フランスでは、1月18日(月)から75歳以上の希望者には、コロナウィルスのワクチン接種が可能になりました。一週間ほど前から始まった電話やネットでのワクチン接種の予約は、アクセスするだけでも大変なようで、あっという間に来月末までいっぱいになっています。
ワクチン接種に関しては、ヨーロッパで大幅な遅れをとったことが年明けに発覚して以来、フランス政府は、大バッシングを受け、政府は当初のワクチン接種のスケジュールを見直し、この18日からの75歳以上へのワクチン接種が始まることになったのです。
フランスでワクチン接種が思うように進まなかったのは、ワクチンの保管に必要な特別な温度を保つ冷凍庫の確保やワクチン接種場所の設置などの段取りの悪さはもちろんのこと、ワクチン接種を高齢者施設の居住者を優先にしたことから同意書を確保することが想像以上に手間取ったことや、ワクチンに対して慎重かつ懐疑的な国民性のためでもあったと言われています。
しかし、年末から多くの国でワクチン接種が始まり、周囲のヨーロッパ諸国とのあまりのワクチン接種の進行状況の違いが露見するとフランスは、一気に危機感を強めて、ワクチン接種の強化対策に乗り出したのです。
ワクチン接種に関しては、現在のところ、イスラエルが圧倒的に世界一を独走しており、1日、15万人がワクチン接種を受けており、100人あたりの接種率は11.55%に達しています。(それに次ぐイギリスが1.47%です)
イスラエルは、パンデミックの初期段階から、ワクチン確保の交渉を始めており、ファイザー・ビオンテックのワクチンを確保し、現在、ファイザーからのワクチンの供給が滞っているヨーロッパと比べても安定した供給を確保しています。
多くの国でのワクチン接種が進み始め、実際の効果は目に見えない状況ではあるにしろ、特に際立った副作用もあまり見られていない(全くないわけではない)ことから、ワクチン接種に対して、当初は、懐疑的であったフランス国民もワクチンを受けたいと言っている人が56%にまで上昇し(+14%)、ワクチン接種を希望する人がアンチワクチン論者を上回り、65歳以上に限れば、77%がワクチン接種を希望するように変化してきています。
ロックダウン寸前の多くの制限を強いられている生活に嫌気がさしてきていることも理由の一つであると思いますし、また、通常の日常生活を取り戻すためのワクチンパスポートの計画も水面下では、ヨーロッパ各国で進んでいると言われています。
そんな中、日本人の私としては、気になるのは、日本のワクチン接種の状況です。
日本は、あくまでも慎重な態度をとっているのか、あまりワクチン接種に関する進行状況は聞こえてきません。
日本も感染状況が悪化し、緊急事態宣言が発令されたりしているとはいえ、やはり、ヨーロッパでの感染状況は日本とは桁違いであることから、ヨーロッパは、ワクチンによって日常生活を取り戻したい意向が強く、国の方針も違うのかもしれません。
とはいえ、ヨーロッパでこれほど躍起になり、多くの国がワクチン接種を進めている中、日本では、2月の下旬からと、のんびり構えていることを私はとても不思議に感じています。
日本は、これに加えて、絶望的とはいえ、オリンピック開催問題も抱えているのに、ワクチンを急がないのは、やはり、オリンピックは諦めているのかとも思いきや、18日の国会で、菅首相は、「人類が新型コロナに打ち勝った証」として、「世界中に希望と勇気をお届けできる大会を実現するために準備を進める」と語ったようで、どうにもこのチグハグな感じに不安を覚えるのです。
<関連>
「今年のフランスのコロナウィルス対策は、ワクチン接種が最優先事項」
https://rikakaigaiseikatsu.blogspot.com/2021/01/blog-post_8.html
「フランスでコロナウィルスワクチンが浸透しにくい理由」
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