2025年7月3日木曜日

フランスで一番、売れている車は何か?

  


 フランスで一番、売れている車はどの車なんだろう? 日常を過ごしていて、車を見ない日はありませんが、その車にあまり注意を払うことはなく、むしろ、珍しい車の方に目が向いてしまいます。

 でも、日本人の私からすれば、やはりTOYOTAの車なんかは、見かけると「おっ!よしよし、日本の車も頑張っているな・・」などと、なぜかちょっと上から目線?のように思うのですが、あまりに地味で目立たなくてあたりまえのようにあるのは、やはり、ルノーやシトロエンといったフランスの車のような気もします。

 今回のデータは売れている車といっても新車の話なので、一般的なフランス人は、車を探すときには、まず中古車から探すくらいなので、これが即、現在、フランスで一番、多く走っている車というわけでもないと思います。

 フランスの自動車市場は、今年上半期に8%減少したと言われていますが、2025年1月から6月までで、最も売れている新車は「ルノー・クリオ」なのだそうです。

 この車は、フランス国内での圧倒的な人気を誇っており、フランスでの新車の販売台数の約2分の1を占めている状態が長く続いているようです。この車の人気の理由は、多用途目的とされていること、また、ガソリン、ディーゼル、LPG、さらには、ハイブリッドバージョンも利用できるという利点によるもので、世間がいくら「電気自動車へ!」などと潮流を起こそうとしていても、やはり、それ以外の需要が依然としてかなり多いことがわかります。

 このルノー・クリオという車、言っちゃ悪いが、特にカッコいいわけでもなく、スタイリッシュなわけでもなく、なんだかふつう・・でも、そんな車が圧倒的な人気ということは、フランス人が実は合理的で、なかなか堅実でもあることが見えるような気がします。

 1位のルノークリオがシェアの半分以上を占めているということは、自ずと2位との差は、かなりあるようですが、それでも、とりあえず2位につけているのは「プジョー208」ということで、このプジョー208の完全電気バージョンは、かなり人気のようです。

 そして3位は、「ダチア サンテロ」とのことで、恥ずかしながら、私は、この名前を今回、初めて知りました。ダチアというのは、ルーマニアの車だそうで、ルノーグループの自動車会社だそうで、つくづく、ルノーグループ強し!といった感じがします。

 4位は「シトロエン C3」これもプジョー208と同様、完全電気バージョン人気のあらわれだと言われています。

 トップ10全体は、ほぼほぼフランスのブランドが占めていますが、例外的な存在として、3位のダチアと10位にようやく滑り込んだ「トヨタ ヤリスクロス」です。

 TOYOTAのヤリスといえば、昨年だったか?フランスで最も盗難に遭っている車として注目されましたが、もうひとつ、注目されたのは、この車がフランス国内のヴァランシエンヌ工場で生産されているものであり、また、この工場が軒並み業績が下降しているこの業界において、例外的に成功していて、昨年、フランスで最も生産台数の多かった車両として注目されていました。

 しかし、この自動車業界全体のは全体的に停滞、不振、5月の販売台数をあげれば、前年同月比で12%以上減少。中古車市場は比較的安定しているものの、新車に関しては、ガソリン車と電気自動車、ハイブリッド車とのこの人気が分散している状態が、この不振に拍車をかけている感じもあります。

 フランスは環境問題対策のためにやたらと電気自動車推し(電気自動車購入の際の様々なベネフィット提示)の政策を進めているわりには、意外と伸びない電気自動車人気もなかなか微妙なところです。

 もっとも、私はパリでは車を運転することもなく、もっぱら、公共交通機関を利用。パリだけを見る限りは、車はできるだけ排除の方向に着実に進んでいます。

 我が家のアパートの駐車場も私たちが引っ越してきた頃に比べたら、車の台数が半分以下になっているような気がします。

 環境問題のためには、車をできるだけ減らそうとしつつ、こうして、実際に販売台数が減少していることを嘆いているのは、なんだかなぁ・・と思うのです。


フランスで一番売れている車


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