テレビで経済的な問題への質問に答える経済財務大臣 |
4月13日のマクロン大統領のロックダウン延長とともに、5月11日から、徐々にロックダウンを解除していくという発表があって以来、これまで、一ヶ月以上、ひたすら、コロナウィルスの感染拡大と、その対応や現状について報道されてきましたが、俄かに、フランスは、ロックダウン解除の方法や、経済的な問題が報道されるようになってきました。
これまでの一ヶ月、そして、最低でも2ヶ月近くになるロックダウンによる経済的なダメージは、いくら、政府からの援助があるとはいえ、充分ではなく、多くの人々が悲鳴をあげているのが現実です。
今回のコロナウィルスによるパンデミックでは、被害が最大となってしまった(アメリカを除く)ヨーロッパでは、ロックダウンしていた国が少しずつロックダウンを解除する方向に動きつつあります。
オーストリア、スペイン、ドイツ、スイスなどの国々が、すでに、段階的なロックダウンの解除に踏み切りました。
先陣を切って、ロックダウンの段階的な解除を発表したオーストリアは、一日あたりの感染者が1千人超えの状態から、4月6日の段階で200人台にまで減少した時点で、14日からのロックダウンを段階的に緩和していくことを発表しました。
オーストリアでは、すでに、小規模の店舗、園芸店、ホームセンターから営業を再開、5月からは、美容院、ショッピングセンター等、全ての店舗が営業を再開します。(レストラン、ホテル等に関しては、5月中旬から)
営業再開に際しては、一定のソーシャルディスタンスが保たれるための入場制限とマスクの着用が条件となっています。
少なくとも、フランスは、これらのロックダウン解除の先陣を切った国々をある程度、参考にできると同時に、近くの国々が次々と経済活動を再開しつつあるのを横目で見ていれば、国民感情としても、自分たちも・・と煽られることになるのも必須です。
ここ数日、フランスも感染者は、ごくごく僅かですが、減少傾向にあるとはいえ、未だ、新たに感染が確認された患者は、17164名(4月16日現在)もおり、1日の死亡者は、753名、集中治療室の患者は、減少しているとはいえ、6248名、通常の満床状態は、5000床(集中治療室)のところを遥かに上回っている状態です。
これから、約4週間の間にどれだけ、減少できるかは、全くわからない状態です。
フランスも、経済的な逼迫も厳しく、「あくまでも、国民がルールを守り、ウィルスの拡散が現実的に減速した場合」という前提での、経済活動再開の発表では、あったものの、今となっては、そんな条件があったかを忘れてしまったかのように、ロックダウン解除に世論が傾きつつあり、もしも、それが叶わなかった場合の国民の落胆は、幾ばくかと、そのショックもまた、想像するのも恐ろしい気がします。
ある程度、ウィルスと共生していかなければならないという意見もあるようですが、それは、ワクチンや治療薬が開発されてからの話だと思うのです。これ以上の感染拡大は、何としても、避けなければならないのです。
今も、救急車のサイレンが聞こえない日はありません。
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