2022年12月28日水曜日

中国での感染拡大の一因と見られているオミクロンBF.7 中国をどこまで警戒すべきか?

  


 パンデミック開始以来、「ゼロコロナ対策」として厳しい規制措置をとっていた中国では、12月初旬に強い反発のデモなどが起こったことから、規制措置を緩和し始めていました。ところが、この緩和措置とともに、中国では、再び感染が急激に増加しており、この感染急増の原因の一つとして、オミクロンの新しい変異種 BF.7が感染の大半を占めていることを挙げています。

 オミクロン BF.7は、5月中旬にベルギーで発見されたことを皮切りに、その後、インド、フランス、米国、英国、ドイツ、デンマークでの感染が確認されており、今月初めに北京での感染の主流になったことがわかっています。

 BF.7の症状は他のオミクロン変異種と似ており、主に上気道を侵し、発熱、咳、喉の痛み、鼻水、疲労感に加えて、嘔吐や下痢などの症状も報告されています。

 このオミクロン BF.7ゲノムのスパイクタンパク質変異は、中和抗体を回避する能力を備えているために感染力が強く、懸念されるところではありますが、重症化に対しては、ワクチンは有効であると言われています。

 しかし、この中国の感染急増は、なにせ人数が多いだけに、世界的にも少なからず影響を及ぼすであろうとも見られており、また、このタイミングで中国政府は規制緩和を機に感染者数や死亡者数の発表を停止してしまったことが、またこの感染拡大の状況把握を複雑にしています。

 もともと中国政府の感染者数の発表などは、フランスでは信憑性に欠けるものとして、あまりあてにはしていない感じもありますが、ファイナンシャル・タイムズ紙などによると、12月に入ってからの20日間で中国では2億5000万人がコロナウィルスに感染した(1日あたり1240万人)と報道しています。

 このような具体的な数字を中国政府が公表しないこと決めたのも疑問なうえに、中国当局は12月26日に、1月8日から中国到着時の強制検疫を終了することを発表しています。つまり、中国人の海外渡航が本格的に再開されることになります。

 しかし、フランスでは、中国では感染が急拡大して、死亡者も多く出ていて、遺体の処理が間に合わずに、霊柩車が長い列を作っていたり、棺が山積みにされているような映像が流されていて、中国の感染拡大がかなり深刻なものとして扱われているので、このオミクロン BF.7の危険性を感じずには、いられません。

 また、実際に感染力は強くても、重症化はワクチンで回避できる可能性が高く、また同じ変異種がすでにヨーロッパにも到達しているにもかかわらず、現在のところ、ヨーロッパでは、さほど重症化の数字が跳ね上がっていないのは、中国で行っているワクチン接種の種類が異なることや、回数も十分ないことが原因ではないかという見方もあるようです。

 しかし、ゼロコロナ対策はともかくのこと、この感染症が世界規模のパンデミックとなっている以上、その現状を公表せずに鎖国の扉を開けようとしているのは、納得がいかないことです。この感染症が世界的に広がってしまったパンデミックになってしまった以上、諸外国とも情報を共有しながら対策をとっていかなければならないことは、これまでの経緯を見ても明らかなことです。

 そもそも、最初の感染拡大を隠蔽したために、世界規模に拡大してしまったパンデミックです。同じ過ちを繰り返してほしくないと切に思うところです。


オミクロン BF.7  中国感染急増


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