イギリス変異種がヨーロッパで猛威を振るっています。
イギリスでは、すでに一日1,000人以上の死亡者が出る日が何日も続き、ポルトガルでは、この変異種の影響により、40%以上も感染者が急激に増加し、政府が「限界に近い状況である」と発表する非常事態が起こっています。
このポルトガルのような状況に陥ってしまうことにフランスは大きな危惧を抱いています。
フランスでも、現在、新規感染者の7〜9%は、イギリス変異種による感染だと言われています。イギリス変異種は、感染速度も速く、感染率も高く、致死率もこれまでのコロナウィルスよりも30%〜40%高いことが、イギリスのボリス・ジョンソン首相からすでに発表されており、フランスの科学評議会の議長フランソワ・デルフライシー氏は、「イギリス変異種による2回目のパンデミックが起こる」「このままの状況を続ければ、(早急に、さらなる制限を設けなれば)、フランスも3月中旬には、壊滅的な状況に陥る」と警告しています。
1回目のパンデミックも終わらないうちに2回目のパンデミックが起こるという表現を使うことから、科学技術評議会によって予想されている変異種の拡大と、その猛威への懸念の大きさがわかります。
つまり、同じ感染者数でも、これまでのコロナウィルスとは、重症化し、死亡する比率が高いわけですから、単にこれまでと同じ推移で感染者数や入院患者数を見ていては甘いということです。
フランス政府は、現在のところ、ロックダウンが必要であることは充分に認識しつつも、その時期や方法を計りかねています。現在の段階では、3回目のロックダウンとして、
① 店舗の営業は継続、1〜10km以内の外出に制限
② 学校も含めて、ほぼ完全な状態のロックダウン(昨年の3月〜5月のロックダウンと同等程度)
③ 学校は継続、店舗は、生活必需品を扱う店舗のみ営業(昨年11月と同等程度)
の3つの方法が検討されています。
また、各国が必死に進めているワクチン接種も、HAS(Haute Autorité de Santé)によれば、ワクチンは、イギリス変異種の感染速度に間に合わないであろうと言われています。
ほとんど待ったなしの現在の状況ながら、フランス政府は、夜間外出禁止前倒し(18時)の効果を今週いっぱい見たタイミングの週末にも今後の対策を決定する模様です。
いずれにしても、現在以上の制限が敷かれることは、必須で、迫り来るロックダウンのために、準備を始める人も現れ始めています。
コロナウィルスが出現して、そろそろ一年、感染拡大しては、ロックダウン、解除されれば、しばらくしてまたロックダウン、同じことを繰り返していて、愚かしい気もしますが、それに加えてウィルス事態がパワーアップするのですからたまりません。
これからの数週間、いや数ヶ月、まだまだ気が抜けない日が続きそうです。
<関連>「世界中が警戒しているイギリス変異種」
https://rikakaigaiseikatsu.blogspot.com/2021/01/blog-post_14.html
「フランス全土・夜間外出禁止18時へ 入国制限も強化へ」
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