燃えるゴミの山に遮断されるパリ・オペラ通り |
フランス中を大混乱に陥れている年金改革法案は、国民議会により、政府に対する 2 つの非難動議が却下された後、月曜日に自動的に採択されました。
先週木曜日にボルヌ首相により発表された 49条3項の適応に対して、今週の月曜日に国会で 2 つの非難動議が議論されました。 しかし、政府とその法案を撤回するのに必要な数の票を獲得できずに、年金改革法案は自動的に採用されることになりました。
こんなに国民が抗議して、毎晩のようにパリの街はゴミ焼却炉と化しているというのに、あまりにあっさりと決まってしまって「へっ??ほんと??」と拍子抜けしてしまいそうになるのですが、国民の怒りの炎は消えることはなく、ここ数日は無許可のデモがあちこちで起こり続け、とどまるところを知りません。
毎日のように、パリのゴミ焼却炉の場所は変わるのですが、昨夜は、かなりあちこちで炎が立ち上っている様子には、なんだか切なくなってきます。
昨夜は最初、パリ6区のオデオン地区からグランブルバード、ブルバードサンジェルマン界隈が燃えていると思ったら、今度はオペラ座を背景にオペラ通りの中央を遮るようにゴミの山が散らばって同じ通りでいくつもの炎があがっており、次には、パリ市庁舎近くからサマリテーヌ(デパート)のあたりと、それぞれがそんなに離れた場所ではないにせよ、かなりパリ市としては、象徴的な場所で炎が上がるのには、ため息が出てしまいます。
🇫🇷 FLASH - Scènes de chaos dans le centre de #Paris. De nombreuses poubelles sont incendiées. Plusieurs manifestations sauvages sont en cours. (via @ybouziar) #reformedesrettaites #grevegenerale #manifestations pic.twitter.com/ur2ttHpK9D
— Mediavenir (@Mediavenir) March 20, 2023
特に在仏日本人にとっては馴染みの深いオペラ通り(オペラ界隈は日本食のお店が固まってある場所で日本人街とも言われる場所でもある)は、長い間、職場があった場所でもあり、それほど長くもない(シャンゼリゼなどと比べると)通りのあちこちに山積みのゴミに火がつけられ、その周りにゴミが散らばり、荒れ果てている様子に、なんだか妙に悲しみが湧いてきてしまいました。
しかし、パリ市の消防隊ももう慣れたもので、わりと、すぐに鎮火してしまうところもスゴイもんだと妙な感心もしてしまいます。
テレビのニュースでは、このデモの様子を中継しながら、ジャーナリストが解説したり、法案採択についての意見を述べたりしているのですが、「今回のデモは、黄色いベスト運動のように過激に暴徒化はしていない!彼らはゴミを燃やしているだけで、何も破壊していない!」と解説?する人までいて、「なるほど、考えてみれば黄色いベスト運動の時には、銀行を燃やしたり、商店のウィンドーを壊して物を強奪したりしていたな・・」などとも思ったのです。
しかし、これだけパリの街を荒らして、ゴミを燃やしているだけ・・というのも、物は言いようだ・・と彼らの屁理屈?に今さらのように感心させられるのです。
この年金改革法案が自動的に採択されたことを受け、これに異議を唱える左派は共有イニシアチブ(RIP)をとり、国民投票の要求が、憲法評議会に提出されています。
マクロン大統領は相変わらず、国民向けへの発信(ツイッターなど)は、この問題には一切ふれずにいますが、火曜日には昼夜にわたって、多数派の指導者、多数派の議員と上院議員を迎える予定であるとエリゼ宮が発表しています。
これは、何が何でも国民投票には持ち込まないための説得作業だと思われますが、たとえ、これで指導者たちや議員たちを説得できたとしても、ちょっと順番が違ったというか、本来の話し合いは49.3条を発令する前に行われるべきものであって、その前に彼らを説得できていれば、49.3条は発令する必要もなく、これほど国民を怒らせることもなかったと思うのです。
いずれにしても、これで法案が通ったとしても国民の怒りが鎮まるものではなく、毎晩のようにパリのあちこちでゴミを燃やし続けるだけでは済まなくなり、今度は本当に破壊行動が始まるかもしれません。
年金改革法案採択
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