日本滞在から帰仏する前夜のこと、家で食事中、フランスではあまり食べられない焼き魚を食べ収めとばかりに欲張って、何種類も焼いて、いちいち感動し、噛みしめながら食べていたところ、噛みしめ過ぎたのか、突然、なんかガリッと妙な金属製のものをかじった違和感があり、「えっ?今のなに?魚の骨?って感じとも違うし・・」と口の中に残った小さな欠片をつまんでみたら、なんと奥歯の詰め物がとれてしまったのでした。
前回、歯医者さんに行ったのは、左側の奥歯のインプラントで、相当な時間もお金もかかったうえに、痛い思いもして、もう絶対に歯医者さんに行きたくない!と気を付けて、念入りに歯磨きをするように心がけてきたのに、久しぶりとはいえ、また歯のトラブル。
しかし、日本に一時帰国中は、ふだんの生活の何倍もの勢いで食べていたので、当然、歯を酷使し続けてきたためにこのような事態に陥る原因としては思い当たることがあり過ぎるわけで、せめて、これが帰仏寸前の出来事でよかった・・と思ってもいたのでした。
以前、インプラントにまでしなければならなくなったのは、歯医者さんに行きたくなくて、放置していたことが仇となって悪化した挙句のことで、今度は帰仏したら、すぐに歯医者さんに行かなくては・・と、落ちてしまった歯に詰めてあった小さな金のかけらを大事にしまいながら、心に決めていたのでした。
そして、フランスに戻って早々に歯医者さんに電話したら、思いのほか早く予約がとれました。
今まで大病といえるような大病もしたことない私にとって、気が重い検査などは数々あれど、歯医者さんというものは、かなり嫌な場所(その歯医者さん自体が悪いというわけではなく、歯医者さんというもの、歯の治療というものが嫌い・・というより大嫌い)、もう予約してある当日は、歯医者さんに行くというだけで、もう病人のように具合が悪くなっている気がするのです。
今回は、別に歯の詰め物がとれたというだけで、感覚的には痛くもかゆくもないのですが、歯医者さんに行って、またガリガリやられることを想像するだけで、こんなに具合が悪くなるものか?と自分でも情けなくなるのですが、事実なので仕方がありません。
久しぶりの歯医者さんは、こともなげに明るく「サヴァ?(元気?)」と挨拶してくれるのですが、大人げないことながら、私は思い切り不機嫌で「サヴァではないから来てるんだろうに・・」とか思いながら、答えにつまって自分でも仏頂面なのがわかるほど。
一応、「詰め物がとれてしまって、そのとれてしまった詰め物も持ってきてはいるんだけど・・」と説明したものの、そのとれてしまった欠片には一瞥もくれずに、歯をチェック。
いつものことながら、明るすぎるライトにもうまな板の鯉の気持ちで目を閉じ、口をあけます。考えてみれば、従姉妹の旦那さんは歯医者さんなので、日本にいる間だったら、彼に診てもらえたかも? そうしたら、もう少し気がラクだったかも・・?などと思うも、時すでに遅し。
結局、レントゲンをとったり、詰め物がとれてしまったところをまたさらにガリガリ削られて、応急処置だけをしてくれたところで、初日は終了しました。
これからさらに気が重いのは、その治療方法の選択と請求書。今回は奥の奥でもあり、目立たない場所でもあり、「最大限保険でカバーできる範囲でお願いします」と話してきましたが、今後、どうなることやら・・。
今回の一時帰国の初旬は時差ボケがひどくて極端な睡眠不足でいつものような食べ物に対して盛り上がらなくてつまらないな・・などと感じていたものの、時差ボケが解消されるとともに、しっかり挽回して盛り上がって食べまくってきたので、このような報いを受けることも充分にあり得ることではあったのですが、なにかと高くついた今回の一時帰国でした。
フランスの歯医者さん
<関連記事>
「コロナ渦中のフランスの歯医者③ ミューチュエル(国民健康保険でカバーしない分をカバーする保険)乗り換え」
「歯医者で見えるフランスでの優先順位 ここでも出てくるバカンスの優先度」
0 コメント:
コメントを投稿