2026年4月14日火曜日

フランス人はそんなに本が好きなのだろうか?  

   


 夫の没後、しばらくは、夫のものは全くといっていいくらい手が付けられませんでした。少しずつ、夫のものを処分し始めたのは、2年くらい経ってからのことでした。

 それでも夫の息子たちが来たときや、私の弟が来てくれたときなどに、少しずつ形見分けとして、欲しいもの、使えそうなものは持って行ってもらいました。

 それでも買い物が大好きだった夫のもちものは膨大であり、とてもすぐにどうこうできる代物ではありませんでした。

 決して広くもないアパートの中に一番、場所をとるのは、夫が外国勤務の際に買い集めた(よく言えば)美術品のようなもの(ガラクタとも言う)・・これらのものは、生前から、「もうなんとかしてよ・・」とよく夫にこぼしていたものの、本人に亡くなられてみると、かえって手が付けられなくなってしまったものでもありました。

 もうひとつ、膨大な夫の置き土産は「本」です。私も本が好きなので、本が好きな気持ちはとてもよくわかるし、そんなところも夫を好きなところでもあったし、のちのち夫の息子たちや娘が読むことがあるのではないか?そんな期待もあったのです。

 もちろん、夫の膨大な本のコレクション?は、ほぼほぼフランス語の本が中心で、私は本を読むとはいえ、やはり、もっぱら日本語の本の方が楽しく、フランス語の本を読むのは苦痛で、そのまま夫の本は本棚に残されたままになっていました。

 少し前に自分の日本語の本はかなり整理して、もう2度と読みそうもない本に関しては、せっせとBOOKOFFに運び、かなり処分しました。(とはいえ、まだ相当、残ってはいますが・・)

 今回は、思い切って、夫の本をどうにかしようと、思い立ち、ここのところ、夫の本の処分を始めました。夫の本に関しては、フランス語の本なので、近所のコマーシャルセンターに設けられた「いらない本を置いて行ってください」(お好きにお持ちください)のスペースに置きに行くことにしました。

 本というものは、重たいもので、特に夫の本はハードカバーの本が多いために、さらに私の本よりも重量級なので、近所で何とかなる分だけ助かります。

 というわけで、先週から夫の本の整理にかかり始め、ようやく、いくつかの塊を置きに行ったのですが、けっこう古い本もあり、また、けっこう本の内容もバラつきがあり、かならずしも一般人受けするとも思えない本だったので、これ、一体、貰い手あるんだろうか?ちょっと場所塞ぎになってしまって申し訳ないかも?と思っていたのです。

 まず、一塊を置きに行って、翌日、行ってみると、けっこう減っている・・のを確認して、もう二塊を置きに行くと、その日は休日だったこともあったのか、もう置いているそばから、もう待ち構えているおじさんが一人、二人・・。

 「どうぞ、ごゆっくり・・」と声をかけられ、でも、なんだか照れくさくもあり、早々にその日は本を置いて帰ってきたのですが、その翌日、気になって・・というか、もうひと塊を持って行ったら、なんと、見事に数冊を残して完売・・というか本はなくなっていました。

 まあ、無料・・ということもあるのでしょうが、今、紙離れとか言われ、本が売れなくなっているという話も聞くし、メトロなどの中でも紙の本を読んでいる人をあんまり見かけなくなったので、本を読む人って減ったんだな・・と思っていたのに、こんなに処分した本が一瞬でなくなるなんて、フランス人って、けっこう本が好きなのかな?と驚いた次第です。

 まあ、フランスでは・・(といっても、私の住んでいる地域の話ですが・・)、ゴミ・・といってもけっこう大きな粗大ごみ系のゴミを捨てた場合、捨てる側から拾われていくことがけっこうあって、よく言えばムダにしない国民というか、そんなところがあります。

 もしかしたら、本の場合も同じだったのかもしれませんが、まあ、とにかく、夫が大切にしていた本がムダにならずによかったです。

 なんなら、本だけでなく、まだ使えるけど、不要なものを置いておく場所というものもどこかに作ってくれれば、いいのにな・・とも思いました。

 そういえば、EMAUSという団体があって、不要なものを寄付すると、それをきれいにして、販売して、生活貧窮者への支援に充ててくれるところがあるのですが、以前、そこには、何往復かして、不用品を処分したことがあったことをこれを書きながら、思い出しました。

 一度、処分を始めると、けっこうスペースが空いて行くのが快感になるもので、これからしばらくは、ちょっと頑張って、身辺をすっきりさせるようにしたいな・・と思っています。

 こういうことも、勢いに乗ってやってしまわないと、すぐに飽きて、また数年、放ったらかしになるので頑張ります。


古本の処分


<関連記事>

「パリのブックオフ BookOff は生き残っていた・・日本語の本、CD、DVDの買取」 

「断捨離で厄介なもの 日本語の本」 

「断捨離と帰国の憂鬱」 

「リサイクルショップ・エマウスがノエル前に繁盛しているフランスの一面」 

「フランスのゴミの収集 フランス人の衛生観念」

2026年4月13日月曜日

鳥インフルエンザ 欧州で初の人間への感染例を確認  

 


 WHO(世界保健機構)は、欧州で初めてヒトにおける「鳥インフルエンザ」の症例が確認されたことを発表しました。

 この症例は3月にイタリアで確認されましたが、感染した男性はイタリアへ渡航する前にセネガルに6ヶ月以上滞在していました。

 患者はイタリアで「発熱と持続性の咳」を訴え、救急外来を受診して、この症例が発覚したために、国際保健規則(IHR)のイタリア担当窓口(保健警報の発信などを担当)から報告を受け、確認されたものです。

 これがWHOへ報告があがったもので、WHOのウェブサイトに発表された内容によれば、この男性が感染したのは、インフルエンザA型ウィルス科に属する H9N2 ウィルス。

 H9N2 型は、一般的に鳥類由来のインフルエンザA型ウィルスの亜系であり、世界保健機構(WHO)は、「初期の遺伝子検査結果」から、感染はセネガルに関連する鳥類である可能性が高いとしており、ウィルスは「セネガルの家禽で以前に確認された株と強い遺伝的類似性を示している」と発表しています。

 男性から採取された検体からは、結核の原因菌である結核菌(Mycobacterium tuberculosis)とインフルエンザA型ウィルスが検出されました。

 患者は動物、野生動物、農村地域への直接的な接触はなかったと報告しており、症状のある患者や確定診断された患者との接触は報告されていないとしています。

 感染源を特定するための疫学的調査は現在も進行中ということです。

 この患者は隔離され、抗結核薬と抗ウィルス薬による治療を受け、容態は安定し、改善したということですが、救急外来を受診したということは、感染時の容態は軽いものとは考え難いといわざるを得ません。

 この「鳥インフルエンザA  H9N2ウィルス」によるヒトへの輸入感染症例は、ヨーロッパでは初めて報告されたものですが、ウィルスが家禽の間で広く流行しているアフリカとアジアの一部の国々では、既に症例が報告されています。

 特にヒトへの感染例の大部分は中国で確認されています。WHOの説明によれば、一般的に症例は、感染した家禽や汚染された環境への曝露に関連しています。

 しかし、この件に関してWHOは、「これまでに特徴づけられた鳥インフルエンザA  H9N2ウィルスはいずれも持続的なヒトからヒトへの感染を確実にする能力を持っていない」と断言しており、現時点でヒトからヒトへの感染の可能性は低いとし、「家禽の糞便で汚染されている可能性のある表面や家畜飼育場などの高リスク環境への接触は避けるべきである」という注意を促しつつも、警鐘を鳴らすことはしいません。

 鳥インフルエンザが人間にも感染するとは・・しかも、欧州にまでやってきたことも驚きでしたが、この人間への感染例の多くは中国というのにもギョッとします。新型コロナウィルスの時のことを考えても・・ちょっと気味が悪い気もしてしまいます。

  

鳥インフルエンザ


<関連記事>

「日本はフランス産フォアグラの最大消費国だったけど・・」 

「波乱満載の今年の国際農業見本市 大統領選がもう始まっている・・」 

「卵が足りないフランスの卵事情」 

「乳製品業界世界市場トップに君臨する仏ラクタリスのフランスでの牛乳回収削減発表の波紋」 

「ユーロスターでハムとバターのサンドイッチが禁止に!」







 

2026年4月12日日曜日

パリに登場した「ガチャガチャ」のお店 ガシャポン GASHAPON PARIS

  


 「ガチャガチャ」というのが、昔から私が知っていた名前ではありますが、今は、正式にはなんと呼ばれているのかは、わかりませんが、カプセルトーイとも呼ぶらしいです。

 一時期は廃れたと思われていた「ガチャガチャ」が最近、復活し始めたということは、なんとなく知っていたのですが、まさかその「ガチャガチャ」専門店がパリにオープンしたというので、びっくりして、様子を見に行ってきました。

 店舗はパリ市庁舎からも近いリヴォリ通りにあり、けっこうなスペースでまさに一等地と言っても差し支えない場所で、なかなかなスペースを有しています。

 オープンしたてということもあったのでしょうが、平日の昼間にもかかわらず、店内はけっこうな人で賑わっており、私がイメージしていたものよりはずっと立派な店構えでした。



 店内には、整然と約300台のガチャガチャが置かれており、あらゆる表示が日本語をベースにしており(もちろん翻訳もされていますが・・)、はっぴを着た店員さんが数名います。






 私が知っていた昔のガチャガチャは、現金のコインを入れてダイヤルを回すという感じだったと思うのですが、ここでは予めここでしか使えないコインを受け付けで買い求める方法をとっています。





 カプセルの中身は、ミニチュア玩具、フィギュア、キーホルダー、小型カメラなどなど本当にたくさんの種類を取り揃えているようです。



 値段はそのカプセルによって異なるようですが、だいたい1個のカプセルは5ユーロから6ユーロのものが大半を占めています。



 この店舗は、世界第2位の玩具メーカーであるバンダイがフランスの小売店キングジュエ(King Jouet)と提携してオープンしたそうですが、前面的には、バンダイのお店という感じになっています。

 バンダイ・ヨーロッパはすでに、イギリス、ドイツ、スイス、イタリア、スペインでこの「ガシャポン」をオープンしているのだそうで、これらのヨーロッパでの店舗がある程度成功しているからこそ、パリでのオープンにも繋がったのだと思います。

 しかし、正直、私には、どうしてこれが人気なのか?まるでわからないのですが、バンダイは、スーパーマリオ、マインクラフト、ドラゴンボール、たまごっちなどのバンダイのライセンス商品が多数取り揃えられています。

 この種のマスコットや多くのマンガに登場するキャラクターなどのお店は、ここだけでなく、パリ市内にもずいぶんと増えたことから、もっとお手軽に、しかも、ガチャガチャという海外の人からしたら、珍しい「何が出てくるかわからないワクワク感」が楽しめるそこそこなお手軽価格で楽しめるというところがウケるのかもしれません。

 それにしても、こんな場所でこんな低価格?のもので、成り立つの?と思わないでもありますが、とりあえずは、私の見たかぎり、客層は20代の若者が中心でお休みの日には、子どもづれの家族やもっと違う年齢層の子どもたちも訪れるのではないか?と思います。

 マンガを始めとした日本のポップカルチャーがフランスで人気なのは、今や長らく知られていることではありますが、まさかあのガチャガチャが・・「ガシャポン」として、フランスに上陸したということも驚きです。


🌟ガシャポン GASHAPON 37 Rue de Rivoli 75004 Paris 


<関連記事>

「パリ11区のマンガ アニメグッズ通り ブルヴァール ヴォルテール」

「パリに日本の駄菓子屋さんみたいなお店ができた!MANGA CAFE KONBINI」

「パリで今、大人気のラーメン屋さん KODAWARI RAMEN TSUKIJI こだわりラーメン築地」 

「クレープの本場フランス・パリにある原宿のクレープ屋さんをコンセプトにした逆輸入バージョンのクレープ屋さん」

「パリの日本の食パンブームの波 Carré Pain de Mie カレ・パン・ドゥ・ミの日本の食パン」



2026年4月11日土曜日

飛行機の中という特別な時空間  

  


 私が利用する国際線の長距離フライトは、ほぼほぼパリ⇔羽田ばかりなのですが、このフライト、なんといっても現在は直行便でも14時間とかなり体力的にも厳しいうえに、その後の時差ボケを考えると年々、気が重くなるものであります。

 しかし、この長距離フライトの空間、時間は、独特なものでもあり、体力的なこととは別として、一面では、嫌いではない空間でもあります。

 それは、どこの国にもおらず(正確には空域というものがあるのでしょうが・・)どこの時間にも存在しない、なにがあろうと、この空間にはどんなことも及びようがなく、どうにも対処しようがない空間であり、ある意味、色々な雑事から解放された時空間であるということで、妙な解放感があります。

 要は、一時とはいえ、現実回避というか現実逃避できる時空間だということで、ある意味、ホッとできる時空間でもあり、それはそれで自覚して過ごすとなかなか楽しいものでもあります。

 そもそも、現実には、そこまで逃げたいことがあるわけでもないのですが、母が危篤という知らせが届いて、慌てて日本へのフライトに乗ったときなど、もうその知らせが入ったときから、飛行機に乗るまでは、もう心配で心配で、涙が止まらなかったのですが、飛行機に乗った途端に、異次元空間?に突入して、しばし、涙が止まっていたことがありました。

 何ごとも自覚して過ごすのとそうでないのは、違いがあります。

 これに関連していうと、どうにも辛い時差ボケに関してなのですが、どちらかといえば、日本に到着した時の方がキツく、酷いときには、日本に到着した当日、一睡もできずに、苦しい思いをしたことがあり、その後、一週間以上、辛い体調のまま過ごしたこともあります。


 今回は、娘が「これ飲むといいよ!」と錠剤をくれたのが「メラトニン」の錠剤。パリに来たときに買って帰って、帰国後しばらく飲んだけど、睡眠薬などとも違って、わりと自然に効くということで、それをもらって服用したところ、たしかに、比較的、ラクでした。

 少しまえにマクロン大統領が訪日していましたが、ああいう人たちって、着いたその日から、忙しいスケジュールをこなせていて、時差ボケなどしないんだろうか?ととても不思議に思います。

 大統領専用機ともなれば、それは、機内も快適に過ごせるようになっているのでしょうが、それにしても、時差だけは、どうにもならないはず、一体、どうして、あんなに元気でいられるのか?教えて欲しいくらいです。

 とりあえずは、しばらくは、日本には行けませんが、今度、行くときには娘が教えてくれたメラトニンの錠剤を買って、備えて行きたいと思っています。


長距離フライトの機内の時空間


<関連記事>

「長距離フライトの座席の移動のチャンス」 

「久しぶりのエアフランス日本行き直行便」 

「機内模様から垣間見えた国民性と感染対策・衛生観念」 

「年々、時差ボケがどうしようもなくなってくる・・」 

「時差ボケの苦しみと胃の容量を上回る食欲との闘い」

2026年4月10日金曜日

2026年 バゲットコンクール グランプリ獲得したブーランジェリー Le Fournil Didot

   


  今年のパリのバゲットコンクールが行われたのは2月のことだったので、ちょっと間が抜けているかもしれないのですが、私にとっては、毎年のバゲットコンクールでグランプリを受賞したお店へ行って、バゲットを食べてみることは恒例のことになっているので、2ヶ月近く経ってしまいましたが、今年も行ってまいりました。



 今年、栄えあるグランプリを受賞したのは、「ル・フルニル・ディド」のオーナーであるシタンパラーピライ・ジェガティーパン氏でした。

 ここのところ、フランス人ではない移民がグランプリを受賞することが続いていましたが、今年の受賞者もまたフランス人ではありませんでした。

 2003年にフランスに渡ったスリランカ出身のジェガティーパン氏はレストラン業界で様々なアルバイトを経験したのち、2008年彼は製菓の世界に足を踏み入れ、まずフランス料理の高度な技術の象徴であるマカロン作りを学びました。

 その後、ごく自然な流れでパン作りにも取り組み始め、パン作りの修行を積み、情熱を注ぎ込みました。2018年に自身の店をオープンして以来、技術を磨き上げパン作りへの情熱を昇華させていきました。

 お店はパリ14区の比較的、庶民的な感じのする通り沿いにあり、外観はごくごくふつう・・というか、むしろ、地味な感じの店構えです。同じ通り沿いには、いくつかのブーランジェリーがありますが、他のブーランジェリーの方がどちらかといえば、洗練された感じがするくらいです。





 店内に置いてある他のパンやお菓子類なども、お値段も控え目で、よく言えば素朴な感じ(無骨な感じ?)さえする印象を受けます。

 ここ数年、毎年、グランプリ受賞(バゲット・トラディショナル)のお店を見ていると、本当に様々で、お菓子の種類も多く、洗練されていて勢いに乗ってるな・・と思うところもあれば、ほんとうにごくごくふつうの街のブーランジェリーなんだな・・と思うところもあり、千差万別です。

 今回のグランプリ受賞のお店に関して言えば、後者の方で、ほんとうに目立たないごくごくふつーなブーランジェリーです。

 パリ全体を見渡せば、最近は小綺麗で、洗練されたブーランジェリーが続々と増えている印象ですが、ここは昔のまんまのブーランジェリー・・そんな感じです。

 この必ずしもイケイケな感じではないところが、パリのバゲットコンクールが厳正な審査で行われていることを物語っているのかな・・という気もします。


 今回もそのグランプリを受賞したというバゲット・トラディショナルを購入。残念ながら焼き立てではありませんでしたが、家に戻って試食。

 正直、あんまり期待はしていなかったのですが、日本から帰ったばかりで、久しぶりだったこともあってか、とっても美味しかったです。

 まず、バゲットにナイフをいれた瞬間に切れ方、そして、その香りに「おっ・・!これは・・⁉やっぱり美味しそうだ・・」となりました。

 ちょっとだけ味見のつもりが3分の1くらい、一気に食べてしまいました。

 美味しいバゲットを食べるたびに思うのですが、やっぱりフランスで一番美味しいのは、パン(バゲット)とバター・・(もしくはチーズ)。

 日本だったら、美味しいご飯とちょっとしたお漬物とか佃煮とか、おにぎりとか、そんな感じなのかもしれませんが、シンプルなものほど、飽きずに美味しく食べられるもので、フランス人にとったら、バゲットとバターなのかもしれません。

 そんなことをしみじみと思わせられるような素朴なお味のバゲットでした。


🌟Le Fournil Didot   /  103 Rue Didot 75014 Paris


<関連記事>

「2025年バゲットコンクール グランプリ受賞のお店 Boulangerie La Parisienne 」 

「2024年フラングランプリ最優秀賞受賞のブーランジェリー ラ・ポンパドール LA POMPADOUR」 

「2024年 パリ・バゲットコンクール グランプリ受賞のバゲット ユートピー」 

「2023年パリ・バゲットコンクール グランプリ受賞のバゲット オー・ル・ヴァン・デ・ピレネー」 

「パリで最も古いパティスリー 「ストレー」Stohrer のババ・オ・ラムとピュイ・ダムール PATISSIER STOHRER」 

2026年4月9日木曜日

日本はフランス産フォアグラの最大消費国だったけど・・  

  


 先日のマクロン大統領の訪日に関連したニュースを見ていたら、その中に「2023年の突然の輸入停止以前は、日本はEU域外でフランス産のフォアグラの最大消費国だった・・」というものがあり、ちょっと気になりました。

 フランスのフォアグラ業界は、かつてEU域内以外における主要市場であった日本(全輸出量の約6%、約540トン)を訪問中のマクロン大統領に対して、介入を要請しているというのです。

 日本は2023年に鳥インフルエンザを理由に輸入を停止し、貿易の大幅な減少を招いてしまいました。フランスのフォアグラ業界は日本を訪問するマクロン大統領に「私たちのことも忘れないで!」と訴えかけているというのです。

 フランス政府は鳥インフルエンザの蔓延を抑制するため、繁殖用を除く250羽以上のアヒルを飼育する農場に対し、2023年10月からワクチン接種を義務付けています。

 しかし、日本は農場でのウィルスが未検出のまま蔓延している恐れがあるとして、フランス産鶏肉製品の輸入を停止してしまいました。

 このニュースを見て、「日本でそんなにフォアグラって人気あるの?」とビックリしたのですが、これらは主に高級レストラン向けであったようです。

 その後、日本へのフランス産フォアグラ輸出量はわずか3%にまで減少しています。

 また、ブレス鶏などの高付加価値製品も日本が課した制限措置の影響を受けています。

 私は日本に行ったときに、フォアグラを探すこともなければ、フレンチの高級レストランに行くこともないので、実際に日本人にフォアグラがどの程度、好まれているのかはわかりませんが、フランスにとってみれば、大きな得意先を失いかけているということなのかもしれません。

 食べ物には、ある程度、トレンドのようなものもあって、こうしている間にも、あまりフォアグラが含まれるような食事が好まれなくなってしまうということもあり得ます。実際に食事に関しては、フレンチよりもイタリアン・・という人が多くなっているかもしれません。

 ピザ、パスタといった比較的お手軽なものからも入れるイタリアンに比べれば、フレンチの方が敷居が高いような感覚もあるのではないか?とも思います。

 そもそもフォアグラはフランス国内でさえも、ガチョウやアヒルを強制給餌して作られることから、動物愛護活動家などからは、残酷な生産方法として非難されていたりもするもので、一部地域では、フォアグラ禁止・・などとなっているところもあるくらいです。

 日本も年々、インフレで贅沢できなくなっている事情を考えれば、フランス産フォアグラの復活は難しいのでは・・とも思わないでもありません。


フランス産フォアグラ


<関連記事>

「美食の街リヨン 市議会が公式レセプションでのフォアグラ使用禁止」

「フランス料理の人気はすたれているのか?」 

「20年間で急増しているフランス人の肥満 揺らぐフレンチパラドックス」 

「世界の料理ランキング 今度は3位だったフランス料理 フランス人の反応は?」 

「ボルドーのおススメフレンチレストラン メロディー Melodie」 


2026年4月8日水曜日

チョコレートの値上げと気候変動 

  


 なにかと行事ごとにカタチを変えてお祭りのように店頭にのぼるチョコレート。フランス人は本当にチョコレートが大好きです。

 ここのところは季節もので、パック(イースター)復活祭のチョコレートで、たまご型のチョコレートやうさぎのチョコレートなどが大々的に並べられていました。

 しかし、チョコレートが店頭に並ぶのはイースターに限ったことではなく、本当になにかにつけてはチョコレートが山積みになります。

 それくらい、フランス人はチョコレートが大好きで、スーパーマーケットのチョコレート売場などでも、チョコレート売場には、大きなスペースが割かれており、人のお家を訪ねたりする場合、手土産に迷ったら、まず、チョコレートにしておけば間違いない!そんな感じです。

 そんなチョコレートの価格が高騰しており、ふだんは、それほど頻繁にチョコレートを買うわけではない私でも、板チョコくらいは常に買い置きをしており、甘いものは、控えようと思っているので、高級品に限りOKという自分に都合の良いルールを定め、たまには、メゾンドショコラやジャンポールエヴァンなどのお店を覗くことはあります。

 全般的に全てのものが値上がりしているので、特にチョコレートの価格だけが高騰しているとも思わなかったのですが、特にここ最近、メゾンドショコラの値上がりが凄いな・・と最近、ビックリしたばかりです。

 そんなチョコレートの値上げには、これまで約10年間安定していたカカオの価格が2023年から急激に高騰したのだそうで、わずか数ヶ月で1トンあたり約3,000ユーロだったものが10,000ユーロに跳ね上がってしまったのだそうです。

 この原因はひとつではないらしいのですが、カカオ豆が森林破壊に繋がる農産物として、またカカオ豆栽培による温室効果ガス排出を引き起こすものとして、欧州連合(EU)などがカカオを含む7つの農産物の輸入業者に対して、森林伐採された土地から生産されたものではないことを保証することを義務付ける規制がまもなく施行されることなども原因のひとつと見られています。

 また、世界のカカオ生産量の約70%を占める西アフリカでは記録的な豪雨に見舞われたり、かと思うと干ばつに襲われたりなど、不安定なこれまでなかった気候変動のために、安定したカカオの生産が以前よりも難しくなっています。

 西アフリカといえば、私にとってはコートジボアール・・以前、数年、住んでいたことがあり、ここで私は初めてカカオ豆というものを見ました。コートジボアールはカカオの生産でも知られるところで、さぞかし美味しいチョコレートがあるのだろうと思いきや、そこには、全く美味しいチョコレートなどというものはなくて、チョコレートに加工されるのは、もっぱら外国での話でした。

 このチョコレートの価格の高騰は、一時のカカオ豆の価格の爆上がりによるもので、現在、カカオ豆の価格はもとに戻っているのですが、一度、値上げした店頭価格はもとに戻っていないのです。

 店頭価格は一度、値上げしてしまうと、原料の価格が下がったからといって、簡単には下げないもののようです。

 全然、違う話ですが、以前、某有名ブランドの時計が値上げする際に、「スイスフランが高騰したため」と理由に書いてあったので、「これ、スイスフランが下がったら、値下げするんですか?」とストレートに聞いてみたら、苦笑いしながら、「いや、下げませんけど・・」という答えが返ってきて、「ふん・・」と思ったことを思い出しました。

 チョコレートの原料となるカカオ豆の学名は「テオブロマ・カカオ」といい、「神々の食べもの」を意味するのだそうです。

 そんな「神々の食べもの」は安定して生産され、適正価格で供給されるべきだと思うのですがね・・。


チョコレート価格上昇


<関連記事>

「セドリック・グロレ ショコラトリー Cedric et la Chocolaterie  セドリック・グロレのチョコレート屋さん」 

「食品のカドミウム汚染 チョコレートの過剰摂取に警告」 

「最近、私が好きなショコラティエ ジャン・ポール・エヴァン Jean Paul Hévin」 

「カカオ、コーヒー、大豆・・EU加盟国 森林破壊製品輸入禁止に合意」 

「バレンタイン前のメゾン・ド・ショコラでバラ売りのチョコレートに挑戦」