2023年3月15日水曜日

スーパーマーケットのレシート 自動印刷廃止

  



 私には、なぜ、レシートをそこまで目の敵にするのかわからない気もするのですが、フランスでは、スーパーマーケットなどで買い物した際のレシートが自動的に出てこなくなりました。

 最近、スーパーマーケットで買い物する際は、ほぼセルフレジしか使わないので、ボーッとしていると、レシートを受け取ることはできません。会計をするときに、レシートが必要のところにチェックしておかないとレシートは出てこないのです。人のいるレジだと、会計後に必ず、レシートいりますか?と尋ねられます。

 もちろん、今までレシートなど、その場で捨ててしまっていた人も多いので、必要ないケースも少なからずあったと思うので、必要な人にだけレシートを渡すという方法は無駄を省くという意味ではよいことかもしれません。

 これは有害物質を含むレシートが年間3億枚も印刷されているとかで、本来ならば今年の1月1日からレシートの自動印刷は廃止されることになっていましたが、予定どおりに事が運ばないのか、その後4月1日からということになったようで、現在は移行期間のようです。

 ただし、このレシート廃止は、家電製品、コンピュータ機器、電話機など、いわゆる「耐久消費」の領収書には適用されません。

 私は、どこで買い物をするにしても、トラブルの際の証明になるので、変わらずレシートはもらうようにしています。

 ここは、いつも戦闘態勢でいるフランス生活の悲しいところで、万引きのチェックに遭遇したり、また、レジで金額を間違えられたり、また返品、返金をしてもらうために、レシートは不可欠だからです。

 しかし、今後4月1日以降も頼めばレシートをもらえる状態が続くのかどうかはわかりませんが、これに代わるものとしてe-チケットが登場するようです。

 これは、SNSによりQRコードでレシートを受け取れたり、銀行のクレジットカードで決済すると、webページからレシート(e-チケット)がアプリに自動的に送信されるようになるそうです。

 一方では、このレシートの自動送信に関しては、個人情報にも関わるために、一般データ保護規則(GDPR)に従い、購入者からのデータ収集は、購入者の明示的な同意に基づかなければならないとされているので、必ずしも、すんなりいく話でもないかもしれません。

 しかし、店舗側もこんなことにめげているわけにもいかず、大手スーパーマーケットチェーンなどは、これまで消費者が利用していた各スーパーマーケットのポイントカードを利用し、そのカードの持つアカウントでレシートを受け取ることができるようにすると発表しています。

 なんだか便利になるんだか不便になるんだかわからない気もしますし、日本だったら、「年寄りにe-チケットなどというわけのわからないものをどうやって使えというんだ!」などという声が上がりそうな気もするのですが、フランスでは不思議とIT化に対する反発の声はあまり上がらないような気がします。

 保守的なところも大いにあるフランス人ですが、意外と新しいものもすんなり受け入れてしまうところもある不思議な国民です。


レシート自動印刷廃止


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