家族、子供、年齢に関する高等評議会 (HCFEA) は、子供や青年向け(6歳~17歳)の向精神薬の処方が劇的に増加しており、何万人もの子供が危険に晒されていることを報告しています。
報告書は、子どもたちの向精神薬の消費が10年間で2倍になったことを強調しており、HCFEAが収集したデータによると、子供と青年の向精神薬の消費は、2014年から2021年の間に抗精神病薬で49%、抗うつ薬で63%、催眠薬と鎮静薬で155%増加していることが明らかにされており、政府はこの問題への対応策をとるべきであることを警告しています。
2021 年だけでも、抗不安薬で +16%、催眠薬で +224%、抗うつ薬で +23% の増加です。この過剰投薬の現象は、特別なケースではなく、何万人もの子供に関係しているのです。また、これらのレベルの増加率は、一般人口レベルに見られる増加率とは明らかに不釣り合いで、成人人口に比べても明らかに高い数値であるようです。
HCFEAによると、パンデミック、戦争、生活環境への不安が続く状態の中、小児科、児童精神科の需要が増加しているにもかかわらず、児童精神科および医療社会的サービスが不足、衰退しており、受診しようにも半年から1年待ちになることが多く、この状況は、「子どもの健康状態の悪化」、「子どもや若者の緊急入院、自殺行為、自殺の増加」につながりかねないために、一般開業医にかかり、とりあえず、最悪の事態を回避するために向精神薬を投与することが一般的になりつつあるということなのです。
私がフランスに来て驚いたことの一つに医者が比較的簡単に向精神薬を処方してくれることで、日本にいた頃は若かったこともあり、あまり医者にもかからなかったし、ましてや医者に抗うつ剤や睡眠薬を処方してもらうということを考えもしませんでした。
フランスに来てからは、ずっと近所のかかりつけのお医者さんに親子共々かかっていましたが、私が最初に抗うつ剤や睡眠薬を処方してもらったのは、夫が亡くなった直後で、今から思うに、あの時期は、かなり強い抗うつ剤を日中に服用し、夜には睡眠薬を飲んでいました。
まあ事情が事情だったので、そんなに不自然な処方でもなかったかもしれないのですが、精神状態と向精神薬(抗うつ剤や精神安定剤など)いうものは、恐ろしいもので、今なら、一瞬で気を失いそうな薬を飲んでいたにもかかわらず、正気?を保って仕事をしていたのですから、すごいことです。
しかし、時間が経って、少しずつ落ち着き始めた頃から、この薬を飲み続けてはいけないだろう・・という不安があり、日中の抗うつ剤は減らしていったものの、夜の睡眠薬は眠れなくて翌日働けないのが怖くてなかなかやめられずに、お医者さんに相談したことがありましたが、「絶対に無理はしないで・・慌てなくて大丈夫だから・・無理してやめなくていい・・」と睡眠薬を処方し続けることにためらいはありませんでした。
そんなお医者さんの対応には、むしろ私の方が驚いたくらいでしたが、結局、私はとりあえずは、今でも、いつも処方してもらう薬の中に向精神薬や睡眠薬が含まれています。一応、他の薬に関しては3ヶ月分まとめて出してもらうことができますが、オーバードーズを防ぐために、1ヶ月分ずつしか出してはもらえないことになっています。
私のような大人に対してでも、えっ??と思っていたことが、子供に対しても起こっているということは、やはりちょっと心配です。私が子育てをしていた頃と今とでは、考えてみれば、ほんの数年で世界の情勢はかなり変わってきてしまっているので、一概には言えませんが、子供を健全に育てるのは、スポーツなど身体を動かすことをさせることが一番なのではないか?と思っています。
一時、ロックダウンやマスクの義務化などで、それもなかなか難しい期間がありましたが、身体を動かすことが、精神的にも健全で、夜もしっかり眠れるようになる最良の薬なような気がしています。
子供への向精神薬の投与激増
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