ここ数日間、オランダでの夜間外出禁止に反対するデモが暴動化している様子がフランスでも報道されています。
オランダの首都、アムステルダムと南部アイントホーフェンをはじめとする国内10カ所以上で、コロナウィルス感染対策の夜間外出禁止に反発する無許可デモが行われ、警官隊と衝突し、石やゴルフボール、爆竹などが投げられ、車や商店にまで放火される暴動に発展しました。
ユルク(中部フレヴォラント州)では、コロナウィルスの検査施設までが放火されています。いくらなんでも検査施設に放火は、悪質です。
この暴動では250人が逮捕され、過去40年間で最悪の政情不安だと言われています。ルッテ首相は、暴力は、抗議ではなく「犯罪」と述べ、これらの暴力行動に対して厳しく対処することを発表しています。
オランダでは、昨年10月からレストランやバーが閉店、12月15日からは、学校や生活必需品以外の店舗も閉鎖されています。
今回は、それらの制限に加えて夜間外出禁止(21時〜4時半)が追加されたことに対する反発です。
しかし、このオランダの様子を見ていて、オランダに比べれば、フランス人は、意外と従順に、ロックダウンや夜間外出制限に従っているのだな・・と、私は、妙な感心をしてしまいました。
フランスでも、このコロナ禍に、デモは度々、起こっていますし、ブラックブロックなるデモに便乗して暴れる集団により、デモが暴動化することもありましたが、それは、コロナウィルスの行動制限に対してのものではなく、最近のデモは、もっぱら、今は、グローバルセキュリティ法に関するデモが中心で、コロナ対策に対してのものは、あまり、ありません。
ましてや、フランスの夜間外出制限は、18時から6時まで、これに違反すれば、135ユーロの罰金が課せられます。(オランダは21時から4時半まで、罰金は、95ユーロ) オランダに比べれば、格段、厳しい制限をフランス人は、概ね受け入れています。
この18時の門限を守るために、日頃は急がないフランス人が、帰途を急いでいる様子には、ちょっとびっくりするくらいです。
これは、フランスの感染状況がオランダよりも深刻であることも理由の一つであるかもしれませんが、ロックダウンなど制限に対するの国民の努力ををちょいちょい褒めつつも、ギリギリのところで締めているフランス政府のやり方は、少なくとも大きな反発を生んでいないだけでも上手くいっている方なのかもしれません。
オランダでの今回の暴動は、オランダ政府の一貫性のないメッセージが国民の信頼を形成できなかったことが、原因になっていると見られています。
コロナウィルス流行の初期には、「オランダ人は、法を遵守する国民性で、マスク着用や外出禁止といった措置を取らない方針」としていたにもかかわらず、年末年始以来の度重なる制限の追加にこれまでの怒りが爆発したとも言われています。
このコロナウィルス対策のための数々の行動制限に関して、政府の説得力、国民をどう納得させられるのか?も、大きな問題の一つです。
とりあえず、物申すフランス人が度重なるロックダウンや、厳しい夜間外出制限をなんとか受け入れているのも、ある程度、フランス政府は国民を納得させることができているのだなと思ったオランダの今回の騒動でした。
しかし、むしろ、夜間外出制限を、外出さえしなけりゃいいだろ!とばかりに、夜間は、家で人が群れているのも、フランスの現状の一つなのですが・・。
<関連>「コロナウィルスに関するマクロン大統領のテレビ放送を見て思うこと」
https://rikakaigaiseikatsu.blogspot.com/2020/03/blog-post_13.html
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