2026年3月16日月曜日

フランス人の庶民のテイクアウト ランチとお惣菜            

  


 昨今の物価高はフランスとて同じことで、働いている人のランチ事情にも変化をもたらしてきました。なんとなくフランス人のランチというと、ワインでも飲みながら、カフェやレストランなどで優雅にランチ・・なんて想像する人もいるかもしれませんが、現在、そんな優雅なランチの光景は、ふつうのものではなくなりました。

 レストランやカフェなどのランチに代わってここ数年で急速に伸びているのがテイクアウトのランチです。

 一時、BENTOブームなるものが訪れたこともあり、実際にランチを家から用意して持ってくる人も増え、BENTO BOXなるものが出回った時期もありましたが、ここのところ、目立つのはやっぱりテイクアウトです。

 Uber Eats(ウーバーイーツ)などが浸透したこともあり、レストランなどでもテイクアウト対応が進みましたが、やはり、価格的にはレストラン価格に似通っていて(チョイスにもよりますが・・)、それよりもお手頃価格でテイクアウト・・となると、スーパーマーケットのテイクアウトできるランチボックスやお惣菜などが身近な存在で安価でラクなランチとして利用する人も多いようです。

 これらのランチボックスやお惣菜は、フランス人の労働者に供給されているレストランチケット(半額は雇用主が負担している)が使えるようになっています。

 そんな中でお寿司などは、けっこう人気もあるのですが、その他にパスタやピザ、そして、ご飯とおかず・・みたいなものも登場してきていますやはりフランスの伝統的というか、いわゆるフランス人の食卓に上りやすいようなお惣菜は根強い人気の商品でもあり、今回はそれをご紹介します。



 フランス人の身近な食べ物のひとつの中にプーレロティといったチキンを焼いたものがありますが、それをランチなどの一人用のポーションに切り分けてあるもの、これにサラダっぽい副菜として存在しているのがキャロットラぺ(人参の細切りに味付けして和えたもの)やセロリレムラード(根セロリーの細切りをマスタードマヨネーズで和えたもの)、タブレ(クスクスに野菜やハーブを混ぜ、オリーブオイルや塩などで味付けしたもの)などがあります。




 その他にキッシュ(ほうれん草やサーモンなど)なども定番のテイクアウトのお惣菜です。

 また、クスクスなども、もはやフランス人の国民食に近いような存在でもあります。




 そして、忘れてはならないのがフランス人は必ず食事の後にデザートを食べるということで、一人分のケーキやタルトなども小分けになって売っています。お昼用に買ったランチパックとともに小分けのケーキの箱を抱えている人が多いのもフランスらしいところでもあります。

 


 これを自分のチョイスで組み合わせると、レストランで食事をするよりもずっとお手頃価格でランチが楽しめてしまいます。


最近は、こんな日本みたいなお弁当も登場しています


 なんだか、あたりまえすぎて、今まで注目することはなかったのですが、ちょっと他の国の人たちがどんなものを食べているのか?どんなランチを食べているのか?興味がある人もいるかな??とちょっとご紹介してみました。


フランス人のランチ お惣菜


<関連記事>

「フランスのレストランチケット Ticket Restaurant とフランス人のランチ事情」 

「フランスの大学生に朗報 奨学生限定の1ユーロの食事が全学生に拡大」 

「パリのスーパーマーケットで拡大し始めた日本みたいなお弁当」 

「フランスの弁当(BENTO)ブーム」 

「フランスの学校のキャンティーン・給食」


2026年3月15日日曜日

フランスの研究者らがアルツハイマー病の新たなメカニズムを発見   

  


 3月初旬にリールの研究者らが発表した科学論文で、アルツハイマー病の発症と進行における細胞の関与が初めて明らかにされたとして、この発見により、発症前であっても早期介入が可能になるという希望が生まれたと注目されています。

 これは、神経科学と認知科学の研究者であるヴァンサン・プレヴォ氏の指導の下、フランスの国立保健医療研究所(INSERM)、リール大学、リール大学病院(CHU)によって行われた研究です。

 アルツハイマー病は、記憶と学習を司る脳領域である海馬に位置するニューロン(神経細胞)のゆっくりと進行する変性によって引き起こされます。徐々に変性は脳全体に広がり、記憶、日常的な作業の遂行、空間と時間の見当識に問題が生じます。

 アルツハイマー病患者に共通する特徴の一つは、主にニューロンに存在する「タウタンパク質」(神経細胞の中で物質を運ぶ仕組みで脳の神経細胞の構造を安定する役割)の異常な蓄積で、通常は少量が分泌されて血液中に排出されますが、アルツハイマー病患者のタウタンパク質の構造は変化し、ニューロン内で正常な機能が果たせなくなり、血流から適切に排出されないタウタンパク質はニューロン内に蓄積し、脳機能を阻害し、徐々にニューロンの変性を起こし、認知機能の低下に繋がるということです。

 ここでリール大学は脳と身体の他の部分との間の重要な情報交換を担っている「タニサイト」が重要な役割を果たし、タニサイトがタウタンパク質の輸送に関与し、脳脊髄液からタウタンパク質を補足して毛細血管へ輸送していることを発見したと発表しています。

 もう一つの発見はタニサイトが実はタウを脳から除去して血流へ輸送する主要な経路であるということです。

 マウスにおいて、これらの細胞の活動そ阻害することで、研究者たちは、アルツハイマー病の初期段階を発症したことを確認したと説明しています。

 そしてアルツハイマー病で亡くなった患者の脳を調べたところ、タウタンパク質を含むタニサイトが損傷していることが明らかになり、断片化された細胞は、もはや血液を脳性髄液に適切に結合できずにタンパク質の必用な排出を妨げていました。

 この発見により、「タニサイトが断片化する前に生活習慣の改善や薬物療法などを通じて早期介入を行い、タニサイトの窒息に対処することで、発症リスクを低減することが期待できると言われています。

 将来的にはこの発見はアルツハイマー病の予防に役立つ可能性はあるものの、現時点では、治癒できる可能性は低いとも言われています。

 現在、フランスでは約90万人がアルツハイマー病に苦しんでおり、現在の薬物治療やケア活動では、アルツハイマー病を治癒することはできず、認知機能低下の症状を遅らせることしかできていません。

 

アルツハイマー病のメカニズム


<関連記事>

「認知症ってそんなに急激に悪化してしまうものとは驚いた・・」 

「アラン・ドロンの人生終盤の泥沼劇」 

「高齢者の一年の変化は大きい」 

「フランスの高齢者施設オルペア Orpéa の実態暴露の大スキャンダル」 

「フランス人は、意外と長生き」 

2026年3月14日土曜日

パリで最も美味しいコンテ(チーズ)が買えるチーズ屋さん  Fromagerie Quatrehomme  

  


 亡き夫は何よりもチーズが大好きな人で、家にはチーズを欠かさない人で、小さかった娘にも、買い物に行く度にほとんど毎回、何種類かのチーズを買ってきて、「フランスには何百種類というチーズがあるんだ・・色々なチーズを知っておくべきだ・・いや、知らなければならない・・」などというようなことを言っていました。

 私も娘もその度に、少しずつ、味見程度に食べてみてはいたものの、残念ながら、娘は乳製品が全般的にあまり好きではなく、父親の食育をあまり歓迎してくれていませんでした。

 私としては、悪くない教育のひとつだな・・とは思いつつも、嫌がるものを無理に・・というのもなぁ・・と思わないでもなかったし、結局は自分(買ってくる本人)が食べたいんだよな・・とも思っていました。

 夫が亡くなってからは、あまり積極的にチーズは買うこともなく、たくさんあるフランスのチーズの中で数少ない娘が気に入っているコンテやたま~にカマンベール、ロックフォール、ミモレットなどをたまに食べたくなった時だけ買うくらいです。

 あとは、もっぱら、日本に行く際のお土産にかなり大量に買う(リクエストが多いため)だけなのですが、最近、近所のスーパーマーケットで、チーズを切り売りしているコーナーがなくなってしまい、全てすでにパッケージされたものばかりになってしまったため、チーズ屋さんに行こうという気になったのです。

 今回は、もうすでにかなりのチーズを購入済みだったのですが、娘がコンテ買ってきて!というので、美味しいコンテを探すことにして、これは!というフロマージュリー(チーズ屋さん)を探したのです。

 パリ中にチーズ専門店というのは、けっこうあるもので、ふだん、あまりチーズを買わない私にとって、その中でも美味しいチーズ屋さんを探すのは至難の業。それでも、これまでにも、ずいぶんと覗いて歩いたことはあるのですが、今回、見つけたお店は、その中でもなかなかなもの・・ちょっと、色々あるチーズ専門店の中でも、ちょっとレベルが違うな・・と思いました。

 Fromagerie Quatrehomme(フロマージュリー・キャトルオム)というお店で、フランス最高職人賞(MOF Meilleur Ouvrier de France)のチーズ屋さんで、コンテの熟成がとても評価されており、18~36ヶ月熟成など、複数のコンテを扱っています。多くのチーズ専門家が「パリ最高レベル」と評しているというお店です。




 まず、お店に入るともの凄いパワーのチーズの香りに包まれます。そして、圧倒的な種類の多さ・・そして、やはりコンテに定評があるだけあって、すでに切り分けられているコンテが山積みになっています。

 かなりのチーズ好きのパリジャン・パリジェンヌがひっきりなしに訪れ、「えっ?そんなに買うの??」と思うくらい買っていきます。私の前にレジにいたけっこう年配の女性もけっこうな種類をご購入なさっていて、ちょっと亡き夫を思い出し、チーズ好きのフランス人ってこんなものなのかな?と今さらのように思ったりもしました。

 私は、娘のご所望の18ヶ月のコンテを買ったのですが、けっこう大きな塊だったのですが、考えてみれば、スーパーマーケットなどで、パックされたコンテを買うのと、結局は値段的にはそんなに変わらないかも?と思うくらいでした。

 というのも、最近、メーカーによりパッケージされたチーズは日々、小さなパッケージになっており、「これで、このお値段?」と思うことも少なくないためです。

 このお店ではすでにお店の人の手によってパックされたものもたくさんありますが、その場で好きな量だけ切ってもくれるので、それも有難いです。頼めば真空パックにもしてくれます。 

 



 この他、チーズを使ったパイやキッシュ、パテ、チーズケーキなどもあります。

 そこまで期待していなかったこともありますが、これはなかなか良いお店を見つけた!とちょっと嬉しくなりました。

 


 レジのところには、可愛いオリジナルのエコバッグも売っています。

 このお店、パリには4店舗あるようですが、私が行ったのは、パリ7区にあるオデオンからも歩ける距離にあるお店です。

 コンテ好きの方がいらしたら、ここは絶対におススメです。

 



🌟Fromagerie Quatrehomme 62 Rue de Sèvres 75007 Paris 


<関連記事>

「2025年バゲットコンクール グランプリ受賞のお店 Boulangerie La Parisienne 」 

「リステリア症って何? シャヴグランチーズ工場のチーズ 死亡者まで出てリコール」 

「「孤独のグルメ」に登場するレストランに行ってきました! Le Bouclard Paris」 

「小さな子供に生乳チーズを食べさせてはいけない」 

「チーズとバゲットが好き過ぎるフランス人の夫」


 

2026年3月13日金曜日

労働省が「就職面接でますます一般的になっているハンドバッグテストは違法」と警告    

  


 ここ数年、フランスでは、就職面接の際にハンドバッグの中身をテストするケースが増加しており、このような状況に遭遇した就職面接に臨んでいる女性がソーシャルメディアや報道機関でこの状況に苦情を申し立てており、労働省は就職面接における「ハンドバッグテスト」は違法であると宣言しています。

 私は、フランスでも幾度となく、就職面接を受けてきましたが、幸いなことに、このような経験は一度もありませんでした。ただでさえ、少なからず緊張する就職面接のような場において、突然、「バッグの中身を見せてください」などと言われたら、どんなに驚いただろうか?と思うと、ちょっと信じられない気持ちです。

 仕事の機会は得たいものの、こんなことを求める会社は辞退したくなる気もします。

 このおかしな現象が、フランスで始まったのは、2025年頃からのことで、そんなに歴史は長くないものの、この慣行は、過去2年間でアメリカで広まったものだとも言われています。

 女性のバッグの中身はその人の生活の全てを物語るものであるとか、バッグの中の整理整頓がその人の能力を知るうえでの判断基準のひとつになりえる・・とか、そんな理由付けがもっともらしく説明されています。

 しかし、実際には、バッグの整理整頓方法と職業上のスキルを関連付ける科学的根拠は存在せず、全くのデタラメです。

 逆の見方をすれば、散らかったバッグはどんな状況にも適応できる能力と解釈できる可能性もあります。

 この「バッグの中身を公開せよ」という要求は紛れもなく違法。プライバシーの侵害であり、憲法、民法、欧州法に違反しています。

 また、このバッグテストは、多くの場合、男性はバッグを持ち歩いていないことが多いためか、圧倒的に女性に対して行われているテストで性差別であるとも言われています。

 フランス労働法・社会保障協会(AFDT)によると、「応募者がこのような不条理な慣行にさらされた場合、損害賠償を求めて法的措置を取ることができる」のだそうです。

 さしずめ、私自身に関して言えば、私のバッグの中身はかなりグチャグチャで、やたらと荷物が多く、このようなテストをされれば、一発アウトです。

 また、バッグの中身ではありませんが、私は以前、ある通信社で働いていたことがありますが、その事務所の乱雑さは、最初、衝撃的でもあったほどでした。

 このようなプライバシーの侵害のようなことがおこるなんて、フランスらしくないな・・と思うと同時に、これってセクハラ・パワハラの一種なのではないか?とも思うのです。


ハンドバックの中身テスト


<関連記事>

「バイリンガルになった娘の就職」

「フランスの教育・学校・バイリンガル教育 ①」

「今さらだけど、とっても大切な挨拶とありがとう ボンジュールとメルシー」

「フランスの雇用問題」

「盗難防止のため、2027年末まで店舗におけるアルゴリズム監視の試験導入法案可決」



2026年3月12日木曜日

欧州連合(EU)域内の女性のほぼ3人に1人がの暴力を経験しているという驚くべき調査報告書  

  


 EUの2つの機関である欧州連合基本権機関(FRA)と欧州ジェンダー平等研究所(EIGE)が発表した調査報告書によると、EU域内の女性の3人に1人が生涯で暴力を経験していることが明らかになっています。

 この調査は2020年9月から2024年3月にかけて18歳から74歳までの女性11万4,000人以上を対象に実施されています。

 欧州連合基本権機関(FRA)によると、「女性の約30%がパートナーから屈辱、脅迫、または支配的な態度をとられた経験があり」、約10人に1人が「パートナーから傷つけられた」と回答し、17.2%が性的暴力を受けた」としています。

 さらにFRAは、「女性の8.5%がネットいじめを受けた」と報告し、「10.2%がパートナーからオンライン監視、またはストーカー行為を受けた」と付け加え、オンライン暴力の増加を指摘しています。

 この調査によると、パートナーによる虐待の被害者のうち、警察に通報するのは、わずか6.1%、パートナー以外の人物から暴行を受けた被害者のうち、わずか11.3%です。

 EUは、女性に対する暴力を撲滅させるための法的文書である「イスタンブール条約」(女性に対する暴力および家庭内暴力および、これらとの闘いに関する国際条約)に批准し、各国に対し、法律整備や被害者支援体制の強化の義務付けや国際的な監視制度を設けることを規定していますが、事実上、これは全く機能していないと言わざるを得ません。

 しかし、このイスタンブール条約に対して、ブルガリア、チェコ共和国、ハンガリー、リトアニア、スロバキアの5ヵ国は批准していません。

 ちなみに日本は加盟していません。

 この調査に関しては、特にオンライン暴力の増加を問題視していますが、女性への暴力に関しては、「知られたくない」という心理が働くことから、通報にも至らず、暴力が常態化したり、無視されたりする結果に繋がることから、制度的な欠陥が浮き彫りになったと言えます。

 以前、職場にどうやらDVを受け続けているらしい同僚がいて、心配したことがありましたが、本人が「転んだ・・」などと言い訳するので、それ以上は介入できず、それでも、あまりに頻繁に転びすぎるので、「絶対、転んだんじゃないよね・・」などと言っていましたが、結局、彼女はしばらくして、仕事を辞めてしまって以来、その後はどうなったのかはわかりません。

 このような国際条約などには、実際には、まるで機能していないものがけっこうあるものです。


女性への暴力


<関連記事>

「フランスのクズ男は桁違い DV被害に遭っていた女性」 

「度を超えているフランスのDV 逮捕・投獄・釈放後に元妻を焼き殺す凶暴さ」

「フランス人の夫が突然、親友と絶交した理由」 

「ロックダウン中のDV 心理学的に強い強制への反発心 ストレスに弱いフランス人」 

「数度にわたる殺害予告の末、逮捕・拘留も、釈放され、元パートナーを殺害した男」

「「拷問および蛮行を伴うレイプ」で起訴されたボルドーの4人の男」

 

2026年3月11日水曜日

SHEIN はなぜ?そんなにフランスに店舗を展開しようとしているのか?      

  


 中国のオンライン・ファッション小売大手「SHEIN」がリモージュ、アンジェ、ディジョン、グルノーブル、ランスのBHV百貨店に出店することを発表しています。

 SHEINは、すでにパリの一等地にある老舗百貨店BHVマレ店内に店舗をオープンしており、この出店に関しても様々な物議を醸し、反対する声も多かった中、そのうえ、そのわりと直後にSHEINのウェブサイトの第三者販売専用セクションに少女の様相を呈したセックスドールやA級武器が掲載されていたことが発覚し、一時的にサイトは閉鎖され、大いに問題視されていました。

 その他、環境汚染や不正広告などについても問題を指摘されています。

 私も一度、BHVマレに入っているSHEINを覗きに行ったことがありましたが、店内においても大々的な広告がされているにもかかわらず、そこまでの人出は確認できず、それ以降もあまり盛り上がりは見せていないようです。

 というのも顧客側は、オンラインよりも価格が高いという印象を持っており、SHEIN側はこれは誤った認識であると主張はしているものの、顧客側がそのような印象を持っているかぎり、どういわれようとそのイメージを払拭しなければなりません。

 しかし、さすがにBHVの一店舗目のオープンから10日後にはすでにSHEINは、顧客を失望させないために、商品ラインナップや価格設定を変更する必要があると述べています。

 とはいえ、BHV全体を見渡してみれば、それ以外の店舗は本当に無残な客入りで、よくもこんな場所でこんな店舗を構えてやっていけるな・・とちょっとハタから見ても心配になるくらいです。

 SHEINの受け入れに関してはBHVに出店している店舗はある程度のステータスを誇りにしているというところがあるのでしょうが、そこにSHEINのような安さが売りのような店舗を加えることには抵抗があったとはいえ、これが顧客を呼び込む呼び水になるのではという期待もあったかもしれません。

 決して、上手く行っている感じでもないSHEINの1号店にもかかわらず、SHEINはなぜ?そんなにフランスに店舗を展開しようとしているのか?といえば、フランスを世界的ファッションの拠点として捉え、ブランドの信頼性の向上や欧州市場全体への影響力の拡大、「安いだけ」から「トレンドを作るブランド」への展開を目論んでいると言われています。

 フランスはEUの主要消費市場の一つでオンライン購買率も高い国であり、フランスでは都市部以外に住む顧客が多く、これに対応するものとも思われます。

 また、地方に店舗を展開することにより、現地での雇用創出や投資を強調することで、多くの規制の緩和に繋がることも期待していると思われます。

 とはいえ、決して好調とは見えないSHEINのパリ実店舗出店にもかかわらず、あくまでも強気のSHEIN。簡単には諦めないことが成功の秘訣という気もしないこともありませんが、この地方5店舗の出店が吉と出るか?凶と出るか?は、まだ不透明です。


SHEINフランスにさらに5店舗出店


<関連記事>

「仏婦人服ブランド Pimkie SHEINとの提携で業界から締め出し」

「80人以上の国会議員が求めるフランスにおけるSHEINの販売禁止」

「アンチファストファッション法 ファストファッションと超ファストファッション」

「なにかと話題のパリBHVの中のSHEINの店舗に行ってみたけど・・」 

「中国大手SHEIN 児童ポルノ人形販売による業務停止処分とCDG空港での中国からの小包20万個検査」


2026年3月10日火曜日

深刻化する子どもの持久力の低下        

   


 最近の文部科学省の調査によるとフランスの10歳~11歳の子どもの半数以上がジョギングペースで5分以上走れないことが明らかになりました。

 テストを受けた26万7,000人の児童のうち、半数以上が最低時速 9.5kmで5分以上で走ることができず、さらには18%は時速 8.5kmで3分以上止まることなく走ることができませんでした。

 このデータは性別や社会的背景に関連した不平等の拡大を浮き彫りにしており、非常に憂慮すべきものだと言われています。

 このテストは2025年9月に行われたもので、心肺持久力運動、立幅跳び、30メートル走の3種目で構成されていました。また、10歳以上の子どもたちには、少なくとも3分間、そしてその後少なくとも5分間、一定のジョギングベースで止まることなく走ることが求められました。

 最初の持久力運動で不合格となった生徒は5人に1人、2番目の持久力運動でも半数が不合格、全体として、持久力運動で満足のいく成績を達成した生徒はわずか34.2%でした。

 このうちの割合は女子では21.6%、男子では43%で、また社会的地位指数1(最も恵まれない地位とされる)の学校では合格率25.3%、社会的地位指数5(最も恵まれている地位とされる)学校での合格率は43.4%という数字も出ています。

 個人的には、子どもの持久力が社会的不平等に関連しているという見解は、「お金がなくても、子どもに運動させることはできるのではないか?」、うちなんか、決して豊かではなかったけど、子どもの身体を鍛えることは、夫婦そろって、お金をかけずにやっていた!」とピンと来ないところがあるのです。

 私はとにかく体力云々よりも子どもに健全にエネルギーを発散させるために、休みごとに市内のプールに連れて行ったり、夫は休みの日には、娘をグラウンドに連れて行っては知らせたりしていました。(常に肥満気味だった夫に対して、私はおまえも走れよ!などと思っていました)

 なので、決してお金がかかるものではなく、社会的格差が影響するものではないと思っていたのですが、こうして「社会的地位指数」などというものを基にデータを比較されて、このような結果が出れば、実際には、その違いは顕著であるので、認めざるを得ません。

 しかし、言えることは、結局は親の意識の問題で、やっぱり、この社会的地位指数の上位にいる人々は、子育てに対する意識が高いのだと言わざるを得ません。

 数年前から学校でのスポーツ、体育の時間の強化などという話もチラホラ聞いていましたが、わずか10歳やそこらで10分ジョギングできない子どもが半数とは・・さすがに深刻です。

 うちの娘は、とにかく小さい頃からエネルギーを発散させて、疲れさせることをひたすらやってきた結果、これが鍛えて続けていることになり、生半可なことではへこたれない娘に仕上がったので、10分やそこらで走れなくなる子どもなど、想像すらしないことでした。

 このような子どもの体力・持久力の低下には、身体を動かして遊んだりすることから、スマホ、タブレットで遊ぶ、時間を費やす子どもが増えたことも影響していると思われます。

 子どもは心身ともに健康に育てるためには、特に幼少の頃には、身体を動かさせることが大切なんだと思います。


フランスの子どもの持久力低下問題


<関連記事>

「私の子育ては、「いかに子どもを疲れさせるか?」がテーマだった・・」 

「フランスでの子どものお稽古事 習い事」 

「3歳以下の子どものスクリーン(タブレットやスマホなどのデジタル機器)の使用を禁止」 

「子育ての恐ろしさ やっぱり親の責任は大きい」 

「娘の友人関係に見るフランスの社会構造」