2022年12月4日日曜日

フランス人はすぐにパニックになって騒ぎを大きくする

 



 この冬のエネルギー問題で、「停電の恐れあり・・」、「停電になる場合は・・」などという報道が増え、この冬の間、停電の可能性も現実味が帯びてきて、ヤレヤレ・・停電対策をしておかないと・・と、ぼんやりと考えていました。

 しかし、マクロン大統領がインタビューの中で、「パニックを起こさないで!」などと、訴えているのを見て、あらためて、フランス人はパニックを起こしかけているのか・・と気付きました。

 なにかと騒動を大きく騒ぎ立てるなあ・・と感じることの多いフランスですが、今回の停電計画も、すでに、「学校は休校にしなければならないのか?」とか、「急な休校になっても子供を迎えに行けるのか?」とか、「高齢者施設で暖房が切れるなんてことはありえない!」とか、騒ぎ始めているのです。

 そんな気配を察して、マクロン大統領が「パニックを起こさないで!」と言い始めたのでしょうが、それにはそれで、「パニックを起こさせているのは政府の方ではないか!」、「つい、この間もガソリン供給が絶たれた時に、パニックを起こすな慌てなくても大丈夫などと言っていたのに、大丈夫ではなかったではないか!!」などと怒る人まで出始めるのです。

 マクロン大統領曰く、「パニックを起こす意味はなく、政府があくまでも、極限状態に備えて準備するのはあたりまえのことだ」とごもっともな説明、「これらは、用意しなければならない架空のシナリオであり、政府が提示した計画に従って消費量を10%削減すれば回避できる」と断言しています。

 政府が提示している具体的な対応策は、暖房の温度を19℃に下げること、使用していない家電製品の電源を切ること、待機中の家電製品の使用をオフピーク時にシフトすることなどが挙げられています。

 ここにきて、グッと寒さが厳しくなってきたのも、騒ぎに加担している感じもします。

 古い話ではありますが、パニックといえば、日本で東日本大震災が起こったときに、多くのフランス人から、「日本人は、あんなに大変なことが起こっても、パニックを起こさず冷静で、避難所などでも、皆が譲り合っていてすごいわね・・フランスだったら、みんながパニックを起こして人々は争い合うことになるわよ・・」と言われたことを思い出します。

 そうなのです。フランス人は自分たちがパニックに弱いということを知っているのです。

 計画停電する可能性も、アプリを入れておけば、あらかじめ、自分の住んでいる地域がいつ停電するかもわかるようになっていて、それも2時間は超えないようにすると言っているのだから、ある程度、備えていれば、そんなに騒ぐ必要もないと思うのですが、これで黙っていないのがフランス人です。

 言わせてもらえば、例えば、ある日、停電して、学校が休校になったとしても、学校が休校になることなど、1年に何回もあるストライキで慣れているはず、そんなに珍しいことでもありません。

 電車だって、メトロだって、電気がふんだんに使えるときであっても、ストライキでろくに動かないことは、日常茶飯事なのです。

 むしろ、これらのストライキに対して、比較的、寛容であまり怒って騒がないことの方が私にとっては、不思議なくらいです。

 コロナウィルスが出始めた頃にも、このわけのわからないウィルスに怯えて、パニックを起こして、その恐怖と怒りが、アジア人に向けられ(中国で発生したということから)、アジア人狩りなる動きが生まれたこともありました。

 未曾有の事態にパニックを起こすのは、往々にして誰にもあり得ることですが、こうして、前もって知らせて準備してくれているのですから、無駄に騒ぐのは疲れるだけだから、ある程度、備えて、あとは耐えるしかないと思っている私は、やっぱり日本人なのだなぁ・・と思っているのです。


フランス人とパニック


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