2021年4月5日月曜日

フランスのCMと日本のCM・テレビコマーシャル

   

           

 

 先日、日本にいる叔母が、日本のテレビ番組を焼いたDVDを送ってくれて、久しぶりに日本のテレビ番組を見ました。今は、YouTubeなどでも、結構、日本の番組なども見れるようになったのですが、それでも、そうそう日本のテレビ番組は、見ているわけでもないので、日本からの荷物をほどいて、早々に嬉しくDVDを見たのでした。

 娘が小さい頃は、現在のようにYouTubeもネットフリックスもなく、ひたすら娘の日本語習得のため?に、日本のテレビ番組を録画してもらったビデオやDVDなどを頻繁に送ってもらっていて、それを繰り返し、繰り返し、見せていたので、我が家のテレビは、フランスでも、ほとんどいつも日本のテレビ番組が流れているような感じでした。

 最近は、娘もすっかり日本語を習得し、両親も他界してしまったため、日本からのDVDもすっかり届かなくなったのですが、久しぶりに日本のテレビ番組を見て、番組はもちろんのこと、結構、楽しいのが、テレビ番組の合間で、流れているCMだということに気がついたのです。

 普段は、テレビといえば、フランスのテレビのニュース番組くらいしか見ない私にとって、あらためて、日本のテレビCMは、なかなか新鮮で楽しいのです。

 なんといっても、日本のCMは、ビールなどのアルコール飲料のCMが多いこと!「うわぁ〜ビール美味しそう!」とフランスに来て以来、ほとんど飲まなくなってしまったビールを日本のビールのCMを見て飲みたくなります。そして、高齢者用のオムツのCMなどもフランスのテレビでは見かけないCMで、日本の高齢化社会を思わせられたりもします。

 フランスでは、タバコ、アルコール飲料などのテレビコマーシャルは、消費者保護のために法律で禁止されているため、ビールやワインなどのテレビコマーシャルはありません。また、薬に関しても、社会保障によって払い戻されない薬のみと限定されており、概して、フランスは、消費者の保護や特定の専門的利益(部門)の保護など、さまざまな理由により、CMには、規制が多く、CMの種類も限られているのです。

 また、ファストフードなどのジャンクフードや、アルコール飲料のポスターなどにも、必ず、「健康のために、1日5種類の野菜をとりましょう」とか、「健康のため、アルコールは1日2杯以内にしましょう」などの注意書きが入っています。

 そんなに規制したりしなくても、日本人の方が余程、健康に気を使った食事をしていることも皮肉なことですが、そんなところにもロックダウンせずにいても、日本のコロナウィルス感染がフランスのようにならない自主規制ができる現状の一旦が表れているような気もします。

 フランスのCMで、圧倒的に多いと思われるのが、車のCM、香水、保険、宝飾品、水、乳製品など、どちらかというと、全体的にイメージを全面に作られている感じで、何気にテレビで流れていても、「えっ??これ、なんのCMだったの??」と思うものも少なくありません。

 また、日本のCMのように芸能人が出てきて商品を宣伝するようなCMも極めて少ない印象です。

 私がフランスに来た20年以上前に、フランスのテレビで、シャネルの香水のCMが流れているのを見て、CMも国によって、違うもんだなぁ〜と思って以来、ついぞ、CMをこれといって見ようと思って見ることもなかったのですが、日本のテレビ番組の合間に録画されている日本のCMは、次から次へと新製品が登場したり、今の日本の一部が垣間見れて、海外在住者にとっては、なかなか楽しめるものでもあるのです。

 とはいえ、冒頭で貼り付けた映像は、最近、フランスで流れているスーパーマーケットのCMで、私が結構、気に入っているものです。

 ごくごく普通にどこでにでもいるような、フランス人の家族の日常を切り貼りしたような流れになっていますが、誰もマスクをせずにごくごく当たり前の日常を無邪気な子供の様子を交えて作られていて、今は、失われている日常を愛おしく感じる素敵な仕上がりです。

 これも、最後の数秒のテロップが入らなければ、何のCMかわからないものですが、なんだか、ほっこりさせられる最近の私のお気に入りのCMです。


<関連記事>

「バイリンガルに育てる方法」

「言語は使いつけないと錆び付く フランス語と日本語を混同する現象」

「バイリンガルになった娘の日本語 複数言語を使う生活」

「海外にいるからこそ、日本語を大切にするということ」

「香水を楽しむフランス人」

「OSHIBORI - 日本のおしぼり文化がフランスにやってきた!」



 





0 コメント: