2020年4月22日水曜日

犠牲者が出ることを覚悟で臨むフランスのロックダウン解除・コロナウィルスとの共存


Il est peu probable que l'école reprenne le 11 mai en Alsace.


 マクロン大統領が、ロックダウンの延長とともに、5月11日にロックダウンを徐々に解除するという発表から、一週間が経ちました。

 ロックダウンの解除は、あくまでも、国民がルールを守り、ウィルスの拡散が現実的に減速した場合という前提であったにも関わらず、国民の関心事や準備は、一気にロックダウンの解除に向けて、動き始めました。

 もう家に閉じこもりの状態にも、限界に感じ始めていた国民には、張り詰めていた糸が緩みつつある状態です。先週までは、ほとんどの人がマスクをしていたにも関わらず、すでに、マスクなしで出かける人が一気に増え始め、外出規制のコントロールをする警官に反抗して、暴動騒ぎになるなど、今まで我慢していたものが爆発しつつあります。

 もちろん、ロックダウン解除に否定的な専門家もいて、これまでにコロナウィルスに感染したのは、全国民の6%に過ぎず、免疫学的には、70%が免疫を持っていない限り、危険な状態であり、現在の段階では、遥かに遠い数字であると発表しています。

 しかし、経済的な状況や、国民の抑圧された生活も緊迫した状況ではあり、これからも長いこと、このウィルスと戦いながら、生活を続けなければならないことは、もはや明白であることを考えると、徐々にロックダウンを解除していく方法を熟考を重ねながら、なんとか、手探りで始めなければならないことは、理解できます。

 すでに、学校の開始も、学年ごとに、ずらして、しかも、クラスは、一人一人の間隔が取れるようにクラスを分けて、一週間おきに授業を受け、残りは、これまでどおりのオンラインでの授業・・というプランを立て始めています。

 ここのところ、一週間近く、僅かずつではありますが、ICUの重症患者が減少してきていますが、依然として、一日、1800人以上の患者が入院しているのです。

 これから3週間の間にどこまで、減少するかは、わかりませんが、現場の医療関係者の話によれば、5月11日の2〜3週間後のウィルス感染拡大の第二波は、避けられないとの見方が強いようで、最も混乱状態であった、3月31日に、救急にかかる電話が鳴り止まず、病室も呼吸器も確保できずに、病院が崩壊状態になった日のようなことにならないようにと、その後に急遽、病院の外に建てられた病室のために建てられたテントは、撤去しない方針なのだそうです。

 ロックダウンの間も、40万人もの国民が外出禁止のルールを守れずに捕まっているフランス人のロックダウンから解放された時の歯止めのきかなさや、元来の衛生観念の薄さ、日常の生活習慣などから、ロックダウン解除の際の国民のコントロールは、ロックダウン時以上に難しいことになると思います。

 半ば、犠牲者が出ることを覚悟で臨むフランスのロックダウンの解除。
これまでのフランスの感染者数は、158050名、死者数は、20796名(4月21日現在)。
検査数が充分ではないので、正確な数字ではありませんが、単純にこの数字から計算すれば、死亡率は、13%以上です。

 私は、今以上にロックダウン解除後が怖いです。


 

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