2024年4月19日金曜日

ギャラリーラファイエットグルメのレ・ヌーベル・ターブル ・デュ・グルメ(ストリートフード)

  


 実を言うと、私はデパートというものがあまり好きではなくて・・というより、買い物に行くということがあまり好きではありません。デパートに行くのは、ノエルの時にデコレーションをチラッと覗きに行く程度です。

 それでも食べることにだけは依然として、けっこう執着があり、美味しいものと聞けば飛んでいきます。なので、デパートとはいえ、ラファイエットグルメは時々、覗きに行くことはあります。常設している感じのお店もある中、わりと頻繁に入れ替わるお店などもあり、美味しいものを扱っているお店が期間限定で入っていたりもするので、これまで知らなかった美味しいお店を発見できたりもするのです。

 これは!というものを見つければ、ちょっと味見程度に購入し、気に入ったら、たいていはパリ市内に本店があるので本店の方に行ってみたりもします。

 昨日、たまたま、近くに用事があって、いつもと違う地下鉄の出口を出たら、ラファイエットグルメの近くであることに気が付いて、重たい荷物を持っていたけど、まあ、通り道、せっかくだから、ぐるっと覗いていくか・・と思って入ってみたのです。

 地上階は大した変化はなかったものの、1階(日本でいう2階)にレストラン(というほどかしこまってはいない)街のようなスペースができていて、はて?ここは昔何だったのかと思い返すに、以前はキラキラなカーブ(ワインやシャンパンやウィスキー、ブランデーなど)と食器などが置いてあったスペースだったと思うのですが、いつのまにか、すっかり様変わりしていました。


 まだ、あまり知られていないのか?そんなに混んではいませんでしたが、8軒のお店が入っています。「世界中のストリートフードからのインスピレーション」をテーマに出店しているレストランというか、フードコートのような、わりと気軽な感じのお店がおしゃれに並んでいます。


 以前のカーブだったスペースの名残りのような「ラ・カーブ」というワインや世界中のスピリッツを扱うお店もあります。


 その他、フレンチのひとつとしてロティスリー(鶏の丸焼きなど)、ペルー料理、地中海料理、アメリカ、インドなどの気軽に食べられる食事が集まっています。



 お味のほどはわかりませんが、ラーメンやお寿司を扱う日本食のお店も入っていました。

小さいワンカップの日本酒までありました!


 



 お値段は、ラファイエット価格なので、ストリートフードとはいえ、決してお安くはないものの、ラフな感じで楽しめそうなスペースになっています。

 そもそも、このスペースは、以前はワインを中心としたキラキラな、本当に美しい、お店というより博物館のようなスペースで一見の価値はあるようなスペースではあったものの、一般庶民には、敷居の高い感じでもあり、客足が若干、鈍いスペースでもありました。

 ギャラリーラファイエットだから、そんなスペースもあってもいいのかな?とも思っていたのですが、やはりフランス人でさえもワイン離れが叫ばれるなか、あの高級な感じのスペースがストリートフードのスペースになっていたとは驚きでした。

 しかし、ストリートフードとはいえ、そこはさすがのラファイエット、オシャレな感じに仕上がっています。

 ただし、個人的にはパリでストリートフード(ファストフード)といえば、ケバブではないか?と思うのですが、ケバブが入っていないのは、なんだか少々残念な気がしました。

 すっごく美味しいケバブのお店もあるのに・・。

 私が気が付いていなかっただけで、もう結構、前からあったのかもしれませんが、ラファイエットグルメといえば、これまで地上階、せいぜい地下の食料品売り場だけを覗いていた人も多いはず・・地上階を入って少し進むとエスカレーターがあるので、ついでにチラッとパリに集まっている世界のストリートフードスペースを覗いてみるのも楽しいかもしれません。


ギャラリーラファイエットグルメ ヌーベルターブルデュグルメ


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2024年4月18日木曜日

いつまで続くの?この気候? くもり時々晴れ、のち暴風雨・・

  



 春先は、天候が不安定になりがちではあるけれど、今年はちょっといつもより酷い気がしています。

 なにせ、全般的に年明けから天気の悪い日が多く、春が待ち遠しい気がしていたのに、春になっても、ちょっと晴れれば日差しは春の光になってはいるけれど、とにかく天気は荒れ模様の日が多いです。

 昨日も一昨日も、くもり時々晴れ、後、小雨が続いてその後は風が強くなって暴風雨みたいな感じになりました。朝、起きて、窓の外を見て、「やった!今日は晴れだ!」と思っても、そのうち、パラパラ雨が降ってきて、パラパラどころかけっこうな雨になったりもしtて、夕方になるとそれに風が加わって暴風雨です。

 先週は一瞬、20℃を超えるお天気の日が数日あって、「やっと、これで暖かくなる!」と喜んで、これならTシャツで大丈夫!と歩き回っていたら、翌週には、また冬に逆戻り。

 こんなところは、フランス人、実に服装の切り替えは鮮やかで、暑い日にはTシャツ姿、翌週、寒ければ皆、真冬の装備に戻っているところはさすがだな・・と感心します。

 いつもなら、お花見がてらにお花のきれいなところにでも出かけてみよう!などと思う季節なのですが、このお天気と気候では、そんな気分にもなりません。天気が悪い日が続いて、気持ちが沈みがちになったりすると、気候はその土地に住む気質にも影響しているんだろうな・・などということまで考えたりもします。

 以前は、雨が降っても、しばらく待っていれば止んでしまう感じだったので、雨でも傘をささないフランス人が多かったけれど、最近は、こう雨が多いとちゃんと傘をさす人も増えたような気がします。

 考えてみれば、日本には、よくある傘置き場のようなものや、雨に濡れた傘をカバーする袋のようなものが設置されていることもパリではほとんど見かけないので、今後はそういったものがパリにも必要になる日が来るかもしれません。

 これまでは、パリは一日中雨という日もあまりなかったし、もちろん天気の良い日は、青空にパリの街並みも美しく、夏の暑い日とて、本当に暑くて厳しいのは、ほんの1~2週間で、それも湿度が低いために建物の中に入るとスッと涼しかったりもしたので、気候も気に入っていたのですが、最近は、以前の気候とはすっかり変わりつつあるのを感じます。

 天気が良すぎるアフリカにいた時には、曇っている日には、心の底からホッとした記憶がありますが、パリでもこう天気が悪い日が多いと、気分もやる気も落ちがちで、もっと温暖な土地がよいな・・と、ないものねだりをしてしまいます。

 しかし、夏になれば、きっとまた猛暑がやってくるだろうし、本当に異常気象は年々エスカレート。猛暑の期間が長くなっているのは感じていたけれど、今度は雨の日が増えてきた感じ。確実に地球が壊れかけているんだろうな・・ということを実感しています。


異常気象


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2024年4月17日水曜日

オーストラリア シドニーでヒーローになったフランス人

 


 先週末、オーストラリア・シドニーのショッピングセンターで買い物客らが無差別に刃物で襲われ6名が死亡したという事件はフランスでも報道されていました。

 その時は、「オーストラリアでもこんな恐ろしい事件が起こるんだな~怖い怖い・・」とその事件の映像を見ながら同時に「これ、フランスでもありそうなことだな・・(実際にある・・去年もいくつかありました)」と思っていました。

 襲撃犯は射殺されているので、動機などは不明のままですが、精神疾患を患っていた可能性があると言われています。

 結局、その時の報道は、死亡者6名、乳幼児を含む負傷者12名というだけで終わっていたのですが、その後に、その襲撃犯がさらなる獲物にターゲットを向けている間にそれを阻止しようと介入した人物がいて、それが31歳のフランス人の男性であったことがわかり、にわかに彼はヒーローになっています。

 当日、事件の起こったコマーシャルセンターのジムに来ていたフランス人男性二人はこの襲撃事件に遭遇し、襲撃犯がやってくるのを見てなんとかしてこれを阻止しなければならないと夢中でこの襲撃犯と対峙したということで、このうちの男性の一人はインタビューにこたえ、「襲撃犯の目はうつろで、彼自身の魂が抜けているような感じだった・・」と語り、自分がヒーローと讃えられていることについて、「自分は当然のことをしただけで、本当のヒーロー(ヒロイン)は、襲撃犯を射殺した女性警察官である!」と話しています。

 彼らの勇気ある行動に対して、オーストラリアの首相も「フランスの英雄」として賞賛。

 彼は、2017年にオーストラリアに渡り、建設作業員として働いていたと言われていますが、ちょうどビザが切れるタイミングでビザを申請中のタイミングだったようです。

 オーストラリア国民からも彼は大絶賛されており、「これは人間の本性について多くを物語っている。私たちが困難な問題に直面したとき、この国の国民ではない人が勇敢にあのエスカレーターの頂上に立って、この襲撃者が別の階に到達してさらなる大虐殺を起こす可能性を阻止したのです!」と、ビザどころか彼にオーストラリア国籍を!という嘆願書がオンライン上で立ち上がり、あっという間に1,800名以上の署名が集まったそうです。

 しかし、署名を集めるまでもなく、オーストラリア首相は「彼はオーストラリア国民として喜んで歓迎したい人物、好きなだけオーストラリアにいてほしい」と話しています。

 これまで、幾度となく、フランスで同じような事件が起こって報道されることがあり、本当に恐ろしいことだと思う反面、このような事件が起こったときには、必ずといっていいくらい、警察官以外のその場に居合わせた男性が介入して助けてくれる・・ということも事実で、フランスには、恐ろしい事件も起こるけれども、勇気ある頼もしい男性も少なからずいることも事実のようです。

 フランス人には、窮地に至っている人を助けようとするような、こういう面もあるんじゃないかな?という気もしています。

 この件は、マクロン大統領もX(旧Twitter)で彼の勇気ある行動を讃えるポストをしています。


オーストラリアのフランス人ヒーロー


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2024年4月16日火曜日

パリオリンピックに関してマクロン大統領のインタビューで話したこと

  


 カウントダウンが始まりつつあるパリオリンピックについて、マクロン大統領がテレビのインタビュー番組に出演、熱弁を振るいました。マクロン大統領がこのインタビューの場所に選んだのは、オリンピックのテコンドーとフェンシングの会場となるグランパレの中でした。

 インタビューは先日起こったイランによるイスラエルの攻撃の話題から始まるというオリンピックに関するインタビューとしては、異例の話題で始まりましたが、フランスは、イスラエルの防空にも参加しており、このような不安定な世界情勢の中で行われようとしているオリンピックの安全性からも残念ながら避けて通れない話題でもあります。

 マクロン大統領は、このインタビューの中で、「オリンピックは外交上の平和の瞬間でもあり、少なくともオリンピック休戦に向けて取り組みたい。これは多くのパートナーとの間に敬意と寛容の精神を確認する機会でもある」と述べています。

 とはいえ、逆に考えれば世界中から多くの人々が集まり、多くの人々が注目するであろうオリンピックの場は、テロのターゲットとして計画されかねない機会でもあります。

 特にフランスが計画している今回のオリンピックの開会式は、オーステルリッツ橋から各国代表団専用の94隻の船がセーヌ川で行進してエッフェル塔に向かうという壮大な計画で通常の情勢でさえも、大変なリスクを伴うものになっています。

 これに対して、なぜ?こんなにリスクの高いことを行うのか?本当に大丈夫なのか?という質問に、「もちろんリスクはある」としながらも、「われわれは最大級の警戒体制をとっており、毎日3万人がこの警戒にあたり、ヨーロッパやアメリカ、アジアと協力体制をとりながら、諜報機関とあらゆる情報を収集し、サイバー攻撃も含めてリアルタイムに分析を行い、テロの脅威に備えている」と説明したうえで、「それでも、テロの危険性が確認された場合には、開会式は縮小され、プランB、さらにはプランCとして用意されている「トロカデロに限定」されるか、さらには「スタッド・ド・フランスに移送される」可能性もある」と語りました。

 また、この大規模の警戒体制を支えるために動員される人々をはじめ、オリンピック期間中(バカンス期間中)に働かなければならない人々が「CGT(労働組合)」を筆頭にストライキを計画していることについては、労働組合とその「責任精神」に対する「信頼」を表明し、「フランスはチームであり、統一国家であるため、我々はこの模範的な性質に対応しており、 私は、労働法や職場の安全に関して模範となることで、フランスが大きなイベントをどのように組織するかを知っていることを証明するつもりだ」と力説しています。

 どうにも「それは理想的にはそうなんだろうが・・」という話をものすごくエネルギッシュに語るのはいつものマクロン大統領の話にありがちなことです。

 オリンピックが開催されるのは7月26日からのことですが、実際には、オリンピックの聖火は5月8日にマルセイユに到着します。

 そして、オリンピック聖火は7月8日から26日までフランス全土を巡る450の中継都市を通過し、海外も含めてその聖火リレーの様子は全世界に報道されることになり、その一つ一つの都市のPRにもつながると説明しています。

 それにしても、フランスの大統領であるとはいえ、オリンピックの大会委員長であるわけでもないのに、大筋とはいえ、詳細にわたって自分の言葉で強く熱く語れるということは凄いことだな・・といつもながら感心してしまいます。

 我ながら、感動ポイントがズレているとは思うのですが、残念ながら、日本の政治家には、期待できないことです。


パリオリンピック


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2024年4月15日月曜日

電気料金の値上げとエネルギーチケット

  


 ここのところ、電気料金は毎年、着実に値上げされており、2024年は2月からさらに10%値上げされています。これは毎年徐々にあげられているため、数年前から比べるとずいぶん高くなったと思いますが、しかし、それでもこの値上げは国によって抑制されている状態のようです。 

 実際の電気料金は、これ以上に値上げされているのが現実なのですが、国が関税を調整しているために、これでも他の欧州諸国に比べて大幅な値上げを抑えているのだそうで、国からしてみれば、この調整を少しずつ段階的に終了させていく予定で、当初は2023年12月に終了予定だったものが、2025年2月までに延長されています。

 したがって、国は引き続きフランス国民の請求書の一部を一定期間負担しているわけで、この措置により、2024 年の国家予算では、30億ユーロが割かれています。

 ということは、2025年2月には、また確実に値上げされることは間違いなさそうです。

 これまでフランスは特にウクライナでの戦争が始まって以来のインフレのために、インフレ手当やエネルギークーポン(エネルギーチケット)などを数度にわたって配布してきましたが、全員に一律○○ユーロ・・ということはまずなくて、この援助の実質的な金額も所得によって違っています。

 このあたりは、とても合理的なところです。

 これは、前年度に申告された所得や家族構成(子どもの年齢や数など)により、自動的に配布されるもので、エネルギーチケットに関しては現金で支払われるものではなく、EDF(フランス電力)の個々のアカウントにデポジットとして、支給されます。

 今回のエネルギーチケットの平均支給額は150ユーロ(約24,500円)ということで、所得や世帯の規模に応じて48ユーロから 277ユーロ(約45,000円)とされています。

 このあたりの援助に関しては、フランスのシステムは非常によくできており、この枠内の人々に一定の率の金額(相当のバウチャー)を配布するとなれば、そのたびに個々に申請する必要はなく、自動的に振り込まれるようになっているところは、とてもスムーズで円滑に行われます。

 実際には、このチケットが配布された後は、電気料金は、そのデポジットから電気代が自動的に支払われることになるので、他の用途に使うことはできません。

 これらの援助に関しては、かなり手厚いと言えば手厚いのがフランスですが、年々、その援助されるはずの枠が狭められてきているのも国家の緊縮財政が見え隠れするところで、最近ではHLM(低所得者向けの公営住宅)の居住資格についての見直しを行う必要があることが話題に上がっています。

 このHLMについては、一応、2年に一度、チェックされているのですが、このチェックはこれまで居住権の問題もあって、わりと緩かったのですが、「所得の上限を大幅に超えた人々が公営住宅に住み続けることの妥当性を再検討する必要がある」と住宅大臣が問題を投げかけており、収入増加に応じて、家賃の増額、あるいは、退去が求められる可能性があります。

 フランスの場合、低所得者層への援助はこれまでも手厚いイメージがあるのですが、それだけ低所得者層がギリギリの生活に窮しているということでもあり、格差社会のあらわれでもあると思われます。

 そこのところが、税金を払う側にまわるか?もらう側にまわるか?などと揶揄されることにもつながっているのですが、実際のところは、ギリギリのところで、もらう側には回れない人々が一番厳しいのかな?という気もしてしまいます。


フランスのエネルギーチケット エネルギーバウチャー


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2024年4月14日日曜日

春の種蒔き ベランダ野菜栽培

  


 春になると、毎年、ベランダで野菜の種を撒くのが年中行事のようになっています。今年は、3月にしばらくパリを留守にしていたし、パリに帰ってきてからも、お天気があまり良くなくて、気温も上がらなかったので、ずっと頃合いを見計らってきました。

 そもそも私がベランダで野菜を育てるきっかけになったのは、最初にアフリカに引っ越したときのことで、アフリカといえば、そうそう簡単に日本に帰ってくることも難しく、持っていける荷物にも限度があって、日本の食べ物にしても、そんなに持っていけるわけでもなく、母が、持っていけないならば、自分で育てれば?と日本の野菜の種を持っていくことを提案してくれたのでした。

 今から考えれば、アフリカにいた頃はもっと時間もあったし、広いベランダもあったし、年中お天気もよかった(良すぎ)ので、もっと本腰を入れてやれば、どんなにか立派な野菜もできただろうに・・と思うのですが、あの頃は、とにかく私はフランス語を覚えることに必死で、そこまで真剣に野菜の栽培には取り組んでいませんでした。

 その後、フランスに引っ越してきてからは、しばらくは色々と落ち着かず、仕事と子育てに忙しい日々を送っていたので、野菜を育てることもすっかり忘れていました。

 とはいえ、パリに来て、生活も落ち着き始めてから、私のベランダ野菜栽培は再開し、日本に一時帰国するたびに野菜の種を買ってきては、春になると種まきをし、春先には春菊や水菜、小松菜などの葉野菜、夏にはきゅうりというのがお決まりのスタンダードになり、その他に小葱やにら、しそ、三つ葉、山椒などの薬味の類は、欠かせません。

 なにしろ、本当に猫の額ほどの狭いベランダなので、何を優先させるかは頭の痛いところです。今年は、いつものメンバーに加えて、スナップエンドウやからし菜、ししとうなどにも挑戦します。

 数年前にパンデミックのために突然、ロックダウンになり、家から出られなくなったときも、たまたまその直前に日本に行ったときに買い集めていた野菜の種が、いつも以上に役に立ち、当初はどんな病気なのか、予想もできずに、毎日毎日、外からは救急車のサイレンが聞こえてきて、テレビから流れてくるのは、もう病院に収容しきれない患者が溢れた病院の様子などで陰鬱になりがちだったときに、ベランダでの野菜の栽培には、心がなごみ、どこか土いじりに癒されている感じがしたと同時にどんどん育っていく野菜に実際に買い物に行くのも怖かったときに食卓を彩ってくれるとれたての野菜には、本当に助かった思い出があります。

 今でも春先の種蒔きの時期になると、あのロックダウンという前代未聞の時間を思い出します。

 現在は、どこにでも買い物には出られますが、やはり日本の野菜というと手に入りにくいものも多く、なにしろ、ベランダに出れば、ちょっとした青菜や薬味などが手に入るので、こんなに便利なことはありません。

 だいたい収穫が終わる秋の終わり頃には、枯れ枝を取り除き、土を大きなケースに入れ替えて、冬の間は、野菜くずなどを少しずつ土に埋めながら、翌年用の土を作ります。我ながら、「エコだな~!」と悦に入りつつ、土づくりをしています。

 この種蒔きの時期もなかなか頃合いをはかるのが難しく、早すぎれば芽が出ないままダメになってしまうこともあり、とはいえ、スペースにも限りのあることゆえ、後の予定が詰まっていて気は焦ります。

 私の場合、一番のメインイベントはきゅうりなので、きゅうりはだいたい例年からいくと、5月の日本のゴールデンウィークあたりに撒くのが一番成功率が高いです。きゅうりは、一旦、育ち始めると、ジャックと豆の木みたいに目に見えるかたちで、どんどん蔓を撒いてどんどん育っていくので、喜びもあります。

 少し背がのびていくと、毎年のようにベランダにやってくる鳩との闘いになるのですが、これも、根気よく闘っていく日を過ごしていくとそのうち鳩も諦めてくれます。

 こうして、ごくごく狭いベランダでも植物が育っていく喜びと太陽と土と水の偉大なチカラをしみじみと感じたり、同じように育てても、育ちかたが色々だったり、収穫の喜びを味わったり・・。こんな時間の過ごし方も楽しいものだ・・と思ったり・・。

 日本の家なら、庭もあるので、野菜を育てるスペースはあるものの、日本の野菜はいつでもどこでも簡単に手に入るために、きっとこんなことしなかっただろうし、こんな楽しみも味わうことはなかったと思います。

 海外生活ゆえに始めたこのベランダ菜園も今や私にとっては大切な楽しみになっているのです。


ベランダ菜園


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2024年4月13日土曜日

公共交通機関のトラブルに遭遇し続けた1日

  

電車とホームの間がこんなにあいている・・


 久しぶりの晴天に恵まれて、こんな日こそ溜まっていた用事を済ませよう・・と明るいなかばお花見気分で出かけました。気候も良くなって良い気分でバスに乗っていたら、久しぶりにいきなりRATP(パリ交通公団)の検札官の一団が乗ってきて、乗客のキセルチェックを始めました。

 私自身は、Navigo(定期券)のようなものを持っているので、それを検札官が持っているマシンにかざせば、OKなのですが、近くにいた若い男性が無賃乗車だったらしく、身分証明書の提示を求められ、「この場で払うなら、50ユーロ・・現金がなければ、クレジットカードでも払えます・・」などと言われていました。

 この男性、身分証明書を探しているのか?ゴソゴソとスマホをいじりだして、なかなか手続きは済みません。その間に別の無賃乗車だったらしい若い男性がいきなりバスを降りて逃走・・それを追いかける検札官の一団のうちの一部の人。

 その間、延々とバスは停車状態で出発できず。しばらくして、ようやく・・生半可には、解決しないと判断したのか?RATPの一団と捕まった男性は、そこで下車してやっとバスが出発しました。渋滞だけでなく、バスはこんなことでも遅れるのです。

 現在は、パリ地区は学校のバカンス期間ということで、工事のためにいくつかの路線が閉鎖になっており、迂回しなければいけないことも手伝ってか、平日の昼間というのに、その他の路線は少々、いつもより混んでいる感じです。

 この先、6月までは、まだまだパリのメトロ・・あちこちの路線で閉鎖が続くようです。

 そんな状態なので、パリ市内を動くのには、いつもなら、そこまで確認しないのですが、念のためにその路線が動いているかどうか?確認して動いています。

 そんなわけで、いつもはあまり乗らないRER C線を使おうとサイトでチェックすると、なんと、工事中でもないのに、「不通」と出ていてウンザリ・・この近くの他の駅は?何に乗ればよかったっけ??・・と考えながら歩いていると、不通なはずのC線の駅に人が下りていくのを見て、「えっ?もしかしたら、動いているの?」と一応、駅まで行ってみると、なんと電車は普通に動いていて、「なんだ・・動いてるじゃん!」とズッコケましたが、まあ、動いていないはずが動いているのだから、まあ良しとするか・・でも、サイトは必ずしもあてにならないことを確認。

 ふだんはあまり乗らないC線ですが、駅で停車した際に、車両とホームの間が少し段差があるうえに、けっこう間があいていて危ないな・・と思いました。

 ひとつ用事を終え、別の場所に移動するのに、今度は別のメトロに・・。ところが、今度は、乗ったはいいものの、突然、ある駅でメトロはストップ。理由も何も説明はありませんが、それは、いつものこと・・。まあ、そこまで急いでもいないし、座れているから、そのまま本を読んで待っていようと思っていると、隣に座っていた結構、年配の女性が運転席の運転手に「いつまで待たせるの!」と激しく抗議を続けていました。若くなくても凄いパワーで運転手に食って掛かる様子を内心「すげ~~」と思いながら眺めていました。

 そのうちに、「しばらく動けませんから、お急ぎの方は別の手段で移動してください」とアナウンス。そうは言っても、そういったとたんにメトロが動きだすこともあるので、しばらく待っていましたが、どうやら、当分、動かないようだからと私も諦めて、しょうがないから、バスで行こうと駅を上がっていき、一駅分、歩くと次の駅の前では、救急車が数台停まっていて、人だかりができていて、大騒ぎになっていました。

 どうやら、その駅で電車とホームの間で人がはさまってしまう事故が起こったとのこと・・さっき、C線で車両とホームの間があきすぎていて危ないな・・と思ったばかりのできごと、C線だけでなく、電車とホームの間隔がけっこうあいている場所は多いのです。

 ともあれ、あのまま電車の中で待っていなくてよかった・・と思ったのでした。

 こうやって、パリ市内を移動する中で、こうも次々とトラブルに遭遇し続けるとは・・オリンピック前で工事が多いのは承知しているものの、さすがにそれまでには、工事は終わっているとしても、こうも色々トラブルが多くては・・これは人災的な側面も多いため、ふだん、パリ市内の交通機関に慣れている人ならばともかく、大多数が外国からくる人々に埋め尽くされるタイミングでは、さぞかし混乱も倍増するのだろうな・・と、やっぱり思ってしまった1日でした。


パリの公共交通機関


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