サノフィがドリプラン売却を代償にして得る新しい開発は別にもあると思われますが、この100億ユーロが吉と出るか?凶と出るかは、まだまだ先にならないとわかりません。


サノフィ ドリプラン


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