2020年4月10日金曜日

緊急事態宣言後の日本のコロナウィルス対応は、甘い




 コロナウィルスがフランスで、あっという間に蔓延し始めてから、私は、家の中に引きこもりながら、ひたすら、フランスと日本の様子を見てきました。

 明らかに、世界中の皆が想像していた以上に、強力で、凶暴で、残酷なウィルスが拡散されていく様子には、ただただ、驚くばかりです。

 今となっては、ダイヤモンドプリンセス内のコロナウィルスの感染者が出た騒動など、遠い昔の話のように感じます。

 感染は、あっという間にヨーロッパ中に広がり、アメリカでの感染の広まりも物凄い速度です。

 そんな欧米の様子を目の当たりにしながらも、なかなかアクションを起こさない日本をほんとうに心配していました。先日、それでも、ようやく日本でも、「緊急事態宣言」が出たと聞き、少しホッとしていました。

 しかし、その実情は、あまり、緊急事態として浸透しておらず、愕然としています。

 というのも、昨日、日本にいる親友に、「どうしてる?」とメールを送ったのです。
彼女の仕事柄、全てカバーできるわけではなくとも、リモートワークが可能な職種なので、当然、リモートワークになっていると思っていたのです。

 ところが、リモートワークは、一週間交代で、彼女は、まだ、丸の内のオフィスまで通勤しているというのです。丸の内には、出勤せざるを得ない人が結構いて、昼食時などには、やっと開けているお店が混雑している状況なのだそうです。

 おまけに彼女の会社は、会社の組織替えがあったとかで、5月の連休には、絶対にレイアウトを変更しなければならないそうで、連休前には、パッキングのために出勤させられることになっているのだとか・・。

 この状況で、絶対に変更しなければならないレイアウトとは、何なのか? 全くもって、理解不能です。
 私は、彼女のメールを読んで、絶望的な気持ちになりました。この会社には、危機感がないのだな・・と。

 彼女の会社は、決して、零細企業ではないのです。少なくとも、丸の内にオフィスを構えられるほどの経済力もある会社なのです。もの凄い威力を持ったウィルスで世界中が苦しんでいる、人の命に関わることを一番に考えられないのは、信じ難いことです。

 フランスは、未だに死者が増え続け、死亡者数は、12210名(4月9日現在)に上っています。感染者数が117749名と発表されていますから、単純に計算すれば、死亡率は、10%以上です。(実際は、感染者数は、全て把握しきれていないと思うので、死亡率は、もう少し低いと信じたいですが・・)

 フランスは、ロックダウンのタイミングが遅すぎましたが、ロックダウン後は、国家で必死で対応して、3週間経っても、未だ、この人数なのです。フランスは、色々問題も、ありますが、発展途上国ではありません。

 かなり厳しい罰則まで制定してのロックダウンをしてさえ、フランスのランジス市場(日本の築地・・じゃなくて豊洲?市場のような場所です。)の一部の建物は、死体安置所として使われるようになりました。コロナウィルスを甘く見てはいけません。

 パリは、フランスの中では、大都市ですが、その実、東京の山手線内に収まるくらいの大きさしかありません。東京で、感染爆発が本格的になれば、その被害は、フランスの比ではありません。

 日本が、このままの状況を続ければ、感染爆発は、避けられません。たくさんの人が亡くなります。今は、まだ、確たる治療法もワクチンもないのです。感染しても、発症するまでに時間がかかり、その間に感染を撒き散らし、ひとたび悪化すれば、あっという間に重症化し、助かる可能性は、とても低いのです。

 多くの在外邦人は、日本の様子を外から見て、警笛を鳴らしています。実際に、身近に被害が及んで、その恐ろしさを実感しているからです。政府のせいにしても、命は助かりません。

 もちろん、日本でも、たくさんの人が努力をして、精一杯の自粛をしていることでしょう。この多くの人の努力が無駄にならないように、日本のトップに立つ人たちは、このような状況で、通勤しなければならない私の友達のような人の気持ちをわかって欲しいと切に思っています。

 

 

















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