残る任期が1年を切ったマクロン大統領にとって、今年のパリ祭は大統領としての最後のパレードになります。
そんなパリ祭(革命記念日)の前日、毎年、恒例の軍へ向けてのマクロン大統領の演説は、軍に向けてということもありますが、一般市民としては、少々、引いてしまう強烈な内容を含むものでした。
マクロン大統領は、ブリエンヌ宮殿で行われた演説の中でフランスが取り組んできた主要プロジェクト(国家予算(軍事)の倍増、国家再軍備、若者の役割、平和維持活動)について言及しました。
特に、軍事予算に関しては、「当初2030年に目標としていた軍事予算640億ユーロを2027年に前倒しするように要請し、2027年に640億ユーロということは10年間で倍増することを意味する」と胸を張りました。
現在のヨーロッパで軍事力強化が必用であることは理解できるのですが、毎回、思うのですが、マクロン大統領の大盤振る舞い?的な感じが、どうにも大変な赤字を抱え、緊縮財政構築のために、一時期、短期間に何度も首相を交代する事態にまで陥った国難といえる時を過ごしている状態としては、どうにも不協和音を感じずにはいられない気がしてしまうのです。
まあ、軍に向けての演説なので、ことさら軍事力強化について熱く語っているところはあるとは思うのですが、なかなか心穏やかに聞けることばかりではありません。
中でも、「フランスは国際法と集団安全保障にコミットする信頼できるパートナーであり続ける」と強調したうえで、欧州全体として、「欧州は構成国を信頼し、主権を尊重しつつ、自衛の責任を負い、団結して行動することで強国へと成長しつつあります。長らく欧州を蝕んできたナショナリズムに陥ることなく、加盟国の愛国心を結集し、共に行動することで全員がより強くなる欧州です。」と述べました。
そして、極めつけは、「私たちが世界に向けて発信するメッセージは、『平和こそが私たちの目標であり、自由と法の尊厳を重んじ、必用であれば血を流すことも厭わず、常にそれらを守るために戦う覚悟がある』」という文言です。
「平和のために血を流すことも厭わない・・」なかなか強烈でした。
まあ、見方を変えれば、フランス国歌「マルセイエーズ」の歌詞みたいな気もしないこともありませんが・・。
そして、もうひとつ、2025年に発表された国家奉仕制度(志願制かつ選抜制の18歳から25歳の若者を対象とした兵役制度(学位の有無不問))が本年2026年9月にスタートするそうです。
なんだか、グングン軍事国家になっていくようで、不穏な気持ちです。
必用であれば血を流す覚悟もある
<関連記事>
「フランスが2026年から実施する志願制兵役・国家奉仕活動とは?」
「内閣不信任決議案可決 首相辞任 大混乱は避けられないフランス」























