2024年11月27日水曜日

トヨタ・ヴァランシエンヌ工場の成功 TOYOTA ハイブリッド車は売れている!

  


 TOYOTAのフランス工場であるヴァランシエンヌ(フランス北部・ノール県)工場は2001年開設以来、500万台の車を生産を突破したことを祝い、トヨタ・モーター・ヨーロッパ会長は、同社が現在、有期雇用で契約している従業員1,000人のうち、600人を無期雇用に切り替え、雇用を安定させることを発表しました。同工場は、合計5,000人の従業員を雇用しています。

 これは、フランス国内のみならず、欧州圏内の製造業のほとんどが売上高の減少などの業績不振の四半期が続き、多くのメーカーが従業員の解雇に踏み切っている中、自動車産業の流れに逆行する珍しく景気のよい話として大歓迎されています。

 同工場は、トヨタの小型ハイブリッド車「ヤリス」の生産拠点であり、20年以上この車の生産を行ってきました。このモデルはハイブリッドバージョンで最も成功をおさめている車で、現在「ヤリス」はフランスで最も生産されている車となっています。

 同工場の成功は、コンパクトな工場で徹底的にムダな時間、ムダな労力をカットすることから生まれていると言われ、部品は可能な限り現地生産、機械やロボットを要所に利用し、1日3シフト制を導入して効率的な作業を行っています。

 これは、日本の方法(「KAIZEN」(日本語の改善というそのままの単語が使われている)と継続的改善)である、「根本的原因の追究」からなる「厳格な方法」により成り立っていると言われており、産業大臣まで出てきて、これを大絶賛しています。

 大臣はまた、「TOYOTAと下請け企業との関係の質」も大絶賛しています。

 しかし、この背景にあるのは、ハイブリット車の意外な根強い人気であり、長年、電気自動車よりもハイブリッド技術を擁護し続けてきたトヨタ経営陣にとっては、明るい兆しかもしれません。

 これは、フランスは小型車市場の2大スター、プジョー208とルノー クリオを生産してきた小型車に関しては比類ないノウハウを持っていると自負していましたが、これらのフランス車はトゥルキエ(トルコ)やスロバキアに生産拠点を移しています。

 フランスにとっては、フランスのメーカーの車ではあっても、もはやフランス国内に清算拠点を置かなくなっているメーカーが大多数の中、日本の車であっても、メイドインフランスである車が世の中に普及していることをとても歓迎しています。

 ある紙面では、「日本のメーカーであるトヨタはすでに500万台のフランス製の車を公道に走らせている!」などとタイトルをつけています。

 最近では、産業大臣が工場に出向くといえば、人員削減のための労働組合をかばって工場経営者との間に折り合いをつけるようなことが多いなか、このようなお祝いムードにつつまれた工場訪問は、大歓迎なのでしょう。「トヨタは、フランスでも自動車産業が可能なことを示してくれた!」と大絶賛しています。 

 日本人の私としては、トヨタの繁栄は嬉しい反面、そんなに大盤振る舞い?して、雇用を拡大して、大丈夫?フランスでは一度、無期雇用で人を雇ったら、大変だよ・・などと思うのですが、もっとも、フランスは労働者保護のため、業種にもよると思うのですが、有期雇用を継続できるのは、限度があり、何回か目の有期雇用の更新では、無期雇用に切り替えなければならないはずです。

 しかし、日本のトヨタ、世界のトヨタ「KAIZEN・改善、継続的な改善」を追求し、どうか頑張ってほしいと思っています。


トヨタ ヤリス ハイブリッド車 


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