日本の家のものはもちろんのこと、フランスにも長くなり、不用品をいつの間にか、驚くほど溜め込んでいて、断捨離を初めて、久しくなります。
ただ、ひたすら、処分する=捨てる・・というのは、忍びないものも多く、当初は、近所にあるエマウス(Emmaus)という慈善団体に持って行って、寄付したりしていました。もうスーツケース何個分も運んで、もらって頂きました。
ここは、大きな家具なども引き取ってくれるので、頼めば配送のための下見に来てくれたりもします。こちらは、そういった寄付により受け取ったものを販売して、その収益を恵まれない人への寄付金として社会貢献している団体です。
どうにも劣化しているものは、廃棄するのも致し方ないのですが、まだ充分に使えるものを捨てるのは忍びなく、かと言って、いつまでも抱え込んでいても仕方ないので、その処分に困るところなのは、どこの国でも同じです。
日本は、一時、買い取り業者などが広まったり、メルカリなどで、不用品を処分することができますが、フランスでも、メルカリのようなネットでの売買ができるサイトがいくつか出てきています。
私が最初に始めたのは、ルボンカン(leboncoin)というサイトで、2006年にスタートしたようです。このサイトは、扱っている物の範囲がとにかく広く、小さな置き物から、家や車、職探しまでできるようになっています。
しかし、そのうちにヴィンテッドという別のサイトを見つけてからは、同じものを同時に2つのサイトに載せていますが、ヴィンテッドの方が圧倒的に売れるのが早く、その上、サイトが明瞭で、使いやすくできているので、現在は、ヴィンテッドがほとんどになっています。
日本のメルカリも一度やってみたくて、日本に一時帰国をした際にやってみたことがあるのですが、システムや販売などの流れが実に上手くできていて感心したのですが、難点を言えば、手数料を取られるところです。
ヴィンテッドは、手数料もかからず、また、システムもなかなか上手くできていて、取引した相手の評価をつけられるようになっているので、例えば、これから買い物をしようとする相手がどの程度、信頼できる相手なのかをある程度、判断できる基準となっています。
配送料は、購買する人が負担するので、購入の際に購買者側が配送会社を選び、販売する側は、購買者の指定した配送会社を扱っているお店に商品を預けます。
配送機関は現在のところ、5種類あり、荷物の大きさにもよりますが、軽いものならば(例えば夏用のワンピースなど)2.88€〜6.45€、配送会社(Mondial RelayやRelay Colis, Cheonopost など)によって幅があります。
以前、メルカリをやってみた時には、フランスには、これらの配送会社のシステムが拡充しておらず、売るのはいいけど、ちゃんと届くかどうかが不安で、日を決めて手渡しすることも多かったのですが、これらの配送システム(荷物を預かる店舗が荷物を管理する)が普及してからは、荷物が紛失したりすることもほとんどなくなりました。
これらの荷物預かりポイントは、他のものを売っている店舗が副業としてやっていて、この系列に参加している他地域の店舗に送られるので、トラブルが頻発したら、そのお店は取扱停止となり、責任の所在がはっきりしているためにトラブルがほとんどないのです。
トラブルが発生した場合は、一応、Vintedが中に入って、仲裁してくれることになっていますが、これまでにトラブルは、ほとんどありません。
売りたい物の写真を撮ってサイトに載せ、その商品説明を記載して、値段をつけて出品します。その商品ごとに、説明とともに、サイト上には、「買う」「お気に入りに追加する」「メッセージを送る」という欄が表示されるので、そのまま買いたい場合は、「買う」をクリックすれば、それで、商談は成立します。
メッセージでは、値切りの交渉や商品についての質問が来ますので、それに回答して、やりとりをします。
化粧品・香水などに関しては、未使用のもの(つまり新品)という決まりがありますが、その他のものに関しては、中古品でもOKです。
最近は、取扱の国も拡大し、ベルギー、オランダ、イタリア、スペインなど10ヶ国以上の国で利用されており、時には、外国からの購買希望者からメッセージが来たりするのですが、外国語にも対応できており、メッセージとともに、Google翻訳の機能付きになっていて、「このメッセージを翻訳する」をクリックすると、自分の理解できる言語に翻訳してくれ、自分の国の言語でメッセージを送り返すことができます。
中には、「自分のサイトの中の商品と交換してくれませんか?」(物々交換制度あり)とか、「送料を払いたくないので、手渡しにしてくれませんか?」なんていうのもあったり、「お母さんへのプレゼントにしたいのだけど、私の予算はこれだけなので、この値段で売ってくれませんか?」を滔々と書いてくる人などもいます。
売買交渉が成立すると、商品に貼り付けるラベルがすぐにダウンロードできるので、それを梱包した荷物に貼り付け、指定された配送機関の荷物を扱ってくれているところに置きに行くだけです。プリンターがない場合は、配送中継地点がプリントしてくれます。
荷物が届いて、受け取った人が商品を確認した時点で、代金は自分のサイトのお財布に入金され、いつでも自分の指定した口座に振り込むことができます。(手数料無料)
ヴィンテッドもスタート当初は、古着、アクセサリーなどが中心でしたが、今では、子供のおもちゃ、バッグ、靴、化粧品、香水、テーブルウェア、飾り物などのオブジェ、本など、扱うものがどんどん増えてきました。
このサービスは、ロックダウン下でさらに急成長した企業でもあり、人々が外に出れずにサイトをのぞいている間に、利用者も急拡大し、今では、テレビのコマーシャルでも見かけるようになりました。
もともと中古車を始めとして、中古品にあまり抵抗のないフランス人の国民性もこれを後押ししているのかもしれません。
シーズン毎によって、売れるものも、売れ行きも違いますが、これまでの私の経験からは、ノエルの前、母の日の前が最も売り上げが良かったので、フランスでこれをやってみようと思う方は、このシーズンを狙ってみると良いかもしれません。
今年の夏のソルド(バーゲン)は、予定どおりに開始されたので、これは、ヴィンテッドもしばらくは、お休みだと思いきや、人々の買い物モードにスイッチが入ったのか、ヴィンテッドの方も結局はサイトを見ている人も増えたのか? 売り上げは上々です。
といっても、別に私は、これを商売にしているわけでもないので、別に急ぐわけでなし、山ほど溜め込んでいたいらないもので、ずーっと売れずにサイトに残っているものもたくさんありますが、それが忘れた頃にポロッと売れたりもして、ちょっとお小遣い稼ぎができて、喜んでいます。
昨年、ヴィンテッドのサイトから、「税金申告のお知らせ」とともに、「昨年のヴィンテッドの売り上げを確認してください」いうメールが来たので、一瞬、ギョッとしましたが、結局、「これを、商売にしている人は、税金を申告しなければなりません」ということだったので、私のように不用品を売っている場合は、必要ありませんでした。
フランスには、この種のサイトは他にもいくつかあります。自分の売りたいものによって、それぞれの得意分野があるようで、例えば、ブランド物(ある程度、高価なもの)(ファッション関係)なら、Vestiaire Collectiveというサイトが高い値段で売れるという噂も聞き、一度、チャレンジしたことがありましたが、高額商品ゆえに、商品に関する詳細な情報入力や審査が厳しく、断念しました。
私は、これまでに、これで、ちょっとした旅行ができるくらいのおこづかいができました。
断捨離をしている方、思わぬおこづかいになるので、ちょっとトライしてみたら、いかがでしょうか?
私は、売るだけですが、買い物も思わぬ掘り出し物があるようです。娘などは、もっぱら、Vintedでしか買い物しないみたいです。この間もニューバランスのスニーカー、ほぼ新品(きっと買っただけで、サイズが合わなかったと思われる人の出品でした)が30€だったそうです。
Vinted ヴィンテッド
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