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2023年10月28日土曜日

コロナウィルスワクチン 1日前倒しで済ませました!

  


 少し迷った挙句に、かかりつけのお医者さんに相談した結果、結局、あっさり、インフルエンザのワクチン接種もコロナウィルスのワクチン接種もすることにして、すでにインフルエンザのワクチン接種は済ませていました。

 去年は、インフルエンザのワクチン接種の後に、熱を出したので、今年はワクチン接種後は、おそるおそる、少しおとなしくしていたら、結局、何ごともなく、数日が過ぎ、いつもどおりの生活に戻りました。

 気のせいか、バスやメトロの中では、やたらと咳をしている人が多い気がして、心の中では、「やっぱり、ワクチン接種しておいてよかったかも・・」と思っていました。

 しかし、もう一つのコロナウィルスのワクチンの方は、少し時間をあけた方がよいということで、それから8日後に予約をしてあったので、こっちも済んでしまうまでは、なんとなく、まだやるべきことが残っている感じで、気になっていました。

 ところが、「そういえば、明日はコロナウィルスワクチン接種の予約の日だった・・」と思っていたら、前日にお医者さんから、「コロナウィルスのワクチン、今日の夕方でもいいですか?」と電話があって、どうやら、予定していた人がコロナウィルスにかかってしまってできなくなってしまったらしく、ワクチンを無駄にしたくないから・・とのこと。

 1つのワクチンのボトルには、6人分のワクチンが入っていて、空けたら保存できないそうで、1日くらい前倒しにするくらい、私としては、全然、問題なく、特にその時間帯に予定もはいっていなかったので、二つ返事でOKしました。

 というわけで、あっさり予定より早く、新しい変異種対応といわれるコロナウィルスのワクチン接種を済ませてきました。しかし、やっぱり、お医者さんでやってもらえるのは、安心なことで、一応、ワクチン接種をする前に聴診器をあてて、体調をチェックしてくれて、それから、「これなら大丈夫!」と判断してからやってくれたので、気休めのような感じもするものの、「あ~やっぱり、薬局でやってもらうよりも安心だな・・」と思ったのでした。

 ワクチン接種が済んだあとは、久しぶりに目にするワクチン接種証明書を印刷してくれて、このQRコードを読み込んで、保存しておいてね・・と言われて、そのまま家に帰りました。

 放っておくと、忘れそうなので、家に帰るとすぐに久しぶりに開くワクチンパスポートにQRコードを読み込むと、なんと、エラー!正しい証明書かどうか、確認してくださいとメッセージが出てしまうので、あわてて、お医者さんのところに戻って、聞いてみると、おそらく、もうアプリ自体をメンテナンスしていないために、アプリには、読み込めないのかも・・と。

 現在の段階で、ワクチンパスポートが求められる機会もないので、とりあえず、スキャンしてファイルするか、写真をとって保存するかしておけば、問題ないでしょう・・とあっさり。

 考えてみれば、インフルエンザをはじめとして、いちいちワクチン接種証明書などというものは、ふつうはないのですから、ワクチンが効いてくれさえすればよいことなのです。

 私の新しいワクチン証明書には、5/5、つまり5回目のワクチン接種済と書かれていて、そういえば、なんだかんだでもう5回目のワクチン接種(コロナウィルス)であったことに今さら気付いて、自分でもビックリしました。

 「ワクチンを打ったところが痛くなるかもしれないから、そうしたら、すぐにドリプラン(解熱・鎮痛剤)を飲みなさいね!」と言われて、「出た出た・・またドリプラン!・・だかから品不足にもなるんだな・・」と思いながら、それでも、やるべきことを済ませた気分でなんだかスッキリしました。

 ワクチンのおかげかどうかはわかりませんが、私はこれまでコロナウィルスには一回もかかっていません。ワクチンをしているからといって、必ずしもかからないとも言えないようですが、やっぱり、少しは安心です。


コロナウィルス変異種対応ワクチン接種


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2023年9月23日土曜日

具合が悪くて、もしかして・・と、久しぶりにコロナ検査に行った・・

  


 今週に入って、体調が思わしくなく、微熱が続いて身体がだるく、鼻がグズグズ、ちょっと痰がからむような咳が出始めて、まあ、しばらくおとなしくしていれば、なおるだろうと、適当に放置し、タカをくくって、ちょっと出かけたら、いきなりまた、発熱。

 いつまでたっても治らず、翌日は、会議で人と会わなければならない予定もあり、「まさか・・でも、もしかして、これって、コロナウィルス??最近は、また感染者が増えていると言っていたし・・」だとしたら、他人に感染させては申し訳ないと、久しぶりにコロナウィルスの検査を受けようと出かけました。

 もうすっかり、元の日常に戻っているので、まだ薬局で検査してくれるのかな?と思いましたが、近所の薬局には、再び「コロナウィルスの検査します!」という看板が出ていて、検査をしてもらってきました。

 もう検査する方もされる方も慣れたもので、「ハイハイ!検査ね・・座って待ってて!」と言われ、パンデミック以来、ずっとお決まりの検査スペースになっている場所へ。ちょっと立って待っているのもしんどいくらいだったので、優しい心遣いに感謝しつつ、すぐに検査。

 検査はあっという間に終わり、「結果が出るまで、待ってて!」と、待つこと7~8分。

 「陰性でしたよ!」と言われておしまい・・。今やヘルスパスも何もいらずに簡単にやってくれました。

 ひとまず、コロナウィルス感染ではなかったことに多少なりともホッとして、しかし、だからといって、検査をしただけで、体調が改善するわけでもなし、翌日の会議は延期できるものでもなかったので、とにかく寝て治す・・と思って、その日はおとなしく寝ていました。

 ずっと忙しい日々を送ってきて、多少、具合が悪くても、これまで、なんとか休まずにのりきってきたのですが、だんだん自力で回復するのも難しく、時間がかかるようになり、下手をすると、さらに悪化するようになってしまった今、病気=安静に寝ている・・というのが、意外とシンプルな回復の手助けになることが、意外に新鮮でした。

 しかし、多少、回復したものの、翌日はちょっとまた、不安が残る感じのまま会議に出かけました。

 こうして自分が体調を崩してみると、気のせいかメトロに乗っている人の中にもマスクをしている人がいるのが目についたり、また、車内の手すりなどに直接触れたくないのか?紙でカバーして手すりにつかまっている人がいたりして、そんなに気にするなら、いっそのこと手袋をすればいいのに・・と思ったり・・。

 しかし、パリはあっという間に寒くなり、まさに、木の葉も色づき、路上には枯れ葉がけっこう目立つようにもなってきて、街を歩く人々も、今はきっと、一番、服装にバラつきのある時期かも?と思うほど、まだサンダルにTシャツの人もいれば、革ジャンやコートやマフラーをしている人までいます。

 私個人としては、もう秋めいてきたら、いつまでも夏っぽい恰好をしているのは、なんだかみすぼらしい気もするので、早めに秋モードに切り替えるようにしています。

 今朝の気温は10℃程度、私も風邪気味ということもあり、ヒートテックに薄手のコートを羽織って出かけましたが、やっぱりセーターも着てくればよかった・・と思ったほどです。

 季節の変わり目で、一日の気温の差も激しくなり、朝晩などは、寒いくらいなので、うっかりすれば、風邪をひいてしまう季節でもあるのですが、やっぱり風邪のような症状が出てみれば、未だにコロナ感染かも?とギョッとしてしまうのは、一体、いつまで続くのだろうか?と、ちょっとウンザリしているのですが、未だにこんなに簡単に検査してくれるなら、体調が悪いと思ったら、すぐに検査してもらった方が、やっぱり自分も安心だし、他の人に感染を広げてしまうことを避けれるので、せいぜい、この検査を利用させてもらおうと思っています。


コロナウィルス検査


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2023年9月16日土曜日

新年度の始まりとともに、急激に増加しているコロナウィルス感染

  


 フランス公衆衛生局は、ここ1週間で急激にコロナウィルス感染者が増加していることを警告しています。

 もう、また~~?と言いたくなるところですが、救急医療が処置したコロナウィルス患者数は、8月最終週からの1週間では、3,488件、9月に入り、4日から11日の間に4,067件に増加しました。その前まではわずか7%増でしたが、1週間で17%増となり、その後は22%増と3週間連続で上昇傾向が続いています。

 この傾向は、学校に戻って最初の 1 週間の子供たちに特に顕著にみられる傾向であり、大人ではわずか 12% であったのに対し、子供では 58% 増加しています。過去の感染の経過を参考にするならば、子供が学校で感染してきたウィルスが家庭内に広まり、今度は大人に感染が拡大し始めるというこれまでの実績を考えれば、これからさらに2週間後くらいになると、本格的に感染が拡大してしまうことになりかねません。

 これにつれて、救急外来の受診も増加しており、救急患者の数は30%増と堅調に?増加しており、救急患者の約3分の1が入院措置になっているそうです。

 ただし、体調を崩して救急外来に訪れる人々の多くは、もはやコロナウィルスを疑うことはなく、風邪をひいた・・と言ってやってくるそうで、たいていの場合はドリプラン(パラセタモール)を飲んで、2~3日安静にしていればよい程度のもので、このような人々のことを、一部ではコビデットと呼んでいるそうです。

 しかし、今回の感染拡大も依然として、重症化リスクの高い高齢者や基礎疾患のある人々にとっては、深刻なケースに陥る危険があり、フランス公衆衛生局は、10月17日から予定していたワクチン接種キャンペーンを10月2日に前倒しすることを発表しています。

 今年のワクチン接種には、欧州規制当局によって承認された新変異種XBB.1.5 対応のファイザーの新しい適応ワクチンが使用される模様です。

 また、フランス公衆衛生局は感染後重症化リスクの高い人に関しては特に症状が出た場合は早期の検査を推奨しています。 なぜなら、早期の段階ならば、感染が悪化しないための抗ウイルス薬(ファイザー社のパックスロビッド)を処方できる可能性があるからということです。

 喉元過ぎれば・・ではありませんが、すっかり、日常生活に戻っている今、ワクチン接種をするかどうかは、これまですでに数度にわたり、ワクチン接種をしてきた時と違って、なんとなく、またさらに続けて大丈夫だろうか?という抵抗もあり、また、差し迫って、危険を感じていないことから、さらにハードルが上がったような気もします。

 研究によると、欧州では、ほぼ全人口が感染歴があることが示されており、また、感染によって、ある程度は免疫を獲得し、守られていると考えることもでき、また、同時にファイザーとモデルナのメッセンジャーRNAワクチンには、特に若い男性において心筋炎(心筋の炎症)のリスクがあることが報告されていることから、無差別にワクチン接種を行うことは避け、フランス、ドイツ、イギリスでは、リスクのあるグループにのみ毎年追加免疫を行うことを推奨するという体制を固めつつあると言われています。

 気温が下がってくるとウィルスが活発になることから、秋以降は感染が増加することは、必須なのでしょうが、とりあえずは、こまめに手を洗うこと、うがいをすることなどの日本人ならば、決して特別ではない地道なことが大事かな?くらいに思っています。

 どのみち、ワクチン接種キャンペーンは10月以降、ワクチン接種に関しては、かかりつけのお医者さんとも相談して、決めようと思います。


コロナウィルス感染急増


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2023年8月13日日曜日

コロナウィルス新変異種 Eris(エリス)出現で再び感染者増加傾向 2週間で24.6%増

  


 いつ頃からだったか、自分でも記憶にないのですが、恐らく、1年前だったら、熱を出したとか、だるいとか、少々具合が悪いとか体調が悪かったりすれば、「まさか・・コロナウィルスに感染した??」と一番に疑っていたと思いますが、げんきんなもので、コロナウィルスのことなど、すっかり忘れて、もう先日、少々、体調を崩したときには、その前日に行った心臓の検査のせい?だと思っていました。

 まあそれも、2日ほどで回復したので、何だったかはわかりません。

 街中からはマスク姿の人は、ほぼほぼ見られなくなり、全くもと通りの生活に戻っている中で、コロナウィルスが消え失せたとは思っていなくても、ほぼマスクの消失?とともに、その病気の恐怖も私の中で消えつつあったのです。

 今回のパンデミックでは、ヨーロッパはなかなかの被害者数を叩き出し、ウィルスの出現とその拡散のスピードは恐ろしいほどで、あっという間にロックダウンという、証明書がないと、ほぼほぼ外出さえできないという前代未聞のセンセーショナル?な体験をしたというのに、あっさりとその時の恐怖を忘れてしまうのは、なんだか愚かなような、また忘れることで、気持ちを回復できるチカラというか、その両方を感じます。

 それが、フランス公衆衛生局の発表によると、Eris(エリス)と呼ばれる新変異種の出現のため、ここ2週間あまりで、感染者数が24.6%増加しているという話を聞いて、「そういえば、ここのところ、体調が悪くても、コロナウィルス感染を疑わなくなっていたけど、もしかしたら、感染していたのかもしれない・・」と、思い出しました。

 実際のところ、多くの人は、おそらく私のように、体調が悪かったとしても、検査をするという習慣がすっかりなくなっているので、実際の感染者数は、もっと多い可能性もあります。

 しかし、問題なのは、重症化した場合に病院の病床がひっ迫する状況になってしまうかどうか?ということで、現在のところ、バカンスシーズンの真っ只中で、コロナウィルス感染者増加うんぬん以前に、もともと不足している病院のスタッフの人員がバカンスのために、さらなる人出不足を招いており、救急病院でも夜間は受け付けないとしている病院が出始めているというニュースを聞いたばかりです。

 また、コロナウィルスに対する緊急事態対応も一応、停止されており、検査等も全額国民健康保険負担ではなくなっており、ワクチンパスポート等に利用されていたTousAntiCovidのアプリも一時停止になっています。

 そして、検査の結果、陽性となった場合でも隔離義務はなくなり、病気休暇も別に医師の診察をうけないと取れなくなっています。

 現在のこの俄か感染者増加の現象を鑑みて、フランス公衆衛生局は、現段階では、さして神経質に心配する段階ではないとしながらも、「頭痛、喉の痛み、咳、発熱などの症状がある場合は、検査を受けることを推奨する」としています。

 考えてみれば、バカンスシーズン真っ盛りで、ほぼ日常どおりにあちこちで、たくさんの人が集まるお祭りやイベントごとがあちこちで行われ、また、幸か不幸か、今年のフランスの夏は、けっこう涼しめで、考えようによっては、ウィルスが蔓延しやすい状況でもあります。

 私は、これまでに4回のワクチン接種をしていますが、この話を聞いて、久しぶりにワクチンパスポートを開いてみたら、最後のワクチン接種は昨年の7月で、ちょうど1年くらい経過しています。今回の感染者の増加は、ワクチンの恩恵が時間とともに減少していることも原因の一つとされています。

 ワクチンがどの程度効いていたのかは、わかりませんが、私は、これまでに何度となく、検査をしましたが、これまで一度も感染してきませんでした。もしかしたら、感染していたのに、気がつかなかったということもあるかもしれませんが、高齢者と接触する機会があるわけでもなく、いずれにしても、重症化さえしなければ、いいのかな?くらいの軽い気分になってしまっています。

 私は、ITのことは、からっきし、弱いので、これが偶然なのかどうかもわからないくらいですが、少し前から、私の携帯には、いつの間にかなくなっていたTousAntiCovidのアプリ、「復活させたい場合は、こちらをタップしてください・・」という画面が表示されています。

 日本の事情はわかりませんが、最初のロックダウンの時も政府から個人の携帯にロックダウン開始のメッセージが入り、「なんで?私の電話番号知ってるの?」とびっくりしましたが、なかなかフランスは、この方面、いつの間にか結構進歩し、いつの間にか自然と浸透ています。

 もともと人混みは嫌いなので、あまり人の多い場所には行かない私ではありますが、また、マスクは持ち歩き、必要に応じて、使った方がいいかな?と思い始めています。


コロナウィルス エリス 感染者増加


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2023年7月19日水曜日

パリのメトロはマスク率ほぼゼロ

  


 この間、久しぶりに日本にいる友人と電話で話していて、「日本はまだ、けっこうマスクしている人がいるんだよね~」という話を聞いて、びっくりしました。

 もう、はっきり記憶にもないくらいなのですが、私も多分、春ごろまでは、一応、マスクは持ち歩いていて、メトロやバス、つまり公共交通機関が混んでいたりするとマスクをつけたりしていたこともあったのですが、正直、彼女と話をするまでは、いつのまにかマスクのことは、すっかり忘れていました。

 パリはすっかりバカンスモードに入り、観光地をのぞいては、「やっぱりみんなバカンスに出ているんだな~」と思うくらい、人が減ってきた気がしますが、路線にもよるのですが、バカンス時期は、バスなどは明らかに本数が減るので、けっこう待たされた挙句にけっこう混んでいる・・なんてこともあるのです。

 あらためて、マスクをしている人はいるんだろうか?と周囲を見渡してみると、今日、1日、出かけて、バスにもメトロにも何本か乗りましたが、1人もマスクをしている人を見かけることはありませんでした。

 もともとマスク嫌いのフランス人、(まあ、日本人とてマスクが特に好きというわけでもないでしょうが・・)、マスクを外してしまうことには、日本人よりも抵抗がないのだとも思いますが、それでも、マスク着用義務が解除された当時は、マスクをしている人、していない人が上手く住み分けできなくて、マスクを外した人の中には、いつまでもマスクをしている人たちに対して、「いつまで、マスクなんかしてるんだよ・・」と、言いがかりをつける人などもいました。

 しかし、そのうち、不安な人はマスクをし、そうでない人は、マスクはもうしない・・それぞれ、好き勝手にしていても、それぞれに何とも言わない「マスク派とアンチマスク派」が共存できるようになって、めでたしめでたし・・と思っていました。

 今年は、というか、今年も、フランスはけっこう暑い日が早い時期から多くなったこともあるのか、私自身もマスクのことは、すっかり忘れており、周りがマスクをしているかどうか?を気にしてみることもなくなりました。

 それが日本はまだマスクをけっこうしている・・という話を聞いて、「へえ~!」と驚いていたら、ちょうど、YouTubeでホリエモンが「もういい加減、マスクやめませんか?」という動画を出していて、やっぱり、けっこうマスクをしている人が多いんだな・・と思いました。

 日本は地域にもよるのでしょうが、おそらくパリよりも気温も湿度も高く、パリよりも冷房が効いているところが多いとはいえ、さぞかし苦しいのでは?と思ってしまいます。

 周囲に高齢者が多いこともあるのでしょうが、お互いを縛りあっているようで、大変そうだなぁと思ってしまいます。もう感染者数なども発表しなくなっているので、日本とフランスの感染者数の対比をすることもできませんが、フランスでは、それ以上?に大変な事件がめじろ押しで、コロナに関してはもう話題にもあがらなくなってしまいました。

 どっちがいいのかは、一概に言うことはできませんが、今でもマスクをしている人がいっぱいいると聞いて、あまりの違いにびっくりした次第です。


マスク


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2023年4月2日日曜日

医療従事者ワクチン接種義務解除とコロナウィルス第10波 フランスだけがなぜ?

 


 フランス保健当局は、2021年9月15日から施行されている医療従事者および介護者の予防接種義務を終了することを提言し、保健省は、この提言に従うことを発表しています。

 とはいえ、現段階での医療従事者および介護者の中でワクチン未接種者は0.3%と言われており、大勢に影響はないと思われますが、一時は、このために、「ワクチン未接種の場合は、事実上の退職勧告だ!」などと、かなりすったもんだした問題であったため、このために、離職してしまったり、異動を余儀なくされたりした人々もいたわけで、パンデミック対応として、最後まで残されていた部分に区切りがつけられたことになります。

 保健当局 (HAS) は、医療専門家の予防接種義務に関する最初の部分を構成する新しいレポートを発行し、 このテキストでは、引き続き、病院職員と医師がコロナウィルスの予防接種を受けることを強く推奨してはいますが、それ以外の人を除外する必要はないと記しています。

 これにより、予防接種を受けていないスタッフは排除されないことになります。この医療従事者のワクチン接種義務解除の理由として、「新しい症例の数は明らかに減少しており、新しい亜種の病原性は低下していること」また、「医療従事者のワクチン接種率は非常に高く、これまでにすでに 95% 以上が少なくとも 2 回の注射を受けていること」を挙げています。

 また、現状では、「ワクチンの入手可能性はの十分に満足のいくものであり, これにより, 流行が再燃した場合に迅速に対応することが可能であるため」としています。

 これでヤレヤレ、どうやら終息かというと、一部の感染症専門家のあいだでは、「フランスは現在、小さい波ではあるが、第10波を迎えているため、これを過小評価するべきではない!」と警鐘をならしている人々も存在します。

 たしかに、ここ数週間でフランスの感染者数は脈々と増加傾向にあり、1日の新規感染者も一時は2,000人~3,000人くらいまで下がっていたものが、ここのところ1万人近い数字にまで上昇しており、1日あたり400人程度の人がコロナウィルスのために入院し続けています。

 身近なところでも、久しぶりに連絡をとったフランス人の知人が「なんだかちょっと最近、具合悪くて・・」と言うので、すっかりコロナウィルスを疑わなくなっている私は、「インフルエンザ?」と言ったら、彼は「プチ・コヴィット(プチコロナ)」だと言うので、「え~~ワクチンもしてるし、前に1回、かかってるよね!季節がら花粉症かもよ?」と言ったら、彼は頑なに「いやいや、絶対、プチ・コヴィットだ・・だって、味覚がなくなっちゃったもの・・」と。

 それでも、彼は検査に行くこともなく、ひたすら、ドリプラン(パラセタモール・鎮痛解熱剤)を飲んで症状が消えるのを待っているのでした。

 こういう人もきっとけっこういるわけで、検査をしなければ、感染者としてカウントされていないわけで、実際の感染者はもっと多いのではないかとも思うのです。

 先日、かかりつけのお医者さんにいつもの処方箋をもらいに行っていた時も他の患者さんから、どうやら家族揃って、コロナウィルスに感染したという電話がかかってきていて、身近なところでも、なんかちょいヤバな感じがしています。

 パンデミックが始まった当初はヨーロッパの国々はイタリアにしても、スペインにしても、ドイツにしても、足並みそろえて悲惨な状況だったのに、今回の第10波はフランスだけが、飛びぬけている状態です。

 この寂しい?状況はなぜなのだろうか?とちょっと不思議な感じもするのですが、考えてみれば、これだけ毎日のように大規模なデモが起こっていて、群衆が集まって、あれだけ大声をあげて騒いでいれば、そりゃ~そうかな?とも思い、この年金改革問題の2次災害かもしれないとも思います。

 とりあえず、自分にできることは、マスクはいつでも携帯し、メトロの中など人が多くて距離が取れない場所では一応、マスクはしておくとか、こまめに手を洗うとか、そんな基本的なことは続けておこうと思うのでした。


医療従事者ワクチン接種義務解除 フランスコロナウィルス第10波


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2023年2月16日木曜日

花粉症は治ったと思っていたら、どうやらマスクのおかげだったらしい・・

 



 私は、長いこと花粉症に悩まされてきました。このアレルギー体質は、どうやら母型の遺伝が大きいようで、母をはじめ、母の兄弟姉妹、そして母型の祖母までが、みんなこの時期は特にひどいもので、みんなこの時期になると、涙目になり、ティッシュが手放せず、鼻を真っ赤にして、「もうこの鼻捨てたい!」などと口にしていました。

 ずいぶん前に春先に日本に行く機会があったのですが、どうにもこの花粉症がひどすぎて、しまいには、呼吸困難に陥るくらい苦しい思いをしたので、もうこの時期に日本に行くのは絶対にやめよう!と思っていたくらいでした。

 しかし、ここ数年、すっかり花粉症の症状もおさまり、そんな苦しい思いをしたことも忘れて、昨年の今頃、用事があって日本へ行ったのですが、花粉症のことなど全く思い出しもしないほど、全く大丈夫だったのです。

 母は歳をとるにつれて解放され、「どうやら年齢とともにアレルギー反応の出方も弱まるみたいだから、あなたも歳をとってきたら、自然に治まっていくわよ・・」と言っていたので、私も歳をとったということか・・よかったよかった・・と妙に自分で納得していました。

 ところが、今年になって、どうやらまた、花粉症が復活した模様で、目はかゆいし、鼻はグシュグシュで、もうティッシュが手放せずに、四六時中、鼻をかんでいる状態が復活してしまいました。

 特に今年は酷いようで、今朝などは、朝早くにそのために目が覚めてしまい、落ち着くまで鼻をかみつづけ、少し落ち着いたところで、「ふ~っやれやれ・・」とため息をつき、朝からがっくり・・。

 思うに私の場合は、年齢のためにアレルギー反応が弱まったわけではなく、ここ数年、コロナウィルスのために、ずっとマスクをし続けていたのに、今年はすっかり屋外でのマスクは外してしまっていたためでした。

 幸いにもこれまで私はコロナウィルスには一度も感染せずに済んできたのですが、コロナウィルスのために否応なしにし続けてきたマスクのおかげで花粉症も防ぐことができていたことに、今年は実感しているのです。

 マスクがここまで花粉症に有効だとは、思ってもいなかったので、逆に以前も花粉症だからといって、マスクをすることがなかった私、今からマスクをしたところで、花粉症がおさまるかどうかはわかりませんが、とりあえず、しばらく屋外でも、いや屋外だからこそマスクをしなければならないと思い直すのでした。

 おかげさまでマスクは買い置きのものに加えて、何度もフランス政府が送ってくれたマスクが大量にあり、あらためてマスクを買い足す必要もありません。

 まだまだ、私はアレルギー反応が弱まるほど歳をとっていなかったと思えば、悪くはないな・・とも思うのですが、体力の衰えはしっかり感じていて、アレルギー反応だけ据え置きとは、本当にトホホです。

 昨年、マスクの義務化が撤廃されたばかりの頃に、スーパーマーケットの中でマスクをしている人に向かって、「おまえ、いつまでマスクなんかしてるんだ!」といちゃもんをつけていたおじさんに、「私は、花粉症なので・・」と言い訳している女性がいて、「なるほど、花粉症とは、上手い言い訳だな・・」と思ったことがあったのですが、考えてみたら、あの女性は本当に花粉症だったのかもしれない・・と今になって思うのでした。


花粉症 マスク


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2023年1月29日日曜日

2月1日からコロナウィルス感染対策緩和へ

  


 フランス政府は、コロナウィルス感染対策について、2月1日から、緩和することを発表しました。

 この感染対策緩和は、これまで「コロナウィルスの検査で陽性となっていた人々に対して強制的に隔離することが求められていたものが、この強制措置が解除され、感染者との接触した人の強制的な検査が求められなくなる」という結構、大胆といえば、大胆な内容となっています。

 しかし、厚生省は、「これらの感染対策は強制されるものではないにせよ、引き続き推奨されるものである」と追記しています。

 フランスのコロナウィルス感染については、ここ1カ月間で、1日の感染者数が1日平均2万件以上だったものが、5千件以下にまで減少しています。ここのところ、感染者数が劇的に減っているので、私はこの数字がちょっと信じ難く、検査機関のストライキのため、結果が正確に収集できていないせいだと思っていましたが、どうやら本当に減少していたようです。

 しかし、これらの感染対策緩和措置が発表されるまでもなく、もともと強制といいながらも、すでに、この強制措置はそれほど遵守されていたとも思えないので、この決定が大きく影響を及ぼすとも考え難く、むしろ、現状のフランス人の生活ぶりを見るにつけ、ほぼほぼ通常どおりの日常を送っているため、一応、名目上は強制措置となっていることが、なんとなくアンバランスな気さえするくらいです。

 この気温で、しかも、この普通の日常の生活ぶりで、感染者が減少しているのであれば、ことさら強制的な感染対策措置を行う必要も感じられず、むしろ、個々人の責任や感覚でそれぞれが感染対策を行うことも、少数派ではありながら、一定のマスク着用などが定着したことなどからも、ある程度は可能になってきたと同時に、何よりもこの感染者数の現状を見る限り、強制的な措置は妥当ではないとの判断なのだと思います。

 しかし、一部の専門家は依然として、異論を唱えてはいますが、義務化したところで、もうこれだけ生活が日常に戻っていれば、実際には制御不可能であり、また、義務化することによる社会的な補償が嵩み続けるのを抑えたかったことも正直なところではないかと思われます。

 これにより、隔離のために病欠扱いで補償されていた給与保障は、一般の病気?の病欠扱いと同じ保障の形態になります。

 これらの感染対策が緩和される中、依然として特別扱いされているのは、中国からのフライトと入国者に関するもので、1月初旬から規制されている「中国からフランスへのフライトを利用する搭乗客にはフライト中のマスク着用義務(6歳以上)、搭乗前48時間以内の検査での陰性証明提示、フランスに到着後は、無作為にスクリーニング検査を受け、結果が要請であった場合には隔離されることを約束しなければならない」という規制は、とりあえず、2月15日まで延長されることになりました。

 中国当局の発表によると、コロナウィルス感染に関する1日の死亡者数が1月初めから80%近く減少しており、12月から発生した最新の汚染の波が収まりつつあることを発表していますが(それ自体もあまりフランス側は信用していないと思われる)、しかし、1月22日に行われた旧正月で大規模な人の移動があり、ウイルスが広がる可能性が高いことから、旧正月後に感染の新たなピークが訪れると警告もしています。

 フランスの中国に対する感染対策の決定はこれによるものと見られています。

 パンデミックが始まって、そろそろ3年が経ちます。当初は、私は一年くらいで収まるだろうな・・と思い、「あの時は大変だったね・・」と笑顔で話せるときがくることを思い描いてきました。

 フランスの感染対策や数字を見る限り、峠は越えたかな?とも思えなくもありませんが、イマイチすっきり吹っ切れない日は、まだ、もう少し続きそうな感じです。


フランス コロナウィルス陽性者強制隔離措置撤廃


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2023年1月23日月曜日

現在の日本のコロナウィルス対応についてフランスで報道されていること

  


 今、ネットでコロナウィルスと検索すると中国のニュースがズラリと上がってきます。

 中国疾病予防管理センタ(CDC)の発表によると、中国側は現在、1週間の病院での死亡者が13,000人としているようですが、これには、自宅等、別の場所で死亡した人の数は含まれていません。しかも、この数字は、感染対策規制が緩和されたことを受けて、かなり控え目の数字におきかえられていると他国の専門家たちは分析しています。

 もともと、中国の発表する数字はどこの国でも信用していない様子で、イギリスの医療分析会社エアフィニティによると、中国では旧正月休みの間、1日のコロナウィルス感染死亡者数が約3万6千人に上ると予想されています。また、同社は、中国が12月に規制を解除して以来、60万人以上がこの病気で死亡したと推定しています。

 フランスにしても、この中国の感染拡大には、警戒を続けているものの、フランス国内でのコロナウィルス感染に関しては、フランスならではの問題が浮上・・ここでも、検査機関のストライキの影響で、正確な数字がつかめていませんが、日常生活自体においては、国による規制は、医療施設などの一部の機関を除けば、ほぼほぼ通常モードの生活に戻っています。

 そんな中、日本のコロナウィルス感染に関しても、「日本はコロナウィルス感染第8波を迎えており、過去最高の死亡率を記録している!」と伝えています。

 そして、また辛口なフランスの報道では、「日本ではこのパンデミック以来、過去最高の死亡者数を記録しているにもかかわらず、日本政府は景気回復を後押しするために、コロナウィルスをクラス2から季節性インフルエンザと同じランクのクラス5に格下げする予定であることを発表しました」

 「昨年、10月に外国人観光客への門戸を開いたばかりで死亡率が過去最高を記録しているこの時期に、最新の健康規制を解除することで、経済の活性化を図ることを目的とした施策のようだが、この宣言は驚きである」と書いています。

 日本が鎖国を続けていた時には、いつまで鎖国をしているつもりなのか?と言っていたのに、鎖国をやめて感染が拡大してみれば、これでさらに規制を緩和するのは驚きだ・・などと言われるのは、心外な気もしますが、たしかに、日本政府の対応はタイミングが悪いことも否めません。

 東京オリンピックに関しても、延期をしておきながら、結局、延期する前以上に状況の悪い事態になって、ギリギリまで開催か否かが発表されずに強行開催というタイミングの悪さでした。

 中国とまでは言わないまでも、パンデミックが始まってから3年間、諸外国に比べて、かなり隔離されてきた日本で、中国とほぼ同じタイミングで過去最高の死亡率を記録したりしているのには、これまでに国民の間にどれだけ免疫ができているかということも関連している気もしますが、フランスでは、日本での死亡率の上昇には、オミクロン対応のワクチン接種率が低いことと、世界一、国民の平均年齢が高いことではないか?と言っています。

 日本は未だにマスク率が高く、政府は今年の夏には屋外ではマスクを外すように呼び掛けているそうですが、もともと必要に応じてすればよいだけの話です。

 フランスでは、一時はアンチマスクの人がいて、マスクをしていることに対して嫌な顔をする人もいましたが、最近は、必要だと思う人はマスクをし、それに対しても嫌な顔をしたり、とやかく言う人もいなくなり、マスクをしようとしまいと放っておいてくれるので助かります。

 フランスでは「みんなが同じでなければいけない」という観念がないので、規制をするときには、罰金付きなどにしなければ国民も言うことをきかないのですが、規制解除に関しては、助かるのかもしれません。


日本のコロナウィルス対応


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2023年1月5日木曜日

WHOが中国にコロナウィルスに関するデータの再提出を要請

  


 中国でのゼロコロナ規制解除に直面して、多くの国が中国からの入国に関して、あらためて感染対策を取り始める中、WHO(世界保健機構)は同国の状況についての懸念を示し、「我々は中国に対し、入院と死亡に関するよりタイムリーで定期的かつ信頼できるデータの提供と、より完全でリアルタイムなウイルス配列の確認を引き続き求めている」と述べました。

 また、同時に入院、重症化、死亡から人々を守るためにブースター接種を含むワクチン接種の重要性を改めて強調し、これは、高齢者や基礎疾患を持つ人など重症化のリスクが高い人にとって特に重要なことであると付け加えています。

 2週間前、国連機関はすでに中国の科学者に、入院患者、死亡者、ワクチン接種についてより明確にするために、ウイルスの詳細な配列データを提出するよう求めていました。中国側は、世界の国々が中国からの入国に対して感染対策を取り始めたことを快くなく感じているようですが、特に現在、中国ではこれだけ感染の流通量が多く、完全なデータが報告されていないのだから、自国民を守ると考えて対策を講じる国があるのは理解できるとしています。

 この感染症が世界的なパンデミックとなってしまった以上、それぞれの国の感染状況を公開するのは、当然のこと、国連世界保健機関にとっては、WHOや世界にとって有用なデータであり、すべての国にその共有を促しています。

 WHOが定期的かつ迅速で確実なリスク評価を行い、それに応じてアドバイスやガイダンスを適応させるためには、このデータは引き続き不可欠であるとWHOは強調しています。

 中国における最近の流行は、主にオミクロンの亜型であるBA.5.2とBF.7によって引き起こされており、これらを合わせると、現地の全感染者の97%以上を占めているとWHOは述べています。このデータは、中国疾病予防管理センターが2,000以上のゲノムを解析した結果に基づいています。

 また、このデータは、他の国からグローバルデータベースに提出された中国からの旅行者のゲノムと一致しており、公開されている配列データには、新しい変異や重要性が知られている変異は指摘されていないとしています。この情報は、火曜日にWHOの技術諮問委員会に中国の科学者が行ったブリーフィングから得られたものです。

 中国は現在、12月初旬に「コビッドゼロ」政策を突然放棄し、過去最悪の感染者発生に直面し、 この前例のない感染の波にもかかわらず、患者数のカウント方法を変更したことで議論を呼んだコロナウィルス関連の死亡者数はほとんど報告されていません。

 しかし、SNSで流されている情報や映像から、中国が発表している現在の数字は、入院や集中治療室の患者数、特に死亡数など、実際の数字とは遥かにかけ離れているものであると見られています。

 感染が拡大すれば、新たな変異種の出現の可能性も高くなり、次なる被害が広がる可能性を孕んでいます。

 また、中国以外では、2022年10月に初めて検出されたオミクロン亜種の1つが、2つのBA.2亜種の組換えであるXBB.1.5であり、国連の世界保健機関によると、この亜型は「米国とヨーロッパで増加傾向にあり、現在、すでに25カ国以上で確認されているといいます。

 とはいえ、フランスなどでは、コロナウィルスは現在は小康状態と言ってもいいかわりに、インフルエンザや細気管支炎などとのトリプル感染症で周囲にもゴホゴホしている人がやたらと多い感じがします。

 とうとう3年経ってもコロナウィルスは収束を見せるどころか、一周回って、再び中国での感染拡大に戻っており、中国の病院の様子などの映像を見ると、また時が3年前に逆戻りしたかと思わせられるような状況です。

 これには、これまで中国がゼロコロナ対策をとってきたために、国民の間に集団免疫ができていないことや、中国製のワクチンの効力が低いことなどが挙げられていますが、現在の変異種に対しては有効な先進国のワクチン(ファイザーやモデルナなど)も、また新しい変異種が登場した場合は脅かされることも考えられないでもありません。

 私自身は2回のブースター接種を済ませていますが、ワクチンの有効性が6カ月程度しか持たないのであれば、またそろそろワクチンをしなければならないかもしれませんが、いい加減、そうそう2~3年の間に何回もワクチン接種をしてワクチン漬けになるのも、さすがに少々、ためらわれるところです。

 パンデミックという事態になってもなお、どうして、こうも協力して協調するということができないのか? ほんとうにウンザリします。


中国コロナウィルスデータ


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2022年12月28日水曜日

中国での感染拡大の一因と見られているオミクロンBF.7 中国をどこまで警戒すべきか?

  


 パンデミック開始以来、「ゼロコロナ対策」として厳しい規制措置をとっていた中国では、12月初旬に強い反発のデモなどが起こったことから、規制措置を緩和し始めていました。ところが、この緩和措置とともに、中国では、再び感染が急激に増加しており、この感染急増の原因の一つとして、オミクロンの新しい変異種 BF.7が感染の大半を占めていることを挙げています。

 オミクロン BF.7は、5月中旬にベルギーで発見されたことを皮切りに、その後、インド、フランス、米国、英国、ドイツ、デンマークでの感染が確認されており、今月初めに北京での感染の主流になったことがわかっています。

 BF.7の症状は他のオミクロン変異種と似ており、主に上気道を侵し、発熱、咳、喉の痛み、鼻水、疲労感に加えて、嘔吐や下痢などの症状も報告されています。

 このオミクロン BF.7ゲノムのスパイクタンパク質変異は、中和抗体を回避する能力を備えているために感染力が強く、懸念されるところではありますが、重症化に対しては、ワクチンは有効であると言われています。

 しかし、この中国の感染急増は、なにせ人数が多いだけに、世界的にも少なからず影響を及ぼすであろうとも見られており、また、このタイミングで中国政府は規制緩和を機に感染者数や死亡者数の発表を停止してしまったことが、またこの感染拡大の状況把握を複雑にしています。

 もともと中国政府の感染者数の発表などは、フランスでは信憑性に欠けるものとして、あまりあてにはしていない感じもありますが、ファイナンシャル・タイムズ紙などによると、12月に入ってからの20日間で中国では2億5000万人がコロナウィルスに感染した(1日あたり1240万人)と報道しています。

 このような具体的な数字を中国政府が公表しないこと決めたのも疑問なうえに、中国当局は12月26日に、1月8日から中国到着時の強制検疫を終了することを発表しています。つまり、中国人の海外渡航が本格的に再開されることになります。

 しかし、フランスでは、中国では感染が急拡大して、死亡者も多く出ていて、遺体の処理が間に合わずに、霊柩車が長い列を作っていたり、棺が山積みにされているような映像が流されていて、中国の感染拡大がかなり深刻なものとして扱われているので、このオミクロン BF.7の危険性を感じずには、いられません。

 また、実際に感染力は強くても、重症化はワクチンで回避できる可能性が高く、また同じ変異種がすでにヨーロッパにも到達しているにもかかわらず、現在のところ、ヨーロッパでは、さほど重症化の数字が跳ね上がっていないのは、中国で行っているワクチン接種の種類が異なることや、回数も十分ないことが原因ではないかという見方もあるようです。

 しかし、ゼロコロナ対策はともかくのこと、この感染症が世界規模のパンデミックとなっている以上、その現状を公表せずに鎖国の扉を開けようとしているのは、納得がいかないことです。この感染症が世界的に広がってしまったパンデミックになってしまった以上、諸外国とも情報を共有しながら対策をとっていかなければならないことは、これまでの経緯を見ても明らかなことです。

 そもそも、最初の感染拡大を隠蔽したために、世界規模に拡大してしまったパンデミックです。同じ過ちを繰り返してほしくないと切に思うところです。


オミクロン BF.7  中国感染急増


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2022年12月27日火曜日

年末にかけて、今度は医者のストライキ一週間

  


 考えてみれば、年がら年中ストライキをやっているフランス。今年に入って覚えているだけでも、夏のバカンス時の空港や航空会社のストライキ。エネルギー危機が叫ばれる中のガソリン供給会社、RATP(パリ交通公団)、SNCF(フランス国鉄)などなど、一つがおさまると、また別がストライキともぐらたたきのように、必ずどこかがストライキをやっている感じがします。

 そして、一年の年末の締めくくりは、お医者さんたちが一週間のストライキをするようです。

 ガソリンや公共交通機関のように、皆が毎日毎日、お医者さんにかかっているわけではないので、社会全体を揺るがすようなストライキになるとは思えないものの、現在、コロナウィルスはまだ蔓延中なのに加えて、細気管支炎やインフルエンザなどの3大ウィルスが同時に流行しているといわれている中、お医者さんのストライキは、まさかの事態には、大変、困ったことになると、少々不安になります。

 特に小さい子供や高齢者を抱える家族にとっては、より一層、心もとないことに違いありません。ストライキをする権利というものは、誰にもあるのだということはわかりますが、お医者さんに至っては、時には命にかかわることも起こりかねないだけに、少々、複雑な思いもあります。

 今回のストライキでは、リベラル派の開業医が中心となって行うもので、フランス医療連盟は、現行の基本診察料25ユーロ(約1,400円)を50ユーロに倍増することや、労働条件改善を求めています。

 いきなり倍増という要求には、驚きますが、たしかに診察料が20ユーロから25ユーロまでに上がるまでは、なんだか少しずつでも、「えっ??また値上げ?」と思った記憶があるのですが、それもけっこう昔の話で、そういえば、25ユーロになってからは、かなり値上げしないままだった気もします。

 我が家は比較的、医者にはよくかかる方であったのは、私が仕事を休めなかったためで、なんとしてでも娘に病気になられては困るし、私としても病気になるわけにはいかなかったので、ちょっとでも体調が芳しくないと思えば、早め早めに先手を打ってお医者さんにかかる感じで、また、フランスでの子供の予防接種などについても、必要な予防接種やタイミングなど私はわからなかったので、すべてかかりつけのお医者さんに相談していました。

 フランスでは、医療費(診察料や薬など)は、国民健康保険でかなりカバーしてくれるうえに、多くの人がその国民健康保険ではカバーしない分をカバーしてくれる保険(ミューチュエル)に入っているため、結局は全額カバーされるために、私などは、医者にかからずに薬を買うよりも、医者にかかってちゃんと診てもらって、薬を処方してもらう方が合理的なので、診察料が高いとか安いとか、あまり考えずに医者にかかっていたので、診察料について、あまり考えたことはありませんでした。

 しかし、現在、医者になりたい若者が減り、医者不足が叫ばれる中、専門医などはまた別かもしれませんが、一般の開業医などの場合は、考えてみれば、医者になるための勉強がかなり大変なわりには、超高給というわけでもなく、優秀な学生にとって、金銭的には、あまり魅力的な職業ではないかもしれません。

 特にパンデミックを機に、医療体制には、様々な問題が浮き彫りになってきていますが、一般の開業医もまた、社会全体の医療制度とともに見直さなければいけない時が来ているのかもしれません。

 今回の医療費値上げ要求をはじめとするストライキを呼び掛けている医者たちは、「明日のための医師団」と銘打って、運動を起こしていますが、この改革が確実に医者が不足すると見られているそう遠くない未来のために、医師という職業が少しでも魅力的な職業で、尊重される職業であるべきだとしています。

 これらの要求のための動きは今回の年末の一週間のストライキだけでなく、1月5日の大規模なデモも予定されています。


開業医ストライキ 明日のための医師団


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2022年12月13日火曜日

寒さが最後の後押ししてくれたインフルエンザのワクチン接種

 


 

 昨年の年末は、コロナウィルス感染の広がり方が半端ではなく、ちょっと出かけると、すぐにTous Anti Covid(フランスのワクチンパスポートと感染者追跡アプリ)のアプリにアラートが来て、「感染者に接触しているので、すぐに検査してください」という通知が来るし、ブースター接種が待ち遠しい感じで、もうコロナに感染していないのは奇跡的な感じもしていたので、もしもインフルエンザとコロナウィルスとダブルチョップで襲われることがあったら、大変だと思い、普段は通知が来ても無視していたインフルエンザのワクチン接種を受けていました。

 インフルエンザワクチンなど、もう何十年もやっていなかったこともあるのか、ワクチン接種後は、体調を崩し、熱を出したりしました。

 それでもワクチン接種をしたということは軽くインフルエンザに罹ったようなものなので、まぁ、あり得ることだと、ひたすらドリプラン(アスピリン)を飲んで寝て、数日後には、復活。それから状態が落ち着いてから、コロナウィルスのブースター接種を受けました。

 それから、私は2回目のブースター接種を7月に受けていますが、また、年末を迎えてフランスのコロナウィルス感染は確実に上昇しています。しかし、今年は、コロナウィルスの感染者は昨年ほどではないものの、今年はインフルエンザと細気管支炎との三つの呼吸器感染症の同時流行ということで、また、別の脅威がやってきています。

 やっぱり今年もインフルエンザのワクチンをした方がよさそうだ・・と思いながらも、昨年ワクチン接種後に体調を崩したこともあり、ちょっと腰が引けていました。

 しかし、呼吸器系感染症のトリプル流行の影響で、なんとドリプランの製造が間に合わなくなっているというニュース。フランスでドリプランといえば、アスピリン(解熱・鎮痛剤)の代表的な存在でフランスでは、日本のように風邪薬や鎮痛剤の種類が多くなく、なにかというと、とりあえずドリプラン・・というくらいの薬で、どこの薬局に行っても、いつでも黄色いドリプランの箱は山積みに置かれている薬なのです。

 それだけ、もともと服用する人が多い薬なので、いつでも、どこの薬局に行っても、ドリプランだけはいつでも山積みなのに、それがなんと不足しているとは驚きです。

 そのうえ、先週あたりから、フランスは氷点下の世界に突入して、寒さが一段と厳しくなってきました。氷点下・・マイナス2℃、3℃ということは、冷蔵庫の中よりも寒いのですから、これはたまりません。

 もはやマスクは重要な防寒具の一つで、耳にまでマスクをしたいくらいです。夏の猛暑の時には、寒い方がまだマシだ・・着ればいいんだから・・などと言っていたくせに、寒ければ寒いで、やっぱり寒いのも嫌なのです。

 これは、いよいよやばいと思い、届いていたインフルエンザのワクチン接種券をもって薬局に行くと、すぐにできるわよ!ということで、その場でやってもらうことに・・。薬局のレジで受付を済ませると、「じゃあ、ちょっと、あっちの部屋で待ってて・・」と言われて、待っていると、受け付けしてくれた人とは別の男性が部屋に来て、「マスクを外してください・・」と・・。

 えっ?ワクチン接種になぜマスクを外すの?と怪訝な顔をすると、「え?PCR検査ちじゃないの?」と、どうやら、検査に来ているのだと勘違いしている様子。おそらく、現在のところ、インフルエンザのワクチン接種をする人よりも圧倒的にPCR検査をしに来ている人の方が多いことがうかがえます。

 考えてみれば、パンデミック以来、ワクチン接種にしてもPCR検査にしても、すっかり薬局に来る機会が増えたもんだと思いながら、受けつけしてくれた女性を待っていると、間もなく彼女がやってきて、「腕を出してください・・」と促され、腕を出したところで、「風邪ひいてませんね、熱ありませんね・・」と確認。そのうえ、「今年のワクチンはちょっと痛みが強いかもしれないし、その痛みが2日くらい続くかもしれないし、場合によっては、熱が出たりするかもしれません・・でも怖がらないで・・大丈夫だから・・」と思いっきり怖がらせるのです。

 もう腕をまくっている状態で、そんなことを言われて、「先に言ってくれれば、やめてたかも知れないの!今になってそんなこと言わないでよ!・・」と半べそをかきながらも、もう今さら引くに引けない状態。まるで子供の注射イヤイヤ状態。

 たしかに、いつもよりは痛い感じはしたし、翌日まで腕は痛かったものの、今年は、熱を出すことはありませんでした。

 帰りに「ドリプランが不足しているって聞いたけど・・」と聞いてみたら、なんで知ってるの?みたいな顔をして、ちょっとびっくりされましたが、「大丈夫、まだ、うちには在庫あるから・・」と軽くいなされました。

 それにしても、ここのところのフランスの冬はこんなに寒かったかな?とちょっと、引くほどの寒さです。ここ2年間、冬の間、あまり出歩かなかったせいか、今年の氷点下の冬はことさら寒さがきつく感じます。

 しかし、尻込みをしていたインフルエンザのワクチン接種もドリプラン不足と極寒に後押しされて、ようやく済ませました。

 毎日のように公共交通機関や屋内でのマスク着用を義務化にするかどうか?という話をしていますが、フランス人の間でも、2年前のようにマスクを毛嫌いする感じは薄れ、必要があればする人も増えたので、ずいぶん、フランスも変わったな~~と思いながら、防寒具としても、今年はマスクが手放せない・・なんならカシミアのマスクが欲しい・・などと思っているのでした。


インフルエンザワクチン接種


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2022年11月30日水曜日

フランスを襲うコロナウィルス、細気管支炎、インフルエンザの呼吸器系トリプル感染症

  


 すでに11月の初旬に問題視されていた細気管支炎の流行による、特に小児科病棟の圧迫は、この約1ヶ月の間もとどまる様子をみせずに満床状態が続き、コロナウィルス感染も再び増加傾向に転じ、冬に向けての強いインフルエンザの流行も予想され、コロナウィルスだけではないこの三つの感染症が同時に蔓延することで、感染症専門家は再び警鐘を鳴らしはじめています。

 このような病気の組み合わせは「フランスでも前例がないことである」と感染症専門医は危機感を露にしています。

 パリ近郊のある病院では、先週末から記録している入院はすべて、呼吸器感染症に罹ったもので、この急性ウィルス性感染症の蔓延は、今年に入ってから過去最高レベルに達しており、すでに政府は11月上旬にホワイトプラン(深刻な保健衛生上の緊急事態を予測し、患者の急激な大量増加に備えるための例外的な措置)の採択を余儀なくされています。

 フランス公衆衛生局は、細気管支炎による入院が、3週連続で2歳以下の子供の救急外来受診後の入院の半数を占めていると報告しています。

 11月末には、この細気管支炎の流行のピークを過ぎるという医療関係者のこれまでの予想が裏切られるなか、コロナウィルス感染の増加(毎日、45,000人近い新規感染)がこれに覆いかぶさるかたちで襲い掛かっています。

 この流行は南フランス、特にオクシタニー地方で最も強く、オー・ド・ピレネー県では人口10万人あたり740人以上と、フランスで最も高い発症率となっています。

 この流行の原因の一つには、10月に再開されたワクチン接種キャンペーンが想像以上に軌道に乗っていないこともありそうです。インフルエンザについても同様で、昨年同時期よりもインフルエンザのワクチン接種を受ける人は大幅に減少しています。

 昨年までは、マスクにより、インフルエンザなども回避できていた状況が、今年は一転して、すっかり通常モードにほぼ戻っていることもこの3つの感染症が同時に広まりつつある状況を招いています。

 そういう私も昨年末は、コロナウィルスが爆発的に増加していたこともあって、コロナウィルスはもちろんのこと、インフルエンザに感染して、体調を崩すことが怖くて、数年ぶりにインフルエンザのワクチン接種を受けたのに、今年は、もう少し様子を見てからにしようとあと伸ばしにしていました。

 感染症専門家は、今年の冬はこの三つのウィルスは、おそらく重なり合い、互いに追随しあうだろうと述べており、この三つの呼吸器系感染症による爆発的なカクテルができるための材料は十分すぎるほどに揃っていると警告しています。

 昨年、インフルエンザワクチン接種後に体調が悪かったこともあり、尻込みしていましたが、そろそろ折り合いを見て、インフルエンザのワクチン接種に行かなくては・・と思っています。


細気管支炎 コロナウィルス インフルエンザ 呼吸器系感染症


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2022年11月29日火曜日

中国のゼロコロナ政策反対のデモを天安門事件以来のターニングポイントと見ているフランス

   


 先週、在中国フランス大使館が「中国のゼロコロナ政策」を「不必要で過剰な制限である」とSNS上で批判したことが、中国国民の大きな賛同を得て盛り上がったことが話題となっていましたが、先週末は大規模なデモが中国各地で起こり、このデモは、政権を直接標的とした政治的な方向に進み始めており、フランスでは、習近平政権が揺らぎ始めたと注目しています。

 デモ隊の怒りに火をつけたのには、中国通信によると、中国北西部ウルムチの住宅で火災が発生し、10人が死亡、9人が負傷する致命的な事態となったことも原因の一つであり、地域がゼロコロナ政策のために封鎖されると、至るところに障壁が設置され、消防車までもが燃える建物に近づくことができなかったためでもあると言われています。

 この地域隔離や工場閉鎖など、もうそろそろパンデミックが始まって以来3年が経とうとしている今、あらゆる階層の人々が、あまりに厳しい隔離や検査にうんざりして鬱憤がたまりきっており、その爆発の仕方が半端ないものになっており、また、このデモに参加したのか、取材中だったのか、イギリスのBBCのジャーナリストが警察に暴力を受けながら逮捕されたりしたことも、イギリスも容認できないとしています。

 コロナは関係なくとも、四六時中、毎週のようにどこかでデモをやっているフランスにとって、デモをする権利というのは、尊重しすぎるほど尊重されているもので、それが暴徒化しないように、間近にするとちょっと引くぐらい、これでもかというほど、警察や憲兵隊がガードしてまで行うデモでも、警察側から暴力をもってデモを阻止することなど、もってのほかで、はたから見ても、自由の侵害は許せない!という気持ちになるのでしょう。

 フランスのデモが暴徒化した場合でも、重装備した警察官や憲兵隊も武器を使ったりすることは、よほどのことがないとありえないことで、せいぜい催涙ガスか、水を撒いて応戦する感じなのです。

 中国から比べたら、今から思い返せばフランスのロックダウンなど短かったわけで、最初の1カ月強はほぼ、外に誰も出られない完全なロックダウンでしたが、その後、少しずつ、外出できる時間も距離も広がり、営業できる種類の店舗も拡大し、様々な種類の規制がしばらく続いていたものの、そんな中でもデモは行われていて、私などは、逆に「へんなの・・」と思っていたくらいです。

 ロシアの言論統制にしても、今回の中国のゼロコロナ政策にしても、不自然なかたちで政府が国民を抑えつける体制は、全くフランスとは相容れない国であるのがわかります。

 それにしても、中国人のデモというのもなかなか迫力のあるもので、それを阻止しようとしている中国の警察の圧力のせいもあるかもしれませんが、例えば日本のデモなどの様子を映像で見たときに、フランスのデモを見慣れている私にとっては、「なんとおとなしい!これは本当にデモなのだろうか?」と思うのに比べて、中国のデモは、なかなか迫力のあるデモで、なかなか中国人、発火した場合はすごいパワーになりそうです。

 とにかく、フランスでは、今回の中国のゼロコロナ政策反対デモは1989年の天安門事件以来の歴史的なムーブメントになるのではないか?と見ており、習近平政権が揺らぎ始めるきっかけになるのではないか?と見守っているのです。

 また、この中国での騒動については、今回は、国連も「平和的抗議の権利の尊重」を求め、「平和的に意見を表明しただけで恣意的に拘束されることがあってはならない」「国際的な人権法と基準に従ってデモに対応するよう求める」と警告を発しています。


中国ゼロコロナ政策反対デモ


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2022年11月27日日曜日

在中国フランス大使館が中国のゼロコロナ政策を批判

  


 大使館は外地においても、その国の治外法権と言われますが、在中国フランス大使館が中国がいまだに取り続けている厳しい「ゼロコロナ」政策をソーシャルネットワークWeiboの公式アカウントに中国語でで公開された異例のメッセージの中で、「不必要で過剰な制限」であると厳しく批判したことが大きな反響を呼んでいるようです。

 いつまでも外国人を締め出して、鎖国状態をとり続けていた日本も、ようやく外国人を受け入れるようになり、それまでは、外国人をシャットアウトしている国として、世界地図の中で日本は中国と同じ色に塗りつぶされていて、「うわっ!中国と同じ扱いにされている!」と残念な気がした覚えもあります。

 しかし、実際には、中国国内の「ゼロコロナ政策」は、日本の比ではない厳しさで、患者が出るとすぐに監禁を課し、陽性反応が出た人をセンターに隔離し、公共の場に出るにはほぼ毎日PCR検査を義務付けるような、しかも、その強制的かつ時には暴力的にも見える拘束の仕方は、度々、フランスのメディアでも、その映像が流されていました。

 今回の在中国フランス大使館のメッセージは、「このゼロコロナ政策は不必要で過剰な制限であり、中国に存在するフランス企業に影響を与えるものであり、中仏間の貿易・投資を維持・発展させるためには、透明で予測可能かつ公正なビジネス環境が不可欠である」と訴えています。

 中国は、ゼロコロナ政策の緩和を発表し、特に中国到着時の検疫期間を短縮し、渡航を容易にするとしていますが、フランス大使館は、中国側の緩和措置は「期待に応えていない」と、中国側に「不必要で過剰な制限を排除する」ように求めているものです。

 このフランス大使館のSNSでのコメントの3日前に、中国政府はコロナウィルス感染者の急増を理由に、巨大なiPhone工場がある中国中部の都市、鄭州市のロックダウンを宣言したばかりでした。

 本来ならば、他国の政策に口を出すことは、あまり歓迎されるべきものではないとは思われますが、このメッセージに関しては、このゼロコロナ政策にうんざりしている中国の人々から広く歓迎され、あっという間に8万5000回以上「いいね!」が付き、1万件以上の好意的なコメントが寄せられ、大変な盛り上がりを見せているようです。

 「フランスは本当に革命の国だ!」と感謝する人や、「ありがとう、フランスがワールドカップで優勝することを願うよ!」「企業資本主義 を守ってくれてありがとう!」などの圧倒的に好意的なコメントが多いようですが、中には、「なぜフランス企業が中国のコロナ対策に口を挟むのか?」と、もっともといえば、もっともなコメントもあるようです。

 国ごとに対策が違うことも、致し方ないとはいえ、今ではほぼ普通の生活を送っている身としては、「ここまでやる必要があるのかな?」とは思いますが、どうせ、ここまでやるならば、なぜ、最初に武漢でウィルスがばら撒かれた最初の最初に、このような対処をしてくれなかったのだろうか?と、思ってしまいます。


在中国フランス大使館 SNS ゼロコロナ批判


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2022年11月24日木曜日

いつのまにか、また感染増加 フランスのコロナウィルス第9波

 



 パンデミックが始まって以来、もう大小さまざまの波が訪れて、なんとなく定期的にコロナウィルスの感染者数をチェックする習慣がついてしまいました。当初は毎日のように仰々しく感染者数がテレビでも発表されていたりしましたが、今やもうそんな報道もなくなり、自分から探しにいかなければ現状は把握しにくくなりました。

 私はこれまで15万人以上のコロナウィルスによる死亡者を叩き出しているフランスで生活しながら、今まで、一度も感染せずに生き延びてきました。コロナウィルスによるパンデミックが騒がれ始めたのは、2020年の2月頃のことでした。

 それから3月にあっという間にロックダウンという前代未聞の事態に陥りましたが、実際にコロナウィルスと見られる症例がフランスで見られ始めたのは、2019年の11月頃と言われており、その当時は原因不明の病気として処理されていましたが、その翌月の12月頃に異常にだるくて発熱し、起きれなかった時期があったので、もしかしたら、その時に感染していた可能性がないでもないと思っていますが、幸いにも、解熱剤を飲んでひたすら寝ることで回復したので、結局、それが何であったのかはわからないままになっています。

 ワクチン接種が始まってからは、ワクチンに対する懐疑的な思いもあったものの、いつもフランスは世界的にも感染率のトップを走っているような状況だったので、もはやワクチン接種による副作用等のリスクよりも感染するリスクの方がよほど高いと思い、これまで2回目のブースター接種までしています。

 私には、軽い心臓疾患もあるため、やはり感染は怖いのです。そんなわけで、コロナウィルスの蔓延状況は、常に気になり、感染者が多くなればなるほど、感染する確率も上がるわけで、それなりに注意を払って生活しているわけです。

 この2年半の間にフランス人でも、人が多いメトロの中などでは、少数ではありますが、しっかりマスクをする人はするようになり、またマスク義務化が撤廃された当初は「いつまでマスクなんかしてるんだ!」などと言われることもあったり、あれだけマスク嫌いだと思っていたフランス社会においても、今ではマスクをする人はそれはそれでOKという市民権を得て、マスクをしていても、していなくても、好きなようにしていられるところは、大変な変化です。

 それが、10月中旬には、小康状態を保っていたと思われていたフランスのコロナウィルス感染が、11月半ばを過ぎて以来、再び増加し始め、感染者数の増加とともに入院患者数も増加し、再びリバウンドが始まったのは確実、第9波に突入したと言われています。

 これには、月初に祝日があったり、大規模なストライキがあったことにも起因していると言われていますが、比較的、暖かい気温の日が続いていた後、例年どおりの寒さがやってきたことも原因と言われています。

 そうでなくとも、これから年末年始にかけてはノエルなどの行事も控えていて、人が集まる機会も増え、また、ワクチン接種の効果が一体どの程度なのかを示す指標となるデータも混乱状況にあるようで、不安要素は常にあります。

 結局は、自分の身は自分で守ることが基本なので、より危険な状況ならば、やはり自分でより注意を払い、できるだけマスクをするようにするとか、アルコールジェルや手洗いを頻繁に行うようにするしかないわけです。

 昨日、1日の感染者数を見てみたら、これまでせいぜい4〜5万人だったのが、急に6万人を突破していて、ギョッとしたのも束の間、何とは無しに日本も見てみたら、なんと日本は桁違いの12万人突破で、1日の死亡者数も100人以上・・一体、どうなっちゃったの?とフランスの感染増加以上にビックリしました。

 たしかに、この冬に向けてのタイミング、感染増加は世界的なもののようです。


コロナウィルス第9波


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2022年10月21日金曜日

コロナウィルス第8波のピークとオミクロンBQ.1.1

  


 フランスのコロナウィルス第8波は、先週に、1日あたりの新規感染者が6万8千人近くの数字を記録したのをピークに若干の減少傾向にあると言われています。しかし、依然として6万人前後の高い水準を維持しています。

 10月20日の時点では、入院患者数は、前日より38人多い20,110人を記録しており、新規感染者の減少とはうらはらに、未だ増加を続けています。感染から発症、悪化の時間差によるものとも思われますが、未だ安心できないのは、オミクロンBQ.1.1というオミクロンの新しい変異種の出現もあります。

 第8波と言われているフランスでは、パリでもメトロの中などは、少しマスクをしている人が増え、それなりに警戒している人もいるのだと思わされますが、この新しい変異種については、あまり騒がれてはいません。というか、コロナウィルスに関する報道はかなり縮小されています。

 しかし、これまでの感染の大半を占めてきたと言われていたオミクロンBA.5から新しい変異種であるオミクロンBQ.1.1に変化しつつあるということは、これまでの感染の波が新しい変異種の出現とともに感染の増加が起こってきたことを考えれば、容易に第8波は過ぎ去ったと言い切れない懸念を残しています。

 BQ.1.1は、すでにナイジェリアで広く流通しており、また、アメリカ、オーストリア、ベルギー、デンマーク、イタリア、オランダ、イギリスでも増加傾向にあります。フランスも例外ではありません。

 10月16日の時点で、このBQ.1.1の割合は、前週の7%から16%に増加したと、フランスの公衆衛生機関が発表しています。妙な言い方ですが、新たに変異しているだけあって、BQ.1.1はBA.5より成長力があります。

 BQ.1.1は「厄介な変異に満ちている」ため、「我々の免疫系の反応を脅かす可能性がある」とともに、また、多くの科学者がこの新しい変異体が引き起こす症状(下痢や嘔吐を引き起こす特殊性がある)について懸念しています。

 発熱や嗅覚障害よりも、むしろ、消化器系の問題を引き起こす場合、患者はコロナウィルスとの関連性を認識しなくなるため、風邪や他の疾患だと考えて検査を受けずに感染が広がってしまう危険性も懸念されているのです。

 しかし、現在、急成長中のオミクロンBQ.1.1はもちろん懸念される問題ではあるものの、WHO(世界保健機構)では、オミクロンの亜系を全部で300以上リストアップしています。BQ.1.1は、その一つに過ぎないとも言えます。

 今や体調を崩すと、私も、まずは、もしもコロナに感染したかも?とすぐに検査に行きますが、それが消化器系の問題出会ったりした場合は、検査には、行っていなかったと思うので、今やどんな体調の悪化に際しても検査をしなければならないほどコロナウィルスの症状は多岐にわたっているのかもしれません。

 ちょっと風邪をひいたくらいでは、あまり医者にかかったりしませんし、医者に行ったところで治療薬があるわけでもないのですが、周囲の人に感染を広げないためには、具合が悪くなったらまず検査に行くということは必要なわけで、そんな生活はまだまだ終わりそうにありません。


オミクロンBQ.1.1 コロナウィルス第8波


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2022年10月15日土曜日

鎖国を解除した日本について 日本に観光客は戻るのか?

  


 「2020年春にパンデミックのために、外国人観光客をシャットアウトしてしまった日本がようやく今週からその扉を開けた!」と、紹介する報道がちらほら上がってきています。

 日本水際対策のためにしいていた外国人に対しての鎖国を段階的に解き、今年6月には、外国人観光客の入国が許されたものの、それは団体旅行や旅行代理店を通じた旅行に限られていました。

 そんな日本にも、10月からは、ようやく68カ国からの旅行者が再びビザなしで入国できる(ワクチン3回接種証明書あるいは、出発前72時間以内の陰性証明書があれば)ようになったことは、フランスのメディアでも取り上げられ始めました。

 パンデミックのためには、これまで日本人でさえも海外からの入国には、72時間以内の陰性証明やワクチン接種証明書、入国後の検査や強制隔離施設での隔離期間など様々なハードルが設けられていましたが、それ以上に外国人であるというだけで日本入国には、特別な場合にしか入国は認められず、ビザを取得しなければならなかったため、事実上、不可能に近く、またそのビザ取得のためには、日本から書類を取り寄せなければならなかったり、大使館には常にそのための長蛇の列ができて、通常業務にも差し障りが出る大変なことだったのです。

 外国人というだけで入国を拒否し続けてきたことに関しては、その意味は未だもって納得はできませんが、このビザが必要なくなるという発表前にビザを申請するために支払った料金も返金されることはなく、もやもやが残る鎖国解除でもあります。

 パンデミック前の2019年には、3,180万人の海外からの観光客を受け入れ、それに匹敵する経済効果(同年4兆8000億円、現在の価格で約340億ユーロ)を記録しましたが、日本はこの鎖国のために、2021年の訪日外国人旅行者は25万人未満にまで落ち込み、2022年も現時点では、50万人強で、以前の記録には遥か及びません。

 しかし、この鎖国解除の発表以来、日本の航空会社JALの予約は3倍に跳ね上がり、折りしも、記録的な円安を更新し続ける日本は海外からの観光客にとっては、またとないチャンスでもあり、日本は今なお人気の高い観光地であると伝えています。

 そんな日本に行く人のために、海外のメディアが現在の日本について、伝えていることの中で、「ほ〜っ!なるほど・・」と思ったことをお伝えします。

 まず、「コロナウイルスにより、人口1億2600万人近いこの国で約45000人の死者を出したが、これは他の多くの先進国に比べてはるかに少ない。 これは、日本の徹底した衛生管理によるものでもあり、日本ではまだまだ衛生習慣が厳しいので、それを遵守しなければならない。交通機関や店舗では今でもマスク着用が制度化されており、屋外でも厳しく監視されていおり、国は室内ではマスクを着用し、大きな声で話すことを控えるよう促しているので、日本に入国した場合は、この日本人の習慣に適応しなければならない、日本政府は、パンデミック発生時に、ホテルが管理体制に従わない宿泊客を拒否できるようにする規制強化策を承認している」と注意喚起を促しています。

 次に「ほ〜っ!」と思ったのは、「日本はこの鎖国期間に電子決済サービスを拡張し、現金の使用率が依然として高いこの国においては、ちょっとした革命が起こっている」という点です。

 私が2年ぶりに日本に行ったのは今年の4月でしたが、あまりに現金を使う人が多いのにはビックリさせられたばかりでした。銀行のATMなどに行列している人々に、なぜ?こんなに銀行に行列ができるのかを不思議に思ったばかりでした。

 やはり海外から見れば、現金を使うという人がこんなにも多いということは、驚きだということなのです。

 そして、円安と同時に航空運賃が爆上がりしていることにも言及しています。航空運賃は、燃料費の高騰、2020年以降に航空会社が被った多額の損失、ウクライナ戦争によりヨーロッパからのフライトがロシアを迂回せざるを得なくなったことなどで膨れ上がり、日本への観光客への抑止力にもなっています。

 大手オンライン旅行会社MisterFlyによると、日本への航空券の平均価格が83%上昇しているとしており、日本の鎖国解除は、フランス人旅行者の間で大きな関心を呼んでいるものの、この破壊的な航空券の価格上昇は大きな障壁となっていると言っています。

 日本政府は、年初から対ドルで25%値下がりした円安が観光客を呼び、経済活性化につながるものと期待していますが、83%の航空券の価格の上昇とどう折り合いをつけて日本へ行く選択をするかは、決して楽観視はできない状況ではないでしょうか?


日本鎖国解除


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2022年10月11日火曜日

コロナウィルス第8波 公共交通機関(閉鎖空間)でのマスク義務化検討中

     


 フランスでは、今年の5月半ばに公共交通機関内でのマスク着用義務化が撤廃されて以来、夏の間は、ほとんどマスクをしている人がいなくなっていました。それでも、マスクをしている人が決してゼロにならなかったのも事実で、これまでマスクを忌み嫌っていたフランス人、よほど痛い目にあったか、恐怖が植え付けられた人なのか・・と思っていました。

 3月の段階で、屋内でのマスク義務化が撤廃されて、最後まで残っていたのが公共交通機関でのマスク着用義務でした。

 そして、7月末で、2020年3月から施行されていた保健衛生上の緊急事態の期間が終了し、それとともにコロナウィルス感染対策のためにとられたすべての例外措置が終了したので、現在は、これまで行われてきたロックダウンや行動制限措置等が必要になれば、政府は国会と一つ一つ交渉して、対策を講じなければならない状態になっています。

 秋の訪れとともに、第8波を迎えているフランスは、1日の新規感染者数は着実に増加し、先週の1日の新規感染者数の平均は56,000人程度、入院患者数は16,000人を超えています。

 個人的には、想像していたよりは、増加の速度は遅いような気がしますが、確実に波の高さが上昇中であることに違いはありません。

 この状況を受けて、科学技術評議会は公共交通機関(閉鎖空間)でのマスク義務化再開を検討中であることを明らかにしています。

 しかし、大多数の人がマスクをしていないとはいえ、最近では、メトロの中などでのマスクをしている人は、少し増えた感じがあり(といっても車内1両中に5〜8人程度)、なんといっても、マスク義務化が撤廃された当初のようにマスクをしている人に対して怪訝な顔をしたり、いちゃもんをつけたりする人がいなくなり、必要だと思う人はマスクをつけ、必要がないと考える人はしないというバランスの良さというか、それぞれの棲み分けが健全にできている感じで悪くないな・・と思っています。

 私自身は、現在は、屋外ではマスクはしていませんが、公共交通機関の中ではマスクをするように、マスクはいつも持ち歩いています。

 一時は、「マスクをいつまでもしてるなよ!」的な人がいて、嫌な思いをしたこともあるのですが、今はマスクをしている人もしていない人もそれぞれに尊重している感じです。

 3月末に屋内でマスク義務化が撤廃された時に、スーパーマーケット内(パリ)で「いつまでマスクしてるんだ!」と他人に絡んでいるおじさんがいて、ゾッとしたり、4月に日本に行った時に、外を歩いていた時に、誰もいない屋外の空間だったので、マスクを外したら、どこからか人がひょっこり出てきて、すっごい怖い顔で睨まれたりして、「うわっ日本人怖い!」と思ったりしたことがありましたが、現在のフランスのマスク事情に関しては、そのようなどちらに対しても、同調圧力というものがなくなり、ちょうどいいというか、バランスがとれて健全になった気がしています。

 今後は、急激に感染状況が悪化することがあれば、再び義務化も致し方ないとも思うのですが、今の必要だと思う人はマスクをつけ、マスクをしている人に対しても嫌な顔をしないという状況がちょうどよいのでは?と思っています。

 現在は、インフレやエネルギー危機、節電など、他方面からの生活の締め付けられる場面も多く、抑圧されることに溢れているので、マスク義務化はこれまで以上に慎重になっていると思われます。

 でも、今のところ、フランスのマスク事情、いい感じです。

 

コロナウィルス第8波 公共交通機関マスク義務化


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