2023年2月13日月曜日

2023年国際ソムリエコンクール 30年ぶりにパリで開催 ワインとフランス

  



 若い頃は、とにかくお酒が大好きで、日本では、とにかくビールが好きで1日2リットル近く飲んでいた時期もあり、また、ウィスキー、日本酒、焼酎、ジンなどなんでもいける感じでした。

 そんな中でも最も飲んでいなかったのは、ワインで、一度開けてしまうと始末に悪い気がしていたこともあり、またワインは選ぶのが難しいうえに、決まった銘柄をどこででも気軽に買えるという感じでもなかったので、一番、飲む機会も少なかったのです。

 しかし、フランスに来てからは、気候のせいもあるのか? なぜかビールを飲みたい感じは消え去り、飲みやすい?ウォッカを友にしていた時期もあるのですが、結局のところは、ワインが一番コスパもよく、また季節ごとにワインフェアなどをやっていて、箱詰めのワインが山積みにされたりするので、少々、煽られているところもあるのか、断然、ワインを飲むことが多くなりました。

 あんまりお酒を飲まなくなっている今でも、もう身体に染みついている酒瓶をみるとワクワクして嬉しくなってしまう感情はなくなっておらず、ついつい箱買いしてしまったりするのです。

 ちなみに、そんなに有名ではない、安いのに美味しいワインを探し出すことに、最近の私は喜びを見出しています。

 そんなフランスで、30年ぶりにパリで国際ソムリエコンクールが開催されるというニュースがちょっとだけニュースに出ていて、「へ??ワインのソムリエコンクールなのに?あんまり注目されていないんだな・・」と意外に思いました。

 「ワインといえばフランス、フランスといえばワイン」をイメージする人は多いと思いますが、意外にもフランスでは、このソムリエという職業は、単なるウェイターと大して変わらないような(とはちょっと言い過ぎですが・・)、あまり正当に評価されていないという声もあるほど、あまり光があたっていない職業でもあるのです。

 今回、このコンクールに参加したフランスで最優秀ソムリエと最優秀職人の称号を持つフランス代表のソムリエもニューヨーク勤務ということで、現在、フランスで活躍しているわけではありません。

 彼女自身もソムリエがスターとして輝けるのはアメリカやアジアだと語っています。日本では、たしか、以前にソムリエにスポットをあてたテレビドラマなどもありましたね。

 とはいえ、コンビニのような小さいスーパーマーケットは別として、フランスなら大抵、どこのスーパーマーケットに行っても、カーブ(ワイン貯蔵スペース)があり、前述したように季節になるとワインフェアなどが行われたりする裾野の広い土壌があるのですが、このカーブも年々スペースが縮小され、代わりにビールのスペースが広くなっていたりもして、特に若者のワイン離れは、ワイン愛好家から嘆かれたりもしています。

 身近なところでは、我が家のアパートのゴミ捨て場などからも、以前に比べてワインの瓶がずいぶん減ったな・・などと思います。(ゴミの分別をあまりきっちりしないフランス人もさすがに瓶だけは、別に捨てます)

 ワインを飲む人が減ったとはいえ、ソムリエとなる人にとっては、ワイン文化が根付いている土地で生まれ育っているということは優位だとは思うのです。

 しかし、ワインにかかわらず、現在はアルコールは控えましょう、アルコールは健康を害するもの・・という流れで、フランスでは、アルコール飲料のテレビコマーシャルなどは、NG。広告もそんなに多くはありません。(なので、日本政府がサケビバ・・など若者を対象にお酒の広告を募ったりするのにはびっくりしました)

 少なくとも、私自身は、レストランに行っても、ソムリエが各テーブルに登場するような高級レストランには行かないので、レストランでワインを頼んだ際に、ウェイターの人が、すっとワインオープナーをポケットから出して、キュッキュッと器用に素早くコルクを開けてくれるのを見て、カッコいい技だ・・と思うくらいで、あれこれ、ワインについて、解説されたところで、あまりよくわからないのが、正直なところです。

 パリで開催されたというのに、今回、出場したフランス人ソムリエは4位にとどまり、決勝に進出できなかったようです。

 ちなみに1995年に東京でこの大会が行われた時には、日本人が優勝したそうで、そういえば、その頃から日本では、ソムリエという職業に光があたりはじめ、今やソムリエという言葉はワインだけではなく、日本のサイトを見たら、「フランス人ソムリエが厳選した日本酒」なるものまであって、ちょっとビックリしたと同時に、「なぜ?フランス人ソムリエ?」とそのワインとソムリエとフランスのイメージの変化球をおもしろいな・・と思いました。

 今回の優勝者は、ラトビア人のライモンズ・トムソン氏ということで、彼もまた、優勝の喜びを「パリ・フランスほどこのタイトルにふさわしい街・国はない」と語っています。

 この多くの人が抱くワイン・フランスのイメージは、世界的に刻み付けられているものなのかもしれません。


2023年国際ソムリエコンクール パリ


<関連記事>

「フランス人のワイン離れ」

「日本の国税庁キャンペーン「サケビバ」にはフランス人も唖然」

「FAUCHON(フォション・パリ)破産申請 コロナの経済打撃は、パリの老舗にも・・」

「フレンチパラドックス 先進国で意外と肥満の少ないフランス」

「衰退するボジョレーヌーボー」

「ボジョレーヌーボーと日本の関係」


0 コメント: