12月1日付けで、「新型コロナウイルス感染症の拡大防止に係る上陸拒否について」という文書が出ています。知人が大使館からメールでお知らせが来たというので、これは、外務省からのものと思いきや、読んでみると法務省の決定を伝えているものでした。しかし、法務省というきっちりとした発信元の記載はなく、最後に連絡先として、出入国在留管理庁出入国管理部審判課とあります。
「新型コロナウイルス感染症の拡大防止に係る上陸拒否について」
これによると、「当分の間、上陸の申請日前14日以内に以下の地域(これに入っていない国があったら教えてもらいたいくらいのほぼ全ての国)における滞在歴がある外国人について、「特段の事情」がない限り、上陸を拒否する」とあります。
この「特段の事情」には、「日本人の配偶者」、「永住者の配偶者」、「外交の在留資格取得者」とありますが、実際には、「配偶者のビザが停止された・・」「大使館にビザの申請に行っても受け付けてくれない」という人も少なくないようなのです。
自分で調べようとしても、相変わらず、外務省、法務省などのサイトはこの上なく、わかりにくく、また次から次へとページを飛ばなけれなならないサイト上でもたらい回し感満載の状態です。
念のため、フランス大使館に電話して問い合わせたところ、現在は、日本人の配偶者でも日本に居住している場合、もしくは、居住する場合にしかビザの申請は受け付けられない(とりあえず12月31日までは)ということでした。
そして、フランスには少なくないであろう事実婚のカップルについても一応、聞いてみると。「事実婚の場合は、日本は配偶者とは認めていない」ということでした。
「配偶者のビザが停止された」「ビザ申請も受け付けない」などというのは、あり得ない話で、日本に居住しない限り、外国人の配偶者は日本人の家族として認められていないのか?と怒りを感じます。
すでにビザを取得していた人には、なおさらのことで、そもそもその申請に必要な書類を揃えるだけでも、相当な時間とお金と労力がかかっているので、その落胆は、計り知れません。
パンデミックが始まり、そろそろ2年が経ちます。海外で生活するということは、好きな時に必ずしも日本に帰国できないことは覚悟はしていましたが、これほどまでに長引くと、やはり焦燥感は募ります。
「いつになったら日本へ行けるのか?」「このまま叔父や叔母にも会えないまま、お別れになってしまうかもしれない・・」「私は生きているうちに、あと何回、日本に行けるだろうか?」などということ考えてしまいます。
私の場合、日本の両親はすでに他界していますので、このために最期の時に会えなかったとかいうこともありませんが、これまで(コロナ前)、親が急に入院した・・危篤・・などという知らせに、すぐに飛行機を予約して数日後には、日本へ・・などということも一度や二度ではありませんでした。
そうでなくとも、こちらでの生活にも様々な事情があり、そうそう簡単にいつでも帰国できるわけではありません。
今回のオミクロン株出現以来の強硬な日本の対応は、全世界からの外国人シャットアウト、フライト予約停止、停止撤回とぐるぐると状況が変わり、特段の帰国の理由のない私はハナから日本への一時帰国は諦めていますが、今の時期にわざわざ日本に帰国する人には、それなりの事情があってのことだと思います。
私の友人でオミクロン騒ぎになる前に日本に帰国した友人がフランス人の夫のビザも書類も全て揃えたのに、入国の際に長くチェックのために空港で留め置かれた話も聞いています。
無防備にしろとは言いませんが、もう少し鷹揚な対応をしてくれても良いのではないか?とも思ってしまいます。
比較になりませんが、イギリスでは、水際対策強化のために、イギリス入国に際しては、12月7日から、12歳以上の全ての人に対して、48時間以内のPCR検査・抗原検査の陰性証明書が必要になったそうです。
むしろ、これまでそれですら、やっていなかったことの方が驚きです。
それでも、オミクロン株の登場以来は、入国後2日以内のPCR検査で陰性が確認されるまでは自主隔離、レッドゾーンからの入国は原則禁止(入国が許可された場合でも10日間、政府指定のホテルで自費で自主隔離)ですが、国籍の制限ではありません。
これに対して、一時はフライト予約停止と日本人でさえ入国できない状態になったり、配偶者ビザが停止されたりと、二転三転しながら、日本の水際対策は戦々恐々としています。
私は、国籍による区別には疑問に感じています。日本人同様の隔離期間を設け、自費で指定期間に隔離し、検査をすれば、良いのではないかと思うのです。殊に日本人の家族がいるのならば、なおさらのことです。
どうやら、ヨーロッパと日本では、感染対策には、激しい温度差があるようです。
にもかかわらず、先ほど、JALからメールが入り、「日本行き2月のスケジュール発表しました!」「各国の出入国制限が続く中ではありますが、渡航を必要とするお客様のたまに、パリ発羽田行きは、2月も継続して毎日運行いたします」と書いてあり、なんとも言えない気持ちになりました。
日本入国のための配偶者ビザ効力停止 受付停止
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