2023年2月26日日曜日

国際農業見本市に訪れたマクロン大統領に物申す人が続出

  


 毎年、パリで行われる国際農業見本市は、毎年、多くの人を集める一大イベントの一つです。今年は2月25日から3月5日までポルト・ド・ヴェルサイユの大きな会場で行われています。結構、地味に人気のあるイベントで、今年は50万人の人出が見込まれています。

 フランスは自国の食糧に誇り高きプライドを持つ農業大国でもあり、フランス各地から見事な牛、馬、豚、羊などとともに、地方名産のチーズやバター、またハムやサラミなどの肉製品など、様々な食料品も集結し、農業にまつわるアクティビティなども用意され、子供連れで訪れる人も少なくありません。

 私は、行ったことがないのですが、近くなってくると、牛が全面に載せられたポスターなどの広告が出てきて、いつか、このポスターの牛を見て、「美味しそうな牛だ・・」という夫のつぶやきにギョッとして、「この人は肉ではなく、牛を見て、美味しそうだ・・牛が美味しそう?と思うのだろうか?」とびっくりしていると、「日本人だって、魚を見て、美味しそうだって思うでしょうに・・」と言われて、フランス人というのは、こういうものか?と誤解しそうになりましたが、これは、一般的なフランス人の話ではありません。

 昨日は、この国際農業見本市が初日ということで、マクロン大統領が見本市の様子を見て歩き、生産者たちと触れ合い、対話の時間を持ったのでした。


 

 ただでさえ、人が多く集まるところに、グングンと入っていき、ごくごく近くで生産者たちや、来場客などと気軽に話をする様子は、一見、すごくオープンな感じで親しみが持てる感じもするのですが、今回は特に、年金問題などで政府が国民の反感を買っている時期でもあり、大統領を捕まえて、物申す人が続出し、かなり過激な言い合いになっている場面や、乱暴を働こうとしたのか、その場で取り押さえられる人まで出たりして、ちょっと話題になっています。

 わりとよく見かける光景ですが、マクロン大統領は、大勢の国民のいる場所にグングン歩いていき、危険はないのか?と思いますが、いざ、危険な場面に直面して、その場に居合わせた人がSNSにアップして(今どきな感じ)、その時の様子を見ることになるのですが、一人でグングン歩いているように見えるマクロン大統領の周囲には、イカつい男性のSPがびっしり固めており、いざ、暴漢が・・などという話を聞いて映像を見ると、どちらがSPなのか暴漢なのかよくわからないようなガードの仕方でフランスのSP怖い~~(日本のSPもよく知りませんが・・)と思います。


 

 このような場面で思い出すのは、やはり安倍元首相が襲われた事件での警護の問題ですが、現職ではなかったにせよ、あれだけの大物にSPらしき人がいたのか?いなかったのか?いたのに、事件が起こったとしたら、まことにお粗末な話でもあります。

 しかし、この映像で見るSPは、暴漢?の髪をひっつかんで、なんかすごいですよね・・まじまじと見なければ、髪の毛をひっつかんでいる人の方が暴漢なのかと思ってしまいました。

 きっと、これが日本だったら、このような場所に首相が入っていく場合は、あらかじめ道があけられ、一般の人は近寄れないような体制を作ってしまうのでしょうが、こんなふうに、国民と直に対話する場所を作って見せるということもあってもいいのではないか?とも思います。

 まぁやったにしても、ポーズだけで、本当の対話とはなりそうもありませんが・・。


SALON INTERNATIONAL de l'AGRICULTURE

Porte de Versaille 75015 Paris


パリ国際農業見本市


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