2026年4月26日日曜日

外国人に対する滞在許可証発行(Titre de Séjour) 手数料値上げ

 


 滞在許可証の申請・更新手続きは、フランスに居住するうえでは、必要不可欠なものです。

 なのですが、この滞在許可証(Titre de Séjour)の申請や更新手続きは、フランスの中でもっともウンザリする手続きでもあります。

 私の場合、最初の申請時に、10ヶ月くらいの時間がかかり、その後、2回、更新手続きをしていますが、いずれも、良い思い出がありません。

 その滞在許可証の新規発行、更新手続きの手数料がこの5月1日から値上げになるそうで、初回発行手数料は、これまでの225ユーロから一気に350ユーロに値上げになります。

 225ユーロから350ユーロに値上げというのは、なかなかエグい値上げ率です。

 ただし、私は今まで知らなかったのですが、特定の対象者には割引料金というものもあるようで、学生、季節労働者、家族再統合、オーペア(住み込みベビーシッター)などの場合は、この割引料金が適用されます。

 しかし、この割引料金でさえも値上げ、これまでの75ユーロから150ユーロになります。

 また、滞在許可証には、一時滞在許可証というものもあるそうで、この滞在許可証は特にフランスでボランティア活動を行う外国人、または、重病の未成年者の親対象のもので、この発行手数料は100ユーロです。

 ただ、このケースにおける手数料が免除されるパターンもあるという項目の中に、「売春から足を洗い、社会復帰・職業統合プログラムに参加している個人」というものがあり、なんだこれ? と、ちょっとグレーな部分を感じました。

 

 また、滞在許可証(一般的な)の更新手続きの場合も、これまでの225ユーロから250ユーロに値上げされます。こちらの方は初回の申請に比べれば、比較的、緩やかな値上げです。

 けれど、正直、この手数料が高いとか安いとかいうことを考えている余裕もないほどに、手続きには、トラブル満載のケースが異常に多いので、(前回の私の更新手続きの際には、パンデミックのためのロックダウンのすぐあとだったこともあったのか? 書類を提出しているにもかかわらず、全く音沙汰なしの日が続き、実際には、それまでの滞在許可証の期限が切れてしまったのに、まだ更新手続きが終わらない・・という困った事態になり、手続き中ということで、レセピセ(という仮の滞在許可証)をもらってはいたものの、こちらの方の期限も切れてしまい、もうこれでは、仕事もできなくなってしまう(滞在許可証は労働許可証でもある)という事態に陥ってしまったことがあります。

 そうなってしまえば、もう私は、一応、書面上では、不法滞在者ということになってしまうわけで、お役所に出向いても予約がなければ、入れてもらえず、予約をとろうとしても、電話もメールも繋がらず、もうこのままではいられないと、弁護士さんに頼もうと書類を用意して、明日には、送ろうと思っていたところに、突然、「あなたの滞在許可証はできています」という通知が入り、ヤレヤレ・・この数ヶ月間の苦しみは何だったのか?と本当にやるせない気持ちになったのでした。

 当然、このゴタゴタしていた半年以上の期間の分も次回の滞在許可証の年月が消費されている感じになっていて、なんで~~?この期間、くれてなかったじゃない??と思ったのですが、もうどこに向けて発したらいい怒りなのか?黙って引き下がりました。

 幸いにも私の場合、10年に1回の更新手続きなので、次回の更新手続きまでには、まだ少し時間があり、なんなら、その頃には、また、さらに値上げになっているかもしれません。

 しかし、10年で250ユーロとしたら、 年間25ユーロ、そこまで法外な値段とも思えません。というか、値上げよりも、どうにか、手続きを滞りなく、しっかりやってくれることの方を私は、強く切望するのです。


滞在許可証発行(Titre de Séjour) 手数料値上げ


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2026年4月25日土曜日

パリはすっかり観光シーズンに突入した感じだけど・・

  


 先日、サン・ミッシェルの方に用があって出かけて、思ったよりも用事が早く終わったので、ここまで来たんだから、久しぶりにノートルダム大聖堂に立ち寄ってみようかな?と、てくてく歩いて行きました。

 その日は晴天で、気温もけっこう上がって、お散歩するには、心地よい日和でした。

 途中の道すがらでさえも、けっこうな数の観光客がいるのに、「わぁ~やっぱり、ノートルダム大聖堂って人気あるんだな・・」と思いながら、現在、学校もバカンス(地域によって異なりますが・・)の時期でもあるからなのか? ヨーロッパの他の国々からも学生の団体もかなり多い印象でした。

 パリの中でもいわゆる観光地らしい場所には、ふだん、あまり行くことがないので、今まで気が付いていなかったのかもしれませんが、けっこう団体客というものはいるもので、以前の日本人観光客の団体旅行のような大型バスで移動して・・というスタイルとも違って、自分たちの足で歩く団体旅行・・そんな感じです。 



 もっとも、パリ市内は、環境問題対策のために、交通規制がうるさくなっているので、大型バスで効率よくパリを廻るということが難しくなったのかもしれません。

 日本からのツアーの団体客というものは、めっきり減ってしまったので、なんとなく、私は、団体観光客というものが、全体的にも、もっと減っているイメージだったのです。

 高校生から大学生くらいの団体や、あとは、けっこうシニア層みたいな感じの団体というのがけっこう目につきます。

 団体の観光客の中には、フランス人の団体というものもいるようで、観光客=外国人というイメージもかならずしもそういうわけではないんだな・・とあらためて思いました。

 とにかく、観光客の数がもの凄いことだけは確かなようで、「ちょっと入ってぐるっと覗いていってもいいかな・・?」などと考えていた私は甘々で、ノートルダム大聖堂の前の大きな広場は、大聖堂に入るための人の行列がずーっと通りまで続いていて、すごい人気なんだな・・と驚きました。

 もっとも、ノートルダム大聖堂の行列は、行列していても、比較的早く列が進むので、そこまで長時間待たされるということもないような気もします。

 衝撃的だったノートルダム大聖堂の火災が起きたのは、2019年4月のこと、そして、まだ工事中とはいえ、一般公開が再開されたのが2024年の12月。約5年間、閉ざされていたノートルダム大聖堂には、5年分の観光客が続々と訪れている・・そんな感じを受けました。

 もっとも、工事中でさえも、ノートルダム大聖堂を訪れる人の足は途絶えることはなく、外からだけでも一目でも見たい人々のために、パリ市は色々と工夫していました。

 私は、ダメ元で、再開されたばかりの2024年の12月に行ってみたら、あっさり入れてびっくりしたくらいでしたが、なんなら、今の方がよっぽど、人が多いような気がします。

 ノートルダム大聖堂を横目で見ながら、その帰り道、また、団体客が歩いているところをすれ違ったのですが、なんと、そのガイドをしていたのが見覚えのある日本人のガイドさんで、「なるほど、日本人の団体客の需要があまりなくなったので、外国人のガイドをしているんだ・・」と驚きました。

 一時は、日本人のガイドさんは、とっても忙しそうで、日本の団体客が多すぎて、午前、午後と別のツアーが入っているとか、もう何日もお休みがとれないとか聞いていたのに、この業界も変わったんだな・・と、そんなことを思いました。

 これから6月、7月くらいは、フランスを観光するのに一番良い季節です。(8月になると、鬼のように暑い日がやってくるので・・)


ノートルダム大聖堂 パリ観光シーズン


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2026年4月24日金曜日

リンツ Lindt が発売したチョコレート「STYLE TOKYO」 東京スタイル

  


 私がリンツが「STYLE TOKYO」「東京スタイル」というチョコレートを発売したことを聞いたのは、今年の1月のことでした。

 爆発的な「ドバイチョコレート」人気にあやかってリンツが発売したミルクチョコレート「ドバイスタイル」(ピスタチオとエンジェルパスタを詰めたミルクチョコレート)が驚異的な大成功だったようで、このチョコレートは比較的高価(150g9.99ユーロ)にもかかわらず、当初は生産が間に合わなくなるほどでした。

 現在は、その一時のブームは去り、どこのスーパーマーケットでも販売していますが、このドバイチョコレートの大成功の第二弾を狙って登場したのが、「ドバイスタイル」ならぬ「東京スタイル」チョコレートです。

「東京スタイル」は、抹茶パウダーをホワイトチョコレートに混ぜ、若干の酸味を加えるためにイチゴの粒、カリカリの食感をプラスするために焙煎米を加えています。

 これは、最近の続々登場している抹茶ドリンクなどの抹茶ブームにも乗っかったもので、まさに「ドバイスタイル」の爆発的な人気に味をしめたリンツが狙いに狙って作ったものと言えます。

 当初、この「東京スタイル」は、限定販売ということで、パリ・オペラ地区のスクリーブ通りにある店舗のみでの販売ということだったので、野次馬の私は、買いに行ったのです。

 ところが、限定分は、あっという間に完売してしまったということで、追加販売する予定ではあるけれど、「次回の入荷は1ヶ月後くらいになるかな~?」という曖昧な返事でした。

 少し余裕をもって、1ヶ月半後くらいにもう一度、覗きに行きましたが、その時もまだ、入荷していませんでした。

 私はそのまま「東京スタイル」のチョコレートのことは、すっかり忘れていたのですが、先日、出先にたまたまリンツの店舗があったので、寄ってみたら(スクリーブ店ではない)、なんと「東京スタイル」のチョコレートが販売されていました。

 私は特にリンツのチョコレートが大好きなわけでもなく(嫌いでもないけど)、抹茶チョコレートが好きというわけでもなく、単にその名前に「東京・TOKYO」という地名がつけられているからという野次馬根性そのものです。

 価格はドバイスタイルと同じ9.99ユーロで、ふつうのリンツのチョコレートよりは、若干高めです。



 私は、このリンツの「ドバイスタイル」チョコレートの方も食べたことがないので、比較することはできないのですが、抹茶ブームに乗りたいのならば、もう少し抹茶のパンチが欲しいところ・・恐らく、このネーミングは抹茶=日本=東京・・という発想なのかもしれませんが、どうにも抹茶としたら、物足りない感じです。しかし、外国人向けならば、この程度でも良いのかな?という感じもします。



 イチゴの存在もわかりますが、なぜ?抹茶にイチゴなのかも今一つピンと来ないのが正直な感想です。そして、クランキーな食感のために加えたのが焙煎米というのは、好感は持てます。

 なんといっても、ドバイスタイルの第2弾として作られたものなので、価格も同価格で他のチョコレートとは差別化したいのだとは、思いますが、この値段でこれが爆発的に売れるかというと、それは少々、疑問です。

 美味しいことは美味しいですが、これだけの値段を出すのだったら、私は、別に買いたいチョコレートがあるな・・と、思ってしまったリンツの「STYLE TOKYO」 東京スタイルのっチョコレートでした。


リンツ Lindt チョコレート「STYLE TOKYO」 東京スタイル


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2026年4月23日木曜日

パリ中心部にオープンした生鮮食料品限定のお店 モン・マルシェ Mon Marché

  


 パリ・中心部に生鮮食料品限定のお店「モン・マルシェ Mon Marché」がオープンした・・と聞いて、「えっ?ボン・マルシェのこと?ボン・マルシェじゃなくて、モン・マルシェ???」なにそれ?と、これは覗きに行かなければ・・と思って偵察に行ってまいりました。

 まあ、ボン・マルシェみたいな、似たような感じだろうな・・と思いつつ、あんまり期待はしていなかったのですが(ボン・マルシェがつまらないというわけではなく、むしろ、とっても好きだし、とっても楽しい)、これが、思っていた以上に楽しかったのです。

 そもそも置いてあるものが食料品というだけでも、私にとっては楽しいのですが、これがやっぱり、生鮮食料品に限定されることで、ボン・マルシェほど広くない代わりに、見やすくて、カテゴリーごとには、けっこう興味深いものがたくさんあって、色々、試してみたいな~と思いました。


 お店を入って正面は、野菜や果物が美しく並んでおり、これは、ちょっと高級な感じのスーパーマーケットやビオのお店などと似通った感じですが、フランス産のものが中心でありながら、産地にこだわった商品が揃っています。




 お肉やお魚類なども、全て比較的少量が真空でパッキングされているので、とても買い物しやすくなっています。どれも産地の表示がとても明確で、魚介類の中には、イカやタコなども揃っています。



 また加工肉、ハム、生ハム類、ソーセージも種類がかなり多く、ふだん、ふつうのスーパーではなぜか、あまりじっくり見ていなかった商品なども見やすく置いてあります。



 当然のことながら、チーズ類なども品揃えが豊富、イタリアやスペイン、スイスなどの外国のチーズもかなりあります。



 最近、この手のお店に行く度に思うのですが、食料品に関しては、特にイタリアのものが増えている印象です。以前はイタリアに行かなければ買えなかったチーズ類、生パスタやソース類なども多く置かれていて、あらためてイタリア料理の人気がうかがえます。

 バターは、エシレバターやボルディエ、オーボン・ブールなどのいわゆる日本でも知られた高級バターはありませんでしたが、厳選されているであろう品揃えにこれまた興味津々です。

 また、生パスタもけっこう充実しており、その近くにパスタソースもいわゆる大手メーカーの一般的な瓶詰などではないソースが取り揃えられており、これまた、いつか試してみたいと思うような品揃えです。



 また、持ち帰って、そのまま食べられるようなお料理もけっこう種類が多くて、楽しめそうです。

 そういえば、生鮮食料品ということで、お菓子類、ケーキ類はあまり見かけませんでしたが、その他のデザート類はけっこうありました。

 レジ近くには、プーレロティ(鶏の丸焼き)や豚の焼いたものなどもあります。

 生鮮食料品ということで、あまり日持ちしないものが多いためか、賞味期限が近くなったフランスでいうところのアンチ・ガスピヤージュで値下げしている商品が置いてあるコーナーもあるのですが、これが、けっこう思い切りよく50%offとかになっているので、かなりお買得な買い物ができます。




 ふつうのスーパーだと、最近は、このアンチガスピに関しても値引きが20%offとか、30%offなどしか値引きしないところが多くなっているので、この思い切りのよい値引きの仕方には、好感をもてます。

 そして、「Mon Marché」のロゴ入りエコバッグもなかなか可愛いです。



 全般的に、もっとお値段がボン・マルシェやラファイエット・グルメのような高級品=子価格帯なのかと思っていましたが、そこまで値段も高くないので、そこまでのお値段でもないことには、少しホッとしました。

 もっとも、まだ、オープンしたばかりなので、今後、色々なことが変わっていくかもしれませんが、とりあえず、今の様子は「これはなかなかいいぞ・・」そんな感じがしたので、ぜひ、また、行ってみようと思っています。


🌟 Mon Marché Le Magasin Réaumur  82 Rue Réaumur 75002 Paris 


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2026年4月22日水曜日

ベビーフードにネズミ駆除剤混入の衝撃

   


 4月中旬、ネズミ駆除剤が混入されているドイツのヒップ社製ベビーフード5瓶がオーストリア、チェコ共和国、スロバキアで発見されるという食品への不正混入事件がヨーロッパを揺るがしています。

 捜査当局は、これらの製品への毒物混入は同社を脅迫するための企み(たくらみ)の一部であると見ています。

 6瓶目はオーストリアにあると見られており、危険性が高いのですが、現在のところ、見つかっていません。

 事が公になったのは、ヒップ社がプレスリリースで「予防措置として、オーストリアの巣パール店舗で販売されているベビーフード全製品を自主回収します」と発表したことにより、衝撃が拡がり始めました。

 この警告は、何者かによる妨害行為によって、「190グラム入りのニンジンとじゃがいものピューレの瓶」に危険物が混入された疑いがあるというものです。

 ヒップ社がプレスリリースを出した翌日、この懸念は事実であることが明らかになりました。オーストリア東部、ブルゲンラント州警察はプレスリリースで、その日の午後に分析されたサンプルから「ネズミ駆除剤」が検出されたと発表。

 よりによってというか「ネズミ駆除剤」とは、なかなかパンチが効いているというか、ヘタな毒物のなまえが出てくるよりも衝撃的な印象でもあります。

 オーストリア食品安全局(AGES)は、声明の中で「このような瓶を摂取すると命にかかわる可能性があります」と警告しています。

 「出血、極度の衰弱、または顔面蒼白などの症状があらわれた場合は、医者の診療を受け、お子様がベビーフードを摂取したことを伝えてください」と注意を促しました。

 ドイツ警察は、この毒物混入事件の容疑者からメールが届いていると発表していますが、受信者の身元は明らかにされていません。

 バイエルン州警察によると、「容疑者はネズミ駆除剤入りの瓶の底に赤いシールを貼っていた」ことを明らかにしていますが、同時に「このベビーフードの消費者はしっかりと密封された瓶を開ける際の特徴的な「ポン」という音がするかどうかも確認するように・・」と注意喚起をしています。

 音がしない場合は中身が腐敗している場合もあるとしていますが、腐敗以前にネズミ駆除剤が入っている可能性があるとなったら、問題外です。

 この危機に直面し、ヒップ社は、「生産、品質管理、検査プロセスは完全に機能している」と主張しており、「この事件は製品の品質や製造とは一切関係ない」と説明しています。

 正直、この話を聞いて、少し前のネスレ、ラクタリス等の毒素入りの粉ミルク事件を思い出し、「またか・・」と思いましたが、粉ミルク事件の際には、結局は原料自体に問題があったわけで、今回は、ネズミ駆除剤は、後から混入されたもののようで、脅迫状まで届いているとなれば、事件の性質は、異なるものなのかもしれません。

 しかし、いずれにせよ、乳幼児がターゲットになっている事件のため、不可抗力で知らずに摂取してしまう(させてしまう)というリスクは充分にあり得る話。幼い子どもなど、弱いものに対する攻撃となれば、余計に卑怯なやり方に違いありません。

 今、私の周囲に乳幼児を育てている人がいないので、粉ミルクやベビーフードなどは、長らく目にしていないのですが、もうこんな話ばかり聞いていたら、粉ミルクも怖いし、ベビーフードもあげるのは怖くなってしまいますね。

 私が子育てしていた頃は、粉ミルクは飲ませていましたが、ベビーフードは、非常用くらいなもので、あとは、だいたい特別にベビーフードを用意するというよりは、大人用の食事を味付けするまえのものを別に取り分けて、柔らかく煮込んだりするだけで、特にベビーフードを作ったという感じでもないかわりに、市販のベビーフードというものも、ほとんど使いませんでした。

 ヒップ社は、「この問題は、特定の流通経路のみ」に影響しており、他のヨーロッパ諸国はこの捜査はこの捜査には関与していないと明言しています。


ネズミ駆除剤入りベビーフード


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2026年4月21日火曜日

国家安全文書庁(ANTS)がサイバー攻撃のため、1,900万人の個人情報漏洩

    


 フランス内務省は、国家安全文書庁(ANTS)がサイバー攻撃を受け、データが漏洩した可能性があると発表しました。

 国家安全文書庁(ANTS)は、身分証明書、パスポート、運転免許証の申請を処理する省庁です。

 今回のサイバー攻撃によるデータ漏洩により、個人アカウントおよび業務アカウントからの漏洩を伴う可能性があると言われています。

 内務省は、影響を受けた「個人データ」には、ユーザーの氏名、メールアドレス、生年月日などが含まれると明言。刑事訴訟法第40条に基づき、捜査開始を目的として、パリ検察庁に報告書が提出されました。

 国家安全文書庁の声明では、「皆さまには特に何もしていただく必要はありません。対象車には電子メールで直接通知しています。」と明記し、セキュリティ強化措置を実施したと説明しています。

 現在進行中の調査に基づき、個々のアカウントに関する個人データは、ログインID、姓名、メールアドレス、生年月日、固有アカウント識別データ、出生地、電話番号などが含まれています。

 なお、添付ファイルなど各種手続き中に送信されている補足データに関しては問題がなく、これらの個人データによって、個々のアカウントに不正アクセスが可能になることはないと述べています。

 「大丈夫・・大丈夫・・慌てないで・・」という内容ですが、実にこのサイバー攻撃のために、1,900万人のフランス国民が影響を受ける可能性があります。

 これらの盗まれたデータは今や「サイバー犯罪版 e-bay」とも言われるオークションプラットフォームに出品され、ハッカーたちがそこでデータ売買を行っていると言われています。

 このハッキングによって、詐欺行為が雪だるま式に拡大する危険性があり、サイバー犯罪者がこれらの情報を多く知れば知るほど、彼らの手口は巧妙化します。

 今後、数ヶ月は詐欺行為に十分警戒する必要があると専門家は警告を発しています。

 これらのデータ漏洩の後は、フィッシングや詐欺行為が急増するということです。

 ハッカーはメールやテキストメッセージなどの手段を用いて、リンクをクリックさせたり、フォームに入力させたり、機密情報を提供させたりして、金銭をだまし取ろうとするのです。

 「メールやテキストメッセージを受け取った際には、常に警戒し、ログイン要求の発信元を常に二重に確認する必要があります」と呼びかけています。

 特にAIによって、サイバー犯罪者の能力は向上しており、以前は手作業で行っていた数千通ものメールを一度に送信できるようになっているため、膨大な量の詐欺メール送信が可能になっているため、被害も甚大になりつつあるのです。

 原因がサイバー攻撃によるものとはいえ、そのデータ漏洩元が国家安全文書庁(ANTS)というのですから、シャレになりません。

 とりあえず、私は、不明な番号の電話には出ないし、不明なメールは決して開けないようにしています。


国家安全文書庁(ANTS)がサイバー攻撃


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2026年4月20日月曜日

5月1日のパン屋さんとお花屋さん 2倍の給料で従業員が働けるようになる

  


 ここのところ、毎年のように、5月1日が近付くと物議を醸していた、5月1日の労働問題、特にパン屋さんとお花屋さん・・。

 5月1日は祝日ですらない日本では、考えられない話だと思うのですが、フランスでは労働者の祭典?の特別な日、労働者のための祝日であり、基本、従業員を働かせることはできません。(飲食店やホテル等は除く)

 どんなに営業違反が日常になっているようなお店などでも、これが発覚した時の高額罰金の恐ろしさにおののいて、その日だけは、お店を閉店するというのが基本的な姿勢でした。

 日常的にも日曜日は休業するお店がほとんどで、(それでも、最近は日曜日でもオープンする(許可をとっていれば営業できる通り(道)(店舗)もある)お店が増えましたが・・)日曜日に従業員を働かせるためには、休日出勤手当が支払われなければなりません。

 しかし、そんな日曜日でも、パン屋さんとお花屋さんは、別格扱いで日曜日でも営業しているお店は多く、なぜか、別扱いになっているのがフランスです。

 なので、5月1日が営業できない(経営者とその家族だけは働ける)というのに、特に抗議の声をあげていたのが「パン屋さんとお花屋さん」というのもわからないではありません。

 外国からやってきている私にとって、なぜ?そこまで5月1日の営業、従業員を働かせるか否か問題にそこまでこだわるのか?今一つ、理解がしきれないことではあるし、なぜ?そこまで頑なに働かせないことを固持し続けるのか?と思わないではありません。

 日曜日の営業にしても、むしろ、多くの人がお休みの日だからこそ、ゆっくり買い物に行ける時間があるときにこそ、営業したら、いいんじゃないの?とも思うのですが、働かない、働かせないことを守り続けるのもフランスらしい・・それこそがフランス・・そんな気もするのです。

 しかし、今年は、また、その件について(5月1日の労働問題)の議論が進んでいるにもかかわらず、法案の採決が今年の5月1日には間に合わないことを見越して、セバスチャン・ルコルニュ首相は、前倒しに、「パン屋と花屋は5月1日に従業員を働かせることができる」と発表しました。

 ただし、「従業員が自主的に働きたい場合、しかも、2倍の賃金が厳守されることが前提」となっています。

 たしかに、2倍の賃金が貰えるとなれば、その日に働きたい人だって多いはずです。

 また、この件を周知徹底させるために、関係当局に対し、影響を受けた事業者に罰金を科さないように指示すると明言しました。

 大方、「これは常識的なこと!」、「規制と禁止が常態化している過剰規制経済にある程度の自由と実用主義を取り戻す歓迎すべき決定!」と歓迎する声が多いような気がするのですが、一方、CGT(労働組合)の「労働者の権利の侵害に繋がりかねない」という声や他業種(お肉屋さんやお魚屋さんなど)からは、「理解しがたい不平等な決定であり、職業間の平等を侵害するものだ」という非難の声も上がっています。

 既に、食品業界連合(CGAD、精肉業者、チーズ販売業者など)をはじめとする他の業種も5月1日の労働権を求めており、同連合は「5月1日に従業員を雇用する可能性を明確に認めること」を求めています。

 セバスチャン・ルコルニュ首相は、「各業種についてはさらなる協議を行う」とし、「6月初旬にあらためて関係者全員と会合を開く」としています。

 「5月1日は義務的な有給休暇」これが、現時点での基本的な考え方なのです。

 とりあえず、5月1日のお花屋さんの休業はフランス国内で「2,000万ユーロ」の経済的損失をもたらしていると試算されています。


5月1日のパン屋さんとお花屋さんの営業問題


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