ビザ免除対象の非EU圏からの渡航者がEUに入国する際に必要となる電子渡航認証システム ETIASの導入は、2026年末までには導入される予定になっていましたが、依存する生体認証出入国システム(EES)の深刻な不具合と遅延のため2027年に延期される見込みとなりました。
この新しいシステムは英国、米国、その他の第三国を含む、EUへの渡航を希望する約14億人のビザ免除対象者に影響を与えます。日本もこれに含まれます。
米国のシステムに倣ったこのシステムでは、オンライン申請、出発前のセキュリティチェック、そして出発前に20ユーロの支払いが必用になります。
今回の延期は主に、指紋認証と顔認証を用いて非欧州圏からの旅行者の出入国を電子的に登録する生体認証欧州出入国システム(EES)の導入中に発生した問題によるものです。段階的な導入により、複数の空港で長蛇の列が発生し、夏季シーズン突入とともに、航空業界内で懸念が高まっています。
ただでさえ、この時期、空港は長蛇の列・・このような不具合のためにさらに列の長さが延長されるようでは混乱は免れません。
本来ならは4月10日から本格稼働する予定だったこのシステムは、数々の技術的な不具合に見舞われています。なかには、100人以上の乗客が乗り遅れる事態も発生しています。
まだ、公式発表はされていませんが、システム開発を担当する欧州機関(EU-LISA)は、ETIASの年内導入はもはや不可能であることを認めています。
欧州委員会はシステムの正式は発効日を設定する責任を負っていますが、EU-LISAによる技術テストの検証が完了して初めて発行日を設定できます。しかし、IT関連の問題が依然として残っており、年内導入は不可能というのは、もう避けられません。
また、欧州委員会によれば、これはシステム上の問題だけではなく、人員不足やインフラ整備の不備など、出入国管理システムとは無関係な他の要因が遅延の原因となっている可能性があることも示唆しています。
この生体認証システムの導入は、まさに難航を極めているといってよく、当初は2022年に導入される予定だったが供給問題、技術的な困難、加盟国間での導入状況のバラつきなどにより、導入は度々、延期されてきました。
ここで確認しておきたいのはETIAS(電子渡航認証システム)とEES(生体認証欧州出入国システム)という異なる2つのシステムが連携して存在しているということです。
今回のETIASの不具合は、複数の主要な欧州国境システムを同時に導入することの難しさとも言われていますが、これに対してEESは国境通過時に機能し、出入国を記録するものです。
一方、ETIASは、出発前に必要なもので、ビザ免除対象の旅行者は対象となる欧州諸国へのフライトに搭乗する前に、電子認証を取得する必要があり、システムが稼働すれば、航空会社は乗客がこの認証を取得していることは確認しなければならなくなります。
つまり、旅行者側からすれば、このシステムがよっぽどスムーズに稼働してくれなければ、面倒なステップが増えるということになります。少なくとも、このために出費がかさむことだけは確かです。
とりあえず、年内は、これが導入されないということは、旅行者にとっては朗報なのかもしれません。
ETIAS(電子渡航認証システム)の導入延期
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