フランスは、デモの国。何かあれば、すぐにデモ・デモ・デモ。しかし、フランス人らしく、デモよりバカンスが優先で、普通、バカンス期間中には、デモはせず、しかし、だからといって、デモをしないというわけでもなく、デモに関してだけは、段取りよく、バカンスシーズン突入前に、バカンスから戻った9月のデモの日程を予告してバカンスに入ったりします。
今回の7月12日にマクロンがデルタ株の感染拡大を機に発表したワクチン接種拡大の呼びかけ、ヘルスパス(ワクチン2回接種、48時間以内のPCR検査の陰性証明書、6ヶ月以内のコロナウィルス感染証明書)の発表は、一部は7月21日から、また次の段階は、8月1日からとかなり急なものであった上に、結果的に、「そりゃ、ワクチンするしかないでしょ!」という、かなり強引な内容だったため、これはデモか暴動でも起こるのではないか?と思いました。
しかし、蓋を開けてみれば、マクロン大統領の発表直後から、ワクチン予約が殺到し、翌日には、1日で792,339人がワクチン接種をするという記録を立ち上げ、その週末には、さらにそれを上回る879,597人と記録を塗り替えました。
世論調査でも、「ワクチン接種に行く」と答えた人が79%にまで上昇し、「ワクチンはしない」と答えた人は16%のみになりました。
それでも、やはり、デモは、7月14日の革命記念日(パリ祭)の日から始まりました。マルセイユ、パリ、ナント、モンペリエ、リヨンなどの全国各地で、19,000人ほどの人がデモに参加しました。
そしてこの週末も再びデモが起こっています。
彼らの言い分は、「マクロン大統領は、フランスでワクチン接種を開始する際に、義務ではないと言った! それを突然、月曜日の夜に現れて、10分でフランス人の生活をひっくり返した!彼の独裁的なやり方は許せない!」とヘルスパス反対を正当化しようとしています。
この週末は、パリだけでも18,000人、フランス全土で114,000人の規模のデモが行われました。
しかし、オリヴィエ・ヴェラン保健相はデモが発生したことについて、「これはあくまでも少数派、ワクチン接種は急務である」と断固とした態度を崩してはいません。
フランスの人口は6,540万人ですから、数万人のデモとはいえ、少数派であることに違いはありません。前回のデモが起こった時点で、彼は、ツイッターで、「デモ隊の25倍の人がワクチンセンターでワクチンを受けています!」とワクチン接種に賛同している人が大多数であることを示しています。
確かに今回の発表は、かなり強引で、フランスにしては、かなり強行な独裁的な感じを受けたことも確かではありますが、現実的に、政府も予断を許さない必死な状態で、待ったなしの状況であることにも違いありません。
7月の初旬には、2,500人程度であった1日の新規感染者数は、2週間ほどで1万人を突破しています。
また、現在のフランスのコロナウィルスによる入院患者数は6,791人ですが、そのうち重症化している患者の96%がワクチン未接種であることがわかっています。
フランスのデモは日常のことで、デモをやったからといって、事態がひっくり返ることばかりではありません。現に、昨年から起こっていたグローバルセキュリティ法に反対するデモでさえ、あれだけ派手にデモをして暴動を起こしたりしていたのに、結局は法案は可決されています。
今回のヘルスパスに関しても、デモは起こっていますが、大多数の人がワクチン接種に走り、多くの国民がワクチン接種をする方向に転じて、実際にワクチン接種が加速化しているので、結局のところは、そのまま施行されると思います。
しかし、ワクチン接種に反対しているだけあって、この種のデモに参加する人たちは、マスクをしていない人がほとんどで、このデモで感染が広まってしまうことも充分にあり得ることです。
誰だって、マスクも嫌だし、ワクチンだって本当はしなくて済むならしたくないけど、ロックダウンはもう嫌だし、犠牲者がこれ以上出るのも何としても避けなければなりません。「デモをやりたいなら・・ワクチンが嫌なら、せめてマスクぐらいしろよ!」と思うのです。
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