2020年4月28日火曜日

コロナウィルス対応 日本人の真面目さ、辛抱強さ、モラルの高さ、衛生観念はやっぱり凄いなと思う


Image


 フランスがロックダウンになった頃、日本は、まだ、「オリンピックをやるかどうか?」なんていうことを言っていて、「なに言ってるの? 日本は大丈夫? 世界中は、大変なことになっていて、オリンピックなんて、とんでもない話なのに・・」と、とても、心配していました。

 なんだか、外から見ていると、悠長な日本の政府の対応を見ながら、ヨーロッパの悲惨な状況を鑑みるに、日本とて、とてもただ事では、済まされないと、ヤキモキしながら、フランスのニュースとともに、日本のニュースも見守っていたのです。

 日本は、緊急事態宣言という、ロックダウンとは、違う形をとりましたが、完全なロックダウンの状態を取っていないにもかかわらず、かなりの割合で、人の行き来が減り、危なっかしい感じもありますが、大多数の国民のモラルに支えられて、今のところは、ヨーロッパのような悲惨な状態には、至っていません。

 日本でも、中には、なんとか、隙をついて出かけようとしている人もいるようですが、これは、あくまで、ロックダウンには、なっていない状態でのことで、一体、世界中のどこで、ロックダウンせずにこれだけ、国民が自粛できる国があるでしょうか?

 例えば、それが、フランスだったら、まるで収拾のつかない状態になって、壊滅的な状況を産んでいたに違いありません。(今でさえ、充分に悲惨な状況ですが・・)

 フランスでは、4月13日にロックダウンの延長と5月11日にロックダウンを徐々に解除することが発表されて以来、国民の意識は、一気に緩み始めました。報道の大部分は、ロックダウン後の話題になり、段階的な解除がどのように行われるか?という議論から、夏のバカンスは、どうするのか?などと言う話題まで持ち上がっています。

 そんなマスコミの報道を反映するように、世間は、未だロックダウン中にもかかわらず、すっかり解除モードに移行しつつあります。

 まず、一番に驚くのは、マスクをしている人が極端に減り始めたことです。ロックダウン後は、マスクの着用を義務化するべきではないか? などという検討をされているにも関わらず、世間の解除モードは、もはや歯止めが効かない状況です。これだけの危機を経験したにも関わらず、この危機感の薄さ、モラルの低さには、呆れ返ります。

 念のため、今も救急車のサイレンが一日に何度も聞こえ、一日の死者が437人(4月27日現在)これまでに23293名が亡くなっている状態でのことです。

 それにひきかえ、日本では、ロックダウンでもないにも関わらず、大半の国民は、自粛して、外出を控え、皆、マスクをし、健康管理に気を配り、清潔を心がけています。フランスがロックダウン状態で、手を洗えとか、一度使ったティッシュは捨てましょう!とか呼びかけていることは、平常時でも、日本人は、当たり前のこととして、やっていることなのです。

 先日、たまたま、日本のネットショッピングのサイトのランキングを見たら、「パルスオキシメーター」という、血中の酸素濃度を測る機械が一位になっていました。マスクや除菌ジェルなどなら、いざ知らず、一位が「パルスオキシメーター」という、ある意味、通常の日常生活では、使わないものです。この機械が有効に使えるか否かは別として、この自分の健康を真剣に考え、何とかしようとしている日本人に、改めて、感心したのです。

 これは、多分、テレビ番組か何かで、報道されたりしたのだと思いますが、コロナウィルスが急激に悪化するのは、実は、症状の悪化は気付かないうちに進行していて、実際に呼吸困難を感じた時には、手遅れになるという話から、そのために、その予兆を血中の酸素濃度をチェックして変化を自分で見逃さないようにしようと考えた人々なのだと思います。

 以前、私は、フランス人は、災害に慣れていないから、もし、ことが起こったら、パニックを起こして大変になる・・という内容のブログを書いたことがありましたが、まさに、そのとおりでした。パニックを起こさないように、ロックダウンを強行し、警察や軍が取り締まり、まさに、ばったりと封じ込めの状態になりました。

 フランス国民を封じ込めるには、軍まで動員しなければならないのです。

 そして、ロックダウンなしに、フランス人は、ウィルスの蔓延を抑えることはできなかったでしょう。(今でも抑えきれていませんが・・)ロックダウン下の厳しい制約の下で、たとえ、罰金が課せられても、外出する人は、後を絶ちません。

 あくまでも、国民がルールを守り、ウィルスの拡散が現実的に減速した場合という前提で発表されたロックダウンの解除も、今の国民の雰囲気からすると、さらにロックダウンの延長などということになれば、暴動でも起きかねない雰囲気です。

 まだ、ウィルスが静まりきれていない状態でロックダウンを解除しようとするのですから、これまでの監禁生活のストレスも合間って、大変なことになるのは目に見えています。この解除を強行するということは、政府もさらなる犠牲者が出ることは、覚悟の上での解除なのだと思っています。

 そんな、フランスと比べると、日本人の一般的なモラルの高さ、清潔さ、真面目さ、辛抱強さ、規律の正しさ、健康管理の意識の高さは、世界中に誇れるものだとつくづく思うのです。

 私は、今、フランスにいるからこそ、日本人のそんな国民性を、改めて、尊いものだと感じています。

 フランスでは、日本は、マスクをする習慣があるから、感染者が少ない(ヨーロッパと比べて)などと言っていますが、それは、決して、マスクだけのおかげではないのです。


<関連>
「災害に免疫のないフランス人がパニックを起こして、アジア人全体を傷つけている」
https://rikakaigaiseikatsu.blogspot.com/2020/02/blog-post.html


 

 












0 コメント: