2025年5月8日木曜日

パリのメトロで観葉植物の持ち込みに罰金150ユーロ

  


 日曜日に自宅のサロンに飾ろうと観葉植物を購入した女性が家に持ち帰るために、その鉢植え(高さ1.30メートル)をメトロで持ち帰ろうと、メトロの駅(レピュブリック駅)に入って、駅の通路内を歩いていると、コントロールの職員に呼び止められ「背の高い植物を運ぶのはかさばるので違法」であると言われ、罰金150ユーロを徴収されたと言います。

 彼女は憤慨しつつも、あまりに強く「違法である」ことを強調されたため、その場で150ユーロを支払いましたが、その後、彼女がSNS上にこの件「観葉植物をメトロで運ぼうとしたら、150ユーロも罰金をとられた!」と投稿した結果、その投稿はあっという間に40万回視聴と400件近くのコメントが寄せられました。

 彼女は投稿の中で、「地下鉄に植物を持ち込んだために、150ユーロの罰金を課せられるという不愉快な思いをしました」、「地下鉄でキセルなどの不正行為をするよりもコストがかかることを知って、とても驚きました」・・・・。

 彼女は70ユーロだったという観葉植物を運ぶために150ユーロ支払うことになったわけです。

 たしかに、RATP(パリ交通公団)では、運輸法典R2242-17条によると、「その性質、量、または不充分な梱包により、乗客に危険、妨害、または迷惑となる可能性のある物体を輸送または、運送する者が公共の旅客輸送に使用される車両に立ち入ることを禁止」しています。

 ただし、彼女が罰金を請求されたのは、駅の通路でのことで、メトロの車内どころか、駅のホームにさえも達していませんでした。

 しかし、RATPによれば、メトロで輸送できる荷物は最大2メートル、しかし、幅は20㎝を超えないもの(これはスキー板を想定したルールだと思われる・・が今どき、スキー板をかついでいる人はほぼほぼ見かけません)とされているので、この幅20㎝のところで、たしかにこの観葉植物は違反といえば、違反です。

 しかし、こんな杓子定規にルールをふりかざされるのは、フランスではめずらしいことで、どちらかといえば、緩くて臨機応変なところがよいところなのに・・。

 悪意が感じられるのは、それならば、駅に入る前の改札の時点で、「これはメトロには持ち込めませんよ・・」と注意してくれればよいものの・・、改札は通過させておいて、いきなり捕まえて罰金というのも意地悪な感じでもあります。

 なんなら、もっと邪魔な荷物を持っている人もいるし、ついこの間、自転車を引いている人を見かけて、メトロに自転車を持って乗る人って、久しぶりに見るな~と思ったばかりでした。

 しかも、彼女が植物を運ぼうとしていたのは、日曜日で明らかにウィークデーよりも人出が少ない日です。

 当初は、RATPも「この措置は妥当であった」、「一度支払った罰金に対しては異議は唱えられない」などと言い張っていたのですが、結局は、このSNS上での炎上に負けたのか?RATPはこの150ユーロを女性に返金することを約束したそうです。

 そもそも、このルール自体が少々、おかしいようにも思うのですが、なんなら、スキーの板の方がよっぽど怖い気もします。

 こんな騒ぎがあったせいか、メトロ等での大型荷物について、RATPはサイト上に詳細なルールを取りあげています。

 これによると、スーツケース、バッグ、各種荷物は最大寸法75㎝未満、長さが2メートルまでで、その寸法が20㎝を超えない荷物(例:スキー板)を垂直に持つ場合までが許可されているようです。

 これに比べるとバスは、少々、規則は緩く、他の乗客の妨げにならない限り、荷物は持ち込める・・となっています。

 しかし、住民はもちろんのこと、こんないちゃもんをいきなり突き付けられて、150ユーロも請求されるとなったら、特によく言葉もわからない観光客などには、たまったもんではありません。

 

パリのメトロ 大きな荷物罰金150ユーロ


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