2020年4月9日木曜日

コロナウィルス対策の外出禁止 パリでは、日中の運動のための外出も禁止




 「PROBLEME TECHNIQUE(プロブレム・テクニック)(技術的な問題)」
 外出せず、電車やメトロに乗らなくなって、この言葉は、久しく聞いていませんでした。それくらい、日頃、パリでは、良く聞く言葉です。

 メトロが急に止まってしばらく動かなかったりすると、すぐ、このプロブレム・テクニック・・というアナウンスが流れます。もう、さすがに慣れましたが、パリに来たばかりの頃は、これを聞くたびに、ため息・・また・・と、呆れたものです。

 昨日のフランスのコロナウィルスの状況の発表で、久しぶりに、その「プロブレム・テクニック」という言葉を聞きました。

 昨日のコロナウィルスで入院中の患者数は、30375名(4月8日現在)、集中治療室の患者数は、7148名、一日の死者数、541名、トータル10869名と発表されたのです。

 しかし、これには、フランスで大問題になっているEhpad(エパッド)という高齢者用の施設での死者数が、プロブレム・テクニックのために、カウントできずに、追加できなかったというのです。

 前日までの数字から考えると、一日の死者数全体の半分以上は、このエパッドの患者なので、おそらく、8日に発表された一日の死者数は、実際のところは、倍くらいの数字になっていると思われます。

 こんな時まで、プロブレム・テクニックとは、此の期に及んで、数字を隠そうとするとも考えにくいので、お得意の?プロブレム・テクニックなのだと思います。

 このような状況の中、昨日から、パリは、外出禁止の中、数少ない項目の中で認められていた、適度な運動のための外出が禁止になり、日中、10時から17時までの散歩、ジョギング等の運動が禁止になりました。これは、やりすぎだという声も上がっていますが、明るい太陽の光に誘われた、先週末の街中や、パリに隣接するブーローニュやヴァンセンヌの森の人出を見れば、危機感を感じずにはいられません。

 季節がら、陽気も良く、一旦、外に出れば、ついつい開放的にもなり、結果、人が集まるような状況が起こりやすくなるのは、仕方ありません。しかし、今、フランスの事態が、日々、深刻化している状況で、この措置は、仕方がないように思います。

 3週間、閉じこもりの生活をしてもなお、犠牲者が増え続けている状況で、さらに、これからの季節、人が出歩きたくなる環境で、これを放置していたならば、ますます、犠牲者は増え続け、外出禁止の期間も一層、長引くことになるでしょう。

 パリ市がこのような、ほんの僅かな自由までもを制限するのは、どれだけ、フランスの状況が最悪で、それを何とか改善しようと必死なのかがわかります。

 折しも、今は、どんどん日が長くなっている季節。17時といっても、まだ、充分に明るい季節です。想像どおり、日中の運動のための外出が禁止された初日は、結構な人が17時から、18時の時間帯にジョギングや散歩に出かけたようです。

 外出禁止をしても、次から次へと、モグラ叩きのように出てくる問題の数々。元気な人をなんとか、おとなしく抑え込もうとする問題に加えて、亡くなった遺体が、感染症ゆえに、簡単に、すぐに埋葬できずに(フランスでは、火葬しない場合が多い)、遺体の保管料を遺族に請求できるのか? などという問題も起こっています。

 状況が悪化すればするほど、問題は、雪だるま式に増加していきます。

 日本は、どうか、ここまでの悲惨な状況になりませんように・・と、ひたすらに、祈るような気持ちでいます。

 

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