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2025年6月14日土曜日

フランスでも報道し始めた日本の米騒動について

  


 日本で、お米の価格が上昇したり、スーパーマーケットの棚から消えている・・などという米騒動はネット等の報道で見ていました。

 海外生活を送っていると日本のお米というものは、本当に貴重なもので、日本に一時帰国した際には、日本のお米を必ず買ってきています。パリでもお米は買えますが、本当の日本米というものは、ないことはないのですが、高価で、日本米といっても日本の品種のイタリア産のお米・・とかいう場合が多いのです。

 ふつう、国民の主食となる食品については、あまり価格が高騰しすぎないようにある程度政府が介入して調整したりするものだと思っていましたが、そのあたりが上手く機能していないのだと思っていました。

 今回、こちら(フランス)の報道で見かけたのは、「日本は米の価格が高騰しているため、そして、選挙が近付いているために、3兆円もの費用を費やして全国民に140ユーロを支給する」というものでした。

 「4月に日本の店舗で売られる米は前年比で2倍に値上がりしたが、政府はここ数ヶ月、国の備蓄米を放出することで、この高騰を食い止めようとしていた」。「過去1年間の価格の上昇については、複数の要因が挙げられており、1つ目は記録的な猛暑のために供給量が減少したこと、2つ目は、2024年8月に巨大地震警報が発せられたためのパニック買いが起こったこと、そして記録的な観光客の流入が消費のさらなる増加につながったこと・・などとしています」

 しかし、そのどれもが要因の一端を担っていたとしても、それくらいで、お米が日常の供給に事欠くようになるのは、おかしな話です。

 ましてや、国民の税金で蓄えていたお米をまた国民に売りつけて、恩着せがましい感じのことを言っているし、さらには選挙前だからといって、ここぞとばかりに、その高騰しているお米のためにといって、国民にお金をばらまくというのはみえみえなやり口。

 そもそもは減反政策が度が過ぎていたのだろうと思いますが、なぜ、日本の美味しいお米の生産を減らすようなことをするのか?本当に疑問です。

 海外では、空前の日本食ブームを迎えて久しく、今やパリでもお寿司やおにぎりを売っていないスーパーを探す方が難しいくらいにお米は海外でも食べられています。

 おそらく、スーパーマーケットで売っているお寿司やおにぎりに使われているお米が日本製のお米とは思いませんが、日本のお米でもないおにぎり1個がいくらで売られているかご存知でしょうか?だいたい、安くて3ユーロ・・高いと5ユーロ近い(約500円~800円)のです。

 たいして美味しくもない外米のおにぎりでこの値段なのです。

 フランス人は、欧州の中でもかなり日本贔屓の人が多い国のような気がしていますが、同時に「ホンモノ」などへのこだわりを追求するというか、ウンチクを語る人が多いのです。

 これだけフランスでも浸透したおにぎりの元祖は日本、そして、本来使われるべき日本のお米で作られているおにぎりとなったら、多少、高くても彼らは喜んで買うのです。

 減反政策などせずに、日本の美味しいお米をたくさん作って海外にもっと売ればよいのに・・と本当に思います。海外では高くても売れるのですよ・・。

 農協の仕組みについては、よく知らないのですが、お米の生産・出荷を取り仕切っているのが農協ならば、農協は海外への輸出をもっと模索するべきだと思います。


日本の米騒動


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2025年6月3日火曜日

私がたまにラファイエットグルメに行ってみる理由

 


 私はお散歩というものが、あんまり得意ではなくて、できるだけ健康のためには、歩いた方がいいことはわかっているけど、そうそう何もなしに歩くということが苦手です。

 ことに、若い頃は、本当に歩かない人間で、「歩くくらいだったら、泳ぐ方がラク・・」とか、「あまり歩くと足が太くなる・・」とか、適当な言い訳をしつつ、およそ、歩くということをしてきませんでした。

 それでも、ジムには行っていたし(泳ぎに・・)、そこそこ運動はしていたし、何より若さゆえ、健康でした。

 ここ最近は、歩くことを心掛けているものの、犬でもいれば、お散歩に行くのでしょうが、私はネコ派で、健康にさえ問題なければ、猫のような生活が私の理想ではあります。

 そういうときは、お買物か美術館などが定番ではあるのですが、そのお買物スポットの中には、ギャラリーラファイエットグルメが入っています。なんといっても、ふつうのお店の1割から2割方、値段が高いので、もっぱら、美術館へ行くのと大して変わらず、どんな美味しいものがあるのかを見に行く程度です。

 さすがに品質の高い、美味しいもの・・しかも、新製品などがいち早く並んでいるので、ラファイエットグルメの中の店舗はだいたいいつも同じでも(とはいえ、けっこう入れ替わりもあります)季節によって、また、新製品が美しく並んでいます。



 食べることが何より好きで、食品を見て歩くのが楽しいので、効率よく美味しいものを探すには、絶好の場所で、なんなら、今まで見かけなかったお店が入っていたりして、これは、良さそうと思ったお店には、後日、本店を探して行ってみます。

 ということは、私にとっては、見本市のようなもので、せこいですが、ラファイエットグルメではあまり買い物はしません。とはいえ、今日は、今まで見たことがなかったPHILLIPE CONTITINIで今まで見たことのなかったパン・オ・ショコラ(生地がカカオ味になっていて、チョコレートが3本?入っています)を一つだけ買いました。




 あとは、ピエール・エルメの新作スイーツが出ていたり、他に新しくロールケーキのお店(PATISSELIER)が出店していました。




 ロールケーキは最近、時々、パリでも見かけるようになりましたが、食べてみてもいないのに、何ですが・・正直、ロールケーキの美味しいものは、日本の方がクォリティが高いのでは・・?などと勝手に思いました。

 地下の食料品売り場には、野菜、魚、肉、加工品等やお土産ものに使えそうな長期保存が可能なものがあり、1階(日本で言う2階)には、ストリートフードコートとワインのカーブを美しく展示している場所があります。




 これは、数年前にワインやシャンパンのカーブが大部分を占めていた場所をストリートフードコートに改造したスペースですが、早くもこのストリートフードコートに出店しているお店には、変動があるようで、スペースの一部は改装中でした。



 こうして、美しく、美味しそうな食べ物を見て歩いていると、いつのまにか、けっこう歩いているものです。


ギャラリーラファイエットグルメ


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2025年5月29日木曜日

睡眠時無呼吸症候群という病気について

  



 私が就寝時にマスクを装着して寝るようになってから、3ヶ月くらい経ちました。

 そもそも、私は、この病気であることがわかるまでにかれこれ、1年近く、色々な検査をしてきました。これまで、すでに、血圧が高かったり、肝臓の数値が悪かったり、甲状腺だのなんだのと、色々と問題があるとのことで、いつの間にか、私が日々飲んでいる薬は周囲が驚くほどの量の薬を自分では、そんなに驚くことなくあたりまえのように飲んでいました。

 薬は少しずつ増えていったので、友人が家に来たときに、山のような薬を見て、「えっ?そんなにたくさん薬飲んでるの?」と言われて、あらためて、「そうか・・多いのか・・」と初めて気付いたくらいでした。

 なので、体調が悪くても、ひとつひとつはそこまで深刻ではないにせよ、このうちのどれかが悪化してしまって、具合悪いのかな?と思っていました。

 体調が悪いといっても、その悪さはとても漠然としたもので、なんだか疲れやすくなった気がする・・くらいから始まって、そのうち、朝、起きたときのだるさが生半可ではない感じになってきて、寝てるのにこんなにだるくて疲れているってどういうこと?これは絶対、ふつうじゃないな・・と思い始めたのです。

 私の中では「だるい」=肝臓?というイメージがなんとなくあり、もしかして、肝臓ガンかも?などと思って、とりあえずかかりつけのお医者さんに相談して血液検査をしました。しかし、肝臓には特に変化はなく、次はもともと疾患があるとされている「心臓」の検査に行きました。

 心臓の方は、もともと問題があるため、1年に1回くらいは定期的に専門医にかかっています。しかし、こちらの方も特に変化はないとのことで、次にかかりつけのお医者さんが行ってみるようにと紹介してくれたのが「Pneumologue(呼吸器科)」でした。

 フランスにいて、というか海外にいて、最も心細いというか不安なのは病気になったときのことで、そもそも言葉が不自由?なところ、このような医学的なことなどになった場合に、余計にチンプンカンプンになりがちです。

 このプニュモログ・・という言葉も私はこれまで聞いたことがなかったので、最初に聞いたときには、「プニュ・・プニュ・・えっ?なにそれ?」となったのです。まあ、今はスマホですぐに調べられるので、不安はわりとすぐに解消されるのですが、それでも行ったことのない専門医にかかることは、やっぱりちょっと不安です。

 また、フランスの場合、これらの専門医はとにかく予約をとろうとしても、余裕で2ヶ月先、3ヶ月先になるので、ひとつひとつ検査をしていって、これでもない、あれでもない・・となると、余裕で1年くらい経ってしまい、ほんとに深刻な病気だったら、もう死んでるだろ・・って感じになります。

 結局、1度そのプニュモログに行って、簡単な検査と問診をしたのち、また、それから数ヶ月先に1泊入院して夜間睡眠時の呼吸状態を検査することになりました。

 検査の結果はすぐにわかるので、その検査の翌日、結果を聞きに行きました。検査の結果は、「Syndrome d'apnée du sommeil」(睡眠時無呼吸症候群)(アプネ・ドゥ・ソメイユ)だそうで、すぐに夜間時の呼吸のグラフのようなものを見て、お医者さんが、「アプネ・ドゥ・ソメイユ」ですと言われて、またまた、「アプネ・・アプネ・・ってなに?」となりました。

 日本語で言うところの「睡眠時無呼吸症候群」というものだそうで、睡眠時に誰でも、呼吸が一時的に止まっている瞬間というものがあるのだけれど、私の場合、その頻度が多すぎるということで、1時間に23回も呼吸が止まっているとのことで、「これじゃ、朝、だるいのも疲れているのも当然だね」と言われました。

 1時間に23回も呼吸が止まって、よく生きてるな・・と思ったのですが、とにかく、これを改善するためには、夜、寝るときに、酸素(というか空気が送られてくる)マスクをして寝てくださいということで、さっそくこのマスクの手配をしてくれました。

 一度、診断が定まってからは、早くて、それからすぐにマスクの設置に来てくれて、その機械の取り扱いの説明をしにきてくれました。

 日本語で色々と調べてみると、どうやら、「メタボのおじさんに多い病気」だそうで、「なぜ私が??」と、なんだか恨めしいような気持ちになりました。

 私は一人暮らしなので、当然、一人で寝ているので、夜中にどんな風に寝ているのかということは、わからないのですが、夜中にトイレに起きたり、朝、起きてみると、頭と足の位置が逆になったりしていたことはあったのです。

 つまり、呼吸が止まると無意識のうちに自分で体制を変えていたりするらしく、なんとなく、トイレに行きたくなった気がして、目が覚めていたのは、実はこの呼吸を回復させるために、覚醒させられるようになっているようで、呼吸が止まるたびに、心臓が余計に稼働しなければならなくなるために、心臓にも負担がかかることになるのだとか・・。

 マスクをつけて寝ることにはなかなか慣れず、最初は鼻だけのマスクだったのが、鼻孔がとんでもなく乾いて痛くなって、とても耐えられなくなったので、鼻も口も覆うマスクに変えてもらいました。

 なれるまでは、この機械を取り付けに来てくれたお兄さんがとても親切な人で、毎週のように電話をくれて、何度か様子を見に来てくれました。

 このマスクをして寝始めて、どうにか少しずつマスクにも慣れてきたとはいえ、今や睡眠の大切さを痛感し、少し良い枕に変えてみたり、マットレスを追加してみたり、色々、工夫しています。

 空気が送られてくるマスクをして寝なくてはならないなんて、障がい者になった気分ですが、これは障害ではなく、あくまでシンドロームなんだそうです。

 現在の睡眠時の呼吸がどんな風になっているのかは、正直わからないのですが、データは、オンラインで繋がっていて、いつでもお医者さんがチェックできる状態なんだそうです。

 一度、チェックに来てくれたお兄さんが、「あなたは、まじめに毎日、ちゃんとマスクして寝ていてえらい!」、「ふつう、こんなに真面目に毎日してる人いないもの・・フランスでは・・」と言われて、「えっ??だって治したいじゃない・・」と、なんか、こんなことで褒められても・・と複雑な気持ちになりました。

 とりあえずは、6ヶ月間、これを続けて・・と言われたので、「6ヶ月後には、これがいらなくなりますように・・」と思っていたのですが、このお兄さん曰く、「ふつう、これを使い始めたら、もうずっと使っている人の方が多いけど・・」とのことで、またガックリ。

 もしかして、夜、寝たまま、朝、起きてこなかった・・という話を聞いたことがありますが、これが悪化すると、そういうことになるのかな?と思うとまた、もやもや・・。でも死に方としては、悪くないかもしれないとも思ったりもしました。

 しかし、生きている間は元気で楽しみたいので、これで少しでもよくなって元気になれれば・・と今は、頑張って続けています。

 

睡眠時無呼吸症候群


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2025年5月26日月曜日

予期せぬ涙に震えるとき 

  


 私は子どもの頃は、涙もろいというか、めそめそ泣き虫の子どもでした。 大人になってからは、人並みに涙をこらえることができるようになり、そうそう泣くこともなくなりました。

 それでも、悲しいことがあったとき、嬉しいことがあったとき、また感動的な映画を見たり、本を読んだりして、涙することは、それなりにあります。

 しかし、全く予期せぬタイミングで涙が溢れてきて、こぼれる涙に気が付いた瞬間に心が震えていることに気付かされることがあります。

 今までの私の人生では、このはっきりと理由がわからない予期せぬ涙に自分自身が驚くということをこれまで2回だけ体験したことがあります。これは不思議な感動です。

 一度目は、ずいぶん昔の話で、初めてイギリスに留学して、最初の日曜日にセントポール寺院の礼拝に参加したときのことでした。もちろん、その時はセントポール寺院に足を踏み入れるのも初めてのことで、その日はパームサンデーという特別な礼拝で(そんなことは知らずに行った)、荘厳な雰囲気に聖歌隊の少年たちの歌声が聖堂内に響きわたっていました。

 当初は一年間の予定の留学で、まだ右も左もわからないロンドンの街並み、思うように出てこなかった英語。不安も抱えつつ、これからやろうとしていることにワクワクしていました。

 そんな中、ロンドンで最初に参加した礼拝(といっても私は信者でもなんでもない)の最中に、私は自分の目から、いつのまにか涙が溢れてこぼれていたことに気付いて感動したのでした。

 理由がはっきりしている涙というものは、それなりに心が動かされていることを自覚しているので驚きというものは、ないのですが、涙が先で、自分でも「えっ??私、泣いてる?」と気付かされるのは、二重の意味で感動的な体験です。

 そんな経験は長い間、ずっとなく、しかし、あの感動的な涙については、時折、思い出しては、「あれは一体なんだったんだろう?でも感動的な涙だったな・・」と思うのでした。

 それが、つい最近、といっても、前回日本に一時帰国した時のフランスに帰国する際のフライトの中で起こりました。

 原稿の締め切りが迫っていた私は、これは、もう長いフライトの間で書くしかないな・・と思って、飛行機に乗って、離陸して少し落ち着いた頃に、「さて・・」と原稿にとりかかろうと準備を始めました。

 集中するためには、ふだん、家ではクラッシック音楽(モーツァルトのことが多い)を聴きながら書くことが多いので、飛行機についているオーディオライブラリーのようなものから、選曲しようとしたところ、思ったものが見つからず、その中でもクラッシックっぽい?ベートーベンの第九を選びました。

 私が行っていた学校でベートーベンの第九の合唱を原語で歌う・・ということを課している学校があり、学生時代はなんと、面倒なことを・・とドイツ語もわからないのにカタカナのふりがなをふり、かなり長期間練習させられたことを憤懣に思っていましたが、その後、社会に出て、しかも海外に出てからは、「第九を原語で歌えるよ!」というのは、けっこうウケの良い話で、たま~に思い出しては、口ずさみながら第九を聴くことはありました。

 原稿を書くつもりで聴き始めた第九に、「あ~久しぶりだ・・これこれ・・」と思いながら、心の中で歌いながら聴いていると、気付くと私の目には涙が・・この時の涙は、零れ落ちるというより、むしろ、最初はもう号泣に近い感じになっていき、「あ~これ・・セントポール寺院のときみたいだ・・」と自分が涙したことそれ自体がもう感動で、わけがわからなくなっていました。

 これも、懐かしさもあったのでしょうが、色々な気持ちが蘇ってきて、でも、単に懐かしいという気持ちではなく、涙までこぼれてくる・・自分の心の奥底にあるなにかが震えている・・ということが感動的でした。

 無意識の世界で自分の心が震えているということが何よりも感動的で、意味もよくわからず、この時のフライトはほとんどずっと第九を何度も何度も聴きながら長いフライト時間を過ごしたのでした。

 心が震えることって素晴らしい感動です。


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2025年5月21日水曜日

専業主婦と共働きと・・

  


 私が子どもの頃は、日本では専業主婦がふつうで、実際に私の周囲の友人のお母さんたちは、ほとんどが専業主婦で、今から思えば酷い偏見だったのですが、お母さんが働きに行っているというと、「よっぽど経済的に厳しいおうちなんだな・・」と思うくらいでした。

 私の母は、仕事をしていたといえば、仕事をしていたのですが、家で子どもたちを集めて英語を教えていたという、当時ではあんまりない感じで、しかも、そもそもは私に英語を教えていくのに、親子二人でというよりも、数人の子どもたちに私を混ぜて教えるために始めたことで、そして、何よりも母は英語が大好きで(本人は英語の音が好きと言っていた)、半分は趣味(といったら、失礼ですが・・)のような感じで、母自身がとても楽しんでやっていたし、外にお勤めに出るというわけでもなかったので、あまり母が仕事をしている・・共働きをしている・・という感覚が私にはありませんでした。

 今から考えると、私は実に自分の将来というものを漠然としか考えてこなかったし、将来、きっちりとした仕事を持つということも、具体的には考えてきませんでした。

 ある程度の年齢になったら、結婚するだろうし、今では死語だと思いますが、よもや自分が煙たがられながら、オールドミス、お局・・などと言われながら会社に居続けるようになるとも思っていませんでした。

 時代と言ってしまえば、それまでですが、私はいわゆる適齢期と言われる年齢には結婚もせずに留学をしたりして、なんとなく自分がやりたいことに少しでも近づこうともがいていました。

 ただ一つ、私が考えていたことは、子どもを育ててみたいということで、しかし、それには、タイムリミットがあり、特に結婚願望らしいものはなかったのですが、そのタイムリミットに近い頃に知り合った男性と一緒に生活することになりました。

 それから、私の本格的な海外生活が始まったのですが、アフリカでは、フランス語の勉強のために大学に通い、そして出産、フランスに来てから1年後に再び仕事を始めました。

 海外で仕事を探すのはそんなに容易なことではありませんし、ビザの申請等に1年近く時間がかかったこともあり、なんだかドタバタした感じ・・しかも、娘はまだ生まれたばかりで、初めての子育てに必死なところもありました。

 フランスでは共働きがふつうのことなので、仕事さえ見つかれば、あまり抵抗もなく、むしろ、子どもから解放される時間が持てることや、家とはまた別の世界を持つことができるということも、今から考えれば救いでした。

 仕事があまり時間的に融通が利く仕事でもなかったこともあって、大変なこともたくさんありましたが、夫が亡くなるまでは、私は娘の学校のママたちとのお付き合いなどもほとんどしたことがなく、実際にそんな時間もなかったし、知っている顔といえば、バレエのお稽古などで顔を合わせるママさんたちや、お誕生日会などに娘がお呼ばれしてお宅に送り迎えに行くくらいだったし、実際に周囲のママさんたちも仕事をしているので、お互い忙しくしているのがふつうな感じでした。

 娘の小さい頃の時代でさえも、専業主婦というママには、ほぼほぼお目にかかったことがありませんでしたし、いても、逆にそんな専業主婦を(半分はやっかみもあったのかもしれませんが・・)白い目で見ているママたちもいたくらいです。

 今は日本でも専業主婦は少なくなったと聞きますが、ずいぶん時代が変わったんだろうな・・と思います。

 しかし、どちらにせよ、私は何の計画性もなく来たのに、よくもここまで仕事をしてきたもんだ・・しかも海外という暮らしづらい場所で・・。逆に考えれば、あまり選択肢がなかったために、そうせざるを得なかったというところもありますが、なんとかなるものです。

 それにひきかえ、娘などを見ていると、そもそも、自分でしっかり仕事を持って、ちゃんと自立して仕事していくことを若い時から考えて、それなりの学歴も持って、着々と仕事をしているのを見ると、我が娘ながら、すごいもんだ・・と思います。

 今から人生をやり直すつもりもありませんが、早くに目標を定めてそれに向かって努力していけば、ずいぶんとムダのない人生になっただろう・・と思います。そう思うと私は、ムダなことしかしてこなかった気もしますが、言い訳させてもらうと、ムダなことほど楽しくて、なんなら、ムダなことなんてありません。

 私の周囲は、独身の友人が多いこともあって、日本にいる友人でも専業主婦をしている友人は一人しかいませんが、仕事を持っていても、専業主婦をしていても、それなりに充実した人生を送っているようで、どっちもいいな・・どっちも経験してみたかった・・とも思います。でも、もしも、私が仕事をしてこなかったら、子どもがいなかったら・・つまらなかったかもしれないな・・とも思います。


専業主婦 共働き


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2025年5月20日火曜日

セーヌ川での遊泳解禁! パリ市が公開するセーヌ川沿いの3スポット

   


 昨年のパリオリンピックのセーヌ川でのトライアスロンも最後のギリギリまで、その水質上の安全性で中止・決行とドタバタ劇を演じ、パリ市長がデモンストレーションで泳いで見せたり、マクロン大統領まで泳いで見せる(結局、彼は実際には泳がなかった)と見栄を切ったりして、物議を醸してきましたが、結局、トライアスロンは強行され、傍目からも、「何の罰ゲーム?お気の毒に・・」と思わないでもありませんでした。

 セーヌ川での水泳問題はこのオリンピックで終わりだと思っていたら、全然、これに懲りていなかったどころか?同じテンションパが・・パリ市ではまだ続いていたのです。

 なんと、パリ市は7月5日から8月31日まで3つの新しい自然水泳場(ブラス・マリー、グルネル、ベルシー)をオープンさせるそうです。

 「今年の夏、パリ市民と観光客は、セーヌ川での水泳が禁止されてから100年を経て、セーヌ川での水泳の楽しさを再発見するだろう!」というなんとも「は~~?」と反応に困るようなフレーズを発表しております。

 これは単なるジョーク?ではなく、パリ市はパリプラージュと同時にセーヌ川遊泳スポットを公開するらしいです。

 見るからに、相変わらず、「ここでホントに泳ぐの?」と尻込みしそうな外観のセーヌ川で、どれだけの人が実際に泳ごうとするのかは、疑問ではあるものの、とりあえず、この遊泳スポット3ヶ所がオープンするらしいです。

〇マリーアーム(プラスマリー)

ここはシュリー橋のふもと、サン・ルイ島に面したスポット

月~土 am 8:30 ~am 11:30 , 日 am 8:00 ~ pm 5:30  約 70m ×20m 150人収容?可能

〇ベルシー地区

フランス国立図書館の向かい側、シモーヌ・ド・ボーヴォワール歩道橋の両側、ベルシー公園のすぐ下

毎日 am11:00 ~ pm 9:00  収容人数 700人(水泳エリア300人を含む)

35 x 12.5 mと67 x 11 mのプール2つ

〇グルネル

イル・オ・シグネの向かい側、エッフェル塔のすぐ近くにあるグルネル水泳エリア

大きなソラリウムと家族連れや子供向けの安全なプール(深さ 40 ~ 60 cm)が設置 カヤックあり

いずれのスポットでも更衣室、シャワー、トイレ、受付、救急ステーションなどが完備される予定になっています。

こうして見ると、単にセーヌ川というだけでなく、プールが設置される(もしくはすでにプールがあるエリア)ではあるので、実際にセーヌ川で泳ぐという選択をしなくともよいのかもしれません。

 しかし、けっこうな収容人数を公表していて、そんなに勇気のある人いる?とも思うのですが、これらのエリアは無料で提供されるとのことなので、水遊び程度なら・・また、話のタネに・・と訪れる人もけっこういるかもしれません。

 気になる水質の安全については、地域保健局(ARS)が公衆衛生法及び、欧州指令に基づいて、水質管理を行うと言っています。

 パリ市はこの水質検査について、パリオリンピックの際に実施した自動細菌モニタリング装置(従来は実験室での分析に24時間~48時間かかっていたところが、大腸菌や腸球菌などの細菌の存在を15分~20分で検出可能)を利用するそうです。

 これまで夏の間、セーヌ川沿いをビーチ風に仕立て上げてきた「パリ・プラージュ」はけっこうそれなりに美しくモダンな感じに仕上がっていましたが、さらにステップアップして、ついに遊泳場となるのか・・と思うと、まず第一にセーヌ川の水面を見て、そこで泳ぎたいと思うかどうかは、また別問題。

 実際にはどんな感じになるのかは、7月になったら見に行ってみようと思っていますが、今のところ、楽しみ?というよりも怖いもの見たさ・・という感じです。


セーヌ川遊泳場


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2025年5月17日土曜日

恐怖の腹痛に見舞われた夜と翌朝の歯医者

  


 最近、睡眠障害から、なにやら空気が送られてくるマスクのようなものを着用して寝るハメになって、その奇妙なマスクになかなか慣れなくて、眠りにつくまでに少々、時間がかかるようになっていました。

 それでも、睡眠は大事・・と自分に言い聞かせ、きちんと眠ることが治療なのだからと、一生懸命、寝るように心がけてきました。一生懸命、寝るというのもおかしな感じですが、睡眠に対して、生まれて初めて真剣に取り組んでいるような気持ちです。

 最近、ようやく、このマスクにも慣れ始め、まあまあ少しずつ、マスクをしていても眠れるようになってきたのですが、昨夜は眠るには眠れたものの、夜中から明け方にかけての時間帯に、なぜか妙にお腹の奥底で鈍い痛みを感じて、目が覚めてしまいました。

 吐き気がするとか、下痢のようにトイレに行きたいとか、そういうのとも違う感じで、しかし、この正体がわからない鈍い痛みが何なのか?このまま、また寝付けはしない感じの気味の悪い痛みでした。

 電気をつけてしまえば、また目が冴えてしまいそうだったので、そのまま、一応、トイレに行っておこうと思って、トイレに座り込んだが最後、急激にお腹の痛みが増してきて、脂汗がとまらなくなりました。

 だからといって、上からでも下からでも(へんな表現で失礼)、痛みのもとが出てくれたら、早くすっきりするのにと思いつつ、必死に片手にしていた本を読みながら、なんとか気を散らそうとしつつ、トイレでその痛みが去ってくれるのを待ったのですが、そんな時に限って、読んでいた本は読み切ってしまうという運の悪さ。

 真夜中にトイレにこもってひたすら脂汗が出てくるのに耐えるというのは、怖いものです。

 なんか、悪いものでも食べたのか?いやいや、生ものとか、怪しいものは食べていないので、何なのか?思い当たることもありません。

 2時間くらい経った頃でしょうか? ようやく気が確かになってきて、なんとかベッドに行っても大丈夫かも・・?と思ったので、再び寝ることに・・。

 しかし、翌朝、早くには、こんな時に限って、久しぶりの歯医者さんの予約が入っていたので、携帯のアラームをかけることに・・ふだんは滅多にアラームをかけることがないので、気が付かなかったのですが、アラームをかけると、あと〇時間後・・というのが出るのですね・・なんと、2時間後・・という表示が出て初めて、そんなに長い時間、トイレで一人で格闘していたのか?と気付いて、あらためて、ガックリ来ました。

 とにかく、ふつうじゃなかった痛み・・これはこれで来週、かかりつけのお医者さんに予約を入れました。まったく医者通いばかりが増えて、自分でも情けないです。

 久しぶりの歯医者さんは、来るたびにキラキラ綺麗になって行く様子。来るたびに思うのですが、子どもみたいだけど、歯医者さんって本当に嫌いです。

 奥歯の詰め物がとれてしまったところが欠けそうになって・・と言うと、さすがにずっと通っている歯医者さん・・しっかり私に関するデータが蓄積されていて、「その歯は、2013年に治療したところだから、もう寿命だったわね・・治療には、セラミックだと300ユーロ、それよりもっとよくしたければ、500ユーロかかるわよ」と。

 これはこれで、別の意味で具合が悪くなりそうなショッキングなニュース。

 奥歯だし、インプラントとかでもないので、もう最低限の治療で良いです・・と答えながら、昨夜の腹痛の次はまた別の痛み・・。

 いつも思うのですが、歯の治療をしてくれている間は痛みに耐えながら口をあけているというのに、なんで、歯医者さんというのは、こんなに人に話しかけるんだろう? と。

 歯医者さんて、お医者さんではあるものの、なんだか職人というか工事してる人みたい・・などとぐるぐる考えながら、昨夜、あまり眠れていないせいもあって、久しぶりの歯医者で、ガリガリと歯を削られたり、レントゲンを撮られたりしながら、もう気を失いそうになりながら、ひたすら、少しでも早く、ここから退出したい・・とひたすら願っていたのであります。

 それでも、この日の治療はあまり時間がかからず、30分ほどで終わりましたが、なんだか、昨夜はいつ寝たんだか?起きたんだか?よくわからない・・一日が昨日からずっと繋がっているような妙な一日でした。

 歯医者さんには、できるだけ行きたくないので、念入りに歯磨きもしているのに、やっぱり定期的に来るハメになることをひたすら恨めしく思うのです。


腹痛 歯医者


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2025年4月29日火曜日

日本入国のためのオンライン事前申告渡航認証システム JESTA 前倒しで2028年度に導入

 


 ついこの間、イギリスでのETA(電子渡航認証)が始まって、すでにアメリカ、カナダ、オーストラリア、韓国などにも導入されているという事前申告渡航認証システムは、日本では、当初、2030年までに年間6,000万人の観光客を目指すとともに、このシステムを2030年までに導入すると発表していました。

 しかし、すでに続々と世界の国々がこのシステム導入に踏み切っており、欧州では、欧州30ヶ国への渡航システム「Etias」(欧州渡航情報・認証システム)を2026年にスタートすることを発表しています。

 この世界的な潮流に、日本は2030年導入の予定を2028年度に前倒しすることを決定したようです。

 この日本の新しいシステムを私はフランスのニュースで知ったのですが、「日本は外国人観光客の急増を受け、政府はJESTA制度の導入を前倒しすることを決定した」というもので、米国のESTAや英国のETAなどのモデルにヒントを得たこのシステムはビザが免除される旅行者を評価することを可能にする」のだそうで、約71ヵ国の外国人日本入国者はこの電子認証を取得するために、個人情報と滞在期間中の予定を申告しなければならないと説明されています。

 このアプローチは、何よりもまず、国境管理を強化しながら到着者の管理の改善することを目指しています。

 このJESTAシステムは、通常90日までの短期の観光または商用滞在のビザ免除旅行者を対象としており、旅行者は出発前に訪問理由や宿泊先の住所などをオンラインフォームに登録する必要があるそうです。

 日本政府は「管理を強化し、入国審査を円滑にするためにも、このシステムを早急に稼働する必要がある」としています。

 旅行者は出発前にJESTAを取得しておく必要があり、この申請が拒否された場合は、日本行きの飛行機に搭乗できなくなります。

 これにより、最初からリスクプロファイルを特定することができ、不正な滞在を防ぐことが可能になるそうです。とはいえ、不正に滞在しようとしている人々は、正面から、正規の方法では入国しないのでは?などと思ってしまいます。

 とりあえずは、このシステム導入は良いことだとは思いますが、その後のこの情報をどのように管理できるのかも疑問が残るところでもあります。

 もっとも、このJESTAに関しては、日本人には必要ないものなのですが、今後、多くの国では、同様のシステムが日本よりも早くに導入されるので、行く先々で、その国の渡航認証システムを取得する必要が出てくる・・そんな時代になりました。

 もうパスポートだけじゃ旅行できなくなるのね・・。


JESTA オンライン事前申告渡航認証システム


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2025年4月28日月曜日

家についている猫と家についている私

   


 「猫は家につく」と言いますが、最近、私も家についているな・・と思います。「ついている」というのは、ラッキーという意味ではなく、(住居に困っていないという意味ではラッキーですが・・)、家が好きという意味です。

 我が家の猫は、生まれて2ヶ月ほどで我が家にやってきて以来、ほぼほぼ外に出ることのない生活をしていることもあり、まさに内弁慶というか、外に出かけるのをとても嫌がります。

 最近は、もう無理に連れて出ることもやめてしまいましたが、娘が家にいた頃は、歩いて20分ほどの夫の眠る墓地に行く際に一緒にお散歩させたりもしましたが、家から出てしばらくは、ほっておくと、我が家に向けて一目散に駆け戻ってしまうので、近くまで抱きかかえて行って、その先はなんとかなだめすかして散歩させる・・それでも、途中、何度も抱っこしては、おろし・・を繰り返し、墓地の中だけでは、なぜかリラックスしているのですが、彼女にとって、お出かけは大変なストレスのようです。

 家の中は、すべて彼女の好きなように、時間帯によって、陽あたりのよい場所を移動して、勝手気ままにしていますが、食事の支度をはじめたりすると、どこにいてもすっ飛んでやってきます。

 日常的にはとても穏やかなのですが、嫌いな人がやってくると牙をむき、唸って威嚇します。そんなわけなので、とても外に預けることは無理そうで、私が旅行する時などは、知人に頼んで、家にご飯とトイレの世話に来てもらっています。

 人懐こいわけではないのに、微妙に側にいたがり、今もパソコンと私の間のちょうど私の腕に触れるか触れないかの微妙に邪魔な位置に寝ています。

 完全に家についている猫なのですが、最近、私もこの家、というかこの空間が一番好きで落ち着くな~としみじみ思います。旅行するのは楽しいし、温泉などもとても快適で気持ちよいのですが、生活空間としては、やっぱり我が家が一番、落ち着きます。決してきれいでも、近代的でも素敵でもないアパートですが、私の生活には、現時点ではとても快適です。

 もともと、今の家に引っ越してきた時には、夫と娘と3人で、今考えると、よくこのスペースに3人で住んでいたな~と思うのですが、夫が亡くなった当時はなんとなく、一人いなくなっただけで、なんとなくガランとした気がしたし、それから大分たって、娘が独立したときも、なんとなく、広くなった気がしたのですが、今では、これがちょうどいい感じになっています。

 夫と二人で使っていた寝室はもちろん、今は私一人で大き目のベッドに悠々と寝て、娘のいた部屋はすっかり倉庫状態(我が家にはフランスのアパートにはたいていあるカーヴ(倉庫蔵のようなもの)がない)。夫が亡くなってからは、ずいぶん、彼のものも処分したし、娘のものは、まだたくさん残っているものの、それでも少しずつ減らしています。

 にもかかわらず、現在の娘の部屋の倉庫としての変容ぶりには、ずいぶんと処分したはずなのに、なんでこんなにたくさんのものがあるんだろうとちょっと不思議な気もします。

 娘が帰ってきたときや、誰かが泊まりに来たときは、娘の部屋をなんとか俄かに片付けて使ってもらっているのですが、今度、誰かが来た時には、どうしよう?とちょっと不安になるくらい、とっちらかっています。

 私の部屋と倉庫になっている娘の部屋、そして、サロン(居間)と台所、台所はわりとスペースがあるため、テーブルに椅子、テレビもパソコンもあって、おそらく、私はそこにいる時間が最も長いです。

 サロンには、ソファや低いテーブル、ピアノなどが置いてありますが、他の部屋よりは少し広いために、もっぱら私の運動場というか、ヨガマットなどが備えてあります。

 その先には小さいスペースですが、ベランダがあるので、ベランダでは日本の野菜を少しずつ育てています。今は小松菜や水菜、春菊、わさび菜、小葱、山椒の葉などが採れています。

 私の育った東京にある実家は、2階建ての家で、私の部屋などは、2階にあったので、階段の上り下りのいらない(年寄りくさい気もする)今の家はずっと暮らしやすい気がしています。

 とにかく、全て家の中を自分の好きなように使い、好きな時に好きなようにできる今の家が何より心地よいのです。もしかしたら、私がいつまでもフランスにいる理由はこの空間を自由にしていられる・・周辺の環境や、だいたい30分以内でパリの好きなところには、どこにでも行ける・・そんなことを含めての環境だとも思うのですが・・。

 食べ物だけは、日本での食べ物には執着が断ち切れませんが、それも年に1~2回日本に行った際に山ほどの食料を持ち帰り、パリ市内で何がどこに行けば買えるかもだいたい承知しているので、日本のように簡単に手に入るわけではありませんが、困ることもありません。

 要は、自分の空間を自分の好きなように使えている今の家がとても心地よく、「猫が家につく」のと同じように、「私も家についているな・・」と思う所以です。


猫は家につく


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2025年4月27日日曜日

娘の手術と入院に心配したり・・ホッとしたり・・嬉しかったり?・・

 


 3月の初めにスキーで大ケガした娘ですが、しばらくは、本当に動けなかったようですが、その後、足にプロテクターのようなものをつけ、松葉杖を買って、どうにか、ゆっくりとなら、日常生活が送れるようになっていました。

 とはいえ、それは、一時的な処置なだけで、4月の半ば過ぎに入院して手術することが決まっていて、命にかかわるものではないとはいえ、やはり入院・手術・その後のリハビリとなると、離れていれば、勝手に心配するばかりの日々が続いていました。

 最初に怪我をしてから、いくつかの病院にかかって検査をしたり、その後の手術をしてもらう病院を選んだりと、日本で生まれ育ったわけではない娘にとっては、初めてのことばかりということもあり、どこまで日本語、大丈夫かな?と思ったりもしていたので、余計な心配もしていました。

 幸いなことに彼女はこれまでフランスでも入院や手術ということは経験がなかったので、どちらにしても一緒なのですが、やっぱり心配のひとつは、日本の医療システムというものがわからないだろうにな・・(という私も今は日本の医療システムについては、よくわからないのですが・・)と思っていたのです。

 しかし、初期に検査や診察をしてもらったお医者さんで、いくつかの大きな病院を紹介してもらった中から、彼女は、家からはあまり通いやすい場所ではないけど、特にリハビリがちゃんとしているといわれる病院を選んで入院しました。

 じん帯がたぶん切れているだろうとのことだったのですが、あけてみなければ、その状態ははっきりしたことはわからないということだったのですが、いざ手術してみると、やはりしっかり切れていたようです。

 手術は全身麻酔ということだったので、親としては、全身麻酔だけでも心配でした。手術は4時間ほどかかったようですが、麻酔からもしっかり目覚めたようです。

 2月に私自身は、検査のためにフランスの病院に一泊だけですが、入院したのですが、その際の食事が酷くて、日本の病院はどうなんだろうか?などとそんなことも心配していました。

 しかし、彼女曰く、薄味だけど、まあまあ大丈夫な食事なんだそうで、少々、量が少なめだけど、ほとんど動けないから、これくらいの方がいいかも?むしろ、きちんとカロリー計算もされているし、バランス良いお食事なんだそうで、フランスとは全然、違うようです。

 現在は、手術後のために、車椅子でしか動けないのだそうですが、それでも足を使わないリハビリというものがあるのだそうで、それを1日40分程度やるくらいで、あとは、病院でもカンファレンスルームを貸してもらって、仕事をしているのだそうです。

 そんな様子を時々、電話してくれたり、LINEしてくれたりして、知らせてくれるので、手術が無事に終わったと本人から電話をもらったときは、ホッとして思わず泣きそうになってしまいましたが、こうして、離れていても連絡を取れる時代になったということは、ありがたいことです。

 海外にいて、医者にかかることは、私も最初はとても不安なことのひとつだったので、娘についても診察等、しかも手術・・となると日本語という面でも大丈夫なのかな?とも、少し心配していたのですが、全く大丈夫だったようで、内心、私の日本語教育もここまでできれば、もうコンプリートかな?と思って、ちょっと嬉しかったりもしました。

 彼女が入院しているのは、大部屋?で他の患者さんたちとも同室なのだそうですが、他の患者さんたちは、けっこう、重病なのか?全然、ベッドから起き上がることがないので、全然、話すことはないのだそうです。

 個室じゃなかったら、冷蔵庫とかあるの?と聞いたら、冷蔵庫は有料だから、使ってないとかで、けっこう稼いでいるのに、相変わらずしまり屋です。もっとも、飲み物くらいは欲しいでしょ・・と言っても、彼女はふだんからとにかく水だけ・・しかも常温でしか飲まないので、冷蔵庫はいらないと頑として冷蔵庫も使っていないようです。

 この際、病院から出されているものだけで過ごして、身体を整えるとのことで、まあ、好きにしたら・・というか、しっかりしているというか・・。

 もしも、私が日本にいたら、せっせと何か食べ物を作って運んだりしそうなところですが、こんな機会はそれはそれとして、前向きに過ごそうとしている娘のたくましさを感じています。

 しかし、やっぱり病気になったり、怪我をしたり・・となると、離れているのはもどかしいところですが、ひとまず、無事に済んで、より一層、たくましく生活している娘を頼もしく感じたり・・まだ、最低でも一週間くらいは入院生活が続きそうですが、遠くから娘の回復を祈っている毎日なのです。


じん帯切断 入院 手術


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2025年4月11日金曜日

パリの大気汚染は20年間で半減した

  


 エアパリフ(Airparif・イル・ド・フランス地域の大気質(大気汚染)を監視するために環境省に認可された大気質監視協会)は、パリ(イル・ド・フランス)の大気汚染は、20年間で半減したと発表しました。

 この大気汚染が改善されているのは、はっきりとはわかりづらいとはいえ、ここのところ、お天気が良い日が続いて、パリの空ってこんなに青かったかな・・と思うほど、青空がきれいに感じていたので、このエアパリフの発表を見て、ああ、大気汚染が改善されていることも空が青く感じる理由のひとつだったのか・・と単純に思ってしまいます。

 思い返してみれば、パリ市は、この環境問題への取り組みが、そこまで環境アピール??と、ちょっといやらしいくらいにかなり、パワフルにというか・・露骨というか、車に対する規制などが、どんどん厳しくなったり、ナンバーごと(奇数・偶数)に交通制限したり、居住者および配達用などの車以外は侵入禁止にする地域があったり、歩行者天国(もしかして死語?)にする地域があったり、色々と取り組みが続けられてきました。

 私自身は、パリでは車を運転しないので、このような規制もあんまり関係ないな・・と思ってしまうものの、車を愛用していた人々にとっては、ずいぶんと厳しい話だな・・とも思っていました。

 まあ、交通網は充分に発達しているパリは、公共交通機関で充分に動けるというか、その方がラクだったりもするのですが・・。

 また、個人的に最も感じるのは、自転車に乗る人が増えたことで、これは大きな変化のひとつかもしれません。パリの道路には、自転車レーンが多く設けられるようになりました。この自転車の普及は、そもそもの環境問題に加えて、パンデミックの際の感染回避しようとする人々が通勤に自転車を利用する人が増えたこともこれをさらに加速化させたように思います。

 今では、パリ・リヨン駅などの大きな駅にも自転車置場ができていますし、街中にも自転車置場を見かけることも増えました。私は、最近は、もう自転車にもめっきり乗らなくなりましたが、何が嫌って、自転車は、かなり頑丈な鍵をかけておかないと、盗まれるリスクも高く、これを気にして自転車ででかけるのは、もう面倒になったからです。

 とはいえ、今では、20年前には考えられなかったくらい自転車人口が増えたと思います。

 このことは、大気汚染改善に、少なからず影響していると思われます。

 エアパリフによれば、「2005年から2024年の間に人体の健康に最も有害な規制対象の大気汚染物質(微粒子と二酸化窒素)の濃度が半減した」のだそうです。

 こうして良い結果が公表されることは、なんだか自分では何もしていないけど、良い成績表をもらったような、そんな気になるのはげんきんなものです。

 とはいえ、これを維持するためには、さらなる厳しい規制が必用であると、2030年に向けての新たな欧州の制限値を設けることも付け加えています。

 というのも、イル・ド・フランスの中でも、大気汚染が改善されていない場所、特に環状道路(A1、A3、A4、A6高速道路)の周辺地域は、問題視されています。

 また、このエアパリフは、「大気汚染削減対策の継続と拡大により、7,900人の早期死亡を防ぐことができる」と締めくくっているます。

 ただ、シンプルに空が青くなるのは、気持ちいいことです。


パリ大気汚染半減


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2025年4月8日火曜日

季節の変わり目 服装選びが難しい季節だけど・・

 


 冬の間は、本当にお天気の悪い日が多くて、うんざりするほど雨ばかり・・しかも一日中雨だったので、春になって、お天気の日が続いているのはそれだけで嬉しく、気持ちも明るくなります。

 しかも、抜けるような晴天の日が多くて、パリは本当に晴天だと、その美しさも倍増するな・・などと思いながら、街を歩いています。

 落ち葉の季節には、パリは、どうしてこんなに落葉樹ばかり植えているのだろうか?と、枯れ葉の多さに、「掃除大変なのに・・」などと余計なお世話だろうことを思ったりもするのですが、冬には葉が落ちてしまうからこそ、春、木の葉が芽吹いてくる若葉の緑がきれいなんだな・・と、あらためて、そんなことを思ったりするお天気の良さです。

 しかし、お天気は良いのですが、けっこう寒いのはたしかで、気温はそんなに高くない(その日にもよりますが)ので、外出の際の服装はけっこう難しいです。

 あまりのお天気の良さに、「さすがにもう厚手のコートはなぁ・・」などと、私は思ってしまうのですが、パリジャン・パリジェンヌは「もう春だから、冬のコートは着ない・・」などとは、考えないようで、ふと気がつくと、メトロの中なども、もっこもこのダウンを着ていたり、けっこうがっつり冬服を着込んでいる人が目立ち、4月だからもうコートは着ないとか、そういう風には考えないんだな・・寒けりゃ、季節関係なしに着込む・・正直というか、素直というか・・合理主義?です。

 また、日によって、その日その日で、真冬みたいになったり、夏みたいになったりも見事に気温に適応した上手な服装選びをしているのには、毎年のことですが、感心させられます。

 きっと、彼らは衣替えというものをしないんだな・・とも思います。実際に、私も、もう最近は、衣替えというものはしなくなりました。とはいえ、その日その日で上手く気温に適応する服装をしそこなうことが多いです。

 パリは場所にもよりますが、男女ともに、けっこうおしゃれな人を見かけることが多いのですが、今の季節は、周囲の人々の服装を見ていると、飽きることがありません。

 昨日は、やっぱり晴天にもかかわらず、けっこう本格的に着込んでいる人が多かったので、その色々な服装を見ているだけでも、けっこう楽しかったです。



 このおじさん、地味におしゃれだな・・と思い見てみると、Gパン以外は、同系色のジャケット、ベスト、スカーフ、くつ・・なるほど、こんな風にたくさん着ていても、中のベストを脱ぐだけでも、スカーフを外すだけでも、気温の変化に微妙に対応できそうです。

 また、肩から下げているバッグも使いこなした感じの、いい感じにこなれた感じの皮のバッグ・・こういう人のワードローブ、見てみたい気がしました。

 そこいくと、私のワードローブなど、整理がまったくついておらず、いつも同じ服ばかり・・色々と持っているのに忘れているものもたくさんありそうで、このおじさんを見て、近いうちにワードローブを片付けて、ちょっと整理してみようと思った次第です。


季節の変わり目の洋服選び


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2025年4月7日月曜日

パリの極上エステ体験 NUXE SPA

  


 日頃、私は特にお化粧品にもあんまり興味がないし、年齢を重ねてきたからこそ、日頃のお肌のお手入れはこれまで以上に大切だと思いつつ、そこまでこだわりのあるケアをしているわけではなく、最低限、肌が乾燥しないようにしたり、夜用のクリームは、ちょっとだけ良いものを選ぶように心がけ、あんまりケチらずに、たっぷり使うくらいのことしかしていません。

 なので、エステとか、そういう類のものも、これまで、あまり積極的に行くこともありませんでした。

 それでも、SPAとか、マッサージなどは好きなので、機会があれば・・とは思っていました。昨年、お誕生日に娘がSPAのチケットをプレゼントしてくれたので、初めて、SPAとボディートリートメントをしてもらいに行ったのが、初めてでした。

 昨年、行ったところは、パリ郊外の広いスペースで、プールやジャグジーなどの開放的なスペースもあるアクアトニックというだけあって、エステよりもプールなどの施設が前面に出た感じの場所でした。

 そして、今年も娘がお誕生日にエステとボディートリートメントのチケットをくれたので、また、新しいエステ・ボディートリートメントに行ってきました。

 こちらは、NUXEという化粧品メーカーがやっているSPAで、パリの中心部にあり、しかも、私もけっこうよく行くモントルグイユ通りにあるので、家からそんなに遠くもなく、なんか行き易い場所でもあります。



 モントルグイユ通りは、美味しいもののお店がたくさんある通りとして有名なのですが、そんな中にNUXEの店舗は、間口は小さく、ひっそり・・と言いたいところですが、なんだか、季節のキャンペーンなのか、入口はピンク!(いつもは、マッドな感じのゴールドが基調の店構えです)おばさんとしては、ちょっと入りづらい感じでもあります。

 店舗の間口としては狭いのですが、パリのお店あるあるで、一歩、中に入ると、実は奥行があり、また、地下には、階段があって、どこまで下りていくの?という感じでシックな石造りの内装が広がっています。


 まず、入るとアンケート用紙?のようなものを渡されて、マッサージやエステに使うオイルの種類を選び、マッサージの強さや特にこんなところを重点的にしてほしいとか、こんなところに注意してほしいなどの質問用紙に記入します。



 さすがにきっちり時間で予約が詰まっているだけあって、時間どおりに個室に案内してくれます。

 NUXEのオイルやボディケアーのローションなどは、いくつか使ったことがあるので、なんとなく安心感はあります。

 個室に入ると使い捨ての紙の下着1枚だけをつけて、タオルにくるまって横たわります。個室の中は、薄暗い柔らかい照明と静かなBGMが流されています。



 なんとなく、日本のマッサージなどと違って、こちらのマッサージは、良く言えば優しい感じというか、撫でる程度のイメージがあって、私はアンケートに「強め」のマッサージを希望すると記入していました。

 それでも、なんとなく物足りない感じのマッサージであろうと思っていたのは、間違いで、NUXEのローションを使った優しく丁寧なマッサージではあるのですが、本当に足のつま先から頭のてっぺんまで、丁寧に時間をかけて、全身を充分にほぐしてくれるような、満足感たっぷりのマッサージでした。

 そのまま眠ってしまってもいいくらいな感じでもあり、この際、色々、聞いておきたいという気持ちもあって、前半は、思わずよだれを流して眠りに落ちそうでしたが、途中から、このオイルはなに?とか、これは、なんのためにやっているケアなの?とか、色々と質問もしました。

 こういう時のエステティシャン?というのか、こういうサービスをしてくれる人、そういう教育をされているのかもしれませんが、わりと物静かな感じの人で、自分の側からは話しかけてきません。私の担当をしてくれたのは、恐らく20代後半から30代前半あたりの女性でしたが、落ち着いた雰囲気の感じのよい人でした。

 きっと、お客さんによっては、話しすぎてもダメ、ずっと喋っていたい人も恐らくいるだろうし(フランス人ならばとくに・・)、1対1の対応、しかも、あまりに無防備な体制になっているお客さんに対して、身体に接触するサービス・・なかなか、センシティブでもある感じです。

 ボディートリートメントがひととおり終わったところで、ボディはタオルで蒸された状態で、フェイストリートメントに入ります。

 こちらは、ゴマージュから入り、マッサージ、軽く保湿してから、パック、そして、さらに仕上げのトリートメント・・そういえば、一時、ゴマージュには、凝っていたことがあって、自分でできるスキンケアで、もっとも効果、前後の違いがもっともわかりやすく、すべすべになるのがうれしくて、一時ハマったことがありましたが、最近、すっかり忘れていました。

 今回は、プロにやってもらったゴマージュとフェイスパック・・すべすべ、しかもしっとりで、顔を見ずとも、自分で手で触れただけで、柔らかいお餅のような感じになって、思わずニッコリしてしまいました。

 考えてみれば、このようなケア、定期的にやってもいいはずなもの・・でも、そのお値段も、サービスもよくわからないうえに、やっぱり無防備に相手に身体を預ける(大げさですが・・)ので、ちょっと躊躇してしまうところもありました。

 今回、初めて、本格的なエステを体験して、個人的には、大満足。パリならではの地下もぐった石造りの空間に照明に・・そのあたりの雰囲気の演出の仕方はさすがフランス、おしゃれでとってもセンスが良いです。本当に至極の時を過ごすことができました。

 比較するのもおかしな話かもしれませんが、ディズニーランドなどに行くよりもずっと満足感があり、パリらしい体験型アクティビティかもしれません。

 色々なコースがあり、顔だけ・・とか、ボディだけ・・とか、その種類も色々あるようですが、今回、私が行ったのは、ボディ45分、フェイシャル45分の合計90分。時間いっぱいいっぱいまで、しっかりやってくれました。

 中には、水の中でやってくれるマッサージなどもあるようです。



 とっても、満足で、でも、担当してくれる人によってもずいぶん違うかもしれないな・・と思って、「あなたは、とても上手で感じもよかったから、次回もあなたを指名できますか?」と言ったら、「喜んで!」とお名前を教えてくれました。

 パリに来て、美術館とか、色々、巡りたい観光地もあるでしょうが、エステもちょっと楽しい体験かもしれません。

 とりあえず、「NUXE」のエステ・マッサージは、安心してご利用できるものでした。


NUXE SPA Montorgueil  32-34 rue Montorgueil 75001 Paris


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2025年4月5日土曜日

エッフェル塔の新しいアトラクション エッフェル塔1階の吊り橋


 


 東京に住んでいても、東京タワーやスカイツリーにはそうそう、行くわけではないのと同じで、私もあまりエッフェル塔に行くことはありません。

 それでも、昨年はパリ・オリンピックがあったために、五輪付きのエッフェル塔は今だけだろう!とエッフェル塔まで足をのばしました。とはいえ、五輪付きのエッフェル塔を見に行っただけで、エッフェル塔にのぼったわけではありません。

 たいていというか、ほぼほぼ、いつもエッフェル塔は行列しているし、チケットもけっこう高いし、あまり、行列してまで、のぼりたいとは思わないからです。

 エッフェル塔は、やはり、パリにとってシンボル的な存在で、観光客が行きたい場所のひとつであると思うのですが、私のように、「別に外から見るだけでじゅうぶん・・」と思う人は少なくないのかもしれません。

 そんな人を少しでも、エッフェル塔内に動員する目論見だったのか?なんだかエッフェル塔の中にアトラクションが設けられていたようです。

 「Le Vertige de la Tour」(ル・ヴェルティージ・ドゥ・ラ・トゥール」と名付けられたこのアトラクション。これは、高さ60メートルの1階にある記念碑の南と北の柱を結ぶ2層に重ねた結び目のあるネットのみで設計された長さ40メートルの歩道橋(吊り橋)で複数の並行ケーブルと横方向ケーブルによって保護されています。

 「都市部にできた最も高い吊り橋を体験しよう!」と開催されたこの催し・・残念ながら、期間限定だったようで、もうすでに、このサービスは終了してしまっているようです。

 期間限定・・今はもう体験できない・・となると余計に、「行っておけばよかった・・」と思う浅はかな私ではありますが、この様子を記録に残した映像を見つけたので、とりあえず、張り付けておきます。

 このエッフェル塔の吊り橋の話を知ったのは、「エッフェル塔にフリーフォールができた!」というニュースに食いついたためだったのですが、どうやら、これはエイプリールフールのなかなか手の込んだ偽映像付きのジョークだったようで、すぐに信じ込んだ私は、「えっ??そんなのできたの??なになに?」と思って調べたら、どうやらフリーフォールはジョークで、吊り橋の方はほんとの話だったものの、もはやサービス終了。

 なんともズッコケた話でしたが、自分が行きそびれたせいもありますが、「せっかくだから、ずっとやればいいのに・・」と恨みがましく思うのです。


エッフェル塔 吊り橋


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2025年4月4日金曜日

鼻が壊れて鼻水が止まらないのは、地味に辛いというか、相当辛い・・

  


 最近、治療のために夜、眠る時に、鼻にマスクをするようになって、想像していたよりも、ずっと難しくて、「さあ、寝るか・・」と思うと、本来ならば、リラックスしていくところを少々、緊張してしまう日が続いていました。

 日常的には、呼吸をしている時に、口で呼吸をしているか?鼻で呼吸をしているのか?など、全然、意識しておらず、ましてや、夜、眠る時など、どうしているのかなんて、全然、考えたことはありませんでした。

 それが、鼻にマスクをしなくてはならなくなって、マスクからは、空気が送られてくるとなると、その狭い空間で空気の摩擦が起こるわけで、その空気が出てくる圧力に自分の呼吸が合わせられないと、ブクブクと妙な音をたてたり・・と思うとなんか焦って、意識的に鼻から空気を吸おうとすると、一瞬、空気が圧縮されて、マスク内は逆に空気がない状態になったり・・そんなこんなで往生しているうちに、空気が出てくる圧力が強くなってきて、かえって眠れなくなってしまったりして、ここのところ、夜、眠る時には、妙な緊張感を感じる日が続いていたのです。

 私が就寝時に使用している機械は、そこまで精巧に作られている機械ではないので、慣れるまでには、けっこう大変だとは聞いていたのですが、想像以上で、ちょっとウンザリしていました。

 夜中、空気が送られてくるので、当然、鼻は乾いた状態になるわけで(微量の水分も含まれていますが・・)、なんか、鼻の調子が悪いな・・なんか逆に鼻がぐずぐずする・・とちょっと感じていたと思ったら、あっという間に鼻が崩壊状態で、ある日、鼻水が止まらなくなりました。

 それは、鼻水が出て、ちょっと鼻がぐずぐずする・・なんていうのとは、まるで別次元の鼻水の出かたで、もう蛇口が壊れた水道状態・・よくも、こんなに出てきて、止まらないものだ・・と思っていたのですが、もうそれが2~3日もすれば、落ち着くかと思っていたら、全然、落ち着かず、とうとうお医者さんにかかるハメに・・。

 当然、鼻マスクのせいばかりだと思っていたのに、お医者さんに行ってみたら、原因はそれだけではなくて、アレルギーや風邪も併発していると・・。またまた抗生物質のお世話になることになりました。

 お医者さんで処方箋を書いてもらって、薬局に行くと、前に並んでいた男性も鼻がグズグズで、薬を買っていました。今、そんな季節でもあるのです。

 一つの病気がまた、別の病気を呼ぶ、本当に高齢者みたいというか、虚弱体質というか、自分でも情けない状態になってきました。

 こんな時に限って、外は晴天続きなのですが、この鼻では、どうにも外出もできず、鼻に詰めたティッシュもあっという間にぐじゅぐじゅに・・。汚い話で恐縮ですが、もう鼻がダメというのは、頭は、ボーッとしてくるし、もう身体もだるくなってきて、こんなに辛いとは・・と思いながら、鼻に詰めるティッシュを丸め続けているのです。

 こんなことになるとは思いもよらず、数日後には、滅多にないエステを予約してしまっているので、なんとか、それまでに治ってくれるように祈るような気持ちです。

 

アレルギー 鼻水


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2025年4月3日木曜日

英国入国の際に必要になったETA(電子渡航認証)

  



 「4月2日から、英国に入国する欧州からの観光客は、英国国境のセキュリティ強化を目的とした有料のデジタル文書である電子渡航認証(ETA)を事前に取得し、携帯することが義務付けられる」ということで、欧州からの観光客?私は欧州からの観光客?それとも日本人?と、一瞬、ちょっと考えてしまいました。

 いやいや・・私は日本人です・・。

 調べてみると、これは、1月に米国、カナダ、オーストラリア、日本等を含む約50ヵ国と地域には、すでにこの制度は導入されているとのことで、次の段階として、今度は、欧州諸国もそれに加えられたということらしいです。

 このETA(電子渡航認証)を取得するには、専用のアプリ「UK ETA」をダウンロードするか、それができない場合は、英国政府のウェブサイト「gouv.uk」にアクセスする必要があります。

 ビザ(就労、留学など)を持つ者以外は、英国入国の際には、全員、これが必用とのことで、ヒースロー空港、マンチェスター空港等、到着時に英国の国境管理を通過する必要がない特定の空港を除き、英国を通過するほとんどの人(トランジット)も申請が必用になり、料金を支払う必要があるそうで、なかなか厄介なことです。

 この手続きには、パスポート、顔写真を提供し、一連の質問に答える必要がありますが、10分程度でできる簡単な申請だとされていますが、入国の少なくとも3営業日前までにETAの申請をすることが推奨されています。

 取得したETAは2年間有効です。

 料金は現在、10ポンド、4月9日から、16ポンドになるそうです。1週間で6ポンドも値上げするとは、この期間にとりあえず取っておこうと駆け込み申請を狙っているのか?と邪推してしまうところです。

 英国政府は、この制度を「移民制度のデジタル化」による「国境の安全確保」の必用性と説明していますが、旅行に追加費用がかかることになったことだけは、たしかです。

 これに対して?EUも同様のシステムを導入する計画だそうで、欧州30ヶ国への渡航許可システムである「Etias」(欧州渡航情報・認証システム)を導入し、2026年に発効する予定としています。

 しかし、欧州の場合は、英国と違って、陸続きに入国できるために、コントロールはより、複雑になる気もします。

 そういえば、英国にもしばらく行っておらず、一時は、あまりに気軽に行けることに気が付いて、やたらとロンドンに行っていた時もあったのに、パンデミックの前後?に娘の英国への留学がポシャって以来、なんだか、すっかり旅行の選択肢から、外れてしまって、ほぼほぼ忘れていたくらい・・このETA(電子渡航認証)のお知らせで思い出したくらいです。

 このようなシステム、日本入国の場合はこのようなシステムを導入しているのでしょうか? 


英国 イギリス ETA 電子渡航認証


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2025年4月1日火曜日

一年に一度くらい来てくれる害虫駆除 今年はちゃんと来てくれた

  


 我が家は賃貸のアパートなので、水回りの点検や排気口のお掃除や害虫駆除などなど・・定期的に来てくれます。全く一方的な日時指定なので、「この日に点検(など)に行きますので、家にいてください」とアパートの入り口に張り紙がされているので、当然、平日の日中などは、家にいられないことも多かったので、そのままスルーしていた時期も長かったのですが、今は、比較的、時間も自由が効くので、できるだけ家にいるようにしています。

 それも、○○日の午前中、とか、○○日の午後・・とかいう大雑把な指定なので、けっこう拘束される感じでもありますが、個人で呼ぼうと思ったら、それはそれで厄介なので、できるだけ、その時にお願いするように日時を合わせて待ち構えています。

 午前中にしても、午後にしても、早いうちに回ってくれれば、その後は出かけられるので良いのですが、最後にまわされてしまえば、一日中、待っていることになるので、その日は一日潰れてしまいます。

 しかも、どんな人が来るのかもわからないので、ちょっと身構えるというか、緊張もします。時々、家に押し入るための詐欺とかいうニュースを見たりすることもあるので、ちょっと警戒もするのです。

 とはいえ、「予告しておきながら、全然、来ない」ということも3~4回に1回くらいは、来ないこともあるので、待つにしても、「来ないかもしれないけどね・・」と思いながら、一応、待っています。

 こうして、至るところで、腹を立てないように、セイフティネットを張っているのに気が付きますが、これも長くフランスで暮らして、いつの間にか身につけた「少しでもストレスを回避する悲しい生活の知恵」です。

 そもそも、予告の日程どおりに来ると思って期待するから、(まあ、ふつうに考えれば、約束の日時に来ることは期待とも言わないかもしれないけど・・)腹も立つわけで、最初から「来ないこともある・・来るかもしれない・・」くらいに思っていれば、「やっぱりね・・」となります。

 今回は、予告どおりの日に午後・・という指定どおりに来てくれました。といっても、実際に害虫駆除といっても、なんか、害虫除けの薬を水回りの排気口何か所かに、プシュッ・・プシュッ・・とピストルのようなもので張り付けていってくれるだけのことで、数分で済んでしまいます。

 思えば、フランスに来たばかりの頃は、こういう一つ一つのことに、いちいち腹を立てて怒ってばかりいた気がしますが、今では期待していないので、ずいぶん楽になりました。

 逆に考えれば、日本は何でもきっちり、ちゃんとしているので、ちょっとそれから外れるとキレたりする人もいるのかもしれません。

 とはいえ、やっぱり、日本で生まれ育った私としては、時間どおりに事が運ぶ日本のような国の方が本当はラクなんですけどね・・。


害虫駆除


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2025年3月30日日曜日

朝食が好き 最期の晩餐は朝食がいいかもしれない・・

  


 最近のマイブームは朝食で、いわゆる朝食っぽい食事が自分は好きなんだな~と、あらためてそんなことを思っています。

 日本に行ったときに、温泉に行ったりしたときの、温泉旅館の和朝食などは、私にとっては、究極の朝食で、豪華な夕食は温泉の楽しみのひとつなのですが、さんざん食べ尽くした翌朝でも、ごきげんで食べられる朝食もその楽しみのひとつです。

 朝から、こんなにたくさん!と歓呼する旅館の和朝食はもちろんのこと、ふつうの家庭でも食べるような、ごはんとお味噌汁、納豆、お漬物、のり、たまご焼き(それに魚の干物などあったら、すごいですが・・)などの朝食も、海外にいれば、もの凄いご馳走です。

 以前、職場にいた同僚が子どもと日本に帰国していた際に、子どもが、実家のお母さまが用意してくださった、いわゆる、ごくごくふつうの和朝食に、「晩御飯みたいな朝ごはんだね!」と言ったという話には、当時も今も、大きく頷ける感じがしたものです。

 しかし、私は、トーストに簡単なサラダにコーヒーなどの朝食も、これもまた好きです。朝でなくとも食べたくなるような食事です。

 私はフランスでは、朝からお米のご飯を食べることは滅多にありませんが、いわゆる、朝ご飯みたいな晩御飯を食べるときは、とっても贅沢している気分です。

 私が子どもの頃は、父は、1日に一度はお米を食べないと気が済まない人だったので、たいてい父は朝からご飯とお味噌汁、焼き魚と納豆、あるいは、卵焼きなどとお漬物・・という食事で、朝、パンを食べるのは、お休みの日で、スープ(トマトとか、コーンとか、クラムチャウダーとか・・)とツナ缶とか、イワシのトマト煮とかを添えたサラダとトーストというのが定番でした。

 母に言わせれば、パンだと手間がかかるから・・ということでしたが、なるほど、今、思い返せば、今の時代ならともかく、私の子どもの頃ですから、スープといっても、大皿にスプーンで飲むようなスープで、今でもあの頃の食卓が思い浮かびますが、母も大変だったろうな・・と思います。

 今の私がパンにサラダにコーヒー・・なんていう簡単な感じではありませんでしたが、それでも、今、思い起こせば、私が自分で作っているサラダ用のドレッシングは、あの頃、母が作ってくれていたドレッシングと同じ味だと思います。

 そして、これは、今となっては、ほんと、滅多に食べないけど好きなのは、イギリスの朝食で、これは、私がイギリスに留学していた頃、ほんのわずかな期間、ホームステイしていた家庭で出してくれた、いわゆるイングリッシュブレクファストで、薄切りのパンをトーストしたものに、ベイクドビーンズ、焼いたトマト、ソーセージの朝食で、たまにM&S(マークスアンドスペンサー)に行ったりすると、このベイクドビーンズの缶詰を買ってみたりすることもあります。

 当時、最初にこの朝食を見た時は、「なにこれ?朝から、グチョグチョな豆・・」とゲッソリしたのを覚えていますが、その家庭で出してくれる料理の中では、朝食が一番マシ(失礼!)で、それも、ごくごく短期間だったので、今では懐かしい・・私にとっては、なんとなく郷愁を感じる朝食でもあります。

 おかしなことに、なんと一番長く生活しているフランスでは、フランスらしい朝食というものは、あんまり食べずに来たのですが、夫は、よく縦半分に切って、ちょっとトーストしたバゲットにバターなどを塗って、コーヒー(カフェオレ)に浸して食べていたので、これがフランス人の食べ方なのね・・と、一緒にそんな食事をしていたこともありました。

 夫が生きていた頃は、私は日曜日も仕事のことが多かったので、滅多にチャンスがありませんでしたが、ゆったりした日曜日の朝には、夫が「クロワッサンとか、パンオショコラ買ってこようか?」と、ものすごく素敵な提案をしてるアピールをしてくれていたことがあったので、夫にとっては、平日はバゲットにカフェオレ、お休みの朝食はクロワッサン・・そんな朝食が理想だったのかもしれません。

 いずれにせよ、今は朝食を抜いてしまったりすることも多いのですが、朝食を朝、食べないだけで、昼に食べたり、夜に食べたりしていて、あらためて、私は朝食というものが好きなんだな・・などと思っています。

 よく最後の晩餐というか、人生の最期に何が食べたい?なんていうことを言うことがありますが、私は、和食にせよ、洋食にせよ、簡単な「朝食」が最期に食べたい食事かもしれません。


朝食


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2025年3月26日水曜日

統一教会解散命令 フランスでの統一教会についての報道は安倍元首相襲撃事件とセット

  


 統一教会はフランスでは、Secte Moon(セクト・ムーン)と呼ばれていますが、先日の「日本の司法が統一教会に解散命令を出した」というニュースは、フランスでも、もっと大々的に扱われるかと思ったら、新聞各紙は一応報道しているものの、ほんとに「まあ、一応・・」といった感じで、あんまり大きくは扱われていません。

 そもそも、フランスでは、皆無とまではいかないまでも、そこまで浸透していないというか、反セクト法のおかげで、日本ほどの悲惨な被害が出ていないこともあって、あまり知名度はないかもしれません。

 統一教会といえば、最近で、最もその名を知らしめたのは、安倍首相がこのセクトを応援していたことにより、一家が崩壊してしまった家族の一員がその恨みを持って、公衆の面前で銃撃?したという事件によるもので、今回も統一教会解散の報道は、この「安倍元首相銃撃事件をきっかけに、統一教会は解散になった・・」というような説明の仕方です。

 まあ、この暗殺事件がなければ、未だに解散命令という運びにはなっていなかったかもしれないので、この暗殺事件がきっかけになったことは、事実だと思うのですが、私個人としては、「反セクト法」を制定しているフランスとしては、統一教会がこの「反セクト法」にばっちりひっかかる宗教団体であることが認められたために、解散命令が出たのだということ・・そして、フランスには、この「反セクト法」があるから、日本のように甚大な被害に拡大することがなかったんだよ・・ということを、しっかり説明してほしかったと思いました。

 まあ、あまり知名度のない団体に関しては、あまりニュースバリューもないのかもしれないので仕方ありません。

 ただ、ここのところ、あれから30年・・という話がよく出てくる気がするので、ついつい言いたくなるのですが、オウムの地下鉄サリン事件以降、それをきっかけにして、参考にして、議論されたセクト(新興宗教)についての問題に対応して、数年後に「反セクト法」を制定したフランスと違って、日本では、オウム真理教には、解散命令は出たものの、その他の新興宗教に関しては、特別な対応を取らずに放置した結果、被害者は増え続けてしまったのです。

 今回、ようやく解散命令が出たといっても、まだまだ実際に解散に至るのは、先のことでしょうが、まず、ようやく遠くに光が見えたというところかもしれません。

 ただし、信仰というものは、そう生易しいものではないはずなので、このおかしな資金の集め方や勧誘の仕方、政治とのかかわりなどとは、また別。

 そのうえ、あまりに長い年月が経過しているために、この信仰のもとに家族を育んで、育ってきた子どもたちも、もう大人になっているような複雑な問題(宗教2世の問題)になっています。

 信仰は尊重されるはずのものなので、この解散命令と信仰の心の問題は、同時にしっかりと対応し続けなければならない問題でもあります。

 そういう意味でも、この宗教がらみの問題は、他の詐欺事件などとはまた、別の意味でより罪深いものであったと思わざるを得ないのです。

 実態は、解散命令が出されるような団体に政治家がかかわり、相互に利用しあっていたことは本当に許されざることで、統一教会だけ成敗するのでは片手落ち、それを利用していた政治家も成敗してもらいたい気持ちです。


統一教会解散命令


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2025年3月22日土曜日

気が重かった医療機器の設置も日本好きのお兄さんのおかげで救われました!

  


 今週初めにやっと検査の結果が出て、やはり睡眠時の呼吸に大きな問題があることがわかり、主治医の先生に「これじゃ、体調が悪いのも当然だ・・」と言われ、即刻、睡眠時に着用するための医療機器を自宅に設置するように手配してくれました。

 「そんな、機械を自宅に設置??」と聞いて、ギョッとしましたが、反面、楽観的に考えれば、体調不良の原因がやっとわかって、この治療をすれば、改善されるのだ・・と思い、少しは身体が楽になるということだと思うので、よかった・・と思うことにしました。

 ただ、また、その機械の配達・設置となると、また、時間が大幅にずれたり、ヘタをすると決めた日に来てくれなかったりということは大いにありえるわけで、機械の設置をしてくれる人から電話があった時点で、日時を約束したものの、半分は、「どうせ、時間どおりには来ないよな・・」と、その日は一日、予定をあけて、待っているつもりにしていました。

 しかし、担当の人は約束どおりの時間にやってきて、本当に親切に説明しながら、機械を設置して、使い方なども丁寧に教えてくれました。

 全て、保険適用になるために、そのための書類をまず、作らなくてはならなくて、それも全部、その場ですぐにやってくれました。30代半ばくらいの男性だったのですが、向こうの方から、「どちらの方ですか?」と尋ねられたので、「日本人です」と答えたら、「僕、日本が大好きなんです!」と。

 もう、日中はけっこう暖かいこともあってか、そのお兄さんは半そで・・「いくらなんでも寒くないの?」と思って、Tシャツを見ると、なんと「ラグビーワールドカップジャパン2019」のロゴ入り・・。

 「なぜ?日本が好きなんですか?」と聞いてみたら、「僕は、ドラゴンボールで育ってきたから・・NARUTOも好きだし・・」と・・。日本が好きになったきっかけは、MANGAだったそうで、これらのMANGAのおかげで、日本にとても親しみを感じるようになったとのことでした。

 パリの街では、日本のマンガのキャラクターが描かれているTシャツなどの服を着ている人を見かけることも少なくはありません。

 一時、フランス政府が停滞したフランスの文化事業推進・支援と若者への文化と芸術への好奇心を喚起させるために若者向けに発行された「カルチャーパス」が、そのうちの4分の3が「MANGA」に費やされたという結果から、一時は「カルチャーパス」は「MANGAパス」と呼ばれるようになったこともありました。

 これは、当初から、文化的なものなら、何にでも使用することができる!とのことで、その中にもちろん「MANGA」も入っていたのですが、まさかこれほどフランスの若者の文化が「MANGA」で占められることになっているとは、開けてビックリ!の事態でした。

 今回、家に来てくれたお兄さんは「マンガパス」よりもう少し上の世代ですが、実にフランスでの「MANGA」人気の拡大?には、長い年月を経ていて、年齢層も幅広いのです。

 フランスは日本に次いで、世界第二のマンガ消費国で、そのおかげで、フランスには、日本を好意的に感じてくれている人が多いことは、フランスに住む日本人としては、本当にありがたいことです。

 今回のちょっと厄介に感じていた医療機器の設置という気が重かった出来事も、この日本好きのお兄さんのおかげで、とても親切に、丁寧に対応していただきました。

 とっても、優しい目をした人だったので、そうでなくても、誰にでも親切なのだと思いますが、やはり、日本人としては、初対面の人にでも「日本大好き!」と言ってもらえるのはとっても嬉しいことで、自然とうちとけられる気がしました。

 昨年の鳥山明氏の訃報はフランスでも大々的に報道され、多くの著名人、マクロン大統領までが弔意を表明していましたが、このフランスでのMANGA文化の浸透は、日本という国に大きく貢献し、幅広く浸透していることを、あらためて、身をもって感じ、それに深く感謝する気持ちになりました。


医療機器設置


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