2022年12月31日土曜日

すべてを吹き飛ばしてやる! パリ・モンパルナス駅で爆破騒ぎ

  


 年末も押し迫ってきて、今年も残りわずか1日と迫った日、パリ・モンパルナス駅で、よもや爆破騒ぎ?と思われた騒動が起こりました。

 30日金曜日の朝、モンパルナス駅で2人のガスボンベを持った男たちが「すべてを吹き飛ばしてやる!」と騒ぎを起こし、駅構内を警備にあたっていた警察官により逮捕されました。

 この年末のモンパルナス駅は、新年を家族とともに過ごす人々やバカンスに出たり入ったりするパリの大きな窓口の一つになっている駅で、新年のストライキがどうにかおさまったと安堵していたパリジャンを震撼とさせるで事件でした。

 パリ警察によると、一人は51歳のフランス人、もう一人は29歳のリビア人のホームレスだということで、彼らはキャンプ用の9本のガスボンベを持っていたということでしたが、当然、身柄を拘束するまでは、何を所持しているかを確認することは不可能で、年末のモンパルナス駅には、パリ市警の中央研究所から地雷除去隊が派遣されるほどの大騒動になりました。

 パリでは、つい先日、クルド人文化センターを銃撃される事件が起こったばかりで、「すべてを破壊してやる!」と二人の男が駅で騒げば、よもや凶悪テロ?と緊迫状態になるのは、必須のこと。

 実際には、点火装置もなく、ガスボンベだけを持っていたということは、まるで無計画でと言えないところもありますが、点火装置もないのでは、計画的犯行としては、あまりにお粗末で、事件当時、彼らは酒に酔った状態で、精神的に脆弱している状態であったということで、組織的かつ計画的な犯行ではないものと見られていますが、身柄拘束後もこの年配の男は自爆の意思があったことをあらためて表明しているということです。

 この二人の男は警察もノーマークだった人物で、グループなどの組織的な犯行とは考え難いものの、この人の往来の激しいお祭り騒ぎの季節に楽しく浮かれている人が多いと同時にそんな雰囲気に反発を感じている人も一定数いることも事実。

 毎年のように年末のカウントダウンとともにフランスでは、必ず車が燃やされる事件が勃発しますが、その前によもや駅を爆破しようと考える人がいても不思議なことではありません。

 しかし、今回は、キャンプ用ガスボンベ9本という駅を爆破するにしては、お粗末な装備で、事なきを得ましたが、内務相は、このバカンス期間、パリ市内の大きな駅では、警備を強化するよう要請しています。 

 無事に年が越せますように。

 

モンパルナス駅


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2022年12月30日金曜日

師走のパリは観光客が意外と多い

 


 私としたことが、クリスマスあたりから、熱を出したり、おなかをこわしたりと、そんなに重症ではないものの、体調を崩して、比較的、おとなしく暮らしていました。

 とはいえ、体調を崩す前まではクリスマスマーケットをのぞいてみたり、ノエルのデコレーションを見に行ったりとパリのクリスマスの華やかな街並みは、ひととおり見て回って,クリスマスを一応楽しみました。

 クリスマス前のパリはイルミネーションだけでなく、人々の雰囲気もなんとなく華やいでいて、どことなくウキウキした様子が伝わってくる感じで盛り上がりを感じられましたが、しばらく、おとなしくしていて、久しぶりに街中に出たら、なんとなく、師走とか、年の瀬という感じはイマイチで、やはりパリはクリスマスの方がメインなのだな・・と感じました。

 しかし、なんとなく、街中にいる人がいつのまにか、けっこう入れ替わっているというか、パリの住人はけっこうバカンスに出ているのか、なんとなく、いつもはいない人々がけっこういる雰囲気で、この時期は、フランス国内からも海外からも観光客が多い時期なのだと、今さらのように思わせられました。

 思えば、昨年のクリスマスの前後は、オミクロン株が登場したばかりの頃で、感染者数もうなぎ上りだった時期なので、少しでも外出すれば、とたんに感染者追跡アプリからアラートが入り、「あなたは感染者と接触しているので検査をしてください」というメッセージが来るので、もうちょっと外出するのもウンザリするほどで、すでに観光客は少しずつ入ってきてはいたものの、例年のようには、戻っていませんでした。

 昨年の年末年始にかけては、本当にフランスはものすごい勢いの感染者数をたたき出していたので、体感的な感覚では、2人に1人は感染している・・そんな感じでした。

 そんな感じだったので、冬のこの時期のパリの観光客というものを久しぶりに目の当たりにして、この時期もこんなに観光客がくるものだったんだな・・とこの2~3年のブランクを経て、あらためて思い出した気がしたのです。

 観光客には、比較的、敏感に対応するのか? いつもは、こんなところに焼き栗を売っている人はいないのに・・と思ったり、平日の昼間なのに、こんなに人がいるの?と思ったり、また、メトロの中などは、比較的マスクをしている人がいるのに、観光客らしき人々に限って、マスクをしていない人が多かったり、けっこうマナーが悪かったり、観光客ってこんなだったっけ?とちょっとビックリするやら、がっかりするやら・・。

 パリの住民は自由でハッチャケているようでいて、それなりの秩序を保っているんだな(そうではない場所もあるけど・・)と思ったり、なんとなく、いつもと違う街の様子にすっかり人あたりしたのか、再び体調が悪くなり、なんか再び熱が上がってきた感じて、寒気までし始めたので、ちょっとギョッとして、今、お医者さん、ストライキやってるのに、ヤバい・・とちょっと買い物をしただけで、早々に帰宅したのでした。

 帰り道のバスの中で、まさか・・いやいや一応、確かめておいた方がよいと思い、とりあえずコロナウィルスの検査をしようと薬局に寄ったら、医者のストライキの影響かどうかはわかりませんが、薬局はえらい混雑していて、早く帰って横になりたいところ、行列にならぶハメになりました。




 幸い、コロナウィルスは陰性でしたが、しばらくはおとなしくしていようと思います。

 しかし、忘れていたパリの観光客、パリの観光収入は決して侮れないものであることには違いなく、今回、中国での感染爆発に際して、日本をはじめ、イタリアやインドなど、中国人の入国者には、検査を義務付けるなどの対策をいち早くとっているにもかかわらず、フランスは「今回の中国の感染急増は今のところ新しい変異種によるものではない」という理由から、特段の措置には踏み切っていないようで、少しでも観光客を逃したくない様子が透けて見える気がしています。

 しかし、欧州内での検討会ののちに、結局は、フランスも1月1日以降、中国からの入国に関しては、機内でのマスク着用や検査を求めることを決定しています。


パリの観光客


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2022年12月29日木曜日

日本人のパスポート保有率の低下に思うこと

 


 つい最近の外務省の発表によると、日本人のパスポート保有率が大幅に減少して20%を割り、19.1%にまで減少したというニュースを聞いて、かなり驚いています。

 前年比58.4%減・19年比88.2%減という大幅な減少は、間違いなくパンデミックでの渡航制限で、世界的にもかなり最近まで日本の水際対策が厳しく、気軽に海外旅行ができない状況であったことによるとは思いますが、そうこうしている間に今度は、航空運賃が爆上がりして、とても海外旅行などしていられなくなってしまったことがさらに追い打ちをかけたようで、海外旅行はますます、遠のいてしまったのかと思います。

 わざわざ海外に行かなくても、日本国内でもたくさん美しい場所はあるし、国内旅行(日本)もいいじゃんいいじゃん!とも思いますが・・。

 私は、長いこと海外生活なので、パスポートなしの生活は考えられず、海外で生まれた娘にいたっては、出生届を出すのとほぼ同時にパスポートの申請をしたので、生まれてこの方パスポートを持っていなかった期間がほとんどないくらいで、我が家にとっては、パスポートはかなり身近な存在です。

 特に子供の場合は、パスポートの期限が5年間と短いので、二十歳になるまでに4冊のパスポート、成人してようやく10年のパスポートになりました。

 最近、世界の情勢は不安定で、いつどこで、どんなことが起こるかわからない状況で、海外に住んでいると、少なくとも私の場合は、フランスにいた方がいいのか、日本にいた方がいいのかと考えることも増えました。

 少し前にロシアで部分的動員令が発令された時に、動員を逃れて国外に脱出しようとした人々の中で、パスポートがなくて断念した人も多かったという話を聞いて、今やパスポートは単に旅行だけでなく、もはや緊急時に国外に避難しなければならない時のためということもあり得ないことではない時代なのだとも思いました。

 日本はロシアとは違いますが、いつ何が起こるかわからないという意味では、日本とて、100%安心な国であるわけでもありません。そんなときのためにもパスポートは常に用意しておくことは、必要なことなのではないか?とも思っています。

 かなり昔に母がどこかにセカンドハウスを探していた頃に、祖父まで動員して、土地探しをしていた時に、戦争体験のあった祖父が、「まさかの時の疎開場所としてもいいかもしれない・・」などと言っていたことがあり、その時は、「なに言ってるの?そんなこと・・おじいちゃまは変なこと言うんだから・・」と笑っていた私ですが、今の時代に置き換えてみると、「そういう場所があったらいいかもしれない・・いや、彼の言っていたことは、ぜんぜん、おかしくなかった・・」とぼんやりとでも思うのは、今の時代が実に不安定で何が起こってもおかしくないようなそんな時代に突入しているということだと思います。

 フランスは、パスポートはなくてもIDカードがあればEU圏内の移動ができるので、必ずしも日本とは同じではありませんが、少なくとも日本は島国で、外国に出るには、パスポートなしということはあり得ません。(ヨーロッパなどの場合は知らないうちに国境を越えていたなんていうこともある)

 現実的には、命からがら海外にまで避難するということは、あまり想像がつきませんが、とりあえず、すぐに使う予定はなくとも、とりあえずパスポートを持っていた方がいいような気がするのです。備えあれば憂いなし・・です。

 日本のパスポートは世界最強のパスポートとも言われている優良パスポートですが、こんなに持っている人が少ないなんて、残念なことです。日本は何かと内向きな国と言われますが、とりあえず旅行でもいいから、実際に自分の身を海外に置いてみるということも、少なからず、違った目で日本を眺めるうえでも貴重な体験です。

 聞いている話と実際に自分の目で見るというのは、大違いです。

 海外も行きなれていないと、いざというときに、一時的にでも、海外に避難するのも難しいかもしれません。

 実際には、日本からフランスへは避難するにしては遠すぎるかもしれませんが、日本にいる家族が私の今のフランスの住まいをまさかの時の避難場所にしうることがあるかもしれないなどとまで、最近の私は考えてしまうこともあるのです。

 海外にいるときは、「パスポートは命の次に大事」などと言われ、実際に海外で生活しつづけている私にとって、パスポートがない状態というのは想像もつかなくなっていますが、日本に住む日本人は、大多数の人がパスポートを持っていないということが逆に不思議な気もしてしまうのです。

 もっとも、高齢者の割合が多い日本だと、もう海外旅行は無理・・という人も多いだろうし、高齢化もこのパスポート保有率の低下の一因なのかもしれません。


日本人のパスポート保有率


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2022年12月28日水曜日

中国での感染拡大の一因と見られているオミクロンBF.7 中国をどこまで警戒すべきか?

  


 パンデミック開始以来、「ゼロコロナ対策」として厳しい規制措置をとっていた中国では、12月初旬に強い反発のデモなどが起こったことから、規制措置を緩和し始めていました。ところが、この緩和措置とともに、中国では、再び感染が急激に増加しており、この感染急増の原因の一つとして、オミクロンの新しい変異種 BF.7が感染の大半を占めていることを挙げています。

 オミクロン BF.7は、5月中旬にベルギーで発見されたことを皮切りに、その後、インド、フランス、米国、英国、ドイツ、デンマークでの感染が確認されており、今月初めに北京での感染の主流になったことがわかっています。

 BF.7の症状は他のオミクロン変異種と似ており、主に上気道を侵し、発熱、咳、喉の痛み、鼻水、疲労感に加えて、嘔吐や下痢などの症状も報告されています。

 このオミクロン BF.7ゲノムのスパイクタンパク質変異は、中和抗体を回避する能力を備えているために感染力が強く、懸念されるところではありますが、重症化に対しては、ワクチンは有効であると言われています。

 しかし、この中国の感染急増は、なにせ人数が多いだけに、世界的にも少なからず影響を及ぼすであろうとも見られており、また、このタイミングで中国政府は規制緩和を機に感染者数や死亡者数の発表を停止してしまったことが、またこの感染拡大の状況把握を複雑にしています。

 もともと中国政府の感染者数の発表などは、フランスでは信憑性に欠けるものとして、あまりあてにはしていない感じもありますが、ファイナンシャル・タイムズ紙などによると、12月に入ってからの20日間で中国では2億5000万人がコロナウィルスに感染した(1日あたり1240万人)と報道しています。

 このような具体的な数字を中国政府が公表しないこと決めたのも疑問なうえに、中国当局は12月26日に、1月8日から中国到着時の強制検疫を終了することを発表しています。つまり、中国人の海外渡航が本格的に再開されることになります。

 しかし、フランスでは、中国では感染が急拡大して、死亡者も多く出ていて、遺体の処理が間に合わずに、霊柩車が長い列を作っていたり、棺が山積みにされているような映像が流されていて、中国の感染拡大がかなり深刻なものとして扱われているので、このオミクロン BF.7の危険性を感じずには、いられません。

 また、実際に感染力は強くても、重症化はワクチンで回避できる可能性が高く、また同じ変異種がすでにヨーロッパにも到達しているにもかかわらず、現在のところ、ヨーロッパでは、さほど重症化の数字が跳ね上がっていないのは、中国で行っているワクチン接種の種類が異なることや、回数も十分ないことが原因ではないかという見方もあるようです。

 しかし、ゼロコロナ対策はともかくのこと、この感染症が世界規模のパンデミックとなっている以上、その現状を公表せずに鎖国の扉を開けようとしているのは、納得がいかないことです。この感染症が世界的に広がってしまったパンデミックになってしまった以上、諸外国とも情報を共有しながら対策をとっていかなければならないことは、これまでの経緯を見ても明らかなことです。

 そもそも、最初の感染拡大を隠蔽したために、世界規模に拡大してしまったパンデミックです。同じ過ちを繰り返してほしくないと切に思うところです。


オミクロン BF.7  中国感染急増


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2022年12月27日火曜日

年末にかけて、今度は医者のストライキ一週間

  


 考えてみれば、年がら年中ストライキをやっているフランス。今年に入って覚えているだけでも、夏のバカンス時の空港や航空会社のストライキ。エネルギー危機が叫ばれる中のガソリン供給会社、RATP(パリ交通公団)、SNCF(フランス国鉄)などなど、一つがおさまると、また別がストライキともぐらたたきのように、必ずどこかがストライキをやっている感じがします。

 そして、一年の年末の締めくくりは、お医者さんたちが一週間のストライキをするようです。

 ガソリンや公共交通機関のように、皆が毎日毎日、お医者さんにかかっているわけではないので、社会全体を揺るがすようなストライキになるとは思えないものの、現在、コロナウィルスはまだ蔓延中なのに加えて、細気管支炎やインフルエンザなどの3大ウィルスが同時に流行しているといわれている中、お医者さんのストライキは、まさかの事態には、大変、困ったことになると、少々不安になります。

 特に小さい子供や高齢者を抱える家族にとっては、より一層、心もとないことに違いありません。ストライキをする権利というものは、誰にもあるのだということはわかりますが、お医者さんに至っては、時には命にかかわることも起こりかねないだけに、少々、複雑な思いもあります。

 今回のストライキでは、リベラル派の開業医が中心となって行うもので、フランス医療連盟は、現行の基本診察料25ユーロ(約1,400円)を50ユーロに倍増することや、労働条件改善を求めています。

 いきなり倍増という要求には、驚きますが、たしかに診察料が20ユーロから25ユーロまでに上がるまでは、なんだか少しずつでも、「えっ??また値上げ?」と思った記憶があるのですが、それもけっこう昔の話で、そういえば、25ユーロになってからは、かなり値上げしないままだった気もします。

 我が家は比較的、医者にはよくかかる方であったのは、私が仕事を休めなかったためで、なんとしてでも娘に病気になられては困るし、私としても病気になるわけにはいかなかったので、ちょっとでも体調が芳しくないと思えば、早め早めに先手を打ってお医者さんにかかる感じで、また、フランスでの子供の予防接種などについても、必要な予防接種やタイミングなど私はわからなかったので、すべてかかりつけのお医者さんに相談していました。

 フランスでは、医療費(診察料や薬など)は、国民健康保険でかなりカバーしてくれるうえに、多くの人がその国民健康保険ではカバーしない分をカバーしてくれる保険(ミューチュエル)に入っているため、結局は全額カバーされるために、私などは、医者にかからずに薬を買うよりも、医者にかかってちゃんと診てもらって、薬を処方してもらう方が合理的なので、診察料が高いとか安いとか、あまり考えずに医者にかかっていたので、診察料について、あまり考えたことはありませんでした。

 しかし、現在、医者になりたい若者が減り、医者不足が叫ばれる中、専門医などはまた別かもしれませんが、一般の開業医などの場合は、考えてみれば、医者になるための勉強がかなり大変なわりには、超高給というわけでもなく、優秀な学生にとって、金銭的には、あまり魅力的な職業ではないかもしれません。

 特にパンデミックを機に、医療体制には、様々な問題が浮き彫りになってきていますが、一般の開業医もまた、社会全体の医療制度とともに見直さなければいけない時が来ているのかもしれません。

 今回の医療費値上げ要求をはじめとするストライキを呼び掛けている医者たちは、「明日のための医師団」と銘打って、運動を起こしていますが、この改革が確実に医者が不足すると見られているそう遠くない未来のために、医師という職業が少しでも魅力的な職業で、尊重される職業であるべきだとしています。

 これらの要求のための動きは今回の年末の一週間のストライキだけでなく、1月5日の大規模なデモも予定されています。


開業医ストライキ 明日のための医師団


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2022年12月26日月曜日

日本からの小包受け取りに課税されるモヤモヤ・・

 

無事に届いた年末年始の私のおタカラ


 数日前の朝、郵便局(La Poste-Colissimo)から、「あなた宛ての荷物が届いています」というメールが来ていて、正直、この手の詐欺メールや詐欺メッセージが多いので、荷物を受け取る予定もなかったし、下手にメッセージをいじって、どこかをクリックしたりすると面倒なことになる・・と思い、その手のメールは無視することにしているので、そのまま放置していました。

 その日は、出かける予定があったので、午前中のうちにバタバタと仕事を済ませてから、そのまま外出してしまいました。

 ところが、出先で日本にいる親友からメールが入っていることに気が付いて、メールを読んでみると、「娘ちゃんに頼んで一緒に荷物を送ってもらったので、楽しみにしていてください!」とあり、その時、初めてあの郵便局からのメールはホンモノだったんだ!と気が付きました。

 まったく、その手のメールやメッセージでホンモノだったことは初めてで、多くの詐欺メールのおかげで、肝心なメールまでも信用しなくなっていることに、なんかやるせないような気持ちになりました。

 しかし、ホンモノの荷物となれば・・と思い、郵便局からのメールを開くと、「配達済」となっていて、「家に帰ったら、日本からの荷物が届いているんだ!」とその日は、なんだか、ちょっとわくわくした気持ちで家に帰りました。

 しかし、実際に家に帰ってみても、荷物は届いていません。こちらの荷物の配送で、実際には、配達されていないのに、配送済とされて荷物が届かないことは、そんなに珍しいことでもなく、家にいても不在通知を入れられたり、ロクなことはありません。

 タイミングとしては、12月の年末、しかもノエルの前後ともなれば、一番荷物が盗難に遭う可能性も高い季節。せっかく久しぶりの日本からの荷物とウキウキしていたのに、いっぺんに絶望的な気持ちになりました。

 一応、荷物を送ってくれた娘に連絡してみると、「多分、ママのメールアドレスは書いてないはずなのに・・」などと言うので、余計に気味悪く懐疑的な気持ちになりましたが、まぁ、この段階でジタバタしても仕方ないし、今日は1日待ってみて、届かなければ、明日、郵便局に行ってみると言って、電話を切りました。

 娘や親友が送ってくれるのは、100%日本の食べ物に違いなく、ノエルだなんだといっても、何よりも日本食の方が私にとっては魅力的で悔しい限りで、だいたい、今までどれだけの荷物の盗難に遭ったことか!と過去の悔しい記憶を遡っていました。

 しかし、夕方遅い時間になって、荷物はひょっこり届きました。ところが、配達の人は、「荷物の受け取りには税金を支払ってください」というのです。一定の金額以上の海外からの配送品に税金がかかるようになったことは知っていたのですが、それがどういう基準で徴収されるのか? よくわからないものの、17ユーロと言われて、言われるままに17ユーロを支払いました。

 カードは使えないということだったので、現金か小切手と言われて、現金をあまり使わない私は久しぶりに小切手を引っ張り出してきて、小切手で支払いました。

 とりあえずは、もう届かないかもしれないと思っていた荷物が無事に?届いただけでも良しとしなければならないのでしょうが、この税金の17ユーロが一体、高いのか安いのか?どうやって、計算されているのかは全くわかりません。

 以前は個人的な小包を受け取るのに税金など取られなかったので、郵便料金の他に荷物を受け取るだけのために税金をはらわなければならないのは、納得いかないし、そのうえ、その金額の算定方法も説明されていないので、どうにもモヤモヤしてしまいます。

 小切手には、「La Poste」(郵便局)と書いてくださいと言われたので、そのまま書きましたが、あとから、これは、本当は、税関に対して支払うものではなかったか?と思ったりもして、なおさらモヤモヤします。

 荷物を送る際に書かれた明細表によると、中身は合計8,000円となっており、ユーロ換算すると57ユーロ程度で、57ユーロの商品を受け取るための税金17ユーロというと、何パーセントの税金??と思い、海外からの配送品についての税関のサイトをざっと見たところ、品物によっても税率が違ううえに、食料品についての記載はありません。

 まぁひとつだけ、この税金を支払うことでメリットがあるとすれば、この税金を配達員が徴収しなければならないとしたら、荷物の盗難は減るかもしれないということです。

 でも、また否定的に考えれば、本当は支払いの必要のない荷物に対しても、税金だと偽り徴収されてしまうこともあるのではないか?と思ってしまいます。

 税金として決められているなら、払わなければならないとは思いますが、せめて、その金額がどのように設定されているのか、記載してもらいたいものです。詐欺も多いのですから・・。まったく、基本的に信用しておらず、すべてに対して疑ってかかるこの姿勢。

 我ながらうんざりしますが、ボーっとしてもいられません。

 どちらにしても、日本に荷物を送ったり、受け取ったりするということも、ますます厄介になりました。

 しかし、フランスでは手に入らない日本の食べ物はお宝には違いなく、この年末年始、娘や親友のおかげでごきげんに暮らせる私なのでありました。


海外からの配送品への課税


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2022年12月25日日曜日

パリ10区クルド文化センター襲撃テロに抗議するデモの暴徒化 車が燃えるクリスマスイブ

  


 クリスマスイブというのに、まことに物騒なことで、前日にパリで起こったクルド文化センターでクルド人を標的にして襲撃する発砲事件に抗議するデモが暴徒化し、デモ隊と警察の応酬で車は横転し、車とともにゴミ箱、バイクなどに火がつけられ、催涙ガスが街に充満する地獄絵図のような事態に陥りました。

 なんか、ここ最近、このようなのは見ていなかった気がするので、久しぶりな感じがしました。

 そもそもの事件の発端は、前日に起きたクルド人を狙った銃乱射事件がきっかけで、少なくとも3人が死亡、多数の負傷者が出た事件がきっかけで、この事件直後にもデモは起こり、そのうえ、翌日のデモまでもが予告されていました。

 その場で逮捕された容疑者は、人種差別的襲撃などの暴力行為で過去数度にわたり逮捕歴のあるいわば札付きの69歳の白人男性で、この手の犯罪にしては、高齢であることに驚かされますが、インタビューに答えていたこの男性の父親は90歳過ぎで、「息子は狂人だ!未だに手を焼かされる・・」と69歳の不良息子に90過ぎても悩まされているというちょっとウッとくる感じもありました。


 昨年の12月にもパリ・ベルシー公園にあった亡命者のキャンプをサーベルで襲い、テントを破って2人を負傷させたという事件を起こしています。昨年末に司法捜査が開始され、容疑者は、最近、釈放されたばかりであったということで、なぜ、このような危険人物が釈放されてしいまうのかは、非常に恐ろしいことと言わざるを得ませんし、犠牲者にとっては、取り返しのつかないことです。

 前日の襲撃事件後、マクロン大統領も「フランスのクルド人を標的とした悪質な攻撃」と強烈に非難。

 目撃者によると、犯人とされる男はクルド文化センターに侵入して銃撃し、その後、美容院に駆け込み、美容院の通報により逮捕されたようですが、事件現場は突然、通りでの7~8発の銃声にパニック状態に陥り、地面に倒れる人、血を流しながら逃げる人、近所の商店やレストランなども客を非難させて、シャッターを閉めて震えあがりました。

 ルモンド紙の情報によると、死亡した犠牲者は3人のクルド人武装勢力であり、フランスのクルド民主評議会も、声明で「卑劣なテロ攻撃」だと非難しています。「我々は、この卑劣な攻撃を糾弾するために、デモを行う」と事件当日にもすでに大きな抗議運動が開始されていました。

 デモといっても、その形態はさまざまで、今回の事件翌日のデモは数千人規模に膨れ上がり、さらにエスカレートしてしまった、かなり暴力的なデモでデモ隊と警察の攻防戦となり、車が転がされて燃やされ、ゴミ箱やバイクなどにも火がつけられ、催涙ガスがもくもくとする、まことに物騒な事件に発展してしいまいました。まさにクリスマスイブ当日としては、ふさわしくない悲しい光景です。


 このデモの破壊行為のために、11人が逮捕、31人の警察官が負傷という、まさに事件がさらなる事件を引き起こすこととなりました。

 ところが、この大規模なデモが起こった当日の夕刻には、検察庁は容疑者の拘束を解くと発表し、容疑者は直ちに警察の精神科病棟に入院しました。「被疑者を診察した医師が、当該者の健康状態は身柄拘束の措置になじまないと述べています」と検察は発表していますが、拘束がなじむかなじまないかは別として、このような危険人物が解き放たれるのは、あり得ないこと。

 現在のところ、精神科に入院中とのことですが、ここで決して曖昧になってもらっては困ります。


パリ クルド人襲撃 クリスマスイブのデモ


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2022年12月24日土曜日

ノエル直前のパリのスーパーマーケット やっぱりノエルの食事はケチらない

 


 ノエル間近のスーパーマーケットに行って、世間の人々のノエルの食料調達事情を見てきました。今年のフランス人のノエルの平均予算は568ユーロなどと言われ、プレゼントは節約するけど、食事をケチることはしないという調査どおり、皆、想像以上の買いっぷりで、あの調査は本当なんだなと思いました。

 しかし、最近、なんとなくしょぼい感じだったスーパーマーケットが久ぶりに活気づいている感じで、「やっぱり、こうじゃなくっちゃ!」と嬉しい気持ちでした。

 毎年のことですが、ノエル前のスーパーマーケットというのは、いつにない華やかさがあって、ノエルならではの食材が並ぶのも楽しいタイミングでもあります。

 ノエルのディナーを華やかに飾るのは、いくつかの定番アイテムがあります。

 この時期のスーパーマーケットの商品のラインナップを見ると、フランス人がどんなふうにノエルのディナーを演出していくのかがわかる気がします。



 まずは、華やかさを演出するお花はどんな行事でも同じですが、お店を入るとまず、お花のブーケなどが並び、その次に山積みのチョコレートが目に入ります。どんな時でもこのお花とチョコレートは、必ず目にするものです。


 そして、シャンパンですが、これは、思ったほどの量ではありませんでした。

 


 次にノエルといえば、登場するのがフォアグラ、キャビア、スモークサーモンの類ですが、キャビアは一段と値段が高いこともあり、仰々しくケースに入っていて、それほど必須アイテムというほど、みんなが買っている印象はありませんが、一応、必ず登場しています。

キャビアちっちゃな一瓶 約1,800円∻5,500円程度

 フォアグラは、少し前から姿を現し始めていましたが、今年は、値段がかなり上がっている印象で、こんなに高かったっけ??と、ちょっとびっくりしていたのですが、直前になって行ってみると、けっこうな値段にもかかわらず、少しは割引になっていることもあるのか、かなり売れている様子で、スカスカになっている棚もあって、やはり、フォアグラだけは削れない・・と考える人が多いのかもしれないし、ノエルの食費は削らないと言われていたのを目の当たりにした気がしました。





 どれも、値引きはしているものの、なかなかなお値段ですが、中には、「ウソ!安!」というものをみつけて、よく見ると、50%フォアグラで鶏のレバー、豚の油や卵が混ざっているという、フォアグラもどきで、これは、ほとんど売れていない感じでした。ノエルのディナーは適当にごまかさないようです。

 


 そして、フランス人といえば、チーズですが、これまたびっくり!チーズの棚はガラガラ・・ほぼ空っぽと言ってもいいくらい・・

 


  その場で切ってもらうチーズ売り場は長蛇の列

 


 そして、これもノエルの時期になると必ず登場するシャポン(去勢鶏)は、今やかなりクラッシックな存在にもなりつつある感じもしますが、丸鶏や七面鳥とともに、けっこう雑な感じで並んでいます。

 

地鶏と七面鳥 約5,000円程度


 そして、それ以外のジビエに混ざって、最近、仲間入りしているのは、和牛ですが、それに加えて、鴨肉も必ず


シャポン約4,000円


イノシシ、ダチョウ、鹿、馬など


鴨肉 約1,400円






 それから、ノエルといえば、日常は圧倒的に肉食な彼らが、手を出すクルスタセと呼ばれるエビ・カニなどの甲殻類、貝、生牡蠣です。これまた、日ごろからスーパーマーケットではろくなものがない魚コーナーには、オマールや伊勢海老、ラングスティーヌなどが堂々と並び、飛ぶように売れていきます。

 魚介類は、肉類に比べると、やはりノエルの時期にも若干、割高な感じもします。


活きオマール海老 1尾50€(約7,000円)

 牡蠣は最近の若者にはあまり好まれないという話も聞くせいか、年々、牡蠣のコーナーは縮小している気もしますが、普通、殻付きで産地、サイズ、種類などにわかれて、箱詰めされたものを買ってきて、家で殻を開けます。

 今年は気候変動の影響で牡蠣の生産にも影響があったと言われていますが、今年は、こちらは、そんなに飛ぶように売れているという印象はありませんでした。

 


価格はたいてい1ケース(12~24個入り)の値段


 そして、これらの食材をアペリティフから、メインへと、華やかに演出していくのに、最近、その中の一品に加わりつつあるのは、お寿司でもあります。これは、もうすでに日常的に売っているものではありますが、パーティーなどのテーブルを華やかに彩るには、巻きずしなどは、ひと役買うこともあるらしく、ノエルとなれば、お寿司売り場も一段とアクセルがかかっている感じで、おどろくことに割りばしや小さなお醤油(甘いお醤油と甘くないお醤油)が売っているのにもびっくりさせられました。

 そして、ノエルといえば、クリスマスケーキ、フランスではブッシュと呼ばれる丸太型のロールケーキをデコレーションしたようなものが主流です。

 あまりお料理をしない人でもお菓子は自分で焼くという人も多いので、自分で作る人もいるのでしょうが、スーパーマーケットならば、そんなに高価なものではありません。

 


ブッシュは約1,500円~2,000円程度


 今回は、写真はできるだけ、価格がわかるように、値段も入れて撮るようにしたので、インフレで少し値上がりしているフランスの一般庶民?の食卓の値段がわかっていただけるのではないかと思います。
 この中のどれか一つを選ぶのではなく、家族の人数に合わせて、これらのものを中心に組み合わせていくので、まぁなかなかな買い物になります。

 普通、家族で集まると、クリスマスイブ、クリスマス当日と、24日の夜から、食べ始め、夜まで宴は続き、また、翌日のお昼から夜までと延々と食べ続け、仕事に出ても、ノエルの名残でなんとなく、つまんだり飲んだりということが続き、そして、また大晦日、元旦とフランス人の宴は続きます。

 これよりももっと食材にこだわる人は、それぞれ専門店などに出向いて、高級品を集めるのでしょうが、一般的なフランス人の食卓は、おそらく、スーパーマーケットで仕入れるノエルの食材がスタンダードなのだろうと思います。

 それでも、買い物に来ている人は、勢いよく買い物し、「あれ?インフレどこ行っちゃった?」と思ってしまうほど、買いっぷりがいいし、買い物に来ている人々もどこかウキウキしている感じが伝わってきて、やっぱり、こんなご時世だからこそ、こういう行事って大切なのかもしれないな・・と思った次第です。


フランス人のノエルの食卓


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2022年12月23日金曜日

日本の教師とフランスの教師

  


 フランスで日本の学校の先生の過労死についての報道されていて、なるほど、フランス人から見たら、日本の学校の先生の驚異的な忙しさと負担の多さは驚愕すべきことなのだろうと思いました。

 私自身は、ほぼすべての教育を日本の学校で受けてきたので、先生というものは、こんなもんなんだろうな・・という感じがあったので、逆にフランスに来て、娘をフランスの現地校に通わせていて、逆に「え??フランスの学校ってそうなの?」とびっくりすることは、多々ありました。

 今回、フランスで報道されている内容は、「日本の学校の先生の仕事は夜中まで終わらない・・」という説明から始まり、授業だけでなく、課外活動の指導などまでしなければならない・・」と説明しています。

Japon : le ras-le-bol des enseignants, victimes de surmenage #AFP pic.twitter.com/DzGZbrry7F

— Agence France-Presse (@afpfr) December 22, 2022 >

 私が娘をフランスの学校に通わせて、驚いたのは、まさにその逆の驚きで、フランスの学校は、日本人からするとびっくりするほど分業制で、先生は授業を担当し、勉強を教えるのが仕事で、例えば昼食の時間はキャンティーンに子供たちが移動して、食事の指導?監督をする先生は別にいるので、子供たちにも給食当番のようなものもありません。また、部活のような課外授業のようなものもありませんし、学校の掃除は掃除の仕事をしている人がやることなので、掃除当番のようなものもありません。

 一般の授業が終わった後に、宿題などをするエチュードという時間がありますが、それは、生徒も希望者だけで、先生はまた別の先生が担当します。

 だいたい、入学式とか、始業式、終業式、卒業式などのセレモニーもありませんし、日常は、父兄も校内には、気軽には入ることはできませんし、いわゆる日本のPTAのようなものもありませんでした。

 以前、娘が小学生の頃に授業中に気分が悪くなった子供がいて、子供が申し出たら、先生が「私はあなたの医者じゃない・・」と言ったとかで、さすがにこれは、保護者たちが学校に苦情を申し立てたようですが、そんなことを言う教師がでてくるほど、全くの分業体制をとっているのです。

 学校外で起こったことに対しては、基本的に学校は関知しないというのが基本的な姿勢で、よほどの深刻な問題が起こらない限り、学校の先生が解決に走るようなこともありません。つまり、フランスでは、金八先生はあり得ないことなのです。

 そのうえ、公立の場合は学校でも、堂々とストライキをするので、日本のような教師の過労死などという問題がおこれば、教職員組合をはじめ、社会がそんなことは許されないと大問題になると思われます。

 日本の先生のように授業以外にも関わりを持ってくれる体制は温かみがあって、よいところも多いにあるとは思いますが、しかし、その実、考えてみれば教師の負担というものは、大変なもので、もう少し分担したらよいのではないか?とフランスの学校を見ていると思います。

 逆に自分たちの学校を自分たちできれいにする掃除当番のようなものは、あってもいいことではないのかとも思って、娘を日本の小学校に夏の短い期間、行かせてもらったときは、お客さん扱いしないで、そういうこともやらせてくださいと先生にお願いしたくらいです。

 要は、教師の仕事を分業制にするには、そのための予算がないということや、そのような体制に変える原動力もないのかもしれませんが、子供の将来を担う教師というのは、日本にとっても大切な存在。子供の将来を考えても、もう少し、なんとかするべきではないか?と思うのです。

 そんなフランスでも学校の先生は不足しています。

 我が家の娘は、学生時代に私立校のエチュードの先生のアルバイトをしていて、話を聞いていて、なかなか厳しい先生だな・・と思ったものの、わりと向いているんじゃないかな?と思って、先生になったら?と言ったことがあったのですが、「有意義な仕事だとは思うけど、あまりにお給料が安くて、とてもできない・・」と言っていました。

 フランスでの教師不足は、何よりも給料が安いのが原因なようです。

 しかし、今回、フランスでも取り上げられている日本の先生の過労死問題、日本人の私でもびっくりするのですから、フランス人が聞いたら、狂気の沙汰と思うに違いありません。


日本の教師の過労死 フランスの教師


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2022年12月22日木曜日

ノエルの予算 フランスの平均568ユーロは安いか高いか?

  


 フランス人が最もお金を使うのは、バカンスとノエルと言われますが、調査によると、今年のフランス人のノエルの予算は568ユーロ(約8万円)で前年に比べると35ユーロ増加しているそうです。

 この予算は、23〜34歳の若者の平均が420ユーロ(約6万円)と、若い世代に焦点を当てるともっと低くなり、65歳以上の平均は725ユーロ(約10万円)と、高齢者の方がずっと高くなります。

 歳をとればとるほど、一大行事であるノエルを大切に思い、また孫はこの上なく可愛く、ノエルにお金を惜しみなく使う傾向があるようで、孫に甘いのは万国共通なのかもしれません。私も祖父母には大変、甘やかされたタイプです。

 このノエルの予算は、クリスマスプレゼントやクリスマスツリーなどの装飾から、ブッシュドノエル(クリスマスケーキ)やクリスマスディナー、洋服、交通費などなどをひっくるめた金額です。

 しかし、昨年よりも35ユーロ増加しているとはいっても、あらゆるものが値上がりしていることを考えれば、たとえば、昨年と同じものを買ったとしても、500ユーロ分くらいだと値上がりしている値段は35ユーロ以上だと思うので、実質的には、減少傾向にあるのではないかと思っています。

 私は大変な、ざる勘定の人間なので、何にいくら使ったということをほとんど計算したことがないために、(それでもつつましく生きてはいるつもり・・)これまでノエルのためにいくら使ってきたかと言われても、あまり記憶がないのですが、我が家には、地方に親族はいないため、ノエルの時期に家族に会うために移動するということもなく、私自身は、あまりクリスマスというものを特別にも思っていないので、少しごちそうを食べるくらいで、変わったこともしません。

 それでも娘が小さくて、まだサンタクロースを信じていた頃は、一応、人並みにクリスマスツリーを飾って、ツリーの木の下に家族全員のくつとオレンジを置いて、夜中のうちに、それまでに集めていたプレゼントをツリーの下に置いたりしていました。

 クリスマスプレゼントは、それまでに親戚が送っておいてくれたものや、私たちが買ってきたもの、そして夫の勤め先からのプレゼント(あらかじめカタログが送られてきて自分たちで選ぶことができる)などを合わせると結構な量になり、ほんとに子供一人だけ?というくらいになっていましたが、そんなに特別にお金を使った記憶はありません。

 何よりも、サンタクロースを信じていて、朝になると喜んでクリスマスツリーに駆け出して、目を輝かせながらプレゼントを開けていく様子が可愛くて、それが私たちの楽しみの一つで、何よりのクリスマスプレゼントでもありました。

 毎年、クリスマスが近づくとメトロに乗っていたりしても、プレゼントらしきものが入っている紙袋や包みを抱えている人がだんだん増えてきて、ケチなフランス人も、さすがにノエルの買い物は違うな・・と感心するのですが、昨年は特に前年には、ロックダウンの制限などもあったりして控えていたこともあったのか、特にノエル前の買い物をする人が多かったような気もします。

 しかし、心なしか、今年は昨年ほどプレゼントを抱えている人が多くないような気がするのは、私の気のせいなのでしょうか?

 それは多分、私の気のせいだけではなく、ある調査によると、クリスマスプレゼントのための2022年の予算は、子供一人当たり132ユーロ(昨年は148ユーロ)で10%減少していて、値上がりしているのに10%減少しているということは、かなり減らしている感触です。

 しかも、5人に1人が中古のおもちゃを買うと答えていますし、64.6%の人が経済的に厳しいので(インフレのために)クリスマスプレゼントに使う費用を抑えるという人が多いようです。

 なにしろ、これから、さらにインフレが続くとなれば、先行きが不安というのは、当然のことで、ノエル以前に経済が圧迫されているわけで、特に華やかなはずのノエルという行事に、今年の夏の段階で、マクロン大統領が「私たちは豊かさの終焉の時を生きている」と演説したとおりのシナリオをなぞっているような気がします。

 たしかに、昨年などは、クリスマスプレゼントがすぐに転売サイトに載せられるなどという現象が問題にもなりましたが、反面では合理的だとは思いますが、すぐに転売サイトに載せられるような不要なプレゼントの出費を控えるのは、当然のような気もします。

 しかし、ノエルの予算を控えている中でも、クリスマスディナーの予算を削るという人は少なく、今年は海産物やフォアグラが特に値上がりしているものの、ノエルのごちそうだけは譲れないということらしいです。

 不況の時には食品業界は強いと言われますが、まさにそのとおりです。


ノエルの予算 クリスマス費用


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2022年12月21日水曜日

ノエルまでのカウントダウン開始 またストライキで大混乱の兆し

  


 ノエルのお休みは、2週間で、学校はまるまる2週間お休みですが、仕事をしている人は、そのうち前半1週間か後半1週間のどちらかだけお休みをとることが多く、その年のカレンダー(何曜日が祝日にあたるか)によって、お休みの取り方が変わることが多いのですが、今日、たまたま、たむろしておしゃべりしていた職場の同僚らしき人たちが、「今年は、2週目にお休みをとる人が多いみたいね・・」と話していました。

 今年はクリスマスイブとクリスマス、そして大晦日と元旦が土日にあたり、フランスのカレンダーだと、祝日と重なってしまうために、なんか損した感じになってしまうのです。(フランスには、振替休日というものがありません)

 もともと、フランスでは、ノエルと年越しでいえば、どちらかというとノエルの方が大々的で日本でいうお正月のような感じで家族で集まったりするので、年明けのお休みは元旦のみで、今年の元旦は日曜日にあたるために仕事も2日から始まります。

 なので、家族に会うための帰省ラッシュは通常は、ノエル前の週末ということになるのですが、その今週末は、またまたSNCF(フランス国鉄)のストライキが予定されているため、大きな混乱が予想されます。

 SNCFは、今週末は3本に2本は運航する予定と、まるで大部分が運航するかのごとく、発表していますが、3本に2本は運航するということは、3本に1本は運航しないということで、この週末は本来80万人の人が移動する予定だと見られていますが、少なくとも、そのうちの20万人に影響が及ぶと言われています。

 これに加えて、予約がストライキによってキャンセルになった場合は、無料で返金すると、これまた恩着せがましく言っていますが、運航しない分のチケットを払い戻すのは当然のこと、なんなら、迷惑を被った人に補償金も上乗せしてもらいたいくらいです。

 ストライキはいつも同じですが、内輪の労働条件や賃上げの要求交渉に第三者の全く関係ない人々を苦しめて人質にとるやり方は、巻き込まれる人々にとってはたまったものではありません。むしろ、ストライキをやっている彼らよりも悪い労働条件や安い賃金で働いている人も少なくないのです。

 このストライキのためにチケットがキャンセルになった人々は、代わりのチケットを出発間近の高い金額でとらなければならず、それでも代わりのチケットが取れればまだマシで、ただでさえ混雑時のチケットで便数も減っているとなれば、高くてもなんでも、チケット入手は至難のわざです。

 代わりにレンタカーを借りようとしても、すでにかなりが予約済のうえ、このレンタカー料金のうえに、値上がりしているガソリン代までがのっかる形になるわけで、大変な痛手、家族分のクリスマスプレゼントもそろえ、さぁ、もう少しで帰省・・というときに、帰れなくなるかもしれないというストレス満載の状態になります。

 もともと、フランス人にとって、バカンスの次にお金を使うのはノエルと言われていますが、ただでさえインフレですべてが高騰しているなか、出費がさらにかさむことになります。

 それ以外にも、ノエルといえば・・という食品、フォアグラなどは、今年は昨年と比べて平均で44%も、シャンパンは5.9%が値上げしているとかで、私も先日、スーパーマーケットでフォアグラ祭りが始まったな・・と思って、覗いたら、思わず二度見してしまうような値段で、えっ??こんなに高かったっけ??とびっくりして目が丸くなりました。

 どちらにしても、なにかにつけて、以前のようにはいかなくなっている生活。とりあえず、無事に年越しできるだけでもありがたいことです。


SNCFフランス国鉄ストライキ ノエル


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2022年12月20日火曜日

フランスサッカーチーム帰国後のコンコルド広場の盛り上がりは多分、歴史的な出来事

 


 サッカーワールドカップでフランスチームが優勝したら、シャンゼリゼで凱旋パレードを行うつもりにしていたようですが、残念なことにギリギリのところで優勝を逃してしまい、選手たちは、想像以上に悲嘆にくれていたようで、このパレードはどうなるのか?と前日の段階では行方を見守っていました。

 観客側からしたら、ギリギリのところで猛反撃して、延長戦、そしてPK戦にまで持ち込む手に汗を握る素晴らしい試合でしたが、選手たちにとっては、本当にあとちょっとのところで優勝を逃してしまったことは、普通の試合であっさり敗れるよりも、ずっと悔しい試合だったのだと思います。

 当初、選手たちは、フランスに帰国後、公に姿をあらわすことを望んでいないと伝えられていて、そんな気持ちもわからなくはないと思っていましたが、試合が終わってすぐに、マクロン大統領は、おそらくコンコルド広場に皆があらわれることになると公言していました。

 結局、フランスサッカー連盟の説得で選手たちは、カタールからのフライト到着後すぐにサポーターに感謝を伝えるために、コンコルド広場にやってくることになりました。

 前日は、フランス敗退と同時にお通夜のようになったシャンゼリゼから一変して、シャンゼリゼと繋がる場所に位置するコンコルド広場には、夕方からサポーターが集まり始め、最寄りのメトロの駅(コンコルドとチュイルリー)は閉鎖され、あたりは通行止めになり、選手たちの到着を選手たちに「ありがとう」の感謝を伝えたいと約5万人の人が集まりました。

 選手たちは、コンコルド広場に面したホテル・クリヨン(日本の天皇陛下もご利用になる五つ星の高級ホテル)のバルコニーから挨拶しました。

 選手たちの乗った飛行機が到着する様子から、実況中継が始まり、タラップから降りてくる選手をADP(パリ空港公団)の職員が「Paris vous aime」(Paris loves you)と書いたボードを何枚も掲げて迎える様子を中継するレポーターは、「パリだけじゃない、フランス全体、フランス人全部だ!」と訴えていました。

 もちろん、決勝戦まで進み、試合内容に皆が感動しているからこそのことですが、負けてなお、このフィーバーぶりを見ていると、頑張った選手たちに感謝を伝えたい、彼らを讃えたい、そして、これからも、さらに支えて応援していきたいという気持ちが集結していることで、むしろ、あっさり優勝するよりも、フランス人の優しさや絆を強めたような印象を受けます。

 シャルルドゴール空港に到着した選手たちは、ジャーナリストの質問に答えることもなく、どちらかといえば、硬い表情でしたが、昨夜は落胆に暮れていたフランス国民はすっかり立ち直り、彼らを讃えるために集結して大興奮状態。

 すでにノエルのバカンスに突入していることもあり、子供も学生もおじさんもおばさんもみんな歓喜に沸き溢れていました。

 選手たちの乗ったバスは、空港から警察車両に先導され、バスが通る道の沿道には、バスを歓迎する人々が立ち止まって大きく手を振る人々。選手たちは、裏口からホテルに入っていきました。

 つい、先週も前を通ったばかりのホテルクリヨンは、その時よりもずっと美しく見えました。神々しくライトアップされた全景を見ると、それは宮殿のように美しく、決して広すぎない正面口の前は、セキュリティのために大きくスペースがとられ、その後ろに広がるコンコルド広場と広場を埋め尽くしきれないほどの人・人・人、大群衆、そして、同時に映像に入るエッフェル塔とその前に並ぶシャンゼリゼのイルミネーションと、なかなか見られない驚愕の光景が広がっていました。

 バルコニーに現れた選手たちは、この群衆に手を振りながら応えていましたが、むしろ、彼らの態度は冷静で、浮かれた感じは微塵も感じられないところは、さすがにプロフェッショナル・・彼らのサッカーへの想いの深さが見えます。

 とにかく、デモならばしょっちゅう人が集結するフランスですが、なにか、共通のポジティブな感情でこれだけの人が集まることは、なかなかないことで、フランスでは、きっと歴史に残る一場面になるような気がしています。

 負けてなお、フランス人の心をこんなにも動かすフランスのサッカーは、たしかに国の宝かもしれません。おそらく、サッカー選手は、フランス中の誰よりも人気者で彼らのヒーローに違いありません。

 

フランスサッカー選手凱旋 コンコルド広場


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2022年12月19日月曜日

ワールドカップ決勝戦 フランス敗退 喜びも落ち込みも激しいフランス

  


 フランスはサッカー・ワールドカップを勝ち進み、とうとう決勝戦にまで進出し、勝ち進むにつれて、その盛り上がりもどんどん増して、準決勝の時点でも、すでに大騒ぎであちこちで花火が上がり、シャンゼリゼは人に埋め尽くされ、決勝戦は大変なことになると思っていました。

 在仏日本大使館からは、「試合当日には、シャンゼリゼ近辺は混乱が生じたり、思わぬ騒動に巻き込まれる可能性がありますので、試合開催時間以降には、この周辺には、近づかないことをお勧めします」などとお知らせが来ていました。

 私は、特にサッカーファンというわけでもなく、言われなくとも出かけるつもりはありませんでしたが、SNSを通じて、朝、日本のテレビ局から、「ワールドカップで盛り上がっている街の様子を撮影してきてもらえませんか?」というメッセージが入ったので、「取材のご依頼ですか?」と聞いてみたら、「いや、動画を撮影して送って頂くだけですので、取材ではありませんので、お支払い等はできません」とのことで、見ず知らずの人間をパシリに使おうとする日本のテレビ局の勘違い?になかなか不快な気分でお断りしました。

 以前にも、ロックダウンの際に外出禁止の中、街の様子を撮影してほしいとかいう依頼が突然あったりして驚かされたこともありました。

 当日は朝からマイナス3℃、当然、出かけるつもりもなく、試合はフランス時間で午後4時からだったので、それまでは、家の中の仕事をしばらくして、一休みしてから見ようと思っていたら、ついついウトウトしてしまい、突然、隣人の「ウェ~い!」という雄たけびに目を覚まして、サッカーの試合が始まっていることを知りました。

 慌ててテレビをつけると、その時はすでに2-0でフランスが負けており、しばらく見ていましたが、どうにも今回はフランスは精彩にかける感じ、なんだか試合の流れが全くアルゼンチンになっていて、フランスの選手たちの顔つきも冴えないし、依然として2-0で残り15分くらいになったところで、あ~あと15分で2点は無理・・今日はさすがにダメそうだから、なんか、他の映画でも見ようかな?とiPadをつけたとたんに、テレビから歓声があがり、フランスが1点を得点し、それからは試合の風向きが一転して、あっという間に同点になりました。

 こうなってくると、もしかして、一番感動的なパターンかも?とテレビにくぎ付けになりました。

 延長戦に入って、またアルゼンチンに先行されたものの、延長戦でも1点ずつをとって、試合はとうとうPK戦に突入。今回の試合はメッシ対エムバッペのように煽られていましたが、いかにもフランスで最も活躍したのは、エムバッペに違いありません。

 フランスの敗退が決まって、フランスの選手たちは、呆然状態、特にエムバッペ選手は、フィールドに呆然と立ち尽くしていたかと思うと、その後は長いこと、涙するわけでもなく、怒りを爆発させるわけでもなく、ただただ深い感情を押し込めたような表情で足をかかえて座り込んでいました。

 大物はそんな姿・表情もカッコいい・・やっぱり普通の人じゃない・・静かな怒りや悔しさのあらわれまでが、さすが王者の感じ。

 そこへ、彼をなぐさめに現れたのは、まさかのマクロン大統領で、彼に声をかけて、彼の肩を抱き寄せて、励まそうとしていましたが、彼はほとんどマクロンとは目も合わすことなく、うなだれていました。

 マクロン大統領は彼自身、大変なサッカーファンであるということもあり、サッカーはフランスの大切な原動力であると考えているところもあって、以前、エムバッペ選手がレアル・マドリードに移籍の話が上がった時にもマクロン大統領自らが彼のもとに出向いて、「君はフランスの宝だ!」とパリサンジェルマンに引き留めたとも言われています。

 準決勝に続いて、決勝までやってきたマクロン大統領には、「政治利用だ」とか、「こんなことは大統領の仕事ではない」などという声も上がっていますが、政治利用しているかどうかは別として、試合がエキサイトしていくにしたがって、上着を脱いで、両手をあげて歓喜して応援している様子は、一青年のようでもあり、彼のサッカーへの気持ちの表れでもありますが、試合後に、フランス選手のロッカールームに訪れて、「非常に残念だったけど、このチームは多くの人を歓喜させ、チカラを与えている、私たちはあなたたちを誇りに思っています。これからも頑張ってほしいです」というような演説めいたことをした様子が報道され、また物議を醸しています。



 しかし、彼が望むか如何にかかわらず、フランスがワールドカップを勝ち進んだことで、経済効果が上がって、大型テレビを買う人が増えたとか、宅配の売り上げが、ポテトチップスが・・ピザが・・これもあれも売上げ爆上げ・・などとも言われています。

 どこへ行っても彼の存在は大統領なのですが、しかし、選手たちが、それほど大統領に忖度している様子が見られず、ロッカールームに現れたマクロンの話も選手はあまり耳に入らない様子だし、ちょっと浮いている感じがするくらいなところが、また、フランスらしくて、すがすがしい気さえするのです。

 エムバッペ選手はまだ若干23歳にして、すでにレジェンド感満載、今月20日にはお誕生日を迎えて24歳になりますが、まだまだ、これからのフランスサッカーをけん引していってくれることと思います。

 しかし、喜び方も半端ない代わりに、落胆ぶりも甚だしいフランス。勝つ気まんまんだったフランスは、シャンゼリゼからも人が消え去り、おまけに寒さの中、小雨までが降り続き、打ちあがるはずだった花火もあがることなく、早々に通行止めになっていたシャンゼリゼには、車が流れ出し、一挙にお通夜のようになりました。


フランス ワールドカップ決勝戦敗退


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2022年12月18日日曜日

フランスと日本 政府と国民の関係性 防衛費増税

  


 私がフランスに来たばかりの頃は、「なんで?フランスって、こんなにデモやストライキばっかりやってるんだろう?」と、「フランス人って、ほんと、しょうがないな・・少しは我慢しろよ!文句言うまえにしっかり働けよ!」などと腹立たしく、彼らのデモ行為は全く理解しがたいものでした。

 特に学校や交通機関のストライキなどには、もろに被害を被り、学校がストライキをやっているからといって、私は仕事を休むわけにもいかず、子供の預け先に右往左往したり、長期間にわたる交通機関のストライキには、間引き運転のために、通勤時間も倍増し、ひと月近く続いたときには、もうこっちがヘロヘロ状態で、「RATPやSNCF(パリ交通公団やフランス国鉄)の方がよっぽど、労働条件がいいじゃないか・・ストライキをやりたいのはこっちの方だ!」と腹立たしく思ったものでした。

 しかし、デモは、政府の政策に対しても、その大小にかかわらず、たびたび起こるもので、最近で、一番長期化して、暴徒化したのは、有名な「黄色いベスト運動」と呼ばれるもので、一部の地域では、デモの行われる土曜日になると、デモが暴徒化して、危険な事態に陥るために、営業ができずに店のシャッターをおろさなければならないような状態が続きました。

 この「黄色いベスト運動」のそもそもの発端はマクロン大統領が提案した「燃料税増税」で、これに反発した国民がこのデモのシンボルとして黄色いベストを着て、全国規模のデモを集結したのが始まりでした。

 これは、なかなかな規模のデモで、結局、マクロン大統領燃料税値上げは撤回したのですが、もうその時には、勢いは止まらず、違うターゲットがいくつもできあがって飛び火して、収拾がつかない状態になっていました。

 皮肉なことに、この黄色いベストの勢いがストップしたのは、突如やってきたパンデミックによるロックダウンで、デモ隊の熱も勢いもコロナウィルスによりストップしたようなものでした。

 その後、ロックダウンが解除されてから、再び、「黄色いベスト運動シーズン2」などという動きが見られたこともありましたが、現在のところは、日常のデモやストライキはあるのものの、あれほど大きな動きはありません。

 しかし、一歩、間違えれば、このような大騒ぎになるため、フランス政府は国民の反応というものにとても気を使っているのがわかります。時には、政府は国民のご機嫌とりをしているの?と思われるような発言を耳にすることもあります。

 一方、外から日本を見るにつけ、最近は、国民感情が全くつかめていないとしか思えない日本政府に、日本人はおとなしすぎるのではないか?もっと、起こって暴れてもいいんじゃないか?と思っています。

 国葬問題にしても、どうにもわけのわからない状態で押し切り、統一教会の問題にしても、はっきりとした対応をなかなか示さず、今度は、防衛費増税は、あっという間に決めてしまう強引さ。

 日本の税金については、よくわかりませんが、以前にコロナ予備費とかで使途不明金が11兆円もあるなどという話も上がっていたのに、そういう説明のつかないお金の使い方をしておいて、足りないから国民から税金を徴収して補うというのは、全く納得がいかない話。

 これがフランスだったら、「黄色いベスト運動」なみの大騒ぎになるのは必至なのに、黙って我慢して税金を払い続けるしかないなんて、やっぱりおかしいのではないか?と、むしろ、やりすぎなところはあっても、政府の不穏な動きに納得がいかなくて、デモを引き起こすフランスの方が健全なのではないか?とまで思ってしまうのです。

 フランス政府はデモを警戒し、恐れながらも、「主張すること、言論の自由を尊ぶ精神」を誇りにしており、デモの権利を認め続け、反論も甘んじて受けるという姿勢をとりつづけているのは、やはり、大事なことなのかもしれないと思うのです。

 今の日本を見ていると、あれだけ、苦々しく思っていたフランスのデモも、時には、必要なことなんだ・・と思うようになりました。

 デモに乗じて、暴徒化して、暴れたり、破壊行動に出る人が登場するのは、やりすぎで、迷惑極まりない話ことですが、何もしないで政府にやりたい放題にされ、完全に国民をなめ切っている日本にももどかしさと苛立ちを感じます。

 対話どころか、まともに説明もできない、一方通行の日本政府と国民の関係はお行儀がよく、一見、スムーズなのかと勘違いするところもあるかもしれませんが、その実、バランスが悪く、非常に不健全な状態であると言わざるを得ません。

 意見、意思をしっかりと持って、主張しあいながら、議論ができない社会は不健全です。日本の教育に足りないのは、話すこと、主張すること、議論することかもしれません。


防衛費増税 日本政府 デモ 


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2022年12月17日土曜日

ワールドカップ フランス対モロッコの試合 大フィーバーの影の超極右勢力の暴挙

  


 14日のワールドカップの準決勝フランス対モロッコの試合はフランスでは大きな盛り上がりを見せ、さらにフランスが勝利したことで、パリではシャンゼリゼには信じられない数の人々が集まり、その勝利に歓喜していました。

 なにか一つのことに対して、国全体を挙げてこんなに感動でき、人々を喜ばせることができることを素晴らしいと思い、在仏日本人の私としては、フランスの勝利を嬉しく思いつつも、少々、フランスがうらやましいような気もしていたのです。

 この応援や勝利を祝う集い?には、在仏モロッコ人など、どちらが勝っても嬉しいというようなモロッコのユニフォームを着ながらフランス国旗を振り回して喜ぶような人たちもいて、日本を応援しつつも、フランスも応援する自分ともダブる気もして、そんな様子を微笑ましいな・・などとも思っていたのです。

 しかし、このフランス対モロッコの試合に際しては、残念ながら、フランスの超極右勢力の一部の人々がパリ、リヨン、ニース、モンペリエなど、いくつかの都市で動員されており、パリ17区では、12月14日夜から15日にかけて、暴力的な右翼運動関係者38人が逮捕され、拘束されています。

 警察関係者が報道関係者に語ったところによると、彼らの中にはブラスナックルやスパナなどの武器や大量破壊兵器を持っており、シャンゼリゼ通りでモロッコ人サポーターと攻撃しようとした疑いが持たれています。

 彼らは、「暴力や損害を与える目的でグループに参加した」「危険カテゴリーに入る武器を携帯した」「武器や顔を隠した集会への参加」で逮捕され、検察は司法調査を開始し、彼らが「人種差別的な性質の暴力を振るう」ことを望んでいた疑いがあるとしています。

 戦うのはルールにのっとったスポーツの場だけでよく、なにも対戦国のサポーターを攻撃するのはお門違いだと思いますが、彼らにとっては、サッカーの試合は単なるきっかけに過ぎず、彼らは常に攻撃する機会を探っているのだそうです。

 フランスという国は、単に群衆が集まる危険だけでなく、このような危険な集団が何かのお祭り騒ぎに乗じて、ことを図る危険もはらんでいるのです。

 また、次は決勝戦ともなれば、さらに高まる興奮で危険が高まるかと思いきや、政治学者の見解によれば、超極右勢力のターゲットはマグレブ諸国(モロッコ、アルジェリア、チュニジアなどのアフリカ北西部の地域の国々)であり、アルゼンチンとの間に特に争いはないことから、彼らの動員は起こらないのではないかと見ています。

 超極右勢力の活動家はフランス全体でも数十人に過ぎないとも言われていますが、このような機会に乗じて、武器まで携えて、人を埋め尽くしているシャンゼリゼなどに現れれば、騒ぎは大変なことになることは間違いなく、彼らは危険人物としてリストアップされ、内務省によって、追跡されているといいます。

 「フランスが負けるようなことがあって、フランスが屈辱を受けることは許されない」という彼らの理屈は理解できませんが、彼らの目的は攻撃することにあり、サッカーの勝敗などは、口実なのです。

 このような暴力行為が目的の人もいれば、単に興奮して騒ぎを起こすサポーターなど、サッカーの試合は、歓喜を引き起こすとともに、衝突も巻き起こしています。

 それを数千人の警察官がガードしながら、みんなが喜びあうあたり、デモ行進を警察や憲兵隊がガードしつつも、決してデモの権利を損なわないように保つ日常とも似ている気がして、そんな様子もフランスらしいな・・と思うのです。


ワールドカップ 超極右勢力暴動


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2022年12月16日金曜日

カルトヴィタル(健康保険のカード)が壊れた・・

  


 日本ではマイナンバーカードと保険証が一体化するという話を聞きましたが、フランスのIDカードと保険証のカードは別々になっています。

 現在のフランスのIDカードにはICチップが入っていますが、そのICチップまでが必要とされるIDカードのチェックなどは滅多にあるものではなく、たまに身分証明書として求められても、チラッと目を通されるくらいで、IDカードはいつも携帯しているものの、ほとんど持っているだけで使うことはありません。

 それに比べて、カルトヴィタル(健康保険カード)は、考えてみれば、ここのところ、このパンデミックで使用頻度がかなりの割合で増え、通常、たまに医者にかかるとき、処方された薬を買うときなどだけだったカルトヴィタルは、コロナウィルスのワクチン接種、度々行ってきたPCR検査、これまではしなかったインフルエンザのワクチン接種などのたびに必要で、いままでの数倍の頻度で使用することになっていたのです。

 そして、これまた考えてみれば、IDカードの書き換えは10年に1回(ビザの年数にもよるけど)ですが、カルトヴィタルの書き換えはこれまでしたことがありませんでした。

 フランスに来て以来、最初にカルトヴィタルを作って以来、一度、ポルトガルを旅行中にスリに遭い、財布の中に入っていたIDカードやカルトヴィタルまで全て盗られた時に作り直して以来、ずっと同じものを使っていました。それさえも、いつのことだったか、覚えていないくらいです。

 このカルトヴィタルがないと医者にかかれないわけではありませんが、保険で返金される分をいちいち申請するために手続きの用紙を送らなければならなかったりで、その後の手続きがなかなか面倒なのです。

 今回、3ヶ月に一度、常用している薬の処方箋をもらいにかかりつけのお医者さんに行くと、「あなたのカード使えないわよ・・、寒いせいなのか?磁気がおかしくなっているのかわからないけど、確認した方がいいわよ・・今日は払い戻しの用紙を書いておくから、これ記入して送りなさい」と衝撃の事実が発覚・・。一体、いつの間に??

 このカルトヴィタル、時々、「アップデートしてください」とかいう通知がメールで来たりするので、その時は、薬局にある機械に差し込むとアップデートできるようになっているのですが、今回はそれ以前の問題。

 このご時世、いつどんな病気になるかもわからず、カルトヴィタルはある意味、命綱でもあり、使えない状態にしておくわけにはいきません。

 もしや、別の機械なら大丈夫かもしれない・・と儚い期待を抱いて、そのまま、書いてもらった処方箋をもって薬局に行って、カードを出すと、ここでもやっぱり、「あなたのカード、使えないわね・・」と。

 幸い薬局は商売だけあって、すでに登録してあるナンバーと名前とで、支払いすることなく、薬は出してくれましたが、結局、ここでもカードがなぜ使えないのか解明することはできませんでした。

 健康保険組合のサイトで質問してもカードを見なければわからないといい、電話で問い合わせようにも電話もつながらず、「久々に出ました!フランスのこのたらいまわしの感じ!」と思いながら、仕方なく、国民健康保険の事務所にカルトヴィタルの問い合わせに行くことにしました。

 当然と言えば、当然なのですが、以前は何かと行く用事があった健康保険の事務所もかなりの部分をネットで処理できるようになったためか、調べてみると、以前に行ったことのあった事務所は閉鎖されており、場所が格段に減っていて、見ず知らずの「なんで?こんなところにあるの?」という場所まで行くハメになりました。

 その事務所はネットで調べて出かけたのですが、以前、調べてでかけたところがオープン時間と書いてあったにもかかわらず閉鎖されていて、延々歩いて行ってもまた、閉鎖かも・・とあまり期待しないで歩いていきました。

 しかし、幸いにも今回はしっかりオープンしていて、カードを見てもらうと、「これは、カードの磁気がダメになっているから、作り直さないとだめね!」と軽くひとこと。そして「手続きはネットでできるから・・」と冷たいひとこと。

 ネットだといっても、また、「サイトがメンテナンス中・・」などということも多く、常にスムーズに進むわけではありません。これを逃してはまた、いつになるか、また更なるトラブルが積み重なることもありえる・・と、「せっかく、私はここまで来てるんだから、ここで手続きしてください!」と食い下がり、その場で、新しいカードの手続きを済ませてきました。

 考えてみれば、こんなことは久しぶりで、以前はこの手のやりとりが日常茶飯事だったな・・と思いながら、一仕事片付けた感じで少しだけホッとしながら、家に戻ってきました。

 後になってから、カードを見ると、カードを作った日付は、2011年となっていて、なんだかんだでもう10年以上使っていたわけで、銀行のクレジットカードなどもせいぜい2~3年で新しいカードが来るし、もう寿命だったのかな?と思いました。

 しかし、いずれにしても、フランスに住んでいると、すべてが滞りなく、静かに暮らせているという期間は、めったになく、一つ片付けば、また一つなにかトラブルが起こる・・そんな感じです。

 良いように考えれば、このカードの故障がノエルのバカンス期間より少し前に起こってくれたことは、おそらく不幸中の幸いだったということで、ノエルのバカンスから年末年始はただでさえ時間がかかるお役所仕事がさらに輪をかけて進まなくなる時期でそれよりも少し前倒しに手続きできたことはラッキーでした。

 これ以上、トラブルなしに平和に年が越せますように・・。


カルトヴィタル 健康保険カード


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2022年12月15日木曜日

2022年サッカーワールドカップ フランス決勝進出

  


 フランスにとってのサッカーは国民的なスポーツで、今回のようなワールドカップがあったりすると、国民の熱狂ぶりで、サッカーがどれほどの位置を占めているのかを痛感させられることになります。

 今回のワールドカップで、フランスは順調に勝ち進み、昨日のフランス対モロッコの試合は準決勝というのに、決勝並みの大騒ぎで、パリだけでも2,000人、全国で5,000人の警察官が動員され、シャンゼリゼには2万人以上が集まる大フィーバーとなりました。

 今回の準決勝進出を先に決めたのはモロッコでしたが、アフリカ大陸から初の準決勝進出ということや、フランスには、モロッコの人、アラブ系の人々も多いために、その時点でもすでにモロッコ勢はシャンゼリゼに集結し、大いに盛り上がっていました。

 フランスが準決勝進出を決めたときは言うまでもありません。

 モロッコ対フランスの準決勝当日もモロッコを応援する人、フランスを応援する人に紛れて、モロッコのユニフォームを着て、フランス国旗を振っているようなどちらも応援しているような人も少なくありません。

 今回の準決勝には、まさかのマクロン大統領までがカタールに応援に出向くという熱の入り方、しかし、一応、メディアは彼にも注目はしますが、大統領でさえも存在感が小さく感じられるほど、フランスのサッカーチームは、いまをときめくスーパースターなのです。


 サッカーの応援の様子などを見ていると、彼らの興奮の仕方というのは、激しいもので、変な言い方をすれば、血が騒いでいる・・その血が日本人とは違う・・と感じてしまいます。

 先週あたりから氷点下の世界になっているこの寒い気候も、インフレやエネルギー不足に喘いでいるこのご時世も、全てどこかにすっ飛んでしまったようで、試合終了後には、おそらくパリのどこにいても、花火がどこかであがっている様子が聞こえてきて、寒さも忘れて、大して着込むこともなく、心底楽しそうにフランスの勝利を喜んでいる人々を見ると、今の時代にこんなに人を幸せな気持ちにしてくれるものは、なかなかないだろうと思うのです。

 あるチャンネルのジャーナリストたちは、シャンゼリゼが見渡せる場所から(屋外)中継していて、一応の防寒はしているものの、この寒さのわりには軽装で、興奮して寒さもなんのそのになっているところ、1人のおじさんジャーナリストが手袋をしているのを突っ込んで、「この人、こんな時に手袋がいるんですよ・・この人は・・」などと笑いのネタにしているほど、もう氷点下の寒さも吹っ飛ばされているようです。

 今年のシャンゼリゼのイルミネーションはシャンパンカラーのレモンイエローですが、そのシャンゼリゼのイルミネーションの並木の間を大勢の人が埋め尽くし、不謹慎な話ではありますが、その脇を取り囲む警察車両の屋根につけられたブルーの回転灯が映えてとてもきれいでした。

 今年は節電のため、イルミネーションは日付が変わる前に消灯されましたが、人は減らずにいつまでもブルーの回転灯だけがシャンゼリゼを灯し続ける光景も、それはそれでまた幻想的できれいなのでした。

 フランスは過去24年間でワールドカップの決勝進出は4回目、最初に優勝したのは1998年のことで、今回のフランスチームのスーパースター・エムバッペ選手はこの年に生まれており、なにか、運命的なものさえ感じてしまいます。

 24年間で4回決勝に進出し、2回優勝しているということは、あらためてフランスのサッカー人気の理由がわかるような気がします。強いから好きになる、さらに応援したくなる、すると、さらに強い選手が集まり、また強くなる・・ますます人気が上昇する・・とプラスの好循環になっているのです。

 フランスの小さい子供のお稽古事?(男の子)のトップは圧倒的にサッカーで、フランスでの圧倒的な人気スポーツの座は揺るぐことがありません。

 日本では人気の野球は、存在すら確認するのが難しいほどで、やっているという人の話は聞いたことがありません。

 もしかしたら、サッカーのワールドカップはオリンピック以上の盛り上がりではないかと思われるくらい、サッカーを応援する人は、年齢層も広く、底辺の人から、エリートまでの広範囲にわたり、その経済効果も大変なものだと思われます。

 このところ、不景気で不安なことばかりに覆われていたフランスが一機にサッカーで運気が上昇しているような、そんな気にさせられる感じです。

 喜びに沸きあがるエネルギッシュな群衆を見ていると、このエネルギーが生活への不満などで、デモとかテロとかに転じずに、国全体でこんなに熱狂的に喜ぶことのできるものがあることが、なんだかうらやましい気もしているのです。

 決勝戦は日曜日、さらに大変な騒ぎになりそうで、このワールドカップ騒ぎから、すぐにノエル、年末年始のお祭り騒ぎが続きそうな感じです。


2022年サッカーワールドカップ フランス決勝進出


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2022年12月14日水曜日

未成年強姦容疑で身柄拘束されたフランスの人気ユーチューバー YouTube広告収益撤廃

  


 1200万人の登録者を持つフランス第3位の人気ユーチューバーであるノーマン(Norman Thavaud)が、複数の10代の少女や若い女性を巻き込んだ未成年者強姦の容疑でパリ検察庁に身柄を拘束されたという衝撃的なニュースから約1週間、検察庁に身柄拘束された彼は、取り調べに応じ、涙ながらに、陰謀にはめられたとか、相手の女の子があまりにも熱狂的、情熱的だったとか、犯行の事実を否認していると報じられ、結局、48時間の身柄拘束は延長されずに現時点では、起訴されないまま解放されていました。

 しかし、彼の身の潔白が証明されたわけではなく、今後も捜査は継続して行われるとのことで、彼はグレーな存在のままです。

 彼の身柄が拘束されて、すぐに、すでにフランスで最も重要なYouTubeチャンネルを制作しているウェブディア(Webediaグループ)は、「ユーチューバーのNorman Thavaudとのコラボレーションを停止する」と発表していました。

 なにしろ、フランスのユーチューブ界では、大物中の大物の彼、登録者は1200万人近く、これまでの累計再生回数27億回、彼の人気動画には3000万回再生がずらっとならび、中には、8000万回から9000万回再生にもなるものもあるのですから、彼を取り巻くたくさんの人々にも大きな影響が及ぶことになるわけです。

 そして、約1週間経って、Googleプラットフォームは、未成年者へのレイプと汚職で捜査中のユーチューバーのチャンネルから広告を剥奪する制裁を決定しました。YouTubeは数日前から対応を検討しており、ようやくこの制裁を決定したのです。

 YouTubeの広報担当者は、「私たちは、あらゆる形態のセクシャルハラスメントを容認できないと考えています。YouTube動画の内外を問わず、クリエイターの行動が、ユーザー、コミュニティ、エコシステムに害を与えていると判断した場合、被害者を保護するための措置を講じます。」と発表し、現段階での措置は、「無期限での広告剥奪」ですが(動画を公開することはできる)、今後の捜査の進行の結果如何で、また、不適切な事実が確認された場合は、当該アカウントを閉鎖する場合もあるとしています。

 YouTubeがフランスでこのような制裁措置に踏み切ったのは、今回が初めてではなく、同プラットフォームによると、2020年に1件、2021年1件のチャンネルを同様の理由で閉鎖しています。

 このノーマンの騒動で、他にも、8人の女性からレイプと「心理的・性的暴力」で訴えられセクハラで予備調査を受け、また別のレイプ事件の捜査が開始されているユーチューバーがいることも発覚しており、彼に対しても同様の措置がとられる可能性があるとしています。

 いわゆる、これまでの映画やテレビの世界のスター、有名人とは異なり、見せる側も見ている側も、アクセスしようと思えばアクセスできるこれまでにない距離感、独特な存在のユーチューバー。

 人気ユーチューバーは、どこか自由が利きそうではいても、多くの人に顔を晒すという意味では、リスクはつきもので、結局は、非道なこと、あまりに道徳から逸脱したことをすれば、あっという間に晒されてしまうことには、かわりないのです。

 

フランス人気ユーチューバー 広告撤廃


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2022年12月13日火曜日

寒さが最後の後押ししてくれたインフルエンザのワクチン接種

 


 

 昨年の年末は、コロナウィルス感染の広がり方が半端ではなく、ちょっと出かけると、すぐにTous Anti Covid(フランスのワクチンパスポートと感染者追跡アプリ)のアプリにアラートが来て、「感染者に接触しているので、すぐに検査してください」という通知が来るし、ブースター接種が待ち遠しい感じで、もうコロナに感染していないのは奇跡的な感じもしていたので、もしもインフルエンザとコロナウィルスとダブルチョップで襲われることがあったら、大変だと思い、普段は通知が来ても無視していたインフルエンザのワクチン接種を受けていました。

 インフルエンザワクチンなど、もう何十年もやっていなかったこともあるのか、ワクチン接種後は、体調を崩し、熱を出したりしました。

 それでもワクチン接種をしたということは軽くインフルエンザに罹ったようなものなので、まぁ、あり得ることだと、ひたすらドリプラン(アスピリン)を飲んで寝て、数日後には、復活。それから状態が落ち着いてから、コロナウィルスのブースター接種を受けました。

 それから、私は2回目のブースター接種を7月に受けていますが、また、年末を迎えてフランスのコロナウィルス感染は確実に上昇しています。しかし、今年は、コロナウィルスの感染者は昨年ほどではないものの、今年はインフルエンザと細気管支炎との三つの呼吸器感染症の同時流行ということで、また、別の脅威がやってきています。

 やっぱり今年もインフルエンザのワクチンをした方がよさそうだ・・と思いながらも、昨年ワクチン接種後に体調を崩したこともあり、ちょっと腰が引けていました。

 しかし、呼吸器系感染症のトリプル流行の影響で、なんとドリプランの製造が間に合わなくなっているというニュース。フランスでドリプランといえば、アスピリン(解熱・鎮痛剤)の代表的な存在でフランスでは、日本のように風邪薬や鎮痛剤の種類が多くなく、なにかというと、とりあえずドリプラン・・というくらいの薬で、どこの薬局に行っても、いつでも黄色いドリプランの箱は山積みに置かれている薬なのです。

 それだけ、もともと服用する人が多い薬なので、いつでも、どこの薬局に行っても、ドリプランだけはいつでも山積みなのに、それがなんと不足しているとは驚きです。

 そのうえ、先週あたりから、フランスは氷点下の世界に突入して、寒さが一段と厳しくなってきました。氷点下・・マイナス2℃、3℃ということは、冷蔵庫の中よりも寒いのですから、これはたまりません。

 もはやマスクは重要な防寒具の一つで、耳にまでマスクをしたいくらいです。夏の猛暑の時には、寒い方がまだマシだ・・着ればいいんだから・・などと言っていたくせに、寒ければ寒いで、やっぱり寒いのも嫌なのです。

 これは、いよいよやばいと思い、届いていたインフルエンザのワクチン接種券をもって薬局に行くと、すぐにできるわよ!ということで、その場でやってもらうことに・・。薬局のレジで受付を済ませると、「じゃあ、ちょっと、あっちの部屋で待ってて・・」と言われて、待っていると、受け付けしてくれた人とは別の男性が部屋に来て、「マスクを外してください・・」と・・。

 えっ?ワクチン接種になぜマスクを外すの?と怪訝な顔をすると、「え?PCR検査ちじゃないの?」と、どうやら、検査に来ているのだと勘違いしている様子。おそらく、現在のところ、インフルエンザのワクチン接種をする人よりも圧倒的にPCR検査をしに来ている人の方が多いことがうかがえます。

 考えてみれば、パンデミック以来、ワクチン接種にしてもPCR検査にしても、すっかり薬局に来る機会が増えたもんだと思いながら、受けつけしてくれた女性を待っていると、間もなく彼女がやってきて、「腕を出してください・・」と促され、腕を出したところで、「風邪ひいてませんね、熱ありませんね・・」と確認。そのうえ、「今年のワクチンはちょっと痛みが強いかもしれないし、その痛みが2日くらい続くかもしれないし、場合によっては、熱が出たりするかもしれません・・でも怖がらないで・・大丈夫だから・・」と思いっきり怖がらせるのです。

 もう腕をまくっている状態で、そんなことを言われて、「先に言ってくれれば、やめてたかも知れないの!今になってそんなこと言わないでよ!・・」と半べそをかきながらも、もう今さら引くに引けない状態。まるで子供の注射イヤイヤ状態。

 たしかに、いつもよりは痛い感じはしたし、翌日まで腕は痛かったものの、今年は、熱を出すことはありませんでした。

 帰りに「ドリプランが不足しているって聞いたけど・・」と聞いてみたら、なんで知ってるの?みたいな顔をして、ちょっとびっくりされましたが、「大丈夫、まだ、うちには在庫あるから・・」と軽くいなされました。

 それにしても、ここのところのフランスの冬はこんなに寒かったかな?とちょっと、引くほどの寒さです。ここ2年間、冬の間、あまり出歩かなかったせいか、今年の氷点下の冬はことさら寒さがきつく感じます。

 しかし、尻込みをしていたインフルエンザのワクチン接種もドリプラン不足と極寒に後押しされて、ようやく済ませました。

 毎日のように公共交通機関や屋内でのマスク着用を義務化にするかどうか?という話をしていますが、フランス人の間でも、2年前のようにマスクを毛嫌いする感じは薄れ、必要があればする人も増えたので、ずいぶん、フランスも変わったな~~と思いながら、防寒具としても、今年はマスクが手放せない・・なんならカシミアのマスクが欲しい・・などと思っているのでした。


インフルエンザワクチン接種


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2022年12月12日月曜日

パリのバス停はおばちゃんの井戸端会議の場

 


 私がフランスに来る前の印象では、フランス人はツンとしていて、なかなか感じ悪い印象がありました。実際に、パリに旅行で来た時(といっても、かなり前の話ではありますが・・)には、何か英語で尋ねても、わからないふりをされたりしたことがあったりしたためで、「フランス人ってほんと、感じ悪い!」と思っていました。

 そのころとは時代も変わり、こちらから頼まなくてもレストランなどで英語で話してくれたりするようになって、今となっては、逆に突然の英語にドギマギするほどなのですが、考えてみれば、日本人だって、日本で突然、英語で話しかけられれば、「ノー!イングリッシュ!」などと拒絶する人はいるだろうし、まぁ、似たり寄ったりのところはあるのかもしれません。

 しかし、実際に生活してみれば、フランス人というのは、とかく話題に加わりたがる人たちで、知らない人とでも、気さくに話かけることが多い気がします。

 最近、特に思うのは、パリのバス停というのは、知らないおばちゃんたちが、世間話に花を咲かせる場であるということです。先日もバスで出かけようとして、バス停に向かい、バス停にたどり着くと、まず、私の乗りたいバスがあと何分で来るのかをチェックするのですが、同じようにバスを待っているおばちゃんたちが、待ってましたとばかりに、私の顔色をのぞき込み、けっこう待ち時間が長いのを知った私が、うんざりした顔をすると、「バーウィ~!」(そうでしょ!みたいな意味)と言ったのを機に、おばちゃんたちの井戸端会議がスタートしたのです。

 井戸端会議というより、グチの吐きあいというか、まず、パリの交通機関のトラブル自慢大会で、「この間、どこだかに出かけるのに2回乗り換えに2回ともそれぞれ40分以上待たされた・・」「そのうえ、Navigo(パリ近郊の定期券のようなもの)はまた値上げ!84€になるんだってよ!」、「バスを30分以上待っていても、そのあとに続けて2台同じ行先のが来るのは、お決まりのパターンでしょ!」「運転手のせいではないけど、どうにかするべきでしょ!」

 「なにもかもが値上がりするうえに、停電するかもしれないんでしょ!」「いやいや、停電はしないと思うけど、一度、暖房が切れて、部屋が冷えて、温めなおすには、3倍の電気がいることになるのよ!」「3倍かかる電気代を払うのは私たちなのよ!」「もう、支払いのために働いているみたいでしょ!もう仕事やめたい!」(インフレ関係なく支払いのために仕事をしているのは、変わりないけどな・・などと思いながら聞いていました)

 おばちゃんたちのおしゃべりは、バスが来るまで止まることはありません。これが世間の生の声というものか・・などと思いながら、私は、炸裂するパリのおばちゃんパワーに適当に相槌をうちながら、けっこう楽しみながら、退屈せずにバスを待つことになります。

 もちろん、このおばちゃんたちは知り合いでもなんでもなく、その場限りの通りすがりの人たちなのですが、そこそこの発散の場になっているのかもしれません。

 そんなおばちゃんたちに遭遇するのが、以前よりも頻繁になっている気がするのは、世間の不満が高まっているということなのか? 私がそのおばちゃんたちの空気を妨げないものを身に着けてきたのかはわかりませんが、否応なしに待たされるバス停という場は、意外にも井戸端会議の場になっている気がしてなりません。

 そんな気がしてくると、もうバス停で座っているおばちゃんがいるだけで、もう話をしようと待ち構えているような気さえしてきて、また、予想どおりに、かなりの割合で話が始まるのも、苦笑いしながら、「やっぱりまただ・・」などと思うのです。

 日本だったら、絶対にないと思われるバス停での知らないおばちゃんとのおしゃべり、とにかくフランス人はツンとしているどころか、話好きの人が多いことは、間違いないと確信に変わり始めています。


パリのバス停 井戸端会議


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