2024年1月31日水曜日

ネスレグループのミネラルウォーターは、違法精製水を販売していたという大スキャンダル

  


 ネスレといえば、スイスに拠点を置く世界最大の食品会社で、扱っている食品の種類も広範囲にわたります。

 今回、炎上中の製品はミネラルウォーターという通常、もっとも信頼されるべきもので、それだけにショッキングなことでもあります。

 実際に私も長年にわたり、買い物するのに重くて面倒であっても、子供のために、健康を気遣って、ほんのわずかでも害になるものを摂取させ続けてはいけない・・水くらいは少しは良質なものをとミネラルウォーターを買い続けてきたので、本当に裏切られたような不快な思いでいます。

 ネスレグループといえば、ミネラルウォーターだけでも、クリスタリンをはじめ、ペリエ、ヴィッテル、コントレックス、サンヨール、ヴィシー・セレスタン、さらにはシャテルドンなど約30種類のボトルウォーターを販売しています。

 今回の疑惑調査は、2020年に工場の従業員からの内部告発により、競争・消費者問題・詐欺防止総局(DGCCRF)が調査を開始し、調査の結果、ミネラルウォーターに規制に準拠しない処理を行っていることを発見。硫酸鉄と工業用 CO2 の注入、認可された基準値を下回る精密濾過、さらにはいわゆる「ミネラル」または「スプリング」水の混合も行われていたという報告書が提出されていました。

 この調査の結果、フランスのボトル入り飲料水市場の3分の1以上を握るスイスの多国籍企業ネスレは、その後、非公開の経済産業大臣との面会を要請、 2021年8月末、ネスレは準拠していない製法を使用したことを認めたと言われています。

 今回、この事実が公になったのは、ル・モンド紙とラジオフランスの取材によるもので、この問題がすぐには明らかにならなかった理由が添えられています。

 実際にネスレグループは、このミネラルウォーターの精製に関わる規制に何年も違反し続けていることを認めつつ、この内々の政府との秘密会議において、同社は、ネスレグループが使用する水源は確実に汚染が進んでいるために、こうした処理がなければミネラルウォーター工場の操業を継続することはもはや不可能だと経済産業省に対し説明しています。

 そして、この違反が発覚した後もむしろ、開き直るかたちで、これを継続できるように規制自体を改正することを求めていたようです。

 そもそもミネラルウォーターには、源泉水の純度によって、「ナチュラルミネラルーター(ペリエ、ヴィッテル、エビアンなど)」、「湧き水(クリスタリン)」、「処理によって飲料可能になっている水」とに分類され、それぞれに精製過程の規制が異なります。

 つまり、ナチュラルミネラルウォーターと湧き水には、地下水の深部から汲み上げられるため、通常は汚染や公害のリスクから保護され、「微生物学的に安全」であるという共通点があります。 したがって、非常に限られた数の精製処理のみが許可されており、 カーボンフィルターや UV フィルターなどの浄化システムの使用は厳しく禁止されています。

 ナチュラルミネラルウォーターは「本来の純粋さ」が特徴のため、精製する必要がなく、水の微生物学的特性を変えてはならないものです。

 フランス人がボトル入り飲料水の品質に非常に高い信頼を寄せているのは、この「本来の純粋さ」が「より健康的」、「より健康に良い」と信じているからに他なりません。

 しかし長年にわたり、実際にはネスレ グループのナチュラル ミネラル ウォーターには「純粋」または「天然」というものはなかったのです。

 さらに、恐ろしいのは、このネスレの要請に基づき、政府がこの規制自体を修正することによって、許可する可能性があったことが報告書から認められた・・というものです。

 実際に、詳しくミネラルウォーターの分類を知らなかった私でさえも、そのメーカーやブランドなどで信用しきっていたのは、情けないのですが、今回のようにフランスのマスコミがこの不正を暴いてくれて、ありがたいことです。

 しかし、いずれにせよ、水源が汚染されつつあるという事実は変わりないわけで、ナチュラルミネラルウォーターとして不適切な精製法がとられているのに、それを偽ってきたということで、ハッキリ言って、詐欺ですが、だからといって、水道水といえば、飲料水として、ろ過されたものでもなく、結果的には、偽のナチュラルミネラルウォーターではなく、もともと「処理によって飲料可能になっている水」として、そこまで高価ではなく売られているものが良心的なのだろうか?などとも考えてしまいます。

 いずれにせよ、これもまた、環境問題にかかわってくること、同時に問題を隠蔽して、違法な方法で製造したものを販売することや、それを政府までもがすぐに明らかにしてこなかったことは、それに輪をかけて恐ろしいことです。


ネスレ ミネラルウォーター


<関連記事>

「マクドナルドの水が呼び起こす大論争 Eau by McDonald's」

「冷凍ピザ死亡事故に見るフランスの食品衛生管理」

「冷凍ピザ食中毒死亡事故から1年 ブイトーニのコードリー工場閉鎖へ」

「ネスレ ブイトーニ 食中毒事件 冷凍ピザ工場閉鎖も年内は従業員を解雇しない事情」

「史上最悪と言われるブイトーニ冷凍ピザ食中毒事件の賠償には守秘義務が課せられている」





 

2024年1月30日火曜日

RATP(パリ交通公団)2月5日から 7ヶ月間のストライキ予告

  


 RATP(パリ交通公団)労働組合が発表したプレスリリースによると、2月5日月曜日から7ヶ月間のストライキ通告を提出したことを発表しています。

 ストライキの予告には、驚かなくなっていますが、今回ばかりは、2 月 5 日月曜日から 9 月 9 日月曜日までという長期間の予告には、「ちょっと、あり得ない!」ともうため息も出ず、一瞬、息を止めている自分に気が付きました。いくらなんでも7ヶ月間という予告は度を越しています。


 彼らは、このストライキ予告の理由として、「2024年の給与措置が不十分である」としており、32時間(週)を基準とした労働時間の短縮(一般的には35時間あるいは37時間)や残業及び休日手当やボーナスの見直しなどの要求も突き付けています。

 この要求が叶わなければ、オリンピック・パラリンピックに向けてピークを迎えようとしている状況で充分に安全で快適な交通網を提供することができないとしており、明らかにオリンピック・パラリンピックを盾にした要求であることは、目に見えています。

 しかし、RATP(パリ交通公団)を利用する側から言わせていただければ、毎年、確実にチケットは値上げし、その上、オリンピック期間前後は、チケット価格がほぼ倍に値上げすることが発表されており(ただし住民、恒常的に利用している人々に関しては通常価格ということになっている)、これまでも、ストライキの他に、時折、交通網が麻痺したり、拡張工事のために度々閉鎖されたりと、この期間の分のチケット代返金してよ!などと思うくらいで、このうえ、またストライキなど・・しかも、こんな長期間なんて、いい加減にしてほしい! 給与や条件の交渉なら、周囲に迷惑かけないようにうまく話し合いをつけろ!と思います。

 現在、農民たちが様々な困難に直面し、怒りを爆発させ始め、あちこちの主要道路をブロックしたりしている中、これがいつまで続くのかはわかりませんが、この動きがダブって進行するとなると、社会機能が麻痺し始める恐れもあります。

 現在のこの同時期に進行しようとしている農民たちの騒動とRATPのストライキは、どうしても、比較して見てしまうのですが、どう考えても、RATPの方は、相対的に一般的な会社と比べてみても、(RATPには、給与・年金手当の他に職員専用に安価に利用できる住宅施設などがあったり、特別な研修休暇システムなどもある)条件は決して悪くないはずで、どうにもその理由が理解しがたいもの、農民たちの訴えについては、多くの国民も支持しているところが大きな違いです。

 オリンピックを盾にすれば、特に交通機関などの場合は、それが動かないなどという事態は絶対に避けたいであろうという一種の弱みに付け込んでいるような要求には、苦々しい気持ちしかありません。


RATP(パリ交通公団)7ヶ月のストライキ


<関連記事>

「パリのメトロ6号線でコートがドアに挟まって死亡事故」

「ストライキの被害を被りぐったりした1日」

「パリのメトロのプロブレム・テクニック」

「ストライキに遭遇して見知らぬ人と駅まで歩くハメになった・・ストライキには腹を立てないフランス人」

「パリのメトロ・RER (郊外線)の大気汚染問題」

 



2024年1月29日月曜日

環境活動家によるモナリザ襲撃 今度はカボチャスープ

  


 たびたび、芸術作品が環境活動家のターゲットになるのは、もはや珍しいことではなくなりましたが、パリのルーブル美術館では、またもやモナリザが標的にされ、カボチャのスープを投げつけられました。

 もっとも、モナリザは、頑丈な保護ガラスで守られているために、絵画自体には、直接の損害はありませんが、この騒ぎと清掃のために、この部屋は約1時間ほど閉鎖されたのち、再開場されたそうです。

 現在、フランスでは、様々な状況に追いつめられた農民たちが、全国規模でデモを行っていますが、今回のモナリザ襲撃は、それに乗っかるかたちで行われた感が否めません。

 このモナリザにカボチャのスープを投げつけた2人の環境活動家は、「芸術と、健康的で持続可能な食べ物を得る権利とどちらが大切ですか?」と問いかけ、「我が国の農業システムは病んでおり、農民たちは労働中に死亡しており、フランス人の3人に1人は毎日の食事を満足にとれていません!」などとモナリザの前で訴え叫んでいます。

 たしかに、現在のフランスの農業のシステムには、問題があるようだし、農民たちが苦しい生活を送っていることは、今回の大規模デモでの彼らの説明を聞いていると、「たしかにこれは酷いな・・」と思わせられるのですが、安全な食品を!と呼びかける彼女たちがカボチャのスープという食料を無駄にするようなことをするのは、理解できないうえに、芸術作品がなぜそこで引き合いに出されるのかも全く意味がわかりません。

 たしかに環境問題は農民を苦しめている側面の一つではあるものの、彼らの苦しみは、もっと複合的なものが積もり積もったものであり、そんな時に彼らの訴えにのっかるような訴えの仕方をするのは、現在の農民の正当な怒りへの冒涜でもある気がします。

 ルーブル美術館は、入館時に荷物チェックなどもありますが、彼らはカボチャのスープをコーヒーの魔法瓶の中に隠して持ち込んだようです。

 モナリザは度々、被害に遭っており、前回は、2022年5月にクリームパイを投げつけられています。できるだけ世間の注目を集めたいがためにモナリザが選ばれているのでしょうが、数奇な運命の絵です。

 今回の彼らの抗議行動について、彼らの所属するリポスト・アリメンテールは要求書で、ルーブル美術館での行動を「持続可能な食料のための社会保障という、すべての人にとって有益な明確な要求を伴う市民抵抗運動のキックオフ」であると表明しています。

 地球環境問題はたしかに深刻な問題で、できる限りの対策をとっていく必要があるとは思いますが、このような環境活動家の抗議行動は、むしろ、本来の環境問題に対応すべき事柄に危険な雲行き怪しい空気を吹き込みかねないものでもあり、環境問題とともに、環境活動家問題が加わっているようなおかしな現象であると思います。

 だいたい、この芸術作品のためにパリを訪れる人が一体、どれだけいることか?この、あるだけでフランスに富をもたらしてくれる芸術作品をなぜ冒涜するのか?全く意味がわかりません。


モナリザ襲撃


<関連記事>

「ルーブル美術館 モナリザ襲撃 モナリザは結構災難に遭っている」

「ガラガラのルーブル美術館なんて今だけ! 一人ぼっちのミロのヴィーナス」

「年金改革問題デモはルーブル美術館の中までも・・」

「環境活動家の「金持ち凶弾アクション」 ルイヴィトン、ホテルリッツへのペンキ攻撃」

「フランスの食品廃棄物救済アプリ Too Good To Go」


 

2024年1月28日日曜日

松本人志騒動はフランスでも報道されていた・・

  


 昨年末から日本で大騒動になっているらしいダウンタウンの松本人志さんの性加害問題については、時々、YouTubeで解説している映像などを見ていました。

 海外に出てから、ほとんど日本のテレビ番組を見ないために、知らないタレントさんが多くなってしまっている私でさえ、ダウンタウンは知っていたので、なんとなく気になって、そんな解説をしているYouTubeを目にしていました。

 何人かのユーチューバーがここぞとばかりに、次から次へと出てくる告発者の証言などを紹介しているなかに、「ついに、この話題はフランスでも報道されているようです!」という説明していて、「えっ?フランスでもやってるの? 夜のテレビのニュースでは見てないけどな・・」(私は、テレビはほとんどニュース番組くらいしか見ていないので・・)と思ったら、本当にいくつかのメディアで報道していました。

 いわゆるゴシップ紙ではなく、大手仏紙 ル・モンド、フィガロまで書いているのにはビックリ! その他、TF1(テレビフランス1)のテレビ番組やラジオフランスの番組でもやっていました。

 テレビの方は、10分強の扱いでしたが、日本での松本人志氏が大変、人気のある30年以上のキャリアを持つコメディアン、俳優、プロデューサーでもあることを説明したうえで、週刊文春の報道の内容や社会の反応など、やはり昨年、BBCの報道以来、大騒動を巻き起こしたジャニーズ事務所の性加害問題にも触れつつ、これまでこれらの問題には、口をつぐんできた日本にも、ようやく#Me Too 運動の波が巻き起こり始めていると紹介しています。

 映像は、多くのこの件に関する日本の番組の映像が切り取りで使われており、巻き沿いを食って仕事を失いたくない彼の事務所の仲間(と辛口な説明)が曖昧なコメントをしている様子や、加えて、これは過去の話でも被害者の立場にたって、きちんと扱うべきであると証言している指原莉乃さんの証言や、吐き気がすると話している上沼恵美子さんが証言している映像も併せて使われていました。

 新聞となると、もう少し広い視点での扱いで、日本の芸能事務所の在り方やマスコミについても疑問を投げかけている内容で、これらの報道に対して、テレビはこの告発報道に対して消極的であることの理由も説明しています。まさにフランスだとそれはそれで、別に騒ぎになりそうな「言論の自由」についてです。

 どうも、フランスの新聞は、この日本のマスコミの在り方については、以前の別の問題、例えば、安倍元総理の襲撃事件の際の報道についてなどについても、マスコミが機能していない問題を厳しく指摘しており、日本の言論の自由、報道の在り方については手厳しく批判的な書き方をしています。

 彼の所属する事務所「吉本興業」は約6,000人のアーティストを抱える日本のテレビ・エンターテイメント業界に大きな権力を持つ事務所であり、テレビチャンネルはこの会社に大きく依存しており、彼らなしには多くのテレビ番組が存在しなくなるために、彼らの中には、真のオメルタ(沈黙の掟)があると説明しています。

 日本の芸能事務所がこのアーティストたちを全て管理する準封建的な歪な制度であることとともに、日本のテレビはこの巨大化した権力に対しての扱いに四苦八苦している・・と。

 また、日本では、この性加害に対する告発は、非常に少なく、警察に届け出がなされる件数も年間1,300件ほどしかなく、日本の刑法が合意のない性行為を強姦と認めたのは、ほんの数カ月前のことである・・と。

 フランスでもついこの間、有名俳優ジェラール・ドパルデューの性加害問題で彼からレジョンドヌール勲章を剥奪するか否か?という問題で大騒動になったばかりです。

 しかし、フランスのマスコミは、彼に関する報道をテレビでも忖度なしに報道しています。

 #MeToo 運動は日本で軌道に乗るまでに多くの困難を伴いましたが、ここ数週間でこの運動は一気に加速していると被害者の女性が声をあげたことに対して好意的に報じています。

 他の国での報道についてはわかりませんが、ここまで有名になっては、少なくともフランスに進出しているメーカーなどは、おそらくスポンサーから外れることは間違いありません。


松本人志性加害


<関連記事>

「俳優ジェラール・ドパルデューのレジオンドヌール勲章剥奪とマクロン大統領の発言」

「ジェラール・ドパルデューを消すな!50人以上の文化著名人が性加害俳優 擁護の署名」

「フランスの報道機関が指摘する安倍元総理と統一教会についての日本での報道と警察と政府、報道機関の歪み」

「世界が首をかしげる日本のマスコミ ジャニー喜多川性加害問題」

「眞子さまのご結婚報道で見えるフランスの日本という国の見方」




 

2024年1月27日土曜日

長年の夢だったことをちょっとだけやってみた・・

 

 私が初めて、海外生活を送ったのは、イギリスのロンドンで、それも、もうかなり昔の話になりますが、最初の頃は、様々な文化の違いにいちいち、「は~~っ!は~~っ?」と驚くことがたくさんありました。

 ロンドンの後は、しばらく、日本に帰国して、日本で働いていたのですが、その後、パートナーの都合から、なんとアフリカ(コートジボアール)で生活することになり、まあ、アフリカは、想像どおりにロンドン以上に驚くことばかり、まるで別世界で、以前の日本の人気番組であった「なるほどザ・ワールド」をライブで見ているみたいだ・・と思いました。

 その後、夫の転勤のために、パリでの生活が始まったわけですが、その時は、もう子供もいて、初めての子育て、しかも、海外で・・ということで、国の文化がどうこう以前に、もう必死な毎日でした。

 イギリスとフランスを一緒にすることはできませんが、それでもアフリカや日本と比べれば、似ているところも多いのです。

 最初にロンドンで「ほ~っ!」と思ったことの一つは、人々が公園に寝転がったり、散歩したり、本を読んだり、ピクニックをしたりと、気楽にとてもくつろいでいて、彼らにとって公園がとても楽しそうな場所であることでした。

 東京で、忙しく暮らしていた私にとっては、公園というものは、ほとんど無縁の場所で、公園で楽しそうに過ごしている彼らが、理解できないような、でも、反面は羨ましいような、不思議な気持ちでした。

 ロンドン市内には、ハイドパークとかリージェンツパークとかグリーンパークとか、けっこう大きな公園がありますが、そんな公園を人々はけっこう憩いの場にしていて、冬でも芝生が緑だったり、ちょっとした噴水や池などにも、いい大人が水遊びしていたり、時には行水までしていて、ちょっとしたカルチャーショックでもありました。

 パリに来てからは、たまにヴァンセンヌの森に行ってボートに乗ったり、チュイルリー公園などを散歩したりもしましたが、それは、子連れということもあって、とにかく娘の有り余るエネルギーを発散させるためで、私にとっては、思い起こせば楽しい思い出ではありますが、とてもリラックスして・・いう感じではありませんでした。

 一度、チュイルリー公園に行った時に、勢いよく走りだした娘について行けずに、遠くから、「気をつけてよ~~!」と叫びながら、娘の姿を追いかけていたら、高い石垣の上から娘が落っこちて、ギャ~~~ッ!もうダメだ!と思って、全速力で駆け寄って下を覗いたら、危機一髪、娘はその下に生えていた木にひっかかってぶら下がっており、その下に居合わせた男性が助けてくれて、「ほんとにラッキーでしたね・・」と言われ、肝を冷やしたことがありました。

 そんなわけで、公園といえども、私にとっては、たとえパリであっても、全くリラックスできる場所ではなく、また、娘が学校に行きはじめてからは、仕事と休みの日には、日常の買い物やお稽古事の送り迎えに追われ、公園どころではなく、バカンス期間は、どこか別の場所に旅行に出てしまうという公園とは無縁の生活を送っていました。

 最近になって、娘も独立し、たまに散歩がてらに大きな公園を歩いてみたりもするのですが、公園の様子は相変わらずで、休日はもちろんのこと、平日でさえも、そこそこ大勢の人が楽しそうにゆったりと時間を過ごしていて、私もたまには、天気のいい日に本でも持って、オープンエアの空間でゆっくりしてみよう・・とずっと思っていました。

 今回は、わざわざ読書するために行ったわけではなかったのですが、たまたま近くに行くついでがあって、リュクサンブール公園の近くを通ったので、ふと思いついて、ちょっと歩いて、ベンチに座って持ってる本でも読んでゆっくりしよう!と公園に入っていったのです。

 天気はよかったものの、やっぱり冬真っ盛りで、春や夏には緑に覆われている木々の葉っぱもなくなっていて、少々寂しい気もするのですが、その枝の張り方やその隙間から見えるパリの建築がまた、この季節ならではな感じでそれはそれで美しく、ゆっくり空いているベンチを探しました。

 備え付けのベンチと移動可能な椅子2種類があり(一つは座る用、もう一つは、背もたれがちょっと斜めになっていて、ちょっとうたた寝ができそうなもの)、そのうちの一つを見つけて座って、本を開きました。

 平日とはいえ、椅子はほぼ満席です。おしゃべりをしている人も多いのですが、昼寝をしている人もいれば、本を読んでいる人も絵を描いている人もひたすらボーっとしている人もいます。

 私はとても本が好きで、若い頃は常に本を1~2冊持っていないと不安なくらいでした。フランスに来たばかりの頃は、住まいがパリ郊外で通勤にも時間がかかっていたのですが、電車の中ではもっぱら本を読んでいましたが、パリに引っ越してきてからは、通勤時間が短くなったものの、逆に電車に乗っている時間が減ったために、読書量ももっぱら減ってしまいました。

 家に早く帰れるようになったので、その分、時間ができたわけですが、家に帰ったら帰ったで、じっくりと落ち着いて本を読む時間がとりにくくなるのも皮肉なものです。

 そんなことを思いながら、お天気の日に公園で暑くもなく、寒くもない時期に、ほどよい雑音の中に身をおいて、本を読むのは、想像以上に気分のよいものです。

 久しぶりにリラックスして本を読んでいると、やっぱり心が落ち着いてくるような・・そういえば、長い間、本は私にとって精神安定剤のような役割を果たしてきたんだったな・・と思いだした気分にもなりました。

 聞こえてくる言語を聞いていると、けっこう外国人も多いみたいで、なるほど観光客も来るところなんだな~と思いながら、しばし、午後の優雅な時間を過ごしました。

 あっという間に時間が経って、気が付けばうすら寒くなってきて、早々に引き上げることにしましたが、こんな感じの時間の過ごし方もなかなか良いな・・と思いながら、バスで帰ってきました。

 帰りのバスが事故のために渋滞し、途中でバスをおろされるというハプニングはありましたが、よい週末の午後でした。


リュクサンブール公園 


<関連記事>

「フランスの貧乏大学生の質素な生活」

「最初は不思議だったヨーロッパの人々の公園の楽しみ方が少しわかってきた気がする リュクサンブール公園」

「2年ぶりの日本 街を歩いていて気付くフランスとの違い」

「パリでお花見 緑の芝生の中にあるソー公園の八重桜(Le parc de Sceaux)」

「もしも彼らが生きていたら・・移り変わる家族環境」




2024年1月26日金曜日

今さらだけど、とっても大切な挨拶とありがとう ボンジュールとメルシー

  


 私が子供の頃は、誰かの家を訪れたりすると、母親に必ず、「ちゃんとご挨拶した?」と念を押されるのがとっても嫌でした。私は、子供の頃はとても内気で、人見知りで、あまり、知らない人に会ったり、人に溶け込むことが苦手でした。

 それでも、誰かのお宅にお邪魔したりした時には、「ちゃんとご挨拶しなさい・・」という母親の言いつけはちゃんと守っていて、言われたとおりにしているのに、そのたびに、これ見よがしに「ちゃんとご挨拶した?」と言われることに、いつまでも挨拶ができない子供のように扱われていることがとても嫌で、母としたら、あたりまえのことを言っていて、悪気はなかったとは思うのですが、そんな風に、毎度毎度、確認されるために、なおさら、他人の家を訪れたりすることが、ますます嫌いになったのです。

 どんな親でも、しっかり挨拶をすることや、「ありがとう」、「ごめんなさい」を言うことは、一番に子供に教えることだと思うのですが、これが、大人になると、意外とおろそかになりがちなところもあるけど、シンプルだけど、とっても大切なことなんだな・・と最近、あらためて、思うのです。

 特にフランスにいると、挨拶は、ほんとに大事だな・・と思うことも多く、また、その機会も多く、まあ、簡単に言えば、「ボンジュール」の一言なのですが、例えば、見知らぬお店に入ったりしても、お店側はもちろん、「ボンジュール」と言ってくれますが、お客さんの側も「ボンジュール」と挨拶するし、この「ボンジュール」を言わないのは、微妙な感じに受け取られるような気がします。

 見知らぬ人と目が合っても、さすがにボンジュールとは言わなくても、ニッコリ微笑みがえしてくれるのは、感じのよいものです。

 ごくごく親しい人に対しては、「サリュー!」とか、「サヴァ?」とか、気安く声をかけることもありますが、「ボンジュール○○(相手の名前)!」、それほど親しくない場合は、「ボンジュール マダム」とか「ボンジュール ムッシュー」と挨拶します。

 このボンジュールにマダム・・とか、ムッシューをつけるのは、娘が小学校の面接試験のときに、「ボンジュール!」と元気よく挨拶した娘に、大変、厳しそうな女性のディレクトリス(校長先生)に、「「ボンジュール」ではなく、「ボンジュール マダム」と言うのですよ・・。」と静かに諭されたという話を聞いて以来、お行儀よく、丁寧にあいさつする場合は、きちんとマダムあるいは、ムッシューをつけて挨拶しなければならないんだな・・と親の私があらためて肝に銘じて学んだことでした。

 私は、バスを利用することが多いのですが、バスに乗るときに運転手さんに「ボンジュール」と挨拶をする人も多く、すごい人だと降りるときにわざわざ、「メルシームッシュー!」と運転手さんに声をかけて降りる人もいます。

 この「ボンジュール」と挨拶することで、ちょっと空気が和らぐような気がするというのもちょっと大げさではありますが、小さなほんの一瞬の人間関係でも基本です。

 ちょっとでも関わる人との人間関係の基本はこのほんの一言、「ボンジュール」と「メルシー、メルシーボクー」、これを言われて嫌な気がする人はいないし、もしも、フランスに旅行に来ることがあったら、たとえ、フランス語ができなくても、これだけは、心がけた方が過ごしやすいかもしれません。

 元気にあいさつができて、ありがとうって言えて、ごめんなさいと素直にあやまることって、今さらこんなおばさんになって仰々しく言うことでもないけど、にっこりと、これができれば、けっこうなチカラを発揮するもんなんじゃないかな?と思うのです。



ボンジュール メルシー


<関連記事>

「パリのバス停で・・喋る喋るフランスのおばちゃん」

「フランスでは知らない人に話しかけられる確率が高い私」

「日本の変化とフランスの生活習慣から生まれた自分自身の変化」

「日本でフランス人を見かけるとちょっと嬉しい不思議」

「パリのバス停はおばちゃんの井戸端会議の場」

「日本だと知らない人が話しかけてくれないのが寂しい・・」

 

 

2024年1月25日木曜日

フランスのニュースでも取り上げられている明治神宮外苑森林伐採問題

  


 今年は、能登半島での地震や羽田空港での飛行機事故のために、年明け早々から、フランスのニュースに日本が登場しました。

 その後、フランスでは、自国の洪水などの災害や内閣改造、また現在も次から次へと起こるニュースに日本の地震のその後の模様を追随するニュースは、あまり表だっては浮上してきていませんでした。

 それが、どういうわけか、ゴールデンタイムのニュースの枠の中に、東京の明治神宮外苑の森林伐採問題が取り上げられていて、ちょっとビックリしました。

 「東京の神宮外苑の銀杏並木はたいへん歴史のある場所で、銀杏の葉は東京のシンボルにもなっている。東京は、新宿区、港区、渋谷区にまたがる大規模な再開発計画で商業施設の入る高層ビルを建築するために、この場所に広大に広がる森林を伐採する計画になっており、多くの反対があがっているにもかかわらず、これを強行するようだ・・」といった内容のもので、この計画に対する反対の(おとなしく、大変、行儀のよい)デモの様子や、またミュージシャンなども反対メッセージを込めた曲を発表したりしていると、桑田佳祐さんが歌っている映像が一部、流れたりしました。

 インタビューを受けているこの計画に反対している人によると、「これは、公共の場でありながら、開発は民間企業が主導しているものなので規制が難しい・・」というようなことを話していましたが、これは、ちょっとフランス人には理解しがたい話で、フランスでは、たとえ民間の事業であっても、その再開発が公益が損なわれるものであってはならないために、政府のチェックはとても厳しく行われ、まず、政府の許可は下りないのがふつうです。

 だいたい、今は、環境問題が何よりも厳しく叫ばれる中、緑化していく方向ならばともかく、古く歴史のある森林、樹木を1,000本近くも伐採するなど、どう考えても世界的にも時代に逆行する話です。新宿区、港区、渋谷区には、もうすでに商業施設はあり過ぎるくらいあり、今、必要なのは、森林であるのは明白なことなのです。

 そもそも、日本はCO2排出量トップ5に入っている国、中国、アメリカ、ロシア、インドなどの大国に比べて、日本はとても小さい国なのに、この不名誉なトップ5に入ってしまっているという現実をどう考えているのでしょうか?

 少し前に、自宅周辺の再開発計画があるので、周辺住民に説明の集会があるというので、「えっ??まさか、工事期間は追い出されたりするわけ?」と心配になって、参加したのですが、これは、現在、在住している人には、迷惑が及ばないように工事は進められるということで、ホッとしたのです。

 それでも、一体、こんな工事、どうやって一体いつになったらできるのやら?と思うほど、美しく再開発された完成予想図のようなものを見せてくれたのですが、「このあたりがこんなになるの?」と緑があちこちに増やされていることにもビックリしたくらいでした。

 たとえば、パリ市内にあるリュクサンブール公園やチュイルリー公園、また、ブーローニュの森やヴァンセンヌの森の森林を伐採するなどは、絶対にあり得ないことで、住民、環境保護団体はもちろんのこと、国も絶対に許可する話ではありません。

 昨今の地球温暖化、異常気象を考えれば、今、必要なのは、どう考えても商業施設の入る高層ビルではなく、森林なのです。これを増やすならともかく、伐採するなど狂気の沙汰で、海外の国々が口出しできる話ではないとはいえ、日本という国の現在の地球環境問題に対しての認識の低さを露呈する話になります。

 すでに、フランスでもゴールデンタイムのニュース番組でも扱われているということは、遠く離れた国とはいえ、やはり問題意識を持って注目されているということです。

 様々な問題において、「海外では絶対に許されない!」と言われることで、日本もそれにならって、態度を改めていくことが、最近は、よく見られるようなので、この森林伐採問題についても、海外のメディアも、すでに目を光らせているということを日本政府も少しはわかっておいた方がよい気がします。

 あまりに常識外れなことをしていると、G7のメンバーなどと大きな顔をしていても、軽蔑されて、対等にお付き合いしてもらえなくなります。


明治神宮森林伐採問題


<関連記事>

「2023年1月1日からファストフードの使い捨て容器廃止へ」

「フランス2022年1月から野菜や果物のプラスチック包装禁止」

「フランスのスーパーマーケットからレシートが消える」

「フランスの食品廃棄物救済アプリ Too Good To Go」

「食品廃棄物防止・減少へのフランスの取り組み スーパーマーケットの食品廃棄物防止のラベル」

2024年1月24日水曜日

ブーランジュリー ワールドカップ 16年ぶりのフランス優勝

 


 今年、行われた「クープ・デュ・モンド・ブーランジュリー」でフランスが優勝したそうで、しかも、優勝は16年ぶりということで、「あらら・・パンの国 フランスがそんなに優勝していなかったの?」と、そっちの方にちょっと驚いた次第です。

 その書かれ方が今年は、「フランスチームが日本、韓国を押さえて堂々、優勝!」とあったので、日本も入っていたのか・・と思ったら、今年、日本チームは3位だったようです。

 このいわゆるパンのワールドカップのような催し物は、ヨーロッパ見本市の一環として、2年に一度、開催されているそうです。

 そうでなくとも、バゲットコンクールとか、クロワッサンコンクールなど、毎年、行われているコンクールもけっこうあって(多分、パリ市がやっているものだと思いますが・・)、正直、このワールドカップの方は、これまで見逃していました。

 というのも、おそらく、フランスが優勝しなかったために大々的に取り扱われなかったため、なんとなく見逃してしまったのかもしれません。

 この職人技を競うような大会には、どの分野でもめっぽう強いイメージのある日本ですが、やはりパンの世界でも、その力量をふるっているのは、間違いないようです。

 この大会は、2日間にわたるもので、各チームがパン、ヴィエノワズリー(ペストリー系?)、芸術作品の3つの項目を披露するもので、今回優勝したのは、フランスのリヨン出身のパン職人だったようです。

 しかし、美食の国フランス、その中でもパンはある種、象徴的な存在でもある国としては、こんなにも長い間、優勝できなかったことは、フランス人のプライドが傷つけられる不快なものであったことは、想像に難くないところでもあります。

 ある記事には、パンは私たちの一部であり、キリアン・ムバッペやエッフェル塔と並ぶ国家の誇り! その最も美しい象徴であるバゲットは、2022 年にユネスコによって無形文化遺産に登録されている!

 にもかかわらず、この30年間で、フランスがカップを持ち帰ったのはわずか3回だけ、しかも、2008 年以来、フランスのチームがこのタイトルを獲得できなかったこの不快感をどう説明すればいいでしょうか? 」と書かれています。

 その原因として、この間に躍進してきた日本や韓国などのアジア勢のパン職人に対して、「彼らは私たちが想像もしないようなことをするのです」とフランス人にとっては伝統があるがゆえに思いつかない創造性に長けていると説明しています。

 また、物価の上昇や困難な労働条件などから、パン職人を志す人が減少しており、優れた職人が育ちにくくなっていることも原因の一つに挙げています。

 たしかに最近、日本に行くたびにパン屋さんが増えていることに驚かされますが、日本で売っているパンとフランスで売っているパンは、タイプが違うように思いますが、個人的には、フランスは、やっぱりパンはかなり美味しいお店が多いので、充分、満足しているために、日本に行った時に、他に食べたいものが山積みのキツキツのスケジュールのなか、わざわざパンを食べることがほとんどないので、日本のパンがどれほど美味しいのかは、正直、わかりませんがパン職人が減少していると言われるフランスに比べて日本はパン職人は増えているのではないか?と思うのです。

 しかし、フランスのブーランジュリー協会にとっては、「このフランスチームの優勝により、パン屋のノウハウを強調し、エネルギーや原材料の価格高騰、持続可能な開発、人材採用など、多くの課題に直面している業界全体を勇気付けることができます」と前向きに述べています。

 同時にフランスパン・ベーカリー・パティスリー全国連盟会長は、日本、韓国、台湾などには、非常に良い際立っている職人がいることも認めています。

 もともとあるものを真似して、それに新しい創意工夫を凝らして改良するのは、日本人の得意とするところでもあり、小麦粉と水という基本的な材料に地元のシリアルやオリジナルの食材を使って無限の創造性の息吹を吹き込み独創的なものを創り出す。

 彼らには想像力が豊かで異なる食文化を持つからこそ生み出す力があり、それこそが、フランスチームに欠けているもので、それがこれまで優勝から遠ざかっていた原因でもあると指摘しています。

 しかし、一方では、「フランスでは、依然として並外れたレベルの店舗が存在する」と豪語もしており、それには、私もやっぱり大きく同意するところでもあります。

 

ブーランジュリー ワールドカップ フランス優勝 


<関連記事>

「2023年パリ・バゲットコンクール グランプリ受賞のバゲット オー・ル・ヴァン・デ・ピレネー」

「フランスのバゲット ユネスコ無形文化遺産登録」

「超人気のセドリック グロレのクロワッサンを買うのは大変 Cédric Grolét Opéra」

「2022年パリ・クロワッサンコンクール優勝のお店 Carton カルトン」

「パリの日本の食パンブームの波 Carré Pain de Mie カレ・パン・ドゥ・ミの日本の食パン」







2024年1月23日火曜日

パリのメトロ・RER (郊外線)の大気汚染問題

 


 これまで、大気汚染といえば、車の排気ガスや工場から排出されるものとばかり思っており、メトロなどの車内やプラットフォームで大気汚染の問題があるなどとは微塵も思ったことがなかったのですが、どうやら、パリのメトロや郊外線における大気汚染に警報が鳴らされているようです。

 この調査は、フランスのテレビ番組「Vert de rage」のために、交通組織当局であるイル・ド・フランス・モビリテス (IDFM) と、この地域の大気の質の監視を担当する協会であるエアパリフがこの番組に回答するために示したパリの地下鉄とRERの汚染マップを初めて公開したことから明らかにされました。

 現在の発表は、イル・ド・フランスのネットワーク(地下鉄、RER、トランシリアン)の397駅のうち44駅に関するものに限られていますが、このマップでは、国家保健安全局 (ANSES) が推奨する最大閾値を超える PM10 微粒子の濃度が示されています。

 このマップによると、最も大気汚染が酷い状態であるのは、 ベルヴィル駅と、パリの東に位置するジョレス駅とオベルカンフ駅であることが明らかになっています。
 
 メトロの駅の大気汚染ってどういうこと? 電車なのに大気汚染ってなに?と思ったのですが、これは、どうやら、電車がブレーキをかけた際に発生する微粒子の問題のようで、 車輪、レール、ブレーキ、電車線が磨耗していくと、より細かい粉塵が発生すると説明されています。

 IDFM(イル・ド・フランス・モビリテス)は、この影響を抑えるため、列車のブレーキ時に発生する微粒子の排出を減らすシステム(電磁ブレーキ)を、特にRER A線と1、2、3、4号線にできるだけ早く導入するよう求めています。

 現段階でこの電磁ブレーキが導入されているのは、4号線、11号線、14号線のみだということで、同じRATPで、どうして、こんなに差があるのかは、少々疑問でもあるし、あんなに、しょっちゅう工事している気がするのに、まだ、こんな問題があるの?と思ってしまいます。

 IDFMは「ベルヴィルは2024年から新しい扇風機に切り替え、 ジョレス駅では扇風機が強化され、オベルカンフ駅では2023年末から、すでに新しい扇風機が稼動している」と発表していますが、思わず、「そこ?」とか、「そっち?」と思ってしまうところでもあります。

 この微粒子は、その細かさによって有害度が異なるそうで、細かくなるほど、体内に吸収されやすくなり、危険になるということらしいです。車内は換気されているために危険度も下がるということではありますが、最も危険な場所として挙げられている場所では、健康体の人には、特に問題はないようですが、特に喘息患者などの人々における気道の炎症、あるいは、自律神経機能へのリスクは否定できないとしています。

 この問題は、これまで公にはなっていなかったけれども、水面下では対策をとられていたということは、ありがたいと言えばありがたいのですが、こんなメトロの大気汚染などという問題があることすら知らなかったので、これを公表に導いてくれたテレビ番組・マスコミの存在もやはり、ありがたかったな・・と思うのです。

 しかし、メトロまで大気汚染とは、少々ウンザリです。


パリのメトロ大気汚染問題


<関連記事>






 

 

2024年1月22日月曜日

海外から見る日本に足りない教育

  


 フランスでは、新しく教育相に就任した大臣が子供を名門と呼ばれる私立校に転校させたとかで大バッシングを受けていますが、私としては、むしろ、大臣だって、やっぱり子供の教育を考えるなら、フランスだったら私立に入れるよね・・とこっそり思っています。子供の教育については、個人的なこと、教育相とて、選択の自由はあるはずです。

 我が家の場合は、子供の就学前から、周囲にいた先輩方から、「子供は絶対、私立に行かせた方がいい・・特に小・中学校はマストだ!公立の学校は地域にもよるけど、大方、ヤバい子供たちもいて、ロクなことにならないから、絶対!私立に入れた方がいいよ!」と強い助言があり、また、公立校のあまりの学校のストライキの多さにウンザリもしていたので、「子供の教育は、後からでは取り返しがつかない・・」と近所の私立の学校になんとか入れるように、夫に奔走してもらい、なんとか小学校から私立の学校に入れたのです。

 なので、実際にフランスの公立の学校の現状は、外から見ているだけで、やはりストライキが多いな~くらいしかわからないのですが、娘がその後、高校まで通った学校は、良い学校であったことだけは、確かにわかります。だいたい、たまに行く、保護者会のようなものでも、親の教育に対する姿勢から、真剣身が全然、違い、それは来ている子供たちも違うわけだよな・・と思わされた記憶があります。

 また、やっぱり娘が学校に通っている様子から、日本の学校とは教育の仕方が違うんだな・・と感じることも多々ありました。

 なによりも、よく言えば、理論立てて考えて語る訓練というか、テストなども論文形式のものが多いことです。それも高校くらいになると、その論文の長いこと・・。

 当時は、だから、フランス人は口が達者で、良い意味でも悪い意味でも、理屈をこねくり回してモノ申す人が多いのだな・・と思ったりもしました。

 その理論をどう構築していくかは別として、だから、デモなども頻繁に起こるし、フランス人は黙って受け入れることがない・・やることやってから言えよ!などと思うことも多かったのですが、逆に今の日本を見ていれば、自分の頭で理論立てて考えて、それを話す、話し合うということは、とても大事なことだと思うのです。

 つい先日、日本のニュースを見ていて、ある政治家が「派閥を解散する」というほんの短い案件を発表する際のほんの1分ほどの内容に、なにやら、メモを読み上げている様子を見て、「それくらい、自分の口で言えないのかよ!」と本当に情けない気持ちになりました。

 日本の教育は、どちらかといえば、おとなしく従うことが基本で、議論を戦わせたり、自分の言葉で意見を言ったりする教育が足りないように思います。特に多くの政治家の話の説得力のなさには、言葉がありません。

 また、日本では、政治や宗教の話題はタブーといった印象がありますが、この政治や宗教の教育こそが日本に足りない教育のようにも感じます。フランス人は政治の話題を好み、家庭内でも政治の話をしたり、子供をデモに連れて行ったりすることも珍しくはありません。

 宗教についても、娘の行っていた学校はカトリックの学校ではありましたが、カトリックに偏ることなく、宗教全般に関する授業があり、宗教というものについて、様々な宗教の成り立ちや概要、そして、カルトの危険性などについての授業までありました。

 今では、他のことで、立ち消えになってしまったかに見える旧統一教会の問題なども、宗教とはどういうものであるか?がわかっていれば、予備知識として、「これは、おかしいのではないか?」とストッパーになり得たかもしれません。

 一般的に見て、日本人のポテンシャルは高いと思われるので、足りないところを補う教育を取り入れていけば、もっと力を発揮できるだろうし、何より、今は政治が最悪・・政治に対して、国民は、もっともっと、モノ申さなければ、このままでは日本は潰れてしまいます。

 日本には、もっと議論する、反対意見を臆することなく発表し、話し合う、討論する教育が必用なのでは・・と思います。フランスに来たばかりの頃は、やたら議論をたたかわせて、話し続けるフランス人をどうか?と思うこともあったのですが、この議論するということは、実はとても大切なことなのに、日本に足りない教育なのでは?と最近は思うようになりました。黙ってガマンするだけではなく、日本人はもっともっと、モノ申し、意見を述べなければなりません。

 最近は、失われた30年などと言われる日本ですが、日本は戦後復興から30年で高度経済成長を遂げた国でもあります。今後30年で、教育も含めて日本は新たな復活の可能性だってあるとも思うのです。


日本に足りない教育


<関連記事>

「フランスの小・中学校(高校) 私立進学へのススメ」

「学校選びは人生の岐路 娘の通ったフランスの学校はなかなか厳しい学校だった」

「宗教の教育」

「実践よりも、まず、理論のフランスの教育」

「娘の卒業式」





2024年1月21日日曜日

日本から持ってきた食料品の一部をちょっとだけご紹介

 

 

 まあ、自分でも呆れるほど、私は、食べることばかり考えているので、パリにいても、どこかに何か美味しそうなものがあるとすっ飛んで行くのですが、やはり、生まれも育ちも日本人の私は、やっぱり日本の食べ物が好きで、一時帰国した際に持ってくる日本の食材や調味料を使って、現地の食材を使って、なんとか満足のいく食生活が送れるように、日本から持って帰ってくる食材選びには、並々ならぬ情熱を注いでいます。

 夫は自分でも料理ができないわけではなく、私が休日出勤をする際などは、「朝、用意していくのは大変だから、自分がやるからムリしなくてもいいよ!」とやさしいことを言ってくれていたのですが、夫の料理は娘の口にはあわないようで、「お願いだから、ママが作って!」と嘆願され、また、私も娘を置いて、仕事に行くことに、なんとなく引け目というか、「ママ、お仕事行かなきゃいけないけど、あなたのことを忘れてないからね・・」というメッセージのつもりもあって、必ず私が食事の支度はしていました。

 夫には、私が日本に行く度に買い集めてくる日本の食料品、特に調味料関係はわけがわからないようで、「なんで、冷蔵庫の中、こんなに瓶がいっぱいになるの?」と不満気に言われたこともあったりしたのですが、私にとっては、フランスでは手に入りにくい宝物のようなもの・・そこは一歩たりとも譲ことができませんでした。

 あれから、夫は亡くなってしまい、今では自分の好きなものしか冷蔵庫に入っていないのですが、あの頃から比べると、私が日本から運んでくる食材もずいぶんと種類が増えてきたように思います。

 今回は、このたび私が日本から持ってきた(頂いてきた)食材でよかったな・・と思うものをご紹介します。

 まずは、だしの類、茅乃舎のだし、野菜だしは、定番で、前回は、白だしなども追加して、今回、持ってきたのは、こちらの2つ、「のどぐろだし」と「白エビだし」。これらは頂き物ですが、すごく期待しています。


 そして、糀みつと、友人宅で出してくれて、すっごく美味しいと感激したら、友人がくれたお醤油。「糀みつ」は、パリのサロンドショコラに行ったときにみつけて、味見させてもらったら、これが奥行のある深みのあるまろやかな甘さ・・この甘さはパリには絶対ないもの!と感激して買おうと思ったら、1本30ユーロもするというので目が丸くなり、なら、日本に行った時に買おうと思っていたもの・・(日本だと半額以下でした!)これと一緒に乾燥した糀も買ってきました。




 
 そして、前回、買ってきてとても重宝した明太子パウダーとあさりパウダー、貝柱パウダー。明太子パウダーは、そのままふりかけのようにご飯にかけて食べてもいいし、マヨネーズや生クリーム、クリームチーズやバターなどと混ぜてディップのようにしてもよし、簡単な明太子パスタにしてもよし・・また、あさりパウダー、貝柱パウダーは、お味噌汁に入れてもいいし、海鮮類のパスタなどにちょっと加えるのもよしで、と~っても便利です。



 そして、日本人の神髄・お味噌類と今回、従姉妹がくれた、ぬかチューブ、ぬか漬けもどきは、普段、パンとビールに昆布などを加えて代用していましたが、これはすっごく楽しみで、きゅうりの季節になったら、やってみます・・たのしみ~~。
 お味噌は、ふつうに使うお味噌とつけて食べる分のお味噌、これも頂き物です。



 それからそば好きの私としては色々なお蕎麦が食べてみたくて、数種類のおそばと友人がくれた揚げ玉。この揚げ玉がけっこう優れもので、ワサビ風味でそのまま食べてもおいしいし、冷ややっこにかけたりても美味しいです。
 


 そして、海藻類と海鮮系の乾物類、特に乾燥あさりと乾燥しじみは、レギュラーメンバーで、なんといっても軽いので嬉しいです。パリにもあさりは全くないわけではないけれど、どこにでもあるわけではないし、しじみに至ってはお目にかかったことがありません。
 



 それからけっこう便利なこれ!


 最近、お豆腐はパリでも買いやすくなったので、お豆腐と、私は、冷凍のほうれん草(味つけなしの素材だけのもの)を解凍したものを混ぜたりしています。混ぜるだけでできるので、簡単です。

 それから、私にとって、今や必需品に近く、最も重さを押さえられる食品はこちら!
 

 種で持ってきて、あとは、パリで育てるという日本の野菜たち。
 きゅうり、にら、しそ、三つ葉、小松菜、春菊、オクラ、ししとう、スナップえんどう、ナスなどは、育てたことがあるので、今回、わさびリーフ、からし菜、ごぼうに挑戦してみるつもりです。
 このベランダ菜園は、植物が育っていくのも楽しく、また、買い物に行かずに少しずつ収穫して楽しめて、時には、友人にもお裾分けしてあげたりもできるので、すごく楽しいです。
 急にロックダウンになった時などには、この野菜の種に気持ち的にもずいぶん救われた思い出があります。
 今回は、日本に行ったのが冬だったので、種を探すのに苦労しましたが、幸いにも宮古島や九州に行ったりもしたので、無事ゲットできました。

 結局、スーツケース2個分、23kg×2・・約50kg近い荷物のほとんどが食料で、これ以外にも、お米、玄米、お餅、缶詰めや明太子、干物やしらす、ウニ、鰻やお漬物類、佃煮、梅干し、ワサビ漬けなどなど、た~くさんの食材があって、今はとても満たされている気持ちです。
 日本に住んでいれば、いつでもどこでもたいてい手に入るものばかりだと思いますが、これが宝物みたいに感じられることも私の幸せの一つなのです。


日本食材

<関連記事>








2024年1月20日土曜日

フランス政府 電気自動車リース 月額100ユーロのオファー

 


 マクロン大統領が3週間で90,000人月から額100ユーロの電気自動車リースの申し込みがあったことを報告したことから、そういうサービスがあったことを知りました。

 欧州議会は、昨年の段階で、2035年には、内燃機関搭載の新車販売を禁止し、EU圏内のガソリン車、ディーゼル車、ハイブリッド車の新車販売を事実上停止し、欧州全体で、本格的に電気自動車に切り替えていく方針を決定しています。

 そんなこと言ったって、そもそもフランス人は、リッチな人は別として、一般的には車を探すのは、中古車から探すのがふつうで、 こんなこと決めても、そんなに簡単に変わらないだろうな・・と私は思っていたのです。

 そもそも、パリに住んでいれば、メトロもバスもあるし、車で出かければ、かえって駐車スペースを探すのに苦労するくらいだし、また駐車した車がいつどんな目に遭うとも限らないので、車の必要性を感じません。

 それでも、夫は、車が好きだったので、ほんの短距離にもかかわらず、車で移動したがる人だったので、車を持っていましたが、夫が亡くなってからは、車は手放してしまいました。

 大荷物で旅行する日本へ行く時などに頼む車の運転手さんなどは、車を持つのは、ほんとうにお金がかかりすぎるので、絶対、必要ないよ!などと力説する人だったりもしたし、実際、日常的に車は全く必要性を感じないので、私は車は持っていません。たまに旅行したりした時にレンタカーを借りるくらいです。

 しかし、郊外や地方に住んでいる人にとっては、車なしには、通勤できない場合もけっこうあり、娘が一時、日本の大学への留学をパンデミックのためにドタキャンされたために、ブルターニュのド田舎にある研究所でスタージュをしていたことがあって、本当に通勤に大変な思いをして通っていたことがあり、その研究所に併設された工場などでは、ほぼ全員が車で通勤しているとかで、そういう地域では、車は必需品なのです。

 これまでも電気自動車を購入する場合は補助金が出るということも行われてきたのですが、今回のリースはさらにお手軽感があり、そういった車が不可欠な地域などの人々にとっては、月額100ユーロの電気自動車リース(ファミリータイプの車の場合は150ユーロ)は、なかなかメリットがありそうな制度です。

 しかし、現在のところは、低額所得者を対象としているようで、このリースを利用できるのは、収入が15,400ユーロ未満であり、通勤に必要な場合は、自宅から15km以上離れたところに住んでいることなどの雇用主からの証明書が必用であり、そうでない場合はセキュリテソーシャル(社会保障制度)の証明書が必用になります。

 この契約期間は少なくとも3年間以上、契約終了時には、車を返却するか、残金を支払えば、その車を購入することもできます。

 現在、フランス政府は、いくつかの車のレンタル会社と車のメーカーとの契約を締結しているそうで、車は、シトロエン、フィアット、ジープ、日産、オペル、プジョー、ルノーが揃っているそうです。

 ここで、気付いたのは、トヨタが入っていないこと・・トヨタが電気自動車に遅れをとっている話は、聞いていましたが、こんなところにも表れているとは、ちょっと愕然とします。

 ともかくも、最も車が必用な人々で、しかも低所得者層で電気自動車に手を出しにくそうな人々をこのように電気自動車に誘導していくことで、フランスでの電気自動車の割合は、増加していきそうな気がします。

 2035年という目標を絵にかいた餅にしないように、色々な取り組みを行っていて、未来に向けて、どんどん変わっていくんだな・・ということを実感しています。 


電気自動車リース 月額100ユーロ


<関連記事>

「欧州議会 2035年から内燃機関搭載の新車販売禁止を採択 100%電気自動車を目指す」

「コロナウィルスの煽りを受けて、急遽、フランスの田舎暮らしが始まった娘」

「2035年にはヨーロッパは電気自動車だけになる」

「馴染みの運転手さんがコロナで人生がすっかり変わってしまったという話」

「フランス人と車」












2024年1月19日金曜日

フランスの出生率低下が浮き彫りにする中流階級が苦しい現状

  


 年が明け、昨年のデータが続々とあがってくるようで、2023年のフランスの出生率は、戦後最低を記録したことが話題になっています。

 INSEE(国立統計経済研究所)が明らかにした最新データによると、2023年にフランスで誕生した子供の数は、67万8千人だったということで、ここ数年、下がり続けていたにもかかわらず、さらに減少を続け、1年で6.6%減少しているようで、現在フランスの女性1人が持つ子供の数の平均は、 1.68人なのだそうです。

 週明けに行われたマクロン大統領の記者会見でもこの問題について、触れていましたが、現在の育児休暇に代わる両親のための6ヶ月間の出産休暇を創設し(月額429ユーロ相当の補償)、またこの出生率低下には、不妊症の増加も影響しているとし、不妊治療への取り組みを進めることを発表しています。

 たしかに、これまでフランスは、避妊薬の援助などの話はたまに聞くことはあっても、不妊治療の援助の話は、あまり浮上してきてはいませんでした。

 私が子育てをしていた頃は、娘の周囲には、3人兄弟(姉妹)という家庭が多いような印象で、子どもが3人以上になると税制的にずっとメリットがあるという話を聞いていたのですが、どうやら、フランスもそれだけでは、子供が増やせなくなったということなのかもしれません。

 そもそも、女性の就学期間が長くなり、就業し始めて、生活が安定してからとなると、第一子を出産する年齢も上昇し、必然的に子供を出産して育てることを考えると年齢的な幅も狭まっていくことになります。

 そのうえ、パンデミック、戦争、インフレと世界情勢も波乱続きで、不安定な世の中で子供を持ちたくない、持つことへのリスクを考えたりもするのかもしれません。

 それでも、この出生率の低下はヨーロッパ全土に共通する現象でもあり、フランスはイタリアやスペインなどと比べてみても、出産により女性が仕事を辞めなければならないケースはかなり少ないし、決して悪い方ではないという意見もあります。どんな状況にあっても、この中では、フランスはトップ!とか、向こうの国はもっと酷い・・とかいう意見が出るのもフランスらしいなとも思います。

 また、フランスは2023年になっても出生数が死亡数を上回っているため、人口全体の比率としては、バランスを保っているという人もいます。しかし、これが20年後となると、話はまた、別の次元になるわけで、この世代の人口が極端に減っていくということになり、バランスを保てなくなる時が訪れるということです。

 この問題は、年金改革問題とも関わりのある話で、現在、退職者1人当たり現役労働者は約1.7人ですが、2070年にはおそらく1.2人になると言われています。フランスの平均寿命は女性が85.7歳、男性が80歳とけっこうな長寿国でもあるのです。

 また、バランスの話になれば、もっとも子供の数が少ないのは、中流階級の世帯であり、多くの子供を持つのは、最も貧しい世帯と最も裕福な世帯というのもフランス社会の縮図のような気もするのです。

 フランスでは、以前からよく聞く話ですが、フランスでの税金は決して安くはなく、しかし、最低レベルの人には、援助が手厚く、極端に言えば、払う人ともらう人に分けられるわけですが、実際には、援助を受けられるほどには、貧しくなく、高い税金を払わなければならないギリギリの中流世帯が一番苦しいことになるということで、その狭間にたった人々にとっては、この不安定な世の中で、子供を持つのを躊躇うという選択肢をとるのも、なんか頷ける話です。

 これまで、出生率低下の話になると、たいていは、日本の少子高齢化の話が例にあげられることも多いのですが、今回は、あまり日本の話はあがってきてはおらず、もはや、比較するには、及ばないといったところなのでしょうか?


フランス出生率低下


<関連記事>

「フランスの出生率低下にフランス人が提言する言葉 人生は美しい「la vie est belle」」

「フランス人は、意外と長生き」

「赤ちゃんを抱っこしてメトロに乗る女性」

「フランスのベビーシッターと子供のお迎え」

「フランスの高齢者施設オルペア Orpéa の実態暴露の大スキャンダル」





 

2024年1月18日木曜日

ゼロユーロ紙幣発売 ゼロユーロはいくら?

  


 2月にゼロユーロ紙幣が限定発売されるという話を聞いて、「へっ?ゼロユーロっていくらなんだろう?」とへんな感想を持ちました。

 今回は、ノルマンディー上陸作戦80周年を記念したものということで、3,000枚が発行されるそうで、従来の紙幣と同じ品質を維持し、透かし、セキュリティスレッド、特殊インク、さらには、固有のシリアル番号などのセキュリティ機能が供えられているゼロユーロながら、ホンモノの紙幣?なのだそうです。

 2月販売開始で7月発行予定ということですが、当然、ゼロユーロということで、法定通貨ではありますが、金銭的な価値はなく、使用することはできませんが、コレクターの間では、人気を呼んでいるもののようで、希少性があるために、後に、コレクターの間で、高値をつけることがあるかもしれません。

 私は全く知らなかったのですが、このゼロユーロ紙幣は2015年から存在しているそうで、これまで2,500を超える異なるデザインのゼロユーロ紙幣が30ヵ国で発行されているようです。

 現在のところ、ゼロユーロ紙幣の価格は発表されていないようですが、これまでの前例からすると、1枚5~10ユーロ程度のようです。

 これまで記念切手や記念コインなどの類は見たことがあり、現在は、パリオリンピック記念コインなどがオリンピックオフィシャルショップやネット上などでも販売されていますが、どれも実際に使用できる値段がついているもので、この「ゼロユーロ紙幣」という発想は、ホンモノなのに使えないという、紙幣であって紙幣ではないような妙な存在です。

 フランス向けのこのゼロユーロ紙幣の見本には、「我が国を解放するために団結したすべての国の男女に敬意を表します」というマクロン大統領の口から出てきそうな一文が書かれています。

 フランスやヨーロッパはこういった過去の歴史を讃えるようなものを造ることが好きなんだな~と思いますが、フランスとヨーロッパの歴史におけるこの出来事の重要性を非常に詳しく説明しており、ド ゴール将軍、ナポレオン、ヴェルサンジェトリクスからパンテオンなどに特に敬意を表するデザインなのだそうです。

 販売は先着順ということで、3,000枚限定なので、あっという間に売り切れるものだと思いますが、個人的には、せめて20ユーロ紙幣とか50ユーロ紙幣にすれば、もっと高く売れるし、使用することもできるのに・・(パリオリンピックの2ユーロの記念コインは5ユーロで売っていた・・)とい、の歴史的遺産を使うことなく、過去の遺産の断片として、この遺産を保存することなのだそうで、なんだか独特な美学というか、ヨーロッパらしい気もするのです。

 しかし、ここ数年、両親亡きあと、実家の片付けをしている私は、「へ?なんでこんなものがあるの?」というものに紛れて、記念切手や記念コインなどの部類のものを見つけても、そのうち、どっかで売れるかな?などと思って持ってきてはいても、結局は、また、どこにしまったかわからなくなってしまっているという・・この連鎖は私がいなくなった後も続くような気がしているのです。


ゼロユーロ紙幣


<関連記事>

「パリオリンピック オフィシャルショップ オリンピックオフィシャルグッズと値段」

「ユーロの偽札が一番、流通しているのはフランス」

「クロアチアがユーロ圏になった 自国で通貨がかわる体験」

「40万ユーロを拾った人・・2年経って、半分を受け取れる!」

「チップについて、一番ケチなのはフランス人」







2024年1月17日水曜日

マクロン大統領の大規模記者会見生中継の圧倒的な存在感

  


 マクロン大統領が記者会見を行うという予告は、数日前から公表されていました。しかし、プレス・カンファレンスというだけで、それが一体、どのようなものなのかは、具体的にイメージしていませんでした。

 この記者会見は夜20時15分からというゴールデンタイムに行われ、驚くことに、主要各局は、ほぼ全局、生中継、加えて、X(旧Twitter)、YouTube、Instagramなど、ほぼあらゆるメディアで同時生配信とそれは、それは大規模なものでした。

 約百人の報道陣をエリゼ宮に招いての記者会見は、その会場自体も煌びやかで華やかでもあり、絶対的な威厳を感じさせるものでもありました。

         


 マクロン大統領は、ほぼ予定どおりの時間に登場し、まず、冒頭に「これまでの6年半の大統領としての歩みを経て、私たちは、どこから来て、どこへ行くのかを国民の皆様に伝えるためにこの機会を設けました」と話しはじめ、「わたしたちは、もっと団結していけば、フランスはこの激動の世界でさらに強くなるでしょう」と軍事力強化について語り、また、子ども、市民教育の重要性、教育部門の強化、学校での演劇の授業の必修化、制服導入の試験的試みや、原子力、再生可能エネルギーの増加、購買力増加、税金、インフレ問題などについて、饒舌に20分程度、語りました。

 マクロン大統領は、大変、お話が上手なのには、もう国民も慣れ過ぎている感じもあり、まあ、正論だし、そうなったらよいけど、現実はそう簡単にうまくはいかないよね・・と思ってしまうところがあって、今回もそんな感じに終わるかと思っていました。

 しかし、実際は、その後がマクロン大統領の本領発揮の見せどころだったのです。

 結局、彼が何人の記者からの質問に答えたのかは、数えていませんでしたが、相当数の質問に答え続けたこと、トータルで2時間15分程度、ある程度の想定質問に対する答えは用意していたであろうものの、どこからでもどうぞ・・とばかりに、あらゆる質問に対して、淀みなく余裕でしっかりと自分の言葉で答え続け、ここのところ、大抜擢されたフランス史上最年少のガブリエル・アタル氏に注目が集まっていたところに、大統領として、絶対的な能力をこれでもか?とばかりに見せつけた感じになりました。

 最初は、新しく任命された首相や大臣の面々も控えていたので、途中、助け舟を出すこともあるのかと思いきや、全く彼一人で対応し続け、大統領が全てを統治していることを圧倒的に披露したような感じでもありました。

 おまけに、これは、SNSも含めたフランス全メディアで生放送、失敗は許されない大勝負でもありました。

 これに臨むということは、なんという自信!そして、この会見のあいだ中、本人もかなり楽しんでいるようにも見える・・実際に彼は、こういう舞台が楽しいのではないかと思います。

 準備はしているだろうとはいえ、もう喋り出したら、勢いづいて止まらないとばかりにものすごいテンションで語り続ける話術は、やっぱりすごいな・・と感心させられた次第です。

 日本の総理大臣も国民の信頼を回復したいのなら、一度でいいから、こんな記者会見をやってみせてもらいたいものです。


マクロン大統領記者会見


<関連記事>

「フランス新首相にガブリエル・アタル氏就任 史上最年少34歳の首相」

「マクロン大統領と岸田総理の年頭会見」

「フランスの大人気ユーチューバーのマクロン大統領独占インタビュー 24時間で100万回再生突破」

「火に油を注いだマクロン大統領35分間のインタビュー」

「マクロン大統領1時間のインタビュー生番組 圧倒的な話すチカラ」

2024年1月16日火曜日

カーフールの強烈な値段交渉 ペプシ、レイズ、リプトンの商品の販売を一時停止

  


 インフレが続くなか、フランス政府は今年は、一部の食品の値下げを約束しています。

 そのため、政府は販売店に対して店頭価格を引き下げる、あるいは、可能な限り抑えることを要請しているため、食料品メーカーと販売店との交渉が対立してヒートアップしています。

 しかし、原材料他、燃料費等も値上げしているために食品メーカーとて、値上げを余儀なくされるのも致し方ないところもあります。

 大手のスーパーマーケットなどの流通業者は、1月末までに価格交渉を終えるのですが、この話し合いが決裂しているところもあります。

 ほとんどの食品メーカーは、値上げを要求しているのですが、スーパーマーケットチェーン・カーフールは、「ペプシコグループブランドの値上げは、度を越えており、インフレを理由に、その値上げは便乗値上げが含まれている!」と抗議し、その抗議を店頭で公開し、アピールするという強烈な態度に出ています。

 「受け入れがたい値上げのため、当店では、このメーカーの商品の販売は停止します」と書かれた紙が、予告どおりにレイズのポテトチップスの棚などに貼られています。

 この話は、ニュースでチラッと見ていたのですが、今日、カーフールに買い物に行ったら、本当にやっているので、ビックリして、ああ、これだったか・・と目を丸くしてしまいました。

 対象となっている商品は、ペプシコーラだけでなく、セブン アップ、レイズやドリトスなどのポテトチップスなどのスナック類、ベネナッツ、リプトン ティーなどの商品棚には、この「受け入れがたい値上げのため、当店では、このメーカーの商品の販売は停止します」の表示が・・。

 とはいえ、ガラガラになった棚には、在庫にある分は売ってしまうつもりであるのか、商品が全くないわけでもないところが、ちゃっかり感もあります。

 しかし、仕入れ側の価格交渉の抗議方法として、こんなふうに消費者に訴えるカタチをとっているのは、初めて見ることで、これは、一時的なことなのか?それとも、このペプシコグループの商品を今後一切、カーフールから排除してしまうつもりなのか?は、わかりませんが、どちらも引かない限り、ペプシコグループもカーフールもどちらも痛手を食うことになりかねません。

 まあ、どうしても、このペプシコグループの商品にこだわりを持って買い物をしている消費者を、カーフールは失うことになるだろうし、また、同じようなものを別のメーカーのものに切り替える消費者もいると思います。

 もう一つ、思い当たるのは、カーフールの「価格を抑える努力をしてますアピール」と考えることもでき、実際に、カーフールでは、このペプシコグループの商品よりもずっと高い商品を売っているので、どうして、ここにだけ、こんなに強硬な態度をとるのかは少々、疑問でもあります。

 まあ、今回のペプシコグループの商品を見る限り、コーラやセブンアップなどのジュース類や、ポテトチップスなどのスナック菓子など、この際、できるだけ、どのメーカーにせよ、あまり健康的な食品とも言い難く、消費を控えた方がよいものが多く目につくところ・・。

 個人的には、もともとあまり買わないものなので、どちらでもよいというのが正直なところなのですが、このやり方、どっちに軍配があがるのか? ということについては、ちょっと興味があります。

 

カーフール対ペプシコグループ


<関連記事>

「フードバウチャー配布の取りやめと値下げの約束」

「エシレバターが小さくなった!」

「インフレと食餌制限と商品価格の感覚の麻痺」

「ハードディスカウントショップ・激安店で思う子供のしつけ」

「電気料金の値上げは当分、止まらないらしい・・」



2024年1月15日月曜日

アンジェリーナのアドベントカレンダーに虫が混入 リコールで回収へ

  


 日本ではモンブランで有名なパティスリー「アンジェリーナ」のアドベント・カレンダーのチョコレートに虫が混入していた可能性があるため、その製品のリコール・回収が呼び掛けられています。

 この商品は、昨年9月11日から12月にかけて、フランス全土(食料品店、お菓子屋さん、デパートなど)で販売されたアドベントカレンダーに関するもので、ダークチョコレートとホワイトチョコレートが入ったヘーゼルナッツプラリネに虫と非有害物質が存在していると伝えられており、虫に関しては、不活性な幼虫と疑われています。

 該当するロットナンバーは、No.082023です。 賞味期限が 2024 年 3 月 31 日となっているそうです。

 しかし、アドベントカレンダーは、そもそも12月のカレンダーでノエルに向けて、1日、1日とカレンダーの日付をめくって、少しずつ楽しむのがふつうなので、「今ごろ言われたって~~!もうとっくに食べちゃった~~!」と悲鳴をあげている人が大半だと思います。

 最近、アドベントカレンダーは、以前よりも派手になっている印象があり、12月頃にデパートに行ったりすると、ラファイエットグルメなどのパティスリーなどは、軒並み有名パティシエのアドベントカレンダーが、これ?お菓子の値段?と思われるほどのすごい値段で売られていますし、スーパーマーケットなどでも、もう少しお手頃価格のチョコレートメーカーのアドベントカレンダーなどが山積みになっています。


 これまで私は、アンジェリーナのアドベントカレンダーは、見たことがなかったのですが、さすがにパリの老舗だけあって、決してお安くもない価格、それがリコールとは!ちょっと、というか、かなり驚きです。

 老舗の名前に傷がつくといったところかもしれませんが、一応、このようなことが公になってくれることは、公正なことだと思います。

 このような件が呼び掛けられるということは、少なくとも複数のクレームが上がっているということでは、ありますが、現在のところは、それで食中毒・・などと言う話は上がってきていません。

 老舗でも、そういった問題が起こるということで、決してブランドだけでは安心できないのかな?などと懐疑的になってしまいます。


アンジェリーナ アドベントカレンダーリコール


<関連記事>

「モンブランってフランスではマイナーな存在  アンジェリーナのモンブラン」

「パリの老舗アイスクリーム屋さんといえば、ここ!サンルイ島 ベルティヨン Berthillon」

「エシレのミルクは超絶、美味しかった・・」

「パリで最も古いパティスリー 「ストレー」Stohrer のババ・オ・ラムとピュイ・ダムール PATISSIER STOHRER」

「ノエルの準備だけは、着々と進んでいるパリ」





2024年1月14日日曜日

2024年 フランスは年間1億人以上の観光客を目指す

  


 フランスは世界一の観光客数を誇る観光大国で、昨年も堂々、観光客数第一位にの座を獲得したことをマクロン大統領は誇らしげに公表し、特に今年は、オリンピックを機にフランスの美しさ、素晴らしさを大々的にPRして、さらなる観光業界の飛躍を期待しています。

 ここ数年では、2019年に観光客数約9,000万人を記録して以来、パンデミックのために、ガックリと低下していましたが、2022年には、約9,300万人(INSEE発表)と2019年を上回る好調な盛り返しを見せ、2023年分はまだ、はっきりとしたデータが出ていませんが、それ以上の数字が見込めるのではないか?と見ています。

 2024年はオリンピック・パラリンピックを控えている年でもあり、マクロン大統領は声高らかに1億人以上の観光客を!と宣言しています。

 1億人と聞いて、まあ、なんとまた大仰なこと!と思ったのですが、オリンピック・パラリンピックでは1,600万人以上の観光客を見込んでいるために、昨年、一昨年の数字を維持できて、プラス1,600万人を加えれば、1億人は下らない計算になるので、あながち大風呂敷を広げたわけでもないようです。


 マクロン大統領は、自らのSNSでこのフランス観光をアピールする投稿をして、フランスの観光業界を一層盛り上げていくことを宣言しています。なんとも、目がチカチカするような映像ですが、心意気は理解できます。

 フランスの観光収入は決して侮れないもので、フランスの年間観光消費額は、約2,000億ユーロ(約31兆4,000億円)、GDPの 約7.5%以上を占め、その 3 分の 1 は海外からの観光客によるものと言われています。

 また、この隆盛をもって、フランス政府は、毎年1億人の観光客を呼ぶフランスの観光業界をフランスのダイナミズムを示すものであるとし、観光客を呼び込むだけでなく、多くの海外投資家に対しても、さらなる投資を呼び掛けています。

 年間1億人といえば、フランスの人口の 1.5倍相当にあたるので、これだけの人々が、フランスに来てお金を消費していってくれるということは、凄いことです。

 今年は、オリンピック・パラリンピックもあるだけでなく、大惨事で焼け落ちたノートルダム大聖堂の公開も再開されます。

 ここのところ、工事のために不便な思いをすることも多いのですが、フランスが人気のある国になって、多くの人が訪れてくれることは嬉しいことです。

 以前は、「パリなんて、行ったことあるし・・もういいかな・・」などと、言われてしまうことも多かったのですが、ここ数年でパリもずいぶん変わりました。一度来たことがある人でも、見どころはたくさんあるし、昔なら、「ここはフランスなんだからフランス語で話せ!」なんて言われている観光客を見かけたのも、うそみたいに、多くの人が英語でも話してくれるようになりました。

 日本からだと、時間もお金もかかると思いますが、どちらも余裕がある方はぜひ、パリに来てください!


観光大国フランス 観光客1億人


<関連記事>

「パリは観光地だったんだ・・ お店は開いてもお客はいない」

「ガラガラのルーブル美術館なんて今だけ! 一人ぼっちのミロのヴィーナス」

「パリに日本の駄菓子屋さんみたいなお店ができた!MANGA CAFE KONBINI」

「パリに巻き起こる「エミリーパリへ行く」現象と経済効果 Emily in Paris」

「超人気のセドリック グロレのクロワッサンを買うのは大変 Cédric Grolét Opéra」

「パリで今、大人気のラーメン屋さん KODAWARI RAMEN TSUKIJI こだわりラーメン築地」

「パリで食べられる世界一のピザ PEPPE PIZZERIA ピッツェリア・ペッペ」

「私史上、パリ最高のケバブに感激! パリの美味しいケバブ屋さん Doni Berliner Paris」



2024年1月13日土曜日

大震災の後に思うこと・・

  


 元旦の日に起こった能登半島での地震は、その日には、フランスでもトップニュースで扱われたものの、その翌日の羽田空港での事故もあり、その後は、国内でのニュースが優先で、被害の規模は小さいとはいえ、さすがに国内のできごと、フランス北部パ・ド・カレでの洪水被害の報道などが中心になりました。

 それでも、当初はあまりに大きく扱われた日本での大震災のニュースにフランス人の知人などが、わざわざ電話をくれて、「あけましておめでとう」の電話かと思ったら、「日本ですごい地震があったみたいだけど、家族は大丈夫?」という話だったりもしました。

 こんなとき、フランス人はとっても優しいのです。全然、知らない人がジムなどで、「あなた日本人でしょ・・ご家族は無事だったの?」などと声をかけてくれたりもします。

 能登半島での地震についてのフランスでの大々的な報道は、ほんの最初の1~2日だけだったので、地震の被害の大きさだけでなく、「日本人は日頃から災害に備えているから、みんな落ち着いていて、素晴らしい!」というような報道のまま消え去っているので、その後、引き続き、日本のニュースにも目を通している私には、この大災害にもかかわらず、日本政府の対応には、ちょっと首を傾げてしまうことが多く、考えさせられました。

 フランスの報道で讃えてくれた災害時の日本人の対応の素晴らしさは、日本人が災害時にも冷静に対応できるという点が中心だったのですが、これは、コロナウィルス対応の時にも言えることで、日本がフランス(ヨーロッパ)のように、壊滅的な死者数を出さなかったのは、日本国民の常日頃からの衛生観念の高さ、つまり国の対策よりも国民のおかげだったのです。

 今回は、支援活動に現地に駆け付けた政治家をやたらと叩く声があがったり、支援物資がなかなか届かなかったり、もう早くも10日以上経つというのに、まだまだ避難所に入れなかったりするのに、救助活動が思うように進んでいない話を見かけるのには、やはり国が上手く機能していないのではないか?と思わずには、いられません。

 自分たちだけでできないならば、快く声をかけてくれている海外からの援助を受ければいいものの、それも断り、かといって、自分では迅速に被災者を救うことができず、できないだけでなく、それを隠そうしているようなところが見受けられるところも言葉がありません。

 特に原発の問題については、隠蔽など問題外、目をつぶっていれば、世界中に迷惑をかける結果になりかねません。

 今回の大地震は、立地的にも難しい場所であることもネックにはなっていると思うのですが、それにしても本気で取り組んでいるのか? もっと迅速でよいやり方ができたはずだ!と思わずにはいられません。

 こんなときに、またフランスと比べるのは、なんなのですが、フランスの場合は、災害や大事件が起こった場合は、すぐに内務大臣が現地にすっ飛んで行って、政府と緊密に連絡をとって、必要な対応を迅速に行います。

 フランスの場合は、災害もありますが、テロだったり、暴動だったりすることもあり、年がら年中、内務大臣は、国内、あちこちを飛び回っていて、「あの人、本当に大変だろうな・・」などと思います。率直にいって、フランスの政治家の行動を見ていると、「政治家って本当に大変なんだな・・」と感じます。

 また、来年に控えている大阪万博問題も、今後、どうするのかはわかりませんが、万博終了後には、すぐに取り壊してしまう建物にとんでもないお金と労働力を投入しようとしているという意味不明などではすまされない愚の骨頂。

 災害を機に中止すれば、世界も納得することなのに、被災者を、そして国民をないがしろにする日本という国を外から見ていても呆然とするばかりです。政府は国民のためにあるべきものが、まるで国民は政府のためにあるもののようです。

 海外に住んでいると、何か大災害や戦争などが起こったりしたときは、やっぱり、私は外国人なわけで、フランス人が優先されるだろうから、そんなときは、やっぱり自国である日本にいた方がいいのかな?と思ったりすることもあるのですが、こんな日本の様子を見ていると、なにかあっても国民を助けてくれない政府だったら、フランスにいた方がマシなのかもしれないかも・・などと思ったりもします。

 フランスが絶対的に優れているとは言いませんが、もはや政治家の動きを見ていると比較するのもおこがましい気がします。その他の国の政治家については、よくわかりませんが、現在の日本の政治家がダメなことだけは、わかります。


日本政府


<関連記事>

「フランスでも石川県での地震は夜のニュースのトップ記事」

「フランス(ヨーロッパ)でコロナウィルスが広まる理由」

「フランス人はすぐにパニックになって騒ぎを大きくする」

「フランスのニュース番組を見ていて思うこと フランスの政治家の話すチカラ」

「フランス政府の何があっても押し通すチカラ」




 

2024年1月12日金曜日

新首相となったガブリエル・アタル氏 SNS上のアンチコメントへの制裁要求 

 


 多くの人々が予想していたとはいえ、やはり、センセーショナルでもあった若いガブリエル・アタル氏の首相任命以来、X(旧Twitter)等のSNS上での彼に対する反ユダヤ主義と同性愛嫌悪の「アンチメッセージ」の波が押し寄せ、彼は、度を超える憎悪に満ちたメッセージに対して、警告を発していました。

 彼が同性愛者であることを公にしていることで、このようなことは、恐らく起こり得ることだとは思っていましたが、彼自身、結果的には半年ほどの教育大臣在任期間中には、学校でのいじめ・嫌がらせ問題にも、かなり、エネルギッシュに臨んでいましたし、このSNSによる誹謗中傷の威力とこれを根絶したいと取り組んでいたことは、記憶に新しいところでもあります。

 彼自身もインタビューの中で、15~16歳の頃にいじめの被害に遭っていたことを語っており、他人事ではなく、被害者に対して共感できる部分が大きかったのでしょう。国家レベルでこの問題に真摯に取り組もうとしていることは、いじめの加害者を授業中に逮捕するといった見せしめとも思われる強硬な制裁の手段をとったりしたことがあったことからもうかがえます。

 今回は、首相となった彼自身に降りかかったことで、そこまでしなくても?というのは、甘い考えで、この立場に立ったからこそ、アンチコメントを拡散したら、どうなるのか?ということをさらに大きく知らしめることができるかもしれません。



 特に、フランスユダヤ人学生同盟(UEJF)は、X(旧Twitter)に対して、「憎しみに満ちたツイートの投稿者全員に対する制裁」、「憎悪の主な推進者に対する厳重な懲役」、そして最後に「憎悪の投稿者に対する最終的に説得力のある罰金」を求めています。

 個人的にも、個人を憎悪する投稿などを見かけるだけでも不愉快になるし、どうして、そんなによく知りもしない他人を攻撃するのか? 理解できません。

 X(旧Twitter)はすでに、特に2023年10月7日に起きたイスラエルに対するハマス攻撃に関連した「違法コンテンツ」の公開に関して欧州委員会の調査を受けており、コンテンツのモデレーションと透明性に関する欧州の規則に違反した疑いがあるため、欧州委員会は12月18日から「正式な調査」を開始しています。

 これは、8月25日に施行されたデジタルサービスに関する欧州の新しい法律に基づいているもので、Xが穏健化の手段について欧州委員会に明快に対処できなかった場合、欧州連合(EU)での事業禁止に至る可能性があります。


アンチコメントに対する制裁


<関連記事>

「フランス新首相にガブリエル・アタル氏就任 史上最年少34歳の首相」

「いじめ・嫌がらせをしていた14歳の少年 授業中に手錠をかけられ逮捕」

「欧州連合 TikTok へ3億 4,500万ユーロの罰金」

「大惨事となっているフランスの暴動とSNSの関係」

「フェイスブック(Facebook)でマクロン大統領を「ゴミ」と呼んだ女性が逮捕・拘留」

 



 

2024年1月11日木曜日

フランスはマシンになってもお釣りの計算は苦手らしい・・

  


 たとえば、580円の買い物をするときに、1,080円出したら、500円玉一つ返してくれるのは、日本ではふつうなことなのですが、どうにも、フランスではそうはいかない場合が少なくありません。

 500円が戻ってくるのは、間違いないのですが、いきなり80円は返されたり、さもなくば、この元の金額に足していく感じで計算するので、どうにもそれ以上に細かい小銭で返されたりすることもあるのです。

 とはいえ、最近は、ほぼほぼ現金を使わなくなったので、あまり、そういう場面に直面することもなくなっていたので、とんと、そんなことも忘れていました。

 しかし、たまには、マルシェとか、あまりに少額の買い物の場合は、カードはNGだったりすることもあるので、現金も少しは持ち歩いてはいます。

 そんな時に、どういうわけだか、お釣りの金額はあっていても、これでもかというくらい細かい小銭でお釣りをくれることがあり、お財布の中で、邪魔に感じてしまい、今度は、どうにかして、この小銭を減らしたいと思うようになります。

 先日、この思いっきり細かい小銭返しをされて、ヤレヤレ・・と思っていて、「そうそうバゲットを買うときに、この細かい小銭を全部使ってしまおう!」と、いつもは、バゲット1本でさえもカードを使ってしまうところ、この小銭を消費しようと思っていました。

 最近、時々行くようになったパン屋さんには、近頃、多くのパン屋さんで取り扱うようになっている現金で支払う用のマシンが導入されていていました(衛生面も考慮してのことだと思います)。

 バゲットは1ユーロ30セントだったのですが、「カード?現金?」と聞かれたので「現金で・・」と答えました。その時に、ご丁寧に店員さんは、「30セントありますか?」と言ってくれたので、「これはこれは・・ずいぶんフランス人も進歩したな・・」と思いながら、小銭をかき集めて30セントと10ユーロ札を1枚、マシンに投入したのです。

 これでこの小銭は、当然、5ユーロ札1枚と2ユーロのコインが2枚返ってくると思った私が甘かった・・。

 これまで以上の小銭が戻ってきて、私は深くため息をつくことになりました。このマシンがどのような作りになっているのかはわかりませんが、マシンになってもお釣りの計算は苦手のようです。

 お釣りの金額が間違っているわけではないので、敢えて、注意をするのも面倒なので、そのまま、さらに増えた小銭をお財布にしまいながら、やっぱり、これからは現金を使うのはできるだけやめよう・・と思いました。

 結局、大量の小銭は、人が数えて受け取ってくれる別のお店で使いました。


お釣りの計算


<関連記事>

「子供の「はじめてのおつかい」も時代が変わったことにしみじみする」

「日本のお金・銀行事情に驚いた!」

「フランスの銀行と日本の銀行」

「チップについて、一番ケチなのはフランス人」

「外務省のお知らせは、すごくわかりにくい・・大使館の手数料問題と似ているかも?」


2024年1月10日水曜日

フランス新首相にガブリエル・アタル氏就任 史上最年少34歳の首相

  


 エリザベス・ボルヌ氏の首相辞任が伝えられていた日の段階で、次期首相は翌日、発表されるとのことでしたが、大方の予想では、彼が新首相に任命されるであろうとの予想でしたが、そのとおりになりました。

 若干34歳という若い首相は、フランスでは、以前37歳で首相になったローラン・ファビウスの記録を大幅に更新する若さです。しかも彼はどちらかといえば童顔で、歳よりも若く見えなくもありません。



 エリゼ宮での首相交代のセレモニー?で、どちらかといえば、年齢よりも老けて見えなくもないエリザベス・ボルヌ氏と並んでいる様子を見ると、親子?ともすると、孫?くらいの年齢差に見えなくもありません。

 彼が、2018年の国民教育・青少年大臣の国務長官として政府の中枢に登場したのは、若干28歳の時です。その後、政府報道官などを経て、首相に任命される前までは、昨年7月から国民教育・青少年大臣として、学校内でのアバヤ着用問題や、いじめ問題などに、かなりわかりやすい形で、どんどん新しい取り組みを進めていました。

 私が彼の存在を認識したのは、2020年、彼が政府報道官として公の場に立つことが増え始めた頃でしたが、当時は、「なんだか生意気そうな男の子だな・・」という印象でした。

 しかし、そのようにして、公の場に立つ機会が増えるにつれて、彼の言葉の力強さやエネルギッシュな姿勢、特に、その後、別の報道官に代わってから、逆に、「あら?彼の方が話が上手だったかも・・?」などと、私が言うのもおこがましいのですが、なんとなく、彼を見直すような感じを受けたのを覚えています。

 なんといっても、彼はマクロン学校の優秀な生徒と言われるほどの人物で、大統領の大筋を外れることはないところが、彼が首相に任命された大きな理由の一つでもあると言われていますが、一方では、彼は、現在、世論調査によると、フランスで最も人気のある政治家と言われており、マクロン大統領が今後の任期を遂行するために、彼の人気を取り込もうとしたという見方もされています。

 発信力、行動力も抜群で、力強く、エネルギッシュではありますが、若いだけあって、どこか危うさを感じないでもありませんが、とにかく若い人材が力強く国を動かしていく人材として登用されるフランスが日本人としては、非常に羨ましい気持ちです。

 また、彼は同性愛者であることを公表している政治家でもあり、先代の女性の首相登用に続いて、LGBT問題に対するマクロン大統領のアピールもあるかもしれないとも思うのです。

 これから新しい政権の人事(大臣級クラスの人事)が続々と発表されますが、間違いなく、彼のもとに続く大臣の面々は、間違いなくほぼ全員、彼よりも年長なはず。

 内心では、おもしろくない気持ちのある人もいるだろうし、嫉妬もあるかもしれません。

 しかし、若い人材が政府の中枢に入り、様々なことを学びながら、力強く将来のフランスを担う一人になってくれる機会が得られたことは喜ばしいことだし、日本も少しは、若い人材が活躍できる政治の場を築いてくれたらいいのに・・と思うのでした。


ガブリエル・アタル首相 34歳


<関連記事>

「フランス内閣総辞職 フィリップ首相の退任 引き際の美学」

「フランスのニュース番組を見ていて思うこと フランスの政治家の話すチカラ」

「フランスに女性新首相エリザべス・ボルヌ現労働相が就任」

「大統領選挙後のスケジュールとフランス国民が望む女性首相の擁立」

「物議を醸すフランスの公立校でのアバヤ着用禁止 アバヤは宗教か?文化か?」

2024年1月9日火曜日

エリザベス・ボルヌ首相辞任 

  


 女性として2人目のフランスの首相に就任したエリザベス・ボルヌ氏の辞任が発表されました。年が明けて、内閣改造を目論んでいるとされていたマクロン大統領は首相を交代させるという噂はありましたが、現実のものとなりました。

 フランス初の女性首相エディット・クレソンはミッテラン政権のもと、それまでの数々の大臣経験や率直な発言が評価されて、1991年に首相に指名されましたが、首相になるや否や、性差別的な非難や物議を醸す発言で安定した地位は保つことができず、10ヶ月ほどで辞任に追い込まれています。

 特に、ABCニュースのインタビューで、「同性愛は「ラテン」よりも「アングロサクソン」の風習に近い」と説明したことは致命的で、同性愛を認めるフランソワ・ミッテラン大統領を飛び上がらせたという逸話に加えて、同インタビューの中で、「フランスには日本のような黄色いアリはいらない」と答えたという話も日本人としては看過できない話でもあります。

 それから約30年後にエリザベス・ボルヌは首相に就任したわけですが、これは、彼女自身の力はもちろんのことですが、女性を首相に据えてイメージアップを図りたかったマクロン大統領の思惑が作用していたように思います。

 フランスのエリートにありがちな恵まれた家庭環境とは言い難い境遇に育ち、非常に努力してのしあがってきた彼女は、いわゆる真面目な優等生タイプの印象でしたが、首相就任に際して、女性として首相に任命されたことをとても喜んでいました。しかし、当初はやはり風当りが強く、早々に辞任届を提出か?などという噂も流れましたが、結局のところ、彼女は20ヶ月間、首相というポストを務めました。

 その間の道はとても険しく、特に年金改革に際しては、大暴動を引き起こした49.3条を採決せずに、首相の権限において発令するという大変な任務を結局は乗り越え、今から思うと国会において、青筋をたてて、がなり立てる彼女の姿は忘れられません。

 また、つい最近、改正された移民法についても、かなり反発も多かった中、どうにか、取りまとめた感じで、どちらもフランスにとって、大変な決定を大統領の盾となって成し遂げてきた感じがあります。

 マクロン大統領は、彼女の辞任に際して、「私たちの国への奉仕におけるあなたの仕事は毎日模範的でした。 あなたは、国家女性の勇気、献身、決意をもって私たちのプロジェクトを実行してくれました。 心から感謝します」と敬意を表しています。

 現在、停滞気味のマクロン政権ではありますが、これからのフランスも大きな問題が山積みのうえ、オリンピック・パラリンピックという一大イベントも控え、ここで仕切り直しをして、新しい年に挑みたいというマクロン大統領の思惑が透けて見えて、とりあえずの大問題であった年金改革や移民法改正という最も困難な問題の影を引きずる彼女は、ここで終わりだったというなんだか損な役割を引き受けることになった彼女がなんだか少々気の毒だった気もします。

 しかし、辞任を発表した彼女の表情は、これまで見たこともないような晴れやかな表情で、解放された喜びに溢れているような笑顔であったことは、素直に「お疲れ様でした・・」と言ってあげたいホッとするような気持ちになるのでした。


エリザベス・ボルヌ首相辞任


<関連記事>

「フランスに女性新首相エリザべス・ボルヌ現労働相が就任」

「年金改革法案採択され、さらに増すばかりの国民の怒り」

「年金改革法案に49条3項発令で法案改変を強行する発表にコンコルド広場が大変なことになった!」

「火に油を注いだマクロン大統領35分間のインタビュー」

「エリザベス ボルヌ首相のパートナーのスキャンダル」



2024年1月8日月曜日

フードバウチャー配布の取りやめと値下げの約束

  

 

 フランスの経済・財務・産業・デジタル大臣は、マクロン大統領が大統領選挙中に約束した低所得者層へのフードバウチャーを取りやめることを発表しています。

 これまで、フランスはインフレ対応として、低所得者層に向けて、インフレ手当やエネルギーチケットなどを配布してきており、インフレ手当やエネルギーチケットの配布方法も少しずつ形や条件を変化させてきました。

 今回、取りやめになったフードバウチャーに関しては、マクロン大統領の選挙公約のようなものであったため、該当者の間では、昨年から今か今かと待たれており、年末になって、現在は、セーヌ・サン・ドニで試験的に該当者に毎月50ユーロを6ヶ月間配り、その効果を検討中というような話も伝わってきていましたが、2024年までは配布されないということだけは発表されていました。

 それが、年明け、経済・財務・産業・デジタル大臣が、テレビ番組「ディマンシュ・アン・ポリティク」でのインタビューに答える形で、マクロン大統領が選挙中に公約したフードバウチャーを取りやめることを発表しました。

 これまでこのフードバウチャーに関しては、インフレ危機のさなか、低所得世帯が食品価格の高騰にうまく対処できるようにするためとされ、同時に環境問題や国内製品需要を考慮するものでもあり、低所得者層が新鮮な地場産品を購入できるよう支援することを目的とした資金援助がなされてきました。

 数度にわたり、その方法や条件が見直されている間に、その制度の複雑さに直面し、低所得世帯を支援する食糧援助団体やフードバンクへの6,000万の基金などに切り替える方向に進め、フードバウチャーは正しいやり方ではないと指摘しています。

 同時に、彼は、2024年には一部の食品価格が下落することに自信を持っていると述べ、「特定の価格は確実に下落するだろう」と明言しています。

 そして、「私の責任は、できるだけ多くの製品の価格を下げることです。単に価格を安定させるだけでなく、バ​​ター、油、一部の肉などの価格を確実に引き下げることになります」と彼は断言しています。

 値下げはともかくとして、フードバウチャーのとりやめが、どんな反発を呼ぶかは、今のところわかりませんが、この大臣、話し方も整然としていて、明瞭簡潔で、威圧的な感じもなく、どこか上品で政治家らしいギラギラした感じがなくて、他の人が言ったら、大変なことになりそうなところをサラッと受け入れられてしまうようなところがあるように感じるのですが、聞く人が聞いたら、やっぱり怒り狂うのでしょうか?

 しかし、価格の引き下げ対象になっているのが、「バター、油、肉・・」と、あまり健康的ではない感じの食料が並んでいるのは、どうにもいただけない気もするのですが、考えてみれば、フランス人の食卓には、欠かせない食品が選ばれているとも思われます。

 いずれにしても、価格を引き下げてくれるというのは、良い話ではありますが、しかし、彼の説明には、「ただし、元の価格に戻るわけではない・・」という一言が付け加えられており、あんまり期待しないで様子を見たいと思います。


フードバウチャー


<関連記事>

「「私たちは豊かさの終焉の時を生きている」マクロン大統領閣僚理事会での厳しめのスピーチ」

「フードバウチャーは2段階の施行 9月初めには低所得者向けにインフレ手当の支援金直接銀行振込」

「フランスの物価上昇と年度始まりの100ユーロのインフレ手当」

「電気料金値上げによるエネルギークーポン再び配布」

「ガス・電気料金高騰で閉店に追い込まれるかもしれないパン屋さんの反乱」