ヨーロッパのコロナウィルス感染拡大 国の対策の取り方で明暗を分けた理由
ヨーロッパは、今回のコロナウィルスの感染爆発の大きな被害を受けました。
アメリカの感染爆発までは、コロナウィルスの世界の中心でしたが、未だに、多くの犠牲者が増え続けていることには、変わりはありません。
実のところは、2月の段階で、すでに、ヨーロッパにいた、感染していることに気付かずにいた人たちから、感染がさらに拡大し始めていたのです。2月といえば、日本では、ちょうど、ダイヤモンドプリンセスの客船の中での感染が広まったことで、大騒動になっていた頃です。
ヨーロッパという、いくつもの国が地続きである地域での感染拡大は、それぞれの国のその後の対応によって、大きく明暗を分けることになりました。それぞれの国の政治が、これほど、国民の命に直結していくことを目の当たりにすることは、そうそうあることではありません。
国の規模も国民性も違う中、一概に比較することは、できませんが、その経過をたどれば、何が良くて、何が悪かったのかは、知ることができます。
ヨーロッパでの感染拡大が最も深刻になったイタリアでは、イタリア北部が震源地となりましたが、北部の都市がどうやら、ロックダウンになるという噂が流れ出すと同時に、自分が感染していることに気づいていない北部の国民が、一気にイタリア国内の他の地域に流れ出したのです。
その事実に慌てた政府は、その後、ロックダウンを全土に拡大しました。これは、日本の緊急事態宣言が東京、大阪を始めとした一部の地域だけであったものを一週間後に全国的な緊急事態宣言に広げたのに似ています。
また、イタリアが失敗した、もう一つの理由は、院内感染を増やしてしまう危険を考慮せずに、数多くの検査を病院内で行ってしまい、院内感染を広げてしまったことです。
一方、ヨーロッパの中でも桁違いに犠牲者が少ないドイツでは、当初から、院外での徹底したPCR検査を行い、感染者と感染していない人を分けていったのです。ドイツは、一日、50万件の検査を行っていると発表していますが、(フランスの5倍)これを着々と続けることで、他のヨーロッパとは、まるで違う結果になっており、医療施設や医療器具などもしっかり備えていたドイツは、フランスからの重症患者まで、受け入れてくれています。
結果は、一ヶ月後の数字にハッキリと表れています。(4月19日現在の数字です。)
ドイツは、死者数が桁違いに少ないのに比べて、快復した人の数が桁違いに多いのです。
死者数合計 4/19死者 ICU 快復
・イタリア 23660 345 2635 47055
・スペイン 20453 410 7371 77357
・フランス 19718 395 5744 36578
・ドイツ 4548 2 2889 88000
日本の近くでは、韓国が、やはり、徹底的な検査をして、感染の封じ込めに成功しています。
日本は、PCR検査を、未だに、徹底的にしない理由を、その後の受け入れ先が飽和して、医療崩壊を起こしてしまうから・・と言っていますが、フランスも、医療崩壊を恐れて、具合が悪くても、大多数は、家にいて、安静にしていれば、自然治癒するとし、悪化した状態にならなければ、検査もできず、呼吸が苦しくなるくらい悪化した段階にならなければ、検査を受けることは、できませんでした。
しかし、悪化してから検査をし、治療に当たるのでは、手遅れになるケースも多く、結果、一気に重篤な患者が増加し、医療崩壊を起こしたのです。
検査を徹底的にすれば、少なくとも、陽性と診断された人が、街をうろつくことも、職場に出ることはなくなります。
日本には、リモートワークが可能にもかかわらず、未だに、会社の命令により、通勤を余儀なくされている人もたくさんおり、緊急事態宣言が発令されているにもかかわらず、街を出歩く人が後を立たないのです。
ヨーロッパの国の明暗で、結果は、見えているのです。時間に猶予はありません。
コロナウィルスは、一人の感染者が10人に感染させることも可能なのです。
フランスも5月11日から、徐々にロックダウンを解除するにあたって、PCR検査を強化していくと発表していますが、検査は、ロックダウン前から全力でやってほしいと業を煮やしています。自分では気づいていない感染者が街に放たれてしまうからです。
日本は、まだ、毎日の感染者数の発表で、一喜一憂していますが、感染爆発後は、感染者数よりも、毎日の死者数と重症患者数(ICU)の推移を見るようになります。
世界中にこれだけ死者が出ているのに、日本だけが、例外だと思いますか? 経済の破綻も大問題ですが、これ以上、感染が広がれば、経済的なダメージもさらに広がるのです。
どうやったら、失敗するのか、どうやったら、被害を抑えられるのか、すでに、周りの国の結果を見れば、充分にわかるはずなのです。
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