2024年3月19日火曜日

娘の日本での確定申告でびっくりしたこと・・

  


 私は、海外に生活の拠点を移して以来、日本での税金の申告をしていません。(日本での収入はないので)なので、私が日本で税金の申告をしたのは、大昔の話で、それがどんなものであったのかすら、あまりよく覚えていません。

 もちろん、現在は、フランスで毎年、税金の申告をしていますが、現在はオンラインになっているので、そこまで面倒な話ではありません。未だに用紙に記入して送付したり、実際に税務署の窓口に行って申請することも可能ではあります。

 私がフランスに行ったばかりの頃は、ほぼ100%が用紙による提出で、その提出期限のギリギリ・・深夜0時には、なぜか、ちょっとびっくりするほどの人が駆け込みで税務署に税金申告の書類を提出しにきていて、なぜだかフランス人の夫もその一員であり、その際に、一緒に来てごらん!と言われてついていくと、税金申告ギリギリのタイミングでの税務署前の様子を見せてくれて、「フランスの社会勉強」となぜか、得意気だったことが強烈に印象に残っています。

 時間を正確に守らながちなフランス人がこれほどまでにキッチリと税金申告期日を守ることも意外だったし、また、一年の間の風物詩のように、このギリギリのタイミングに税金申告の用紙を提出する人ごみにわざわざ参加する我が夫のような人もいて、妙な風習だ・・と思ったものです。

 とかく、怠惰であまり働かない印象のあるフランスの公務員の中でも、なぜ?税務署だけは、こんなにきっちりと働くのだろうか?と恨めしい気さえしました。

 私がフランスでの税金申告をオンラインに切り替えたのは、たしか2018年のことで、やはり、それ以来、税金の申告は俄然、簡単になった気がしています。最近では、オンライン上で入力して申請した時点ですぐに、概算の税金額が表示されます。

 その後、数ヶ月後、それが確定した段階で、税金の書類が送付されてきます。この辺りは、フランスは(というより、他の国については知らないのですが)、とても上手くできたシステムが構築されています。

 今回、たまたま私が日本に一時帰国している時期が日本の確定申告の時期と重なって、娘は、当然、税金の申告は済ませているとばかり思っていたら、ある日、ぽつんと、「税金の申告期限に間に合わなかったら、どうなるの?」とヤバいことを言い出すので、事情を聞いてみたら、なんと、オンラインで申請しようとしたら、マイナンバーの暗証番号を間違えて、ブロックしてしまい、それ以来、オンライン申請ができないままストップしていると・・。

 そのマイナンバーの暗証番号登録のし直しを日本では、オンラインですることができず、区役所にいくつかの書類を持参して、自らが行かなければならないために、区役所は平日の昼間しかやっていないために行けていなかったとか・・。

 フランスのシステムしか知らなかった彼女にとって、暗証番号(パスワード)の再設定のためにわざわざ区役所に書類持参で行かなければならないことに憤慨。

 それなら、用紙に記入してのカタチでも期日どおりに提出しなければならなかったものをなんとなく放置してしまっていたのでした。

 昨年の申告は、概ね会社がやってくれていたらしいのですが、彼女は昨年の途中で、転職しているため、昨年度の収入の半分については、自分で申告しなければならなかったわけです。彼女も日本に来る前までは、フランスでは、自分の税金申告は自分でオンラインでやっていたので、フランスでの申告はどんなものであったかは彼女は理解していたのですが、日本の申告のシステムの違いに、「なんで、日本のシステムは、こことここの数字を入れているのに自動計算にならないのか? システムの作り方がなっていない!」と厳しい指摘。

 私は現在の日本での税金申告のシステムというか?形式の作り方について知らないので、彼女の言う、「ここと、この数字を入れたら、自動計算にできるでしょ!」と怒りながら、私に説明してくれました・・が私に言われても・・。

 このオンライン申請のシステムの不具合については、日本ならばさもありなんと思わないでもありませんが、それを今の段階でどうこう言っても始まらず、その様式でやるしか仕方ありません。

 それ以上に驚いたのは、彼女が払っている住民税の金額とその他の社会保険料等の金額の多さで、「そんなに日本って税金高かったの? 私が日本で税金を払っていた頃は、こんなじゃなかった!」と。いくら彼女の収入が比較的多いかもしれないとはいえ、そこまで高収入というわけでもなく、それで、この住民税等の金額! これで家賃やら生活費など、もろもろ払っていたら、そりゃあ、日本の若者は貧しくなるわけだよな・・と、現在のところ、娘は独身で扶養家族もいないわけで、控除される金額は少ないけど、若いうちは、収入だってそれほど多くはないのが普通なわけで、厳しいのだろうな・・と妙に納得するというか、気の毒に思うやら・・。

 フランスも税金や社会保険料は高いのですが、それでも、それに見合うものがもう少しはあるように感じます。娘の税金の申告を通じて、日本での働いている若者に対する仕打ちというか、酷な現実を見せつけられた気がして愕然としたのでした。


日本の確定申告


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2024年3月18日月曜日

グルメな親友との至福のひととき 日本橋 かに福本店

  


 今回の一時帰国は、日本にある家についての手続き上のことで、どうしても帰国しなければならなかったために、いつもの一時帰国とは若干、異なるものではあったのですが、それにしても日本に来たからには、食べたいもの、できるだけ美味しいものを食べるということをおろそかにするわけにはいきません。

 私の周囲の人々も慣れたもので、私の好きそうな食べ物やお店を探しておいてくれるのです。

 なかでも私の親友のグルメ度は見事なもので、かつて、食べログなどのサイトもなかった頃から、どこどこのなになにが美味しいとか、例えば、この場所で和食、お寿司、お蕎麦、イタリアン、中華、フレンチ(などなど)なら、このお店がいいなどの情報が常にアップデートされていて、歩くグルメマップとよばれる存在で、美味しいものを食べたい場合は彼女を頼りにしていました。

 また、味覚は人それぞれなので、人によって、美味しいと感じるものは異なり、良いと思うお店も違ってくるので、食べログなどの場合、評価が高いといっても必ずしも私にとっては、そうでなかったりする場合もあるのですが、彼女の味覚というか食の好みは私のそれとほぼ一緒なので、彼女は絶対的に信頼のおけるグルメマップであるわけです。

 今回も彼女と会う際に、私と行ったことのない美味しいお店を探しておいて!という、かなりざっくりしたお願いをしていたところ、彼女は「カニ」のお店を探して予約しておいてくれました。

 絶体的に信頼をおいている彼女の選んだお店は、絶対、美味しいことはわかっていましたが、今回、彼女がチョイスしてくれたお店は、これまでの中でも群を抜いていて、というか、今の私にとっては、感動的なものでした。

 彼女のすごいところは、同じ店舗でも、本店の方がいいとか、この時間帯がいいと細かく考慮してくれるところで、今回は、日本橋にある「かに福」本店で、そのちょっとレトロな感じのお店と本店のメニュー(他の支店とは異なるらしい)、そしてそのカニ料理の素晴らしいこと!

 私は、正直、カニ料理のお店に行ったのは、初めてのこと。カニ料理とは一体、どういうものが出てくるのかさえも、わかりませんでした。

 しかし、最初に出てきたカニのお造り(ズワイガニとタラバガニ)は、私がこれまで食べたことのなかったもっちりとした食感で、カニ味噌については言うまでもなく絶品。

 そして、カニクリームコロッケとカニクリーム大葉巻き天ぷら。どちらも、よくぞこれをサクッとトロッと揚げられると感心するほどで、中には、カニがたっぷり惜しみなく混ぜ込まれています。

 次に出てきたのがカニの茶碗蒸し、そしてお重につめられてくる「かにめし」には、食べすすめていくうちに違う食べ方ができるように、わさびとわけぎなどの薬味とともに出汁がついてきて、最後には出汁とともに味わえるようになっています。

 またこの「かにめし」には、壺に入った、切り干し大根、お漬物、生姜の甘煮が一緒に出てきて、このご飯とともに味わえるようになっています。

 その切り干し大根もほどよい戻し加減でちょうどよく煮上がっていて、生姜の甘煮はこのかにめしとの相性が抜群です。

 なによりもこのかにめしには、ほぐしたカニがたっぷり混ぜられているうえに、たっぷりのせられています。

 初っ端のカニのお造りの段階から私は、もう感動のために悲鳴をあげそうになったほどです。

 フランスに行って以来、年々、感情表現が大胆になったというか、リアクションが大きめだと言われることが多い(特に美味しい食べ物に関しては・・)私ですが、今回は特におさえるのが大変(別に抑えようともしていませんが)、店員さんが次のお料理を運んで、お皿をさげてくれにきたときなど、「もう〜ほんとにおいしかったです!」と大絶賛!

 しかし、私でなくとも、周囲のお客さんの中にも思わず、唸るように「美味し〜い!」と口にしている声があちこちから聞こえてくるほどです。

 とにかく、今日のランチは、ちょっといつもとは群を抜いている感動ランチで、親友と、美味しいものを分かち合いながら、「美味しいものを好きな人と一緒に楽しめるって、とっても元気がでるね!」と言いながら、一つ一つのお料理に二人で真剣に向き合う比類なき楽しいひとときでした。


日本橋 かに福本店


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2024年3月17日日曜日

いつのまにか、日本でカーシェアを上手く使いこなしている娘にビックリ!

  


 娘が日本で運転免許を取得したのは、昨年の夏のことでした。彼女はフランスでも運転免許を取ろうとしていたのに、学業の都合で転居したり、パンデミックが起こったりしたために、免許の取得が中断したまま、日本で就職することになり、フランスでの免許取得は、長期延期状態になっていました。

 昨年の夏、彼女が転職を決めた段階で、次の仕事との間に2ヶ月ほどの時間ができ、その間に彼女はフランスに一時帰国したり、他の国を旅行したりした挙句、残りの短期間の時間で日本の運転免許証を取得したのでした。

 当初、彼女は、とりあえず免許は取れる時にとっておくだけで、車はお金がかかりすぎるので必要ないと言っていたので、そのままペーパードライバーになるのかと思っていました。

 ところが、いつのまにか、彼女は日本でのカーシェアのシステムを見つけ出し、また、そのカーシェアのパーキングが家の近くに軒並み増え始めたことをきっかけに、カーシェアをけっっこう利用しているようです。

 カーシェア会社に登録し、月額料金880円払うだけで、あとは、車を使うたびに、予約すると破格の値段で車を借りることができるシステムで、別途に保険料やガソリン代なども払う必要はありません。もちろん車を買えば、それなりにかかる管理料(税金や駐車場代、車検など)もいりません。

 しかも、あちこちにそのカーシェアのパーキングがあるので、その中から事前に車種などを選べば、好きな時に利用できるので、自分で車を買う必要もないのです。

 予約時間にパーキングに行けば、アプリでロックが解除できるようになっていて、誰の手を介することもなく、車を利用できるのですから、こんなに安く便利なことはありません。

 今回、私が帰国した際も、彼女の方から、「夜だと特にカーシェア料金も安いから、羽田に迎えに行ってあげる・・多分、ママがリムジンやタクシーで帰ってくるよりもずっと安いよ!」と申し出てくれて、彼女は、その車で羽田まで迎えに来てくれました。

 私が日本にいた大昔?には、カーシェアではなく、レンタカーで、レンタカーとなると金額もそこまでお得というわけでもなく、都内でわざわざレンタカーを借りるということは考えたこともなかったのですが、時代はどんどん変わっているようです。

 この誰の手も介さなくてもよく、おまけに家の近くにこのパーキングがたくさんあり、おまけに料金がビックリするほどお手頃価格とあれば、本当にもう車を買う人はいなくなってしまうのではないか?と思ってしまうほどです。

 彼女曰く、色々な車に乗ってみることができるので、それはそれで楽しい・・と。

 まあ、車に限ったことではないのですが、とどのつまりは、彼女はネットであらゆる便利で安いものを探し出し、上手く使いこなしているわけで、どんどん進化している社会をスイスイ乗りこなしているようなもので、私は娘のおかげでなんとなく、その情報の一部を知り得ている感じです。

 公共交通料金も結構、値上げしているので、どこかに出かける場合、交通費をざっと見積もってみると、意外とこのカーシェアで車を借りて出かける方が安かったりするわけで、基本、借りた場所に車を返すのですが、乗り捨てもできる(パーキングによっては不可能な場合もあるが)ので、それらを上手く調整すれば、本当に便利で安い移動手段です。

 私などには、ネットやSNSは、いまひとつ苦手意識が拭い去れず、すでに知っているサービスについていくだけでもあっぷあっぷなのですが、デジタル世代は、本当にそれらに何の抵抗感もなく、次から次へと新しいものをみつけて、利用することができるので、彼らにとったら、本当に生きやすい世の中なんだろうな・・とうらやましく思います。

 通勤などには(そもそも彼女はリモートワークが多いため、あまり通勤はしませんが)、このカーシェアリングは利用していないようですが、こうして彼女はどんどん運転にも慣れていくんだろうと思います。

 もともと注意力散漫なところがあり、車の運転は向いていないのでは?と私は娘の運転免許取得には、あまり好意的ではなかったものの、今の彼女の様子を見ている限り、やっぱり少しずつ慣れていくもので、時間がある時に免許をとっておいたのは、正解だったな・・と思っているのです。


カーシェアリング


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2024年3月16日土曜日

年々、時差ボケがどうしようもなくなってくる・・

  



 今回の一時帰国は、過去最悪の時差ボケの強烈さで、とにかく日本に来て、もう5日ほど経とうとしていますが、一向に治る気配がなく、一日平均2〜3時間くらいしか眠れていません。

 なにしろ、到着した初日は機内で多少は眠れたものの、それもほんの数時間、その日の夜はとうとう一睡もできなかったのですから、スタートからして、未だかつてないほど酷いのです。

 それでも、前日は、全く眠れていないのですから、翌日はさすがに眠れるだろうとたかを括っていたのですが、眠れるには、眠れたものの、娘とついついおしゃべりをしていて、夜、遅くなってしまったというのに、早朝、まだ夜もあけないうちに目が覚めてしまいました。

 たいていは、時差ボケは時とともに少しずつ緩和され、現地時間にアダプトしてくるので、1時間ずつくらい目が覚める時間が遅くなってきて治ってくるので、以前は、むしろ、早朝に目覚めてしまっても、逆にそれを楽しんでいるようなところがあって、早朝のコンビニを覗いてみたりして、いやいや、こんな時間なのに、お客さんがいるもんだな〜と感心してみたり、新製品を珍しい気持ちで眺めたりして、苦しいと言いながらもまだまだ余裕の時差ボケというかんじだったのです。

 常日頃は、朝、起きた瞬間から空腹を感じるということなど、まずあり得ないのに、時差ボケの場合は腹時計もイカれているわけで、朝から美味しく食事ができたりもするのです。

 ところが、今回の時差ボケの体内時計は、逆に進み始め、毎日、毎日5時、4時、3時と目が冷める時間が早くなり、ますます睡眠がとれなくなっているのです。

 もうこうなってくると身体はだるいは、ガチガチに固まるは・・頭がボーッとして・・というのを越して、脳が膨張して、ブヨブヨになっていくような感覚です。

 昼間に眠くなっても、日中、寝てしまったら最後、夜、眠れなくなる・・ともう恐怖と体力の限界。しかし、悲しいかな、限られた日本滞在期間に済ませなければならない用事は、山積みなのです。

 蓄積されていく疲労にもうホントに辛いです。

 いつもはフランスでも必ずしも、きっちりした時間に寝ているわけでもないにも関わらず、サマータイムの関係で1時間の時間がズレるだけでもしばらくは、身体がついていくのが大変なので、私は、サマータイムやめて欲しい派です。

 いずれにせよ、時差ボケは、フランスに帰った時よりも日本に来た時の方がなぜか辛いのは、いつも同じだったのですが、下手をしたら、今回は、日本滞在中、時差ボケがなおらないままフランスに帰ることになるかもしれません。それなら、フランス時間のまま帰ることができるなら、帰りの際はすんなり戻れると思いきや、それはそれで、再び壊れている状態になります。ホント、時差って大変です。

 以前、長い間、アメリカで勤務していた弟が今はシンガポール勤務になって、日本との時差がほとんどなくなったのは、ホント楽!としみじみ言っています。

 今回は、睡眠って本当に大切。長距離フライトだけでなく、この時差ボケをなかなか克服できないことも、日本に来る大きなハードルの一つになってしまいそうな気がしています。日本への一時帰国は楽しいのですが、体力的には、どんどんキツくなってます。

 今回、感じているのは、はっきり言って、時差ボケは身体に毒。

 今晩は、どうか、よく眠れますように・・。


時差ボケ


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2024年3月15日金曜日

周囲の人たちが抱える親の介護と日本の家の相続問題

  


 日本に帰国して以来、今のところ、毎日のように次から次へと会っている日本に住んでいる従姉妹や叔母や弟などの親戚の面々。それぞれに、お互いを子供の頃から知り合い、共通の思い出を積み重ねてきた彼女、彼らは、年齢を重ねるとともに、より大切に思える貴重なものを共有している者どおしが持つ親しさに格別なものを感じています。

 そんな同世代の彼女たちが現在、抱えている問題は、親の介護と相続問題。

 どの家も少しずつ、カタチは違うものの、将来に対する不安には、共通するものがあり、同様の悩みを打ち明けつつ、「みんな色々あるんだなぁ〜」としみじみ感じています。

 多くは、結婚するなり独立しているので、親とは離れた(といっても国内、しかも車で行き来できる範囲ではありますが・・)場所で生活していて、歳とともに、親が病気をしたり、怪我をしたりして、トラブルを抱える回数やその深刻度は、ここ数年でどんどん増していて、両親が揃っている場合は、もしも、両親のうちのどちらかに何かがあった場合は、どうしよう?

 もうすでに居を別に構えている自分たちと、かつては自分たちが育った両親が住んでいる家を将来どうしよう?と皆が不安に思い、また、兄弟間での相続問題など、どうしようか? どうなるのか? については、急ピッチで考えて動き始めなくてはならない状況のようで、「けっこう皆、それぞれに大変そうだ・・」と思うのです。

 我が家の場合は、もうすでに両親ともに他界してしまっているために、すでに相続手続きは住んでいるのですが、動産ならばともかく、家の相続となると、厄介で、その家を残して、兄弟のうちのどちらかが住むか? 家を処分して、もっと住みやすいマンションなどに買い替えるか?など、色々と考えあぐねているようで、「どこの家も大変なんだなあ・・」と思い知らされています。

 私の周囲の場合、だいたい両親が一軒家に住んでいるケースばかりなので、たとえ両親が揃っていたとしても、老夫婦だけで住むのが少しずつ難しくなっているようで、かといって、自分の家やマンションがあり、自分の子供たちの生活環境など(学校の問題など)もあるので、そうやすやすと居を移すことは難しく、親の側が頑として動きたがらずにいたりと苦労しているようです。

 そして、同時に自分たちの老後、そして、子供にどう不動産を受け継いでいくのかなども同時に考えていて、そうなってくると、どうしても子供の数が少なくなっているために、家族内というか、親族内でどんどん家が余ってくることになり、それを将来、子供たちが相続したとしても、そのまま相続すれば、大変な負担になってしまうのだろうと、皆、それぞれに考えあぐねていて、自分の親から相続することと同時に次の世代に相続させることを考えなければならず、かといって、将来、自分たちがどうなっていくのか?必ずしも思い描けるわけでもなく、日本で空き家問題が増えているのもわかるような気がしています。

 まあ、相続問題で頭を悩ませることなど、贅沢といえば、贅沢な悩みではありますが、でも、みんなが久しぶりに会う私のところに来てくれてはそんな話をしていくので、それぞれの家族構成を昔から知っているだけに、親の急激な老化に直面している話を聞いたりすれば、身につまされるような気持ちになるのです。

 しかし、まあ、そんな話を聞きつつも、無駄口もけっこうたたいて、楽しいおしゃべりの時間はあっという間に過ぎていきます。

 以前は、子供の教育などについて、色々と話したりもしていた時期もあって、そんな時は、その時々は、一生懸命であったにしても、現在の老化と相続の問題は、より深刻で、予想外のことが次々と起こるために決して楽しい話ばかりではありません。

 私などの場合は、たまに海外からやってくるということで、かえって気楽に話しやすいということもあるかもしれませんが、どどん・・と重いものを抱えている彼らが愛おしいような気さえします。

 そういう私も今回、急に帰国しなければならなかったのは、日本にある家の件についてなのですが、もうどうするかは、弟と事前の打ち合わせでどうするかは決まっているために、そこまで深刻な話なわけではありません。

 しかし、年齢とともに直面する問題というものは、皆、似通っています。


相続問題


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2024年3月14日木曜日

最近の日本到着後の定番スケジュール

  


 私が日本への一時帰国の際、まず行く場所は美容院で、とにかく、とりあえず、日本行きのチケットを取ると、到着翌日の美容院を予約します。

 前回は、たまたま帰国翌日の日が美容院の定休日に重なってしまったために、その穴を埋めるために急遽なんとか、長期のフライトの疲労回復のために、初めてマッサージに行ったのですが、それに味を占めて、今回は、美容院と同日にマッサージを予約、この日で、かなり回復できるだろうと目論んでいたのでした。

 ところが、美容院が想像以上に時間がかかり、昼食の時間を逸し、思っていた場所での食事ができなくなり、それからが運の尽き。とりあえず、もうここでいいやというお店で食事をし、予定していた買い物も一軒だけに縮小して、次の場所に移動。

 その日は、一日中雨と風に見舞われ、気温も低く、移動のたびに傘をさしていても濡れ、マッサージの場所についたときには、身体も冷え切って、疲れ果てていました。

 途中の予定を飛ばしてしまったために、マッサージの予約時間にはまだ早かったのですが、とりあえず、もう外をうろうろしている元気はなく、とりあえず、予約時間に遅れないように、その場で少し待たせてもらうつもりで向かいました。

 すると、すぐに待たずにマッサージを開始してくれるというので、着替えて、いそいそとマッサージ台へ。

 ところが、身体が冷え切っているうえに、ガチガチになっていて、マッサージの痛いこと痛いこと!ほんの小さな刺激でさえもが拷問のような感じです。

 前回のマッサージの際には、身体中に血管がどう張り巡らされているのかを実感できるような感じで、身体がほぐれていく感じだったのに、今回は身体がガチガチに固まりすぎていて、もう痛いこと痛いこと!

 後半になって、ようやく身体がほぐれはじめて、少し身体が動く感じがしたものの、なんとなく、前回のようにはいかずに、消化不良な気分で、また雨風の中、帰宅したのでした。

 その日は一日中、雨で、もう疲れ果て、前日、時差ボケのために家に着いてからまったく眠れていなかったので、さすがにこの日は眠れました・・・がまた、翌朝は、早朝5時にパッチリ目覚めてしまい、また、料理をしたり、洗濯をしたり・・眠れずにイライラしながら寝返りを打っているのはもったいないと、動き始めました。

 しかし、身体は疲れがどっと出て、この日の予定は入れずに少し、ここでゆっくりとしてその後に備えようと、午前中の早い時間から、銀行に行ったり、近所で買い物をしたりして、「さあ!もう今日は家にいよう!」とあらためて、この家で過ごした日々の思い出に浸りながら、掃除をしてから、仲良しの叔母に到着のご挨拶がわりの電話。

 結局、その日はもう私はどこにも出かけたくないという私のわがままから、叔母が家に訪ねてきてくれて、一緒におしゃべりをしながら、しばし楽しい時間を過ごしました。

 本当に前日の雨風が恨めしいくらいの晴天でした。

 夕方には、従姉妹から連絡があり、仕事帰りに寄ってもいい?というので、「私は出かけたくないけど、それでもいいなら・・」と彼女の到着を横になりながら待っていました。

 みんな、日本食に飢えていると思ってくれているのか、みんなが食糧持参で来てくれるうえ、私自身も買い物に行くたびに食べたいものを買ってきているので、それらをワイワイとおしゃべりをしながら、一緒に頂きました。

 途中で娘も仕事からお土産持参で帰ってきて、それに参加。日本に来て、外食も楽しいですが、「疲れてる・・」という私のわがままで、家にまで来てくれることをありがたく思いながら、こういうのもいいな・・と自分の都合よく思うのでした。

 今回は、あまり荷物が持てなかったので、おみやげはいつもに比べるとあんまり買ってきていないのですが、とりあえずは、大きなチーズの固まりを買ってきているので、人が来てくれるたびにそれらを切り分けてお土産がわりに持って行ってもらうと、半分お世辞でしょうが、みんな、とっても喜んでくれて、あ〜フランスのチーズに助けられたな・・と変なことを思うのでした。

 まだまだ、これから先は、本来、今回の帰国の用事の本題の方が控えているので、無理をせず、楽しく過ごしたいと思います。

 みんな、私のわがままを許してくれて、ありがとね。


マッサージ


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2024年3月13日水曜日

機内で出会ったイタリア人女性の1ヶ月間の日本一人旅

  


 日本に来る飛行機は満席で、しかもケチって座席指定もしていなかったので、一体、どの席に割り振られているのかは、運次第とはいえ、そのフライトの良し悪しを大きく左右するものでもあるので、心配でもありました。

 私が飛行機に乗り込んだときには、私の隣の席には、もうすでに若いヨーロッパ系の女性が一人座っていて、とりあえず、こんにちわとあいさつをして、私は通路側であったことにホッとしていました。

 私は、以前に怪我をして、足に血栓ができたことがあって、それ以来、飛行機に乗った時には、定期的に機内を歩くようにとお医者さんに注意されているので、そのために本当は通路側が好ましいのです。

 通路側であることにホッとしたとともに、あいさつをした感じで、13時間近くという長いフライトの間の隣人となる人が、ちょっとふっくらした、穏やかそうな感じの良さそうな若い女性であることに一先ず、よかったな・・と思いました。

 出発時、機内のアナウンスからは、「オンタイムで出発します」ということだったのですが、結局、飛行機が離陸したのは、予定時刻を20分ほど過ぎた頃でした。まあ、20分程度の遅れならば、フランスの航空会社としたら、ほぼオンタイムに等しいことです。

 飛行機が離陸してすぐに隣の彼女は早々に寝てしまい、なんとなく、寝そびれてしまった私は、食事のサービスが終わったら、寝ようと、大人しく、映画を探してみたり、持っていた本をちらちらとのぞいていました。

 隣の女性は、眠っていたので、食事をパスしてしまうのかな?と思っていたら、食事のサービスが始まると、器用に目をさまして、黙々と食事を始めました。ただ、アジア系の顔をしていない彼女は、CAさんからみたら、フランス人だと思われたのか、サービスのたびに悉く、CAさんからフランス語で話しかけられ、おそらく大体の意味は理解していたものの、返答に困っていたので、ああ〜彼女はフランス人ではないんだ・・と私はその時に彼女がフランス人ではないことに気が付きましたが、そして、その時は、あえて、どこの国の人が尋ねることもしませんでした。

 日本行きの直行便なので、日本人かフランス人が圧倒的に多いわけで、日本人の顔をしていれば、CAさんは、たいていは英語で話しかけてくれるのですが、彼女に対しては、フランス人以外であるということに気をとめることもなく、あくまでもフランス語で話しかけるのには、その度に少々、決まりの悪い顔をしている彼女が気の毒な感じがしていました。

 彼女と話を始めたのは、到着4時間くらい前になった頃のことで、彼女の方から、「すみません、座席の下に髪をとめるクリップを落としてしまったのでさがしているのですが・・」というので、一緒に探し、わりとすぐに、それは見つかりました。

 その時も彼女は私に英語で話しかけてくれたので、どちらの方ですか?と聞いてみたら、彼女はイタリア人の若い女性でこれから、1ヶ月近くを日本中を一人で旅行して歩くつもりだという娘と対して年齢が変わらない女性でした。

 彼女曰く、日本に行くのは初めてのことだけど、自分は日本が大好きで、日本の食べ物、日本の文化、マンガなど、全てが大好きで(マンガだけではないのよ!とマンガオタクではないことを強調)、1年近く前から、着々と準備をして、毎日、カレンダーに印をつけながら、ものすごく楽しみにこの日を待っていたということで、もう全てが準備万端でワクワクしている!と目を輝かせて話してくれました。

 どこの国の人にしろ、それがどんな理由であろうとも、日本にそんなに好感を持ってくれる人に出会えることは嬉しいことです。この旅行のたびに彼女曰くお金を貯めるために、1日9時間以上働いてきた・・と話してくれて、一瞬、イタリア人が毎日9時間以上も働くんだ・・と内心驚いたのも事実です。

 彼女は入念に日本国内の行き先を選び、どこへ行って何をするか?宿泊先も全て予約済みとのことで、当然、ジャパンパスレールも準備し、日本の携帯のSIMカードまで、すでに持ってきているの!と得意げに見せてくれました。

 それから、色々な話しをして、しばらくすると、彼女が今度は、「大事なSIMカードをどこかに落としてしまった・・」と血相を変え始めました。もうこの時は、彼女の日本での大冒険旅行の話を聞いていた私は、もうそれは他人事ではないと、一緒になって、しばらくの間、SIMカードを探し続け、ポロッと落ちているカードを私が発見しました。

 彼女は、飛行機の中で、「これは、イタリアのSIMカードだから、これと交換して・・」と一応、ひと段落がつきました。すると、またしばらくすると、今度は「携帯がない!」と。

 多分に気分が高揚しているのはわかりますが、これから先の日本での一人旅、ますます心配になりました。

 私の娘もしょっちゅう失くし物をしているので、どこか娘と似ているところがあるなと思いつつ、娘が先日、お財布を失くして、そのことに4日間も本人は気づかないでいたにもかかわらず、4日後には、そのお財布が見つかった話を彼女に話しました。

 「しかし、これは、日本では不思議なことではないにせよ、日本とはいえ、必ずしも見つかるとはかぎらないんだから、本当に気をつけなさいね・・」とまるで、彼女のママになったような気分でした。

 「日本で、なにか、困ったことがあったら、いつでも連絡してね・・そして、もしパリに来ることがあったら、うちに泊まってくれていいよ・・」と彼女とはアドレスを交換しました。

 彼女は、その日は京都泊という結構、キツいスケジュールを組んでいて、羽田についたら、すぐに東京駅に向かって新幹線に乗る予定だと言っていて、パスポートチェックで外国人と日本人で別れたあとは、はぐれてしまって、結局、その後は、会えずじまいでした。

 しかし、考えてみれば、東京駅の新幹線の時間に間に合ったかどうかは、甚だ疑問、でも、あれだけ、日本を楽しみにやってきてくれる人と直に触れ合えたことは、はじめてのことで、長いフライトが少しだけ短く感じられた楽しい、イタリア人女性との時間でした。

 どうか、彼女が1ヶ月近い日本での一人旅を無事に楽しく過ごせますように・・。


外国人観光客


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