2022年12月25日日曜日

パリ10区クルド文化センター襲撃テロに抗議するデモの暴徒化 車が燃えるクリスマスイブ

  


 クリスマスイブというのに、まことに物騒なことで、前日にパリで起こったクルド文化センターでクルド人を標的にして襲撃する発砲事件に抗議するデモが暴徒化し、デモ隊と警察の応酬で車は横転し、車とともにゴミ箱、バイクなどに火がつけられ、催涙ガスが街に充満する地獄絵図のような事態に陥りました。

 なんか、ここ最近、このようなのは見ていなかった気がするので、久しぶりな感じがしました。

 そもそもの事件の発端は、前日に起きたクルド人を狙った銃乱射事件がきっかけで、少なくとも3人が死亡、多数の負傷者が出た事件がきっかけで、この事件直後にもデモは起こり、そのうえ、翌日のデモまでもが予告されていました。

 その場で逮捕された容疑者は、人種差別的襲撃などの暴力行為で過去数度にわたり逮捕歴のあるいわば札付きの69歳の白人男性で、この手の犯罪にしては、高齢であることに驚かされますが、インタビューに答えていたこの男性の父親は90歳過ぎで、「息子は狂人だ!未だに手を焼かされる・・」と69歳の不良息子に90過ぎても悩まされているというちょっとウッとくる感じもありました。


 昨年の12月にもパリ・ベルシー公園にあった亡命者のキャンプをサーベルで襲い、テントを破って2人を負傷させたという事件を起こしています。昨年末に司法捜査が開始され、容疑者は、最近、釈放されたばかりであったということで、なぜ、このような危険人物が釈放されてしいまうのかは、非常に恐ろしいことと言わざるを得ませんし、犠牲者にとっては、取り返しのつかないことです。

 前日の襲撃事件後、マクロン大統領も「フランスのクルド人を標的とした悪質な攻撃」と強烈に非難。

 目撃者によると、犯人とされる男はクルド文化センターに侵入して銃撃し、その後、美容院に駆け込み、美容院の通報により逮捕されたようですが、事件現場は突然、通りでの7~8発の銃声にパニック状態に陥り、地面に倒れる人、血を流しながら逃げる人、近所の商店やレストランなども客を非難させて、シャッターを閉めて震えあがりました。

 ルモンド紙の情報によると、死亡した犠牲者は3人のクルド人武装勢力であり、フランスのクルド民主評議会も、声明で「卑劣なテロ攻撃」だと非難しています。「我々は、この卑劣な攻撃を糾弾するために、デモを行う」と事件当日にもすでに大きな抗議運動が開始されていました。

 デモといっても、その形態はさまざまで、今回の事件翌日のデモは数千人規模に膨れ上がり、さらにエスカレートしてしまった、かなり暴力的なデモでデモ隊と警察の攻防戦となり、車が転がされて燃やされ、ゴミ箱やバイクなどにも火がつけられ、催涙ガスがもくもくとする、まことに物騒な事件に発展してしいまいました。まさにクリスマスイブ当日としては、ふさわしくない悲しい光景です。


 このデモの破壊行為のために、11人が逮捕、31人の警察官が負傷という、まさに事件がさらなる事件を引き起こすこととなりました。

 ところが、この大規模なデモが起こった当日の夕刻には、検察庁は容疑者の拘束を解くと発表し、容疑者は直ちに警察の精神科病棟に入院しました。「被疑者を診察した医師が、当該者の健康状態は身柄拘束の措置になじまないと述べています」と検察は発表していますが、拘束がなじむかなじまないかは別として、このような危険人物が解き放たれるのは、あり得ないこと。

 現在のところ、精神科に入院中とのことですが、ここで決して曖昧になってもらっては困ります。


パリ クルド人襲撃 クリスマスイブのデモ


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