フランス各地、特にイル・ド・フランス地域圏(パリ近郊)の複数の高校で、学習環境への抗議として学校を封鎖する抗議運動が勃発しており、器物損壊、迫撃砲の発射などの過激な動きに警察の介入を招き、これらの問題行動は政界を二分しています。
まだ、新年度が始まって早々のこの高校での封鎖運動は、一ヶ月の間に勢いを増しつつあるようです。
昨今のこの種の動きは必ずSNSで拡散され、増長される気来がありますが、今回の高校生による高校封鎖の動きもまた同様です。
暴力的な抗議運動に発展しつつある動きに警察が介入を余儀なくされる事態に陥っているのですが、ソーシャルメディアで拡散されている複数の動画では、多くの生徒がこの警察の介入を非難し、抗議運動に対する「暴力的な警察の弾圧」、「平等を求める若者を警棒、催涙ガス、閃光弾発射器で殴打するのは、暴力だ!」だと訴えています。
そもそもの高校生が学校封鎖運動は、「全般的な資源不足(老朽化した校舎など)」、「教室の過密状態(時には32人から35人に達する)」、「教員や職員の不足(欠勤した教師の補充なしなど)」、などを訴えるものでした。
しかし、この学校封鎖運動は、単に学校を封鎖するにとどまらず、迫撃砲の発射や投擲物、放火、破壊行為にまでエスカレートし始めたものを警察、地域治安部隊(BRS)の介入を招いています。イル・ド・フランス地域圏知事は、9月初旬以降、地域治安部隊の介入は120回以上にも及んでいると報告しています。これは昨年同時期の71回を大幅に上回る数字であることも指摘しています。
それが今度は、この警察介入に関して、「抗議運動に対する弾圧」としての抗議に発展し、それに政治家の数々の発言が関わり始め、政界までを二分する事態に発展しているのです。
つまり、高校での封鎖行動は勢いを増し、政治的な側面を帯びてきているのです。
「暴力行為が発生した場合は、法執行機関が介入します」内務大臣と国民教育大臣は暴力行為や学校の完全封鎖が発生した場合、法執行機関が介入すると警告しています。
「高校生の表現の自由は尊重されるべきだが、暴力行為は容認できない」というのが彼らの警告です。
にもかかわらず、主要な高校生団体、高校学生組合(Union Syndicale Licéenne, USL)は、今後、フランス全土の高校を封鎖するように呼び掛けています。
若者の怒りを政治家が悪用し、政界は分裂状態に陥り、この学校封鎖運動は、教師たちが広く支持するであろう公務員ストライキを起こす可能性も帯びています。
学校封鎖行動は主にパリ郊外の高校で行われており、セーヌ・サン・ドニやヴァル・ド・マルヌ県のクリテイユでは、ここ数日学校封鎖が行われ、一部の教師の支持も得ています。
また、ヴェルサイユでも封鎖未遂やゴミ箱の放火など複数の事件が報告され、逮捕者も出ています。
この連鎖は、多くのフランスの抗議運動に関する動きに共通するものに思えますが、それが高校生発端というのは、低年齢化している・・というだけでは、語りきれないものがあります。
パリ郊外での高校封鎖運動
<関連記事>
「新年度からの高校でのスマホ禁止 フランス政府と現場の隔たり」
「猛暑とフランスの学校の設備 学校にもエアコンがないのがふつうです」
「想像以上に酷かったナントの高校でのナイフ襲撃事件 被害者少女に57ヶ所の刺し傷」




.jpg)




















