オリンピックを目前に控えた日本で非常事態宣言が発令され、その直後に今年の東京オリンピックが無観客で開催されることになったことは、フランスでもすぐに報道されました。
「デルタ変異種の出現とともに、感染状況が悪化している日本は、非常事態宣言が発令され、20時以降のレストランの営業も制限(アルコールの提供も禁止)され、コンサート等も21時までに制限され、その上、ワクチン接種も国民の15%しか済んでおらず(2回の接種)、オリンピック選手だけでも1万1千人が全世界から集まるこの世界的な大会において、感染拡大回避のために、オリンピックを無観客で行うことに決定した」「入場できるいくつかの会場でさえも、観客の数は定員の半分を超えてはならない」と伝えられています。
Suite à l’état d’urgence décrété à Tokyo et à l’issue d’une réunion des 5 parties, il a été décidé aujourd’hui qu’aucun spectateur ne sera autorisé sur les sites de compétition à Tokyo pendant les Jeux Olympiques.
— #Tokyo2020 en français (@Tokyo2020fr) July 8, 2021
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フランスの感染症の専門家などは、テレビのニュース番組で、「現在の東京の状況を鑑みると、これ以外の選択肢はないと思います」などと語っていたので、「ちゃんと日本が危険な状態は理解されているんだ・・」とちょっとホッとするような感じもしましたが、このオリンピックについては、なかなかの辛口の報道も目立ちます。
見出しだけでも、「東京オリンピック・どこまで失敗が続くのか?」、「歴史上、最も高額な負債を負ったオリンピック」「密室でのオリンピック」「オリンピック無観客を発表・イライラする決定」などなど、見出しだけでもわかるオリンピックの失敗を匂わせる内容です。
<以下、フランスでのいくつかの報道の内容>
2011年の津波から10年後に「完全復興大会」を公言してきた彼らにとっては、パンデミックのために、歴史上初めて1年延期になった時点で、一回目のダメージ。そして、延期を決めた時点で、彼らは、「一年後には、コロナウイルスに対する人類の勝利の証としてオリンピックを開催する」と声明を発表しましたが、今年の3月の時点で、海外からの観客をシャットアウトした時点から、再び、影を落とし始めました。
オリンピック開催は、ギリギリまで決定されず、強引な国際オリンピック委員会(IOC)や煮え切らない菅政府の対応に、国民の多くが最後までオリンピック開催に反対し、オリンピックの開催が「人々を結びつける」どころか、日本列島を分断しました。
オリンピック開催にもかかわらず、ワクチン接種にアクセルがかかり出したのは、今年の5月に入ってからで、2回のワクチン接種が済んでいるのは、未だ国民の15%程度。
オリンピック延期を決定して以来、16ヶ月間もの間の全てが不確実な期間をジリジリと過ごした挙句に決定したのは、無観客開催。
さらに観客をシャットアウトしたことで、チケットは払い戻し、これは、オリンピック収益の15〜20%が失われることを意味しています。これに加えて、無観客になることで、スポンサーが撤退する恐れが加わりました。
キヤノンや食品大手の味の素を含む十数社の日本企業は、すでにプロモーションイベントをキャンセルし、会場のブースを閉鎖すると述べています。
この国がオリンピックで呪われたのはこれが初めてではない。1940年、第二次世界大戦のために東京はすでにオリンピックをキャンセルしなければなりませんでした。
この無観客オリンピックの発表は、8月22日まで東京で緊急事態宣言を復活させるという日本政府の決定の数時間後に行われ、オリンピックの全期間を網羅する措置となります。同時に日本政府はこの期間中に感染を減少させ、緊急事態宣言を解除させるという課題も負ったことになります。
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フランスでの報道は、概ねこのような内容ですが、つくづく始まる前から「大失敗感」満載のオリンピックが「やれやれ、終わってみれば、めでたしめでたし・・」となる日が来るのかどうか? それとも、この大失敗ストーリーに続編が続くのか、歯に衣着せないフランスの報道は、恐ろしいのです。
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