ここのところ、頻繁に日本のJALやANAなどの日本の航空会社から、日本への一時帰国に関する案内のメールが頻繁に入ります。航空業界の業績が著しく悪化しているため、少しでも巻き返しのために必死なのだろうな・・と思いながら、メールを覗いてみました。
私は、日本へ一時帰国をする際に特に航空会社を決めて使っているわけでもないので、この20年以上の間に直行便、経由便と様々な航空会社を使ってきました。
しかし、ここ数年は、日本から帰ってくる時は特に、あまりの荷物の多さに(99%食料品)、直行便を使うようになって、しかもエールフランスは、ストライキで何度か、急に帰りの便が勝手に変更されたりして、大変な思いをしたために、すっかり懲りて、必然的にANAかJALを利用することが多くなっていました。
今は、日本へ行くつもりはないのですが、「日本入国時の制限ならびに検疫強化」のお知らせや、「ご帰国あんしんサービス」なるお知らせのメールを見て、いかに日本への一時帰国のハードルが高いかを再確認しました。
まず、日本入国時には、72時間以内の新型コロナウィルス検査陰性の証明書を含む、コロナウィルス感染対策に関する誓約書を提出しなければならず、誓約書には、日本到着後の公共交通機関を使用しないこと、14日間の隔離生活を行うこと、スマホに厚生労働省が指定する接触確認アプリを導入し、14日間アプリを利用することなどが記載されています。
自宅がある場合は、まだ良いとしても、直行便のない地域に住んでいる人などは、日本国内線は14日間利用できないことから、宿泊施設を利用せざるをえないことになります。
そこで、「ご帰国あんしんサービス」の「ホテル」の蘭を見てみると、まず、「14日間の待機要請」を満たすためには、15泊16日の宿泊手配が必要となります・・」という説明がど〜んと出てきます。
ただ隔離のための「15泊の宿泊施設の予約」、これは、なかなか高いハードルです。
だいたい、日本に滞在したい日数プラス2週間の時間を取らなければならないだけでも、なかなか大変なことです。一ヶ月、二ヶ月と滞在するならばともかく、せいぜい数週間の滞在のために2週間の隔離は、あまりに勿体ないことです。
また、自宅があっても、迎えに来てくれる家族がいない場合は、帰国者用ハイヤー送迎サービスなるものがあるようなのですが、その料金表を見てビックリ!羽田から都内で安いところでも、16,800円、羽田から遠くなれば、2万円以上です。
日本へ行っても2週間は、誰にも会えず、どこにも出かけられず、ただ引きこもって2週間過ごし、しかも宿泊施設に滞在となれば、大変な費用がかかります。家族数人でなど、とんでもない話です。
もしも、緊急の用事ができて、日本に行こうとしても、14日間、どこにも外出できず、誰にも会えないのであれば、緊急の意味がありません。
例えば、もし、親が危篤であっても、たとえ、訃報があったとしても、日本へ行くのはとても難しい話です。
私は、すでに両親ともに他界してしまっていますが、母の時には、危篤の際に知らせがあって、翌日の飛行機をとって、ギリギリ最後に母に会うことができました。それこそ、成田(その頃は羽田便がなかった)から病院にタクシーで直行でした。
父の時は、こちらに知らされたのは、訃報でしたが、それでも、なんとか火葬は待って欲しいと親戚に電話で頼んで、慌てて帰り、葬儀には出席できました。その時も「やっぱり、間に合わなかった・・」という気持ちはありましたが、今だったら、それさえも、きっと叶いません。
海外に住んでいる人は、親の死に目に会えないこともあるかもしれないと誰もが、思っていると思いますが、今は、とりわけ難しそうです。
私の親戚、叔父・叔母などは、軒並み高齢者ばかり、この状況では、日本に帰っても気安く彼らに会うこともできません。
このコロナ禍中、なんとか、みんなが無事に生き延びて、また日本で会えるように、いつも言っている「元気でいてね!」という言葉は、いつにも増して切実です。
せっかく、JALやANAが送ってくれた、「日本入国時の制限ならびに検疫強化」のお知らせや、「ご帰国あんしんサービス」なるお知らせのメールは、残念ながら、「やっぱり、当分、日本へは行けない」ことを再確認をすることになりました。
<関連>
「海外在住者が母を看取る時」
https://rikakaigaiseikatsu.blogspot.com/2019/06/blog-post_10.html
「死ぬ覚悟と死なせる覚悟」
https://rikakaigaiseikatsu.blogspot.com/2020/02/blog-post_2.html
「日本にいる親の介護問題」
https://rikakaigaiseikatsu.blogspot.com/2019/08/blog-post_17.html
「海外生活はお金がかかる」
https://rikakaigaiseikatsu.blogspot.com/2019/10/blog-post_26.html
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