2024年4月20日土曜日

断捨離で厄介なもの 日本語の本

  


 夫が亡くなって、しばらくの間は、彼が生きている時は、「もうこんなの捨てなさいよ!」とか言っていた、夫がため込んでいた、なんだかわけのわからない夫が海外で買い集めてきた妙なオブジェのようなものとか、骨董品のようなものから彼の洋服や靴に至るまで、かえって捨てられなくなって、全く手をつけられなくなってしまいました。

 3年くらい経った頃からでしょうか? 洋服や靴などは、サイズの合う人には、もしよかったら使ってくださいと差し上げたり、もう人に差し上げるのも失礼だと思われるものは、処分し、その他の多くのものは、エマウス(不用品を持っていくときれいにして販売され、その収益は恵まれない人のための寄付金になる団体)に引き取ってもらいました。

 ある程度、片付いてきたあとは、今度は日本の両親が亡くなったりもしたので、今度は日本に行くたびに、両親の遺品や家のものを整理する月日が流れ、しばらくすると、断捨離にも疲れてきて、しばらく手つかずにいました。

 しかし、自分自身もだんだんと体力の衰えを感じはじめ、今度は、自分自身の断捨離も少し体力のあるうちにやらなければと思い始め、最近、また、断捨離を開始しています。

 買ったまま使っていなかったバッグなどの小物類から洋服やアクセサリーとか、大して使わなかった娘のおもちゃとか、子ども服などは、折に触れて、以前からVinted(ヴィンテッド)やルボンカンなどのメルカリのようなサイトに出して、おこづかい稼ぎをしているのですが、どうにもならないのが日本語の本です。

 海外生活を始めるにあたって(最初はアフリカだった)、何よりも恋しくなると思われた本類・・好きな作家の日本語の本などは、段ボール3個分、別送しました。そのうち1個はアフリカに到着したのかしないのか?紛失してしまいましたが、それ以外はずっと引っ越すたびに一緒に移動し、蓄積されてきたものです。

 パリに来てからは、一時帰国するたびに文庫本などはを少しずつ、買って帰ってきたもの、ブックオフなどで安売りしている時などに買い込んだものなど、とにかく四半世紀以上ともなれば、相当な数になっています。

 一番、手っ取り早いのは、こちらにいる日本人の友人たちに、聞きまわればいいのですが、本にはそれぞれの好みもあり、おまけに皆、自分自身もそろそろ断捨離し始めたい世代の人々。

 日本語の本ばかりは、おそらく娘も先々になって読むとも思えず、また、フランス語や英語の本ならばともかくVintedなどでは出品したところで売れません。かといって、本好きの身、また日本語の活字が読みたくて読みたくて仕方なかった時期があった私としては、本を捨てるということにはとても抵抗があるのです。

 なので、ここのところ、気が向いたときには、ブックオフに本を引き取ってもらいに行っています。とにかく、気が付いてみれば、自分でも、よくもこれだけ家に運び込んだな・・と思うほどあり、しかも、本というものは重いもので、家には車もないので、ラクではありません。

 一応、査定をしてくれて、買い取ってもらえる分もあるのですが、値段がつかなくても、「欲しい人がいたら、あげてください」と言って引き取ってもらいます。もしかしたら、捨てられてしまうかもしれないのですが、一応、私が死んだ場合はダイレクトに捨てられてしまいそうな本にちょっとでも敬意を払っている気になっています。

 このブックオフの査定ですが、ある程度、きれいな状態であっても、本の種類にもよるのか?基準がよくわからないのですが、査定をしてくれる人によって、ずいぶん差があるなという印象です。

 まあ、1回に持っていけるのは、せいぜいエコバッグ1個分くらいなので、しれていますが、せいぜい1回分3~5ユーロ程度、少ない時だと1ユーロにもならないこともあります。本と言えば、夫も本好きであったため、山ほどフランス語の本もあるのですが、こちらの方は、近くにいらなくなった本を置いておくスペースが街中にできているので、いざとなったら、そこへ持っていくつもりです。

 最後の最後まで身近にとっておきたい本をのぞいては、あとは少しずつ処分するつもりです。好きな作家の本は、何度となく読む本もあるにはあるのですが、その大部分はもうおそらく二度と読まない本がほとんどです。

 最近は、荷物になるのが嫌なので、日本語の本もKindleで済ませてしまうので、今後、本は極力増やさないようにしていますが、正直なところ、本当は紙に書かれた活字の方がやっぱり、しっくりくる古い世代です。

 本当は、一度、じっくり徹底的に断捨離するのが合理的なのかもしれませんが、あとどのくらい生きているのかもわからないので、あまりさっぱりしすぎてしまうのも寂しいものです。

 しかし、考えてみれば、私が日常生活で使っているものなど、家にあるものの中で本当に限られたものだけで、本当に大切なもの以外はやはり少しずつ処分していき、大事なものを大切にして、暮らすべきなのだな・・それはモノに限らず、何かに費やす時間なども同じことだな・・などと断捨離しながら、考えています。


断捨離 ブックオフ 日本語の本


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