フランスの高等保健機関(HAS)は、歯科治療へのアクセスを改善するという目的で、歯科インプラントの償還を認める決定を下しています。
現在、歯科医療に関しての社会保障は比較的、軽い補綴(ほてつ)物(虫歯や歯周病などで、歯が欠けてしまったり、失ってしまった部分を人工的な材料で補うもの)のみを補償しています。つまり、義歯やブリッジとクラウンです。
しかし、現在、フランスで行われている歯科治療のインプラントは、年間100万本にも及ぶようになっており、今後もこのインプラント治療を受ける人は増加し続けるであろうし、特に平均余命の延長により、歯(1本以上)を失う人が増えているといいます。
インプラントの技術がそれだけ一般的に普及してきたこともありますが、HASは、この状況の変化に応じて、必要かつ最適なケアを保障したいとしています。
HASの報告書では、感染症や緩みに伴う歯の1本、あるいはすべての喪失は、例えば栄養欠乏などの機能的、審美的、そして社会的な健康への影響を伴うハンディキャップを構成するとみなしています。
また、かつては、本当に特別な治療でほんの一握りの人しかやらなかった治療が一般的な治療のひとつになってきたということも言えます。
これが実現すれば、本当にありがたい話ではありますが、高等保健機関(HAS) は政府から独立した機関であり、このような勧告を出しますが、結局、決めるのは政府なので、政府が彼らの決定を受け付けるとは限らないのだそうです。
現在の政府は、「緊縮財政の金メダル政府」と揶揄されるほどの、600億ユーロ削減計画で色々な予算が削られつつあるタイミングで、このインプラントの保険適用は、実現するのは、難しそうではありますが、それでも見て見ぬふりをせず、何度でも提案していってくれれば、いつかは・・という期待も持てないことはありません。
それでも、できるだけ、お世話になりたくない歯医者さん、ましてや、インプラントなど、保健適用になったとしても、できれば、二度とやりたくはないのです。
とはいえ、数年に一度は、お世話になるハメになる歯医者さんですが、もうこれが保険適用部分とか、ミューチュエル(国民健康保険を補う保険)も加えて、これだけとか、この方法だといくらで、この材料を使うといくらで・・とか、もうややっこしいことこのうえないのですが、歯医者さんも、そこはお仕事で、一応、歯の状態を見て、必要な治療を判断すると、すぐに、いくつかの方法で見積もりを出してくれます。
こちら側もその見積もりを見て、治療方法は選択しています。
しかし、食べることが大好きな私にとって、歯は、何よりも大事なもので、結局は、いつも、かなりの額を支払うことになります。インプラントの時などは、パンデミックの時に重なったこともあり、とにかく時間はかかるわ、お金はかかるわ、痛いわで、頬を抑えながら、ちょうど改装中でもあった歯医者さんの新しくなった金の扉を恨めしく眺めながら、この扉の一枚分くらいは、私がつけてあげたのよ・・などと思ったものです。
それにしても、こうして、どんどん長寿になっていく・・のも、いいのか?悪いのか?などと思わないでもありません。
インプラント保険適用
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