先日のパリ・中心部にある「パレ・ビビエンヌ」での超高級レストランの闇営業事件がM6(フランスの民放テレビ局)によるスクープで暴かれて、大騒動になって以来、パリ、イル・ド・フランス地域の闇営業レストランの警戒と捜査が強化され、続々とパリの闇営業レストランが発覚しています。
この闇営業レストランの捜査には、通常、街をパトロールしている制服に身を包んだ警察官とは別に、UPA(行政警察ユニット)、いわゆる私服警察官も多く動員されています。
残念なことに、この捜査の強化により、パリ市内及びイル・ド・フランス地域では、続々と闇営業レストランが検挙され始めました。
中でも、先週末、金曜日の夜には、パリ19区のレストランの闇営業夕食会の最中に地方警備局(DSPAP)の警察官が突入し、110人以上もの顧客が集まっていた夕食会が検挙されました。
Cette nuit à #Paris19, les policiers #DSPAP, requis pour un tapage nocturne émanant d'un restaurant, ont mis un terme à un rassemblement de plus de 110 personnes :
— Préfecture de Police (@prefpolice) April 10, 2021
➡️ Convives verbalisés pour non-respect des mesures sanitaires en vigueur.
➡️ Organisateur et gérant interpellés. pic.twitter.com/udt1Ji9MA0
警察は、110人以上の顧客に対して罰金を課すとともに、この夕食会の主催者とレストランのオーナーの二人を闇営業と多くの人の命を危険に晒したという理由で逮捕しています。
また、パリ2区をパトロールしていた警官が、シャッターは閉められているものの、レストラン内に顧客がいることに気付き、レストラン内に突入しようとしたものの、彼らは警察の介入、捜査を拒否し、警察を攻撃し始めたため、警察は、援軍を呼び、大掛かりな警察突入劇に発展し、警察を攻撃した人を含めたレストランのオーナー、主催者5人が逮捕、拘留され、現場の顧客30人に対して罰金が課せられました。
特に、超高級レストランの闇営業が問題視されたことで、これまで口をつぐんで来た、知ってはいたけれど黙認してきた闇営業レストラン近隣の地域住民からの通報が後を絶たず、このような闇営業レストランが次から次へと(この他にも、パリ12区、13区、18区なども・・)検挙され始めています。
しかし、このレストランの闇営業問題の突破口を開いた超高級レストランの闇営業に対しての捜査は、この超高級食事会の主催者であるピエールジャン・シャランソン氏は、当初は、「エイプリルフールのジョークだった」とか、「民主主義社会の中、やりたいことをやっているだけ・・」とか、「あれは、企業が会場の下見をするためのもの・・」など、言っていることが、二転三転していたものの、結局は食事会であったことがバレて、警察からの呼び出しに弁護士同伴で応じたものの、「警察の事情聴取は、緩いインタビューを受けているような丁寧なものであった・・」などと、富裕層・特権階級ならではの特別な扱いを警察からも受けたことを吹聴し、今度は、入れ替わり立ち替わり証言者が表れて、「しかし、あれは、私邸、プライベートスペースであり、レストラン営業ではない」という弁明を毎日のように続けています。
ただでさえ、映像で流された超豪華で、しかも全くソーシャルディスタンスなどのコロナの予防対策は全く無視された、きらびやかな食事会の様子は、一般庶民の大反発を呼び、上流階級への反感も合間って、ヒートアップしています。
しかし、それが贅沢な食事会であろうと、一般庶民の食事会であろうと、今のフランスのコロナウィルスの感染状況では、とても許されるものではないのです。
ましてや、現在は、子供の学校まで閉鎖状態。子供が充分な教育を受けられない状況で、大の大人が隠れて行っている夕食会は、許し難いものです。
ましてや、上層階級の人がお金と権力で、今回のスキャンダルを封じ込めることができてしまえば、それこそ、警察・法治国家の在り方までもが問われる大きなデモや暴動にまで発展してしまう危険もフランスには、あることを忘れてはなりません。
コロナウィルスは、人を差別せずに全ての人に感染します。警察、国家権力も貧富の差別なく、平等に対処してもらいたいものです。
内務省によると、「昨年、10月30日から7,345軒のレストランがチェックされ、約300軒のレストランが検挙され、1,000人以上の顧客に罰金が科せられた」とのことです。
これでは、フランスの感染は、減るわけはないです。
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