2023年10月31日火曜日

サロンドショコラに行ってきました! サロンドショコラ2023パリ

  


 フランスに来て、四半世紀を過ぎたというのに、今まで行ったことがなかった世界のチョコレートの祭典、「サロンドショコラ」。

 「一度は行ってみようかな?」とず~っと思っていたのに、これまで一度も行ったことがなかったのは、意外と開催期間が短くて、広告が街中、あちこちに出ていたりして、「あ~今年もサロンドショコラの季節なんだな・・」などと、悠長に構えていると、気が付いたときには、終わっているという感じで毎年、行きそびれていました。

 今年は、たまたま急に思いついて、チケットをとろうかな?と思って調べたら、現地でも買えるというので、まぁ、当日、気が向いたら行くんでいいな・・と思って、ふら~っと行ってみました。


 会場はポルト・ド・ヴェルサイユEXPOというよく見本市などに使われる場所で、私にとってはあまりふだん行かないエリアではありますが、道すがら、この間、来たのは娘がコロナウィルスのワクチン接種の場所に指定されたために、その時に久しぶりに来たな~などと思っていました。

 以前は、職場の同僚などが、サロンドショコラに行ってきたから・・などと、ジャンポールエバンのチョコレートをくれたりしたので、なんとなく、有名な、いわゆるショコラティエのグランメゾンのようなイメージのショコラティエのブースが林立しているようなイメージでいたのですが、チョコレートがメインではあるものの、実際には、チョコレートではないものもけっこうあって、ドライフルーツとか、パンとか、ケーキ、カヌレ、パンデピス、ヌガーなど、あらゆるスイーツ類をひととおり網羅している感じもあり、中にはフォアグラやシャンパンまでもがある会場全体が甘い香りに包まれた空間でした。



 今年はなぜか日本の国旗がたなびくエスパスジャポンというスペースがあったりして、なぜかAKI(オペラ近辺にある人気の日本のパン屋さん)が大福などを売っていたりして、ビックリさせられました。正直、なんで?サロンドショコラに大福??と。

 とはいえ、どこかチョコレートにひっかけてあるものが多く、シャンパン(シャンパーニュ地方で作られたものではないので、シャンパンとは名乗れないと言っていましたが、)でもカカオが混ざっていて、試飲させてもらうと、ふんわりとカカオの香りのするものだったり、この試飲の前には、口をすっきりさせるためにと、イチゴを食べさせてくれたりするのに感動したりもしました。


 フォアグラのブースでは、チョコレートとイチジクのペーストのようなものとフォアグラを組み合わせるというのを食べさせてもらったり、とにかく、いくつものブースを廻るたびに、チョコレートの試食をさせてくれるので、色々と見て回ってから、最後に一番、食べてみたいものを買おうかな?などと思っているうちに、結局、試食しすぎて、口の中がもうわけわからない状態になり、チョコレートは、もういいかな?などと思ってしまいました。



 しかし、会場では、コンクール形式の実演デモンストレーションをやっていたり、チョコレートでできた衣装のファッションショーをやっていたり、パン・オ・ショコラのコンクールをやっていたりと、それぞれの場所で大盛り上がり。


 なにしろ、広い会場の1階と地上階の2フロアーに所せましとチョコレート屋さんをはじめとしたブースが並んでいるので、ひととおり歩き回って、もう足はガクガク、口の中はチョコレートだらけになりました。






 チョコレート好きで有名なフランス(私自身もフランスに来てからすごくチョコレートの消費量?が増えました)で、チョコレートで勝負するのは、かなりハードルが高く、厳しいものと思われますが、サロンドショコラはお祭りのようなもの、実際にパリにお店を出しているお店よりも、遠い国から(または、フランスでも遠い地方から)わざわざやってきているという本当に見本市のようなもの・・色々な国の人にも会えるし、なかなか楽しい祭典でした。

 さんざん、試食して歩いて、結局、戦利品はこれだけ・・クロワッサンの方は、クロワッサンショコラ・・と書いてあったので、パンオショコラとどう違うんですか?などと聞いていたら、パンオショコラとは、違うそうで、そんな話を聞いていたら、となりで買い物していたおばさんが、これ!絶対美味しいから買った方がいい!など力説するので、買っちゃいました・・。



サロンドショコラ2023パリ


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2023年10月30日月曜日

思わず伸びた手を引っ込ませるフランスの食品表示 NUTRI-SCORE ニュートリスコア

 


 フランスのスーパーマーケットで食品を選ぼうとする時、パッケージの前面に、緑、薄緑、黄色、オレンジ、赤に色分けされたA~EまでのNUTRI-SCOREなる食品表示を目にすることが多くなりました。

 この食品表示は、消費者が栄養の観点からより健康的な製品の選択を奨励するために、医療制度近代化法の一環として施行されているもので、2016年にフランス政府主導で進められ、その後、ベルギー、スペイン、ドイツ、オランダ、スイスなどの国でも導入され、国際ガン研究機関や世界保健機構(WHO)などの支援を受けながら、どんどん広まっています。

 私の場合、この表示には、ちょっと首をかしげることも少なくなく、今一つ、納得いかないこともありますが、このおかげで、手を引っ込めることになる機会が多いです。

 例えば、お菓子売り場などを歩くと、軒並み<E>の表示が並んでいて、ちょっと恐ろしくなるくらいで、この表示のために思わず伸ばした手を引っ込めることも少なくありません。

 これが表示されていることで、買うのをやめることはあっても、買うことにすることは、ほとんどありません。

 このシステムが導入されるにあたって、案の定、食品業界からは、大反対の声があがったと言われていますが、逆に消費者団体がこれを強く支持し、このシステムを推進するためのイニシアチブをとりました。

 生産者側の立場に立てば、明らかに不利だと思われる表示をメーカー側が自ら表示することは、大変、抵抗のあることは当然のことですが、同時に良心的である印象もあり、また、この表示を少しでも、良いものにしようとする開発努力が生産者側にも生まれる傾向にもあるかもしれません。

 現段階では、この表示は絶対的に義務付けられているものではなく、欧州連合の規制により、あくまでも、これを表示することが推奨されるというものに留まっていますが、ここ数年で、ずいぶんとこの表示が増えたような気がしています。

 子供に食べさせるにしても、大人が食べるにしても、<E>と表示されている商品に手をのばすのは、なかなか勇気がいるものです。

 しかし、この食品表示で、健康状態改善には一定の成果が見られていると評価されており、また、これを販売する側の大手スーパーマーケットチェーン(ルクレール、オーシャン、インターマルシェなど)は、自社ブランド製品には、全てこのニュートリスコアを表示することを宣言しています。

 肝心なのは、これがどの程度、正当性があるのかということで、この採点にあたっては、100gあたりのカロリー、糖度、飽和脂肪含有量、塩分含有量などがマイナスポイントとして換算され、逆に、果物、野菜、豆類、菜種油、オリーブオイル、食物繊維、タンパク質などの含有量はプラスに換算されるようです。

 しかし、チーズは、タンパク質、カルシウム含有量に重きを置いて考慮が加えられているようなところは、少々、都合のよい解釈のような気もします。

 私は、自分なりの食品についての知識と見解を持っているつもりでも、最近は、やたらと、この食品表示が気になって仕方なく、明らかに<E>・・そうだよな・・と思うことはともかくとして、予想外によかったり、悪かったりする場合に出くわして、モヤモヤします。

 たとえば、フランスの冷凍食品のお店 PICARD(ピカール)で見かけた鯖の切り身とゴルゴンゾーラとマッシュルームのタルトが同じ<C>! この鯖は私の大のお気に入りの商品で、私は、このためにピカールに行くといっても過言ではないほどで、しかも、これは、調理されたものではないため、素材そのもので油や塩分、糖分は加えられていません。日本人の私としては、青魚は身体に良いという認識が高いため、自分の中でのこの鯖の評価は間違いなく<A>で、思わず、「鯖を<C>扱いするとは、鯖への冒涜!」と大いに憤慨したのです。



 まあ、自分の判断で買い物をするのですから、これに振り回される必要はないと思いつつ、この時ばかりは、手を引っ込めるどころか、他のものにまで手をのばして、「鯖と同じなら、いいでしょ!」と、全然、買うつもりもなかったゴルゴンゾーラのタルトも一緒に購入してしまい、まったくこの食品表示が見当違いに作用してしまったのでした。


食品表示 ニュートリスコア NUTRI SCORE










2023年10月29日日曜日

夏時刻・冬時刻はやめてほしい

  


 フランスで生活するようになって以来、一年に2回、ウッとくるのが、夏時刻・冬時刻の切り替えの時期で、そのたびに、「・・またか・・」と、ちょっとウンザリした気持ちになります。

 たった一時間のことなのですが、身体のリズムが崩れるのは、不思議といえば、不思議なくらいなのですが、これが、けっこう面倒くさいし、しんどかったりもするのです。

 冬時刻に変わる時は、一時間遅れることになるので、サマータイムに変わる時に比べると、楽と言えば楽なのですが、それでもやっぱり、軽い言い方をすれば、調子が狂うというか、やっぱり身体がしっくりこない感じがあります。

 そのうえ、フランス時間だと1時間遅れるために、時間が変わった日などは、1時間余計に寝れたりするので、変わった時間に慣れやすいこともあるのですが、日本と仕事をしていたりする場合は、逆に日本との時差が広がるので、日本時間にあわせると、1時間早起きしなければならなかったりで、これはこれで、冬時刻はキツかったりもするのです。冬時刻の間は日本とフランスの時差は8時間になります。

 フランスでも、ここのところ毎年のように、サマータイムはもうやめるという話が出ているものの、大きな局面では、2019年に本格的に欧州議会がサマータイム廃止に向けて、動き出したかにみえたものの、結局、パンデミックの到来で、それどころではなくなってしまったまま、立ち消えになってしまったようです。

 そもそも省エネ等の目的でサマータイムが導入されたものの、その実、大した効果がないことも明らかになり、むしろ、健康面での害が叫ばれたりしたために、このサマータイム廃止論が浮上したのですが、パンデミックで計画が中断したうえに、今度は、実際にサマータイムを廃止したメキシコで、その際に生じたトラブルなどの話までもが出てきたりして、一時の盛り上がりは、萎んでしまったようです。

 メキシコでは、多くの人の携帯電話がインターネットに接続していないとのことで、自動的に時間がアップデートされずに、時間が変わったことに気付かずにいた人が続出したり、また、地震などの災害の多いメキシコでは、アースアラートアプリが非常に重要な役割を果たしているとのことで、このアプリのシステムにまでも支障をきたし、予想以上の深刻な結果をもたらしてしまったと言われています。

 とはいえ、メキシコの例は、必ずしもフランスや欧州には当てはまらないと思えるのですが、欧州は欧州で、冬時刻に合わせるか、夏時刻に合わせるかで意見が分かれているうえに、張り巡らされた欧州内の交通網のタイムテーブルが時間が国ごとによって時間がまちまちになってしまうとなると、かなり複雑で、1国の決議で決められることでもないのが、最大のハードルのようです。

 とはいえ、一度、どちらかに変えて一本化してくれれば、その後はそのまま継続すればよいだけの話で、やっぱりどこかのタイミングで多くの人が苦しんでいるこの奇妙なシステム、いいかげんにやめてくれないかな?と毎回毎回、思うのです。


夏時刻 冬時刻 サマータイム


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2023年10月28日土曜日

コロナウィルスワクチン 1日前倒しで済ませました!

  


 少し迷った挙句に、かかりつけのお医者さんに相談した結果、結局、あっさり、インフルエンザのワクチン接種もコロナウィルスのワクチン接種もすることにして、すでにインフルエンザのワクチン接種は済ませていました。

 去年は、インフルエンザのワクチン接種の後に、熱を出したので、今年はワクチン接種後は、おそるおそる、少しおとなしくしていたら、結局、何ごともなく、数日が過ぎ、いつもどおりの生活に戻りました。

 気のせいか、バスやメトロの中では、やたらと咳をしている人が多い気がして、心の中では、「やっぱり、ワクチン接種しておいてよかったかも・・」と思っていました。

 しかし、もう一つのコロナウィルスのワクチンの方は、少し時間をあけた方がよいということで、それから8日後に予約をしてあったので、こっちも済んでしまうまでは、なんとなく、まだやるべきことが残っている感じで、気になっていました。

 ところが、「そういえば、明日はコロナウィルスワクチン接種の予約の日だった・・」と思っていたら、前日にお医者さんから、「コロナウィルスのワクチン、今日の夕方でもいいですか?」と電話があって、どうやら、予定していた人がコロナウィルスにかかってしまってできなくなってしまったらしく、ワクチンを無駄にしたくないから・・とのこと。

 1つのワクチンのボトルには、6人分のワクチンが入っていて、空けたら保存できないそうで、1日くらい前倒しにするくらい、私としては、全然、問題なく、特にその時間帯に予定もはいっていなかったので、二つ返事でOKしました。

 というわけで、あっさり予定より早く、新しい変異種対応といわれるコロナウィルスのワクチン接種を済ませてきました。しかし、やっぱり、お医者さんでやってもらえるのは、安心なことで、一応、ワクチン接種をする前に聴診器をあてて、体調をチェックしてくれて、それから、「これなら大丈夫!」と判断してからやってくれたので、気休めのような感じもするものの、「あ~やっぱり、薬局でやってもらうよりも安心だな・・」と思ったのでした。

 ワクチン接種が済んだあとは、久しぶりに目にするワクチン接種証明書を印刷してくれて、このQRコードを読み込んで、保存しておいてね・・と言われて、そのまま家に帰りました。

 放っておくと、忘れそうなので、家に帰るとすぐに久しぶりに開くワクチンパスポートにQRコードを読み込むと、なんと、エラー!正しい証明書かどうか、確認してくださいとメッセージが出てしまうので、あわてて、お医者さんのところに戻って、聞いてみると、おそらく、もうアプリ自体をメンテナンスしていないために、アプリには、読み込めないのかも・・と。

 現在の段階で、ワクチンパスポートが求められる機会もないので、とりあえず、スキャンしてファイルするか、写真をとって保存するかしておけば、問題ないでしょう・・とあっさり。

 考えてみれば、インフルエンザをはじめとして、いちいちワクチン接種証明書などというものは、ふつうはないのですから、ワクチンが効いてくれさえすればよいことなのです。

 私の新しいワクチン証明書には、5/5、つまり5回目のワクチン接種済と書かれていて、そういえば、なんだかんだでもう5回目のワクチン接種(コロナウィルス)であったことに今さら気付いて、自分でもビックリしました。

 「ワクチンを打ったところが痛くなるかもしれないから、そうしたら、すぐにドリプラン(解熱・鎮痛剤)を飲みなさいね!」と言われて、「出た出た・・またドリプラン!・・だかから品不足にもなるんだな・・」と思いながら、それでも、やるべきことを済ませた気分でなんだかスッキリしました。

 ワクチンのおかげかどうかはわかりませんが、私はこれまでコロナウィルスには一回もかかっていません。ワクチンをしているからといって、必ずしもかからないとも言えないようですが、やっぱり、少しは安心です。


コロナウィルス変異種対応ワクチン接種


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2023年10月27日金曜日

暴動被害修復にフランス政府1億ユーロ放出 未成年破壊者の親に損害賠償負担義務

  


 警察官の発砲・未成年射殺事件を発端にした恐ろしい規模の暴動で、フランスは大変な損害を被りました。

 一時は、これは一体、いつまで続くのだろうか?と思うほど、暴動の規模はSNSによって、あっという間に全国規模に拡大し、また、特に若年層を中心として、日常の怒りも加えてぶちまける場となり、また、破壊行為、盗難の産物などをライブでSNSにアップして、競い合うようなゲームのような状態にまでエスカレートし、ますます暴動の規模は拡大し、酷いものだとコマーシャルセンターをまるまる焼き払ったり、市役所や市長、その家族が標的にされた地域もありました。

 私もパリ郊外にあるコマーシャルセンターで買い物中に暴徒たちが押し入ってきたとかで、店内に缶詰めになって、恐怖の時間を過ごした後は、近隣のメトロの駅が閉鎖され、次の駅まで延々、歩くハメになったこともありました。

 そんな暴動に対して、政府はSNSを含めた警戒を強化し、しばらくして暴動は治まりましたが、その暴動のために破壊されたものの被害は、相当な金額に達しており、それぞれの店舗など、保険がどの程度カバーするものなのか?また、保険でカバーしきれない部分は一体誰が支払うのだろうか?と思っていました。

 暴動が起こったのは、6月末から7月にかけてのことで、あれから約4ヶ月後の今になって、暴動のために破壊されたものへの修復と再建への支援の一部として、政府は1億ユーロを放出することを発表しました。

 到底、1億ユーロでカバーできるものとは思えませんが(保険会社の見積もりによれば、被害総額2億ユーロ程度)、政府は、この1億ユーロの放出とともに、自治体警察の権限の強化や暴動を起こした未成年の親にも損害賠償の責任を負わせることを併せて発表。

 今回の暴動は、未成年が多かったことから、当然、支払い能力はなく、また、子供の起こした事件に関して、親が責任をとるという当然のことでもあります。

 ボルヌ首相は、この問題に対して、毅然として、「同居・別居にかかわらず、暴動に参加して、破壊行動を非行少年の両親は、この損害に対して経済的責任を負わなければならない」と語っています。

 そもそも、多くの破壊行為は、真夜中に起こっていたものが大部分を占め、その時間帯に未成年のこどもがでかけていくのを放置していること自体、私には、ちょっと理解できないことで、完全に親の監督責任放棄行動です。

 本来は親が責任をもって、子供を見守らなければいけない親の怠慢。保護者に経済的責任を科すことで、親の子供への教育・監督責任の姿勢を問いただすことにもなり得ます。

 今回の暴動の破壊行動は、かなり目に余るものでもありましたが、未成年なら許されてしまうという考えが無きにしも非ずというところがあるような気がします。

 この暴動とは少々、種類が異なりますが、パリの街中に徘徊しているジプシーなどのスリ集団などは、親から命じられて、大した罪にも問われずに、調書をとられるだけですぐに自由になれる子供たちに、犯行を行わせ、やめればいいのに、また、同じ場所で同じことを繰り返し、行っていたりします。

 「未成年だから、許される」というのは、やはりあり得ないことで、少なくとも子供が未成年であるということは、その責任は親が負わなければならないという当然のことをちゃんと遂行してほしいものです。


暴動の損害賠償


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2023年10月26日木曜日

ゆっくりと長い日本の衰退が顕著になった 日本 GDP世界3位からの転落 

  


 IMF(国際通貨基金)によると、2023年、ドイツ経済が、1968年以来、初めて日本を上回り、アメリカ、中国に次ぐ、世界第3位になると言われています。

 「日本は地球上で最も強力な経済大国の世界的な序列から落ちつつある・・」と評されているのです。

 日本は、2010年にアメリカに次ぐ2位の座を中国に奪われて以来、今年、とうとう世界の表彰台に上がることができなくなりました。

  国際通貨基金(IMF)の予測によると、今年のドイツの国内総生産(GDP)は4兆4300億ドルに増加すると予想されているのに対し、日本は4兆2300億ドルとされています。

 フランスとしては、同じヨーロッパの国であるドイツの成長を讃える感じで書いており、ドイツは日本に比べて人口が32%も少ないにもかかわらず、注目に値するパフォーマンスであると・・。

 ドイツの一人当たりのGDPは、現在、日本よりも大幅に高く、2023年には、日本の3万3,950ドルに対して、5万2,824ドルに上昇すると予想されています。

 もし、これらの予測が正しいと証明されれば、世界経済秩序における変化は歴史的なものになると言われており、そして、それは、かなりの確率で現実のものとして、明白になるものと思われます。

 日本は1968年にドイツを追い抜き、世界第2位の経済大国になり、1990年には、GDPでドイツ、フランス、イギリスを合わせたものよりも多くなりました。当時は、2,000年までには、日本がアメリカを追い越して世界最大の経済大国になると予測した経済学者さえあらわれたほどでしたが、実際は、そうはならずに、逆にゆっくりと長い衰退の道を辿ることになってしまったのです。

 国際通貨基金(IMF)はGDPをドルで換算するため、現在の円安が響いており、アメリカやユーロ圏などの通貨上昇国にとって有利になるとはいえ、それに対応する策を日本がとってこなかったということでもあります。

 実際に、アメリカやヨーロッパの中央銀行は、インフレに対抗するために、過去18か月間で主要金利を大幅に引き上げてきたのです。それに対して、日本経済は数十年にわたるデフレを特徴とし、欧米諸国よりも低い金利で国内回復政策を続けてきた結果、日本の通貨は下落し続けているのです。これも、あくまでも内向きな国と言われる所以でもあります。

 これは、金利や円安だけによるものではなく、経済成長が鈍化している表れでもあり、日本経済のゆっくりとした長期にわたる衰退を反映していると見られています。

 IMFの見通しについて質問された日本の西村経済産業大臣は「日本の潜在成長力は遅れをとっており、停滞したままである」と認めたうえで、「我々は、過去30年で失われた地盤を取り戻したいと考えている」と答えているそうですが、「どうやって?」と尋ねたくなります。

 「内需の低迷、富裕国の中でも最大規模の高齢化、そしてすでに始まっている憂慮すべき人口減少に悩まされている日本は、依然として繁栄を続けているものの、20年以上にわたってその活力を失っている。 政府は何年も内需を回復させようと努力してきたが、無駄だった。 岸田文雄首相の将来計画では、エネルギー転換への補助金、賃金上昇の促進、減税の付与によって成長を回復することが計画されている」などと書かれていますが、その見解には、希望も期待も見えません。

 そのうえ、IMFの予測によれば、今後、両国間(ドイツと日本)の格差は拡大する可能性があり、 2025 年には、ドイツの GDP は日本より 10% も高くなる(日本の 4 兆 5,250 億ドルに対し、4 兆 9,600 億ドル)と言われています。

 IMFのGDPランキングという世界的にも注目されるわかりやすい数字に表れ始めたことで、日本の衰退ぶりがさらに顕著に世界に認識されていく様子は、悲しいことです。


GDP 日本の衰退


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2023年10月25日水曜日

罰金135ユーロを督促する詐欺メッセージ

  


 メールや LINE、messenger、what's up などの通信手段によるメッセージは、わりと頻繁に利用していますが、SMSでメッセージを受け取ることは、あまりありません。私の場合は、最近、やたらとうるさくなった銀行口座のお金を振り込みなどで、口座のお金を移動させた場合や、医者の予約の確認などのメッセージを受け取るくらいなので、あまり携帯にあるSMSに受信の通知がつくことはありません。

 一度、例外的にパンデミックの始まりの時に、政府からロックダウンの通知がSMSに入り、何で?私の電話にまで、通知が来るの?と驚いたことがありましたが、あれは、非常時のことで、「一切の必要最低限の外出は控えるように」という内容で、まあ、仕方ないというか、徹底しているというか、恐ろしいような、一方では、フランスのIT通信システムは、ここまで進んでいるのか?と感心するのと、半々のような複雑な気持ちでした。

 まあ、フランスに住んでいて、たしかに税金の書類や滞在許可証申請の際など、政府が私の電話番号を把握する機会はいくらでもあるわけで、非常時にこれらが使用される可能性は不思議ではないのです。

 今日、珍しくSMSの受信の通知が入ったので、何かと思えば、それは、「AMENDE GOUV: Dernier rappel avant majoration de 135 euros」(罰金の追徴金前の最後のお知らせ)というもので、ギョッとしてしまいました。まことしやかに書類ナンバーまで記載されていて、後ろめたいことのある人なら、思わずファイルを開いてしまいそうな感じでもあります。

 私には、何も後ろめたいことはなく、「ハテ?私?なにかした?」と一瞬は、焦りつつも、「いやいや、私、何も身に覚えがない・・」「これはウソだろう・・」と思い、いじらずに、家に戻ってから、その文面どおりをググって検索して、調べてみると、やはりこれは詐欺メッセージであったことが、発覚しました。

 SMSにより、罰金の請求が送られるのは、非常に限られた場合で、罰則行為に際しての法務執行官に電話番号を伝えた場合のみで、基本的には、ANTAI(国家犯罪自動処理庁)は、SMSでのメッセージ送信は送らないとのことなので、それ以外の場合は、詐欺メッセージであるとのことで、絶対にそのファイルを開けてはいけません。

 これらの詐欺メッセージは、お金だけでなく、個人データ(納税者番号や銀行口座、身分証明書など)を収集するための詐欺であり、決して触れてはいけません。

 通信手段がどんどん近代化して、携帯電話ひとつでなんでもできるようになりましたが、同時にこれに乗じた詐欺師もこれらに挑み、手を広げているのです。

 まず、疑問に感じるメールやメッセージを受け取った場合は決していじらずに、その内容を検索すると、たいてい、似たようなメッセージを受け取った被害をあげて、警告しているものが見つかります。

 最近、銀行をはじめとして、あらゆる個人的なサイトのセキュリティがやたらと厳しくなり、以前は、個人的に設定したパスワードなどで開けられるようになっていたものが、何重にもチェックが入り、自分のメールなどにセキュリティナンバーが送られてきて、それを入力しなければならなくなって、本当に面倒になったと嘆いていた矢先のことでした。

 IT関係には、もっぱら弱い私ですが、怪しげなメッセージやメールには、決してさわらない・・のは、鉄則です。

 しかし、身に覚えがないとはいえ、いきなり罰金の通知、しかも追徴金などという、さらに人を焦らせるような内容のメッセージは、決して気持ちのいいものではありません。というよりもいや~な気持ちになりました。

 罰金切符を切られても、すっとぼけて、支払わない人が多いというニュースを耳にしたこともあるので、こんな督促状詐欺も出現しているのかもしれませんが、まったく、物騒な話です。


詐欺メール 詐欺メッセージ


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2023年10月24日火曜日

いじめの被害者両親が学区教育アカデミーから受け取っていた脅迫状

  


 いじめの被害者の両親に対して、学区内教育アカデミーが送っていた手紙が脅迫状のようだったことが、公になり、アカデミーの責任者が辞職に追い込まれています。

 このいじめの被害者になった子供は、9月に新年度が始まった早々に自分の部屋で自らの命を絶ってしまいました。その直後の報道では、昨年末から、このいじめの問題について、両親が学校に相談を始め、数度にわたる、手紙のやりとりや面談や会合が行われていたことは、明らかにされていましたが、結局、納得のいく対応をしてもらえず、転校することが決まっていた矢先の出来事であったと言われていました。

 その後、この両親がマスコミに公表した同学区教育アカデミーとのやり取りの手紙は120通以上にもおよび、そのうえ、その内容が息子がいじめにあっていることを訴え続けている両親に対して、脅迫状めいた・・というか、脅迫そのもののような手紙を数度にわたり送っていました。数度にわたりとは、過小な言い方で後の調査によると、その半数近くが、この被害者の親に対しての手紙としては、看過できない不適切なものであったことが判明しています。

 息子のいじめ問題を心配した両親は、まず、現場となっている学校に相談し、書簡も送っていますが、数度にわたるアクションにも学校側の対応が見られず、警察に告訴状を提出するとともに、学校に対しても、「数度にわたる訴えに対しても、何も対応してくれないため、告訴状を提出した。息子に万が一のことが起こった場合はあなた方の責任だ」というような内容の手紙を送っています。

 この手紙に対して、学区アカデミーは、この両親からの手紙を「国家教育部門に対する嫌がらせ」であり、中傷的な告発を処罰する条項に言及し、懲役5年と罰金4万5,000ユーロの罰金が課せられると説明。 さらに保護者に対し、「今後は教育界のメンバーに対して建設的で敬意を持った態度をとること」を勧告し、「必要であれば、国家安全保障だけでなく公教育サービスが適切に機能するために必要なあらゆる措置をとらざるを得なくなるだろう」と逆に脅迫する内容の手紙を送っていました。

 これらのやり取りが続く中、家庭内において、いじめの被害にあっていた少年は、いじめの被害に遭い続けながら、それと闘おうとしてくれている両親の憤りを目の当たりにし、絶望していったのではないかと思われます。

 「万が一のことが起こったら、あなた方の責任だ!」というのは、かなり強い文面ではありますが、しかし、思いつめている息子を見守りながら、訴えているのに、学校側が何のアクションもとってもらえない両親からしたら、当然でもあります。

 結果的には、何より、万が一のことが起こってしまったのですから・・。

 充分な対応もせず、いじめ問題の存在もはっきりと解明せずに、逆に訴えを起こしている両親に対して、「国家教育部門に対する嫌がらせ」であり、さらに、刑法まで持ち出して、黙れと言わんばかりの脅迫状めいた手紙を送るなど、もってのほかのおそろしい話です。

 この事実が明らかになり、政府が動きだし、この教育アカデミーの送った手紙を「恥の手紙である」と凶弾し、詳細の調査が開始され、アカデミーの責任者は辞任しました。

 いじめ問題などをただす役割であるはずのアカデミーがこの問題を抹殺しようとし、黙れとばかりに脅迫状じみた書簡を送っていたということは衝撃的な事実です。

 いじめ問題は、まず、事実を学校側が認めなければ、解決には向かえないはずなのに、この問題に関しては、まず、事実を認めるという第一歩が大きなハードルとなっている気がします。

 失われた命は戻ってきませんが、このアカデミーの現状がマスコミの手によって、明かになり、凶弾されたことで、こんな対応は社会的に許されないということが、多くの教育関係者に周知され、このようなことが、二度と起こらないようなきっかけになってくれればと思います。

 やっぱり、マスコミは、弱者の叫びを代弁し、社会に訴えかける正義の味方であってほしいです。


いじめ問題


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2023年10月23日月曜日

ヴェルサイユ宮殿 8日間で7回の避難勧告

  


 イスラエル問題が勃発して以来、あちこちで爆破予告が続き、翻弄されている感がありますが、中でもヴェルサイユ宮殿では、昨日も爆弾警報発令で、観光客が避難、退去を求められ、なんと、避難勧告は、この8日間の間で7回目であったことがわかっています。

 8日間で7回目ということは、ほぼ毎日ということで、ハタから見る限り、オープンするのもどうなのか?と思ってしまいます。しかし、これで閉館にしてしまえば、テロに屈することになってしまいます。


 このうち、水曜日の爆破予告については、電話による爆破予告とのことで、すでに、37歳の精神疾患を患っている男が犯人として特定され、逮捕されているようです。これまでに犯罪歴はなかったというこの男、37歳で無職、両親と同居というフランスにしたら、珍しい感じではありますが、統合失調症とのことですが、刑事罰の対象とされるそうです。

 法務相の発表によれば、この間の爆破予告のための捜査は22件にも及んでいるそうで、ほぼ毎日の爆破予告のための避難勧告だけでも驚きなのに、それが、22件ともなれば、一日に複数の爆破予告があるということで、ヴェルサイユ宮殿だけでの話ではないでしょうが、パリ中が翻弄されている感じもあります。

 これらの爆破予告は、電話によるものや、SNSによるものなど、脅迫手段としては、比較的、簡単に行えてしまうものではありますが、法務省は、これに対して、これらの犯罪は、「最高2年の懲役と3万ユーロ(約500万円)の罰金が課せられる可能性がある」と警告しています。

 年間来場者数800万人といわれるヴェルサイユ宮殿、パリを訪れた人は、ヴェルサイユへも行きたいと旅程に組み込む方も多いと思われますが、せっかくの時間を割いても、現状では、結局、追い出される可能性も高いため、残念ながら、ヴェルサイユ宮殿観光は、避けた方が賢明かもしれません。


ヴェルサイユ宮殿 避難勧告


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2023年10月22日日曜日

クレジットカードが使えない! 複数の店舗でカード払いが不可能に・・

  


 もう、ここ数年、私は、ほとんど現金を持ち歩かないようになっています。たいていのお店では、クレジットカードで支払いが済むため、いちいち、現金をおろして、現金で支払う必要はないのです。

 フランスでは、このカードでの支払いは、コロナ禍でより一層進んだ気がしています。たまに、カードでの支払いは、20ユーロ以上のみ・・などというお店があったりもしますが、それさえも、今はもう、ほとんど見かけません。

 最近では麻薬や薬物に関する違反もその場でカード払いになっています。

 あまりに小さい買い物の際には、現金を使うこともありますが、そのためにお財布に入っている現金は、せいぜい20ユーロ程度です。治安もあまりよくなくて、高額の現金を持ち歩くのは、決して賢明とも思われず、仮に、スリなどに遭って、お財布を盗られたりしても、カードはすぐにストップすればよいし、被害を最小限に食い止めることができます。

 最近は、バゲット1本でさえも、カードでOKの場合は、カードで済ませてしまいます。

 そんなフランスで、土曜日の午後に、複数の商業施設でこぞってクレジットカード払いがストップしてしまったそうで、カーフールなどのスーパーマーケットをはじめとして、IKEA、マクドナルド、DARTY(電化製品のチェーン店)、オーシャン(スーパーマーケット)、Leroy Merlin ルロワメルラン(DIYショップチェーン店)、そしてSNCF(フランス国鉄)までもが同じ問題が発生して、大混乱に陥りました。

 今は、何か事件が起こるとX(Twitter)などで、その状況が拡散されますが、今回も、カーフールに買い物に来たけれど、カード払いができずに、店内が大混乱に陥っているという投稿に続いて、同様の投稿が浮上しはじめ、この問題が明らかになりました。

 フランスでは、多くのお店が日曜日には、閉店するために、買い物は土曜日に集中します。そんな土曜日にこのカード問題が起こったのでは、店舗側としても大損害に違いありません。

 最近のオートレジには、カードオンリーなどというものもあるので、当然、現金での支払いのための大行列ができたり、その場で買い物を諦めて、商品の入ったカートをそのまま放置していく人々も・・。

 さんざん、時間をかけて、商品をカートに集めて、いざ支払いとなったら、カードが使えないなんて、多くの人はカード払いを前提に買い物に来ているために、現金の持ち合わせがない場合は少なくありません。

 今回の事故?に関して、銀行カード経済利益団体 (GIE CB) は、即時にこの問題について、「これはサイバー攻撃でもCB決済ネットワークの問題でもない」ことを強調し、「同じ技術サービスプロバイダーに依存している特定のブランドに限定された事件です」と説明しています。

「すでに問題を特定されており、解決されつつありますが、CBは銀行、加盟店、その他の決済ブランドと同様に影響を受けるため、これ以上の詳細については、言及できません」と付け加えています。

 こんな話を聞くのは初めてのことですが、こんなことも起こり得るんだということを知っていれば、心の準備はできるというものです。また、いざとなったら、さらに逆もどりして、小切手一枚を持っておくというのもアリかな?などとも頭をかすめます。

 しかし、スーパーマーケットなどの前払いのお店ならばともかく、レストランなどだったら、どうしたんだろうか? お店側の場合、前もって知らせてくれなければ、困っちゃうかも・・? しかし、知らせてくれたところで、わざわざ現金をおろして、買い物に行くとか、食事に行くとかいうことが、すごく億劫な気がしてしまいます。

 全く、ラクなことには、すぐに慣れるくせに、それがもとに戻ってしまうことには、非常に抵抗を感じるのですから、しょうがないもんです。



クレジットカードシステム機能不全


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2023年10月21日土曜日

冬に向けてのワクチン接種

  


 毎年、秋が深まり、気温が下がってくる季節になると、しっかりやってくる「ワクチン接種を受けましょう!」というお知らせというか、招待状? 予防接種は、軽く?罹患するような状態になるため、予防接種後は、逆に体調を崩したりするので、私は、長いこと敬遠していました。

 それが、パンデミック以来、たしか、2年目からだったと思いますが、コロナウィルスもまだまだおさまっていなかった頃、インフルエンザに罹ったうえに、さらにコロナウィルスにまで感染してしまったら、さぞかし、苦しいだろう・・と思い始め、ここ数年は、インフルエンザの予防接種を受けていました。

 案の定、昨年、インフルエンザの予防接種をした後には、体調を崩し、微熱が続いたりして、けっこう辛かったので、今年は、どうしたものか?と迷っていました。

 いつも飲んでいる薬の処方箋をもらいに、3ヶ月に一度はかかりつけのお医者さんに通っているので、その際にでも、コロナウィルスの追加ワクチン接種とともに相談してみようと思っていたのです。

 ちょうど、先日、そのかかりつけのお医者さんに予約がとれたので、ワクチン接種の通知を持ってでかけると、待合室に入ろうとしたところで、「マスクをしてください!」と言われて、これは、また、久しぶりにマスク着用を求められて、ちょっとビックリ!

 診察の際に、「また、コロナウィルス感染、増えているの?」と聞くと、「もう、毎日、毎日、必ず、感染している人が後を絶たない・・」とのこと。

 最近は、もうすでに、パンデミックについては、ほぼ終了したような感覚でいて、感染者数なども発表されなくなって、秋のはじめに、「再び感染者数上昇!」などというニュースをそういえば、見ていたのに、慣れというのは、恐ろしいもので、もう、ちょっとやそっと感染者数が増えたくらいでは、「あ~また増えてるんだ~」などと思う程度で、あまりピンときていなかったのです。

 ところが、医者に来て、「マスクしてください!」などと言われると、途端にそれは現実味を帯びた問題として感じられ、「やっぱりヤバかったのかも・・」などと、ちょっとビビるのでした。

 一応、お医者さんに相談すると、この冬、旅行したりするのだったら、余計に両方とも、その前にした方がいいと言われ、さっそく翌日に予約すると、その日のうちにワクチンを薬局でもらって、まずは、インフルエンザの予防接種をしたのでした。

 コロナウィルスワクチンについても、変異種対応のワクチンになっているし、以前にしたワクチンからはもう、かなり時間が経過しているから、変異種対応のワクチンをしなおした方がよいとのことでした。(私の場合は心臓に少々問題があるし・・)

 「去年、インフルエンザの予防接種の後に熱を出したんですけど・・」と言ったら、ドリプラン(解熱・鎮痛剤)も処方してくれました。

 ところが、薬局に行くとワクチンはあるものの、ドリプランは在庫切れとのことで、品切れなら、すぐに注文してくれれば、明日には受け取れるのかと甘く考えていたら、生産が間に合っていないとのことで注文も不可能とのこと。

 フランスでドリプランといえば、知らない人はいないほどの薬で、何かといえば、ドリプラン。風邪をひいても、コロナにかかっても、「とりあえず、ドリプラン飲んどけ・・」みたいなところのある国民食ならぬ、国民的な薬です。

 そのドリプランの在庫がなくなっているということは、それだけ需要があるということで、やっぱりワクチン接種はした方がよいのかと、また、また、自分に言い聞かせるのでした。

 コロナウィルスのワクチンとインフルエンザのワクチンは、少し時間をあけてした方がよいとのことで、コロナウィルスのワクチンは、10日後になりました。

 お医者さん曰く、来年には、インフルエンザとコロナウィルスの混合ワクチンが出るから、一回で済むとのことで、今後は、毎年、冬のはじめにやってくるインフルエンザワクチンと同等の扱いになるような感じです。

 長いこと、ワクチン接種は、できれば避けて通りたいと思っていた私ですが、こうなったら、もうとりあえず、できるワクチンはやっとこうか?くらいに思うようになりました。いいのか悪いのか、よくわかりませんが、これも、感覚的な慣れかもしれません。

 いずれにしても、近くにこうしたことを含めて、フランクに相談できる、時には余計なおしゃべりまでできる信頼できるかかりつけのお医者さんがいるということは、海外生活においては、とても心強いことです。


インフルエンザワクチン接種 コロナウィルスワクチン接種


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2023年10月20日金曜日

エシレバターが小さくなった!

  


 日本に一時帰国することにしているために、そろそろ、買い物に行く度に、お土産に良さそうなものを物色し、値段をチェックしたりしています。

 一時帰国する際に、頭の痛いことは、お土産のことで、もう20年以上、数年、間隔があいてしまったこともありましたが、年に数回、行くこともあった年を入れれば、最低でも1年に一度の割合で日本に行っているわけで、少なくとも20回以上、ありとあらゆるお土産は持っていき尽くし、もうネタも尽きた感じで、おまけに近年は、生ハムなどの肉製品が持ち込めなくなってしまったので、最近は、めっきり、チーズやバターなどの乳製品を中心にもっぱら、食料品に偏りがち、時々、化粧品・・といった感じで落ち着いています。

 中でも、一番、みんなが確実に喜んでくれるのは、エシレバターで、日本では恐ろしく高く、また、誰でも使うものであり、あまり人を選ばないため、とりあえずは、毎回、少し多めに買っていきます。

 だいたい、モノプリ(Monoprix)などのスーパーマーケットならば、どこにでも売っているので、調達するのも楽ちんですが、お店によって、値段が違うので、一応、前もって、チェックしたりしているのです。

 なにせ、けっこうな量を買うために、一度、モノプリのレジで、バターを並べたら、レジをやっていた男の子に「バター好きなんだね・・」と呆れられたこともあります。

 そんなわけで、つい先日、モノプリに買い物に行った際に、お土産になりそうな食品を探しながら、ついでにエシレバターの値段をチェックしようとバター売り場を覗いてみたら、エシレバターの小さいサイズのものが、さらに小さくなっていて、「ちっちゃ!」と驚いてしまいました。

 インフレで、全ての商品が値上げしている中、容量を減らして、値段の上昇を抑えているという話は、聞いていましたが、まさかエシレバターまでとは・・。しかも、袋にガサッと入っているものなどなら、わかりにくいのですが、バターの場合は、内容物ピッタリに包装するため、容量を減らすと、ものすごく目立つわけです。なかなかインパクトのある大きさの変化です。

 通常のバターのサイズは250gのものがふつう、ハーフサイズのものは、125gですが、エシレバターの小さいサイズは、以前は125gだったものが100gとなっていました。表示に誤りがあるわけではないので、文句のつけようはありませんが、この内容量を減らして価格の上昇をおさえるやり方が、どの程度、効果があるのかは疑問などころですが、ちょっと衝撃的でした。

 ただちに、他のメーカーのバターのハーフサイズを見てみると、他のものは、通常どおりに125gのままで、なんで、エシレバターは、この方法をとったのか?疑問です。

一般的なバターはハーフサイズでも125gのまま


 そもそも、エシレバターは一般的にフランス人が買うバターよりも、ちょっと高価です。このエシレバターを購入する人々が25g分の値段の上昇を気にするかどうかは、非常に疑問ではあります。

 そのうえ、もともとハーフサイズは、通常サイズに比べて割高でもあり、割高なことを承知で買っているわけです。

 最近のハイブランドパティシエなどのインフレ全く関係なしの堂々たる価格設定を見ていると、なぜ?エシレバターたるもの、こんなセコい真似をするのか、少々、疑問でもあります。

 しかし、そもそも、エシレバターは、それほどフランスでは日本のように奉られているわけでもなく、意外と知らない人も多いくらいで、そんなに大勢に影響はない気もしますが、あまりに目立つ、内容量削減に、これからは、他のものの、内容量にも気をつけなければ・・と思ったのでした。


エシレバター


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2023年10月19日木曜日

フランス国内の空港、相次ぐ避難勧告で強制退避

  



 フランス国内のリール、リヨン、トゥールーズ、ボーヴェ、ナント、ビアリッツ、ポー、ストラスブール、ブレスト、タルブ空港では、爆弾の脅威のために乗降客が空港から退避、避難をさせられるという異常事態が起こっています。

 長年、フランスで空港を利用している人ならば、一度や二度はこの爆弾騒ぎに遭遇したことがあると思いますが、フランス各地で、同じ日にこれだけの数の空港が避難勧告を出し、一時、空港を閉鎖するという事態は、さすがに、そうそうあることではありません。

 そもそも、普段、メトロの駅などでも、不審物が発見されたために、メトロが止まるとか、駅が閉鎖されるということは、あり得ることで、ましてや空港ともなれば、忘れ物、置き去りにされたスーツケースなどは、不審物として判断され、スーツケースもろとも、爆破されてしまうところに遭遇したことがあります。

 ある時、空港で銃声のようなものが聞こえたので、何ごとか?とギョッとしていたら、「大丈夫、不審な荷物を爆破しただけだから・・」と軽く言われて、ビックリしたことがありました。

 もちろん、万が一にもそれがホンモノの爆弾などの危険物であることもあり得るからやっていることとはいえ、どちらかというと、その時の私にとっては、うっかり、荷物を置き忘れたら、爆破されちゃうんだ・・と、「えっ?そっち?」と思われる方を心配していたのです。

 今回、避難勧告が出された空港は、不審物が発見されたことによる場所もありますが、リール、ストラスブール、ボーヴェの空港などは、SNSにより、爆破予告を受けたものであり、とりあえず、乗降客を非難させ、空港施設内をくまなくチェックするわけで、当然のことながら、空の便は大混乱。

 フランス全土の空港の様子を統括している民間航空総局によると、あちこちの空港に爆破予告が来ていることは、把握しており、あわや同時多発テロ?と緊迫した空気が流れたと言われています。

 空港内の人々は非難し、フライトはストップし、着陸直後の機内にいる人々は、とりあえずは、空港内には立ち入れないために、機内で待機させられるという異常事態。

 結局、一日が終わってみれば、どの空港でも爆発は起こっていないということは、爆破予告もいたずらや脅しにすぎなかったわけではありますが、しかし、爆破予告を受けながら、乗降客を避難させないわけにはいきません。

 こんなことが一体、いつまで続くかと思うと、心底ウンザリしますが、それがホンモノのバック団である可能性がゼロではない限り、特に現在のような情勢下では、致し方ありません。

 しかし、こんなことを言うのもなんなんですが、フランスの人々、わりと、避難勧告というか、爆弾騒ぎとか、そういうのに慣れているのか、わりと平然としているのもこれはまた、微妙なものです。

 私も直近では、この夏、娘を空港まで送っていった時に、不審物のためにターミナルの一つが閉鎖、もう一つのターミナルまで歩かなければならなかったけれど、「え~~また??」と思いつつも、これはこれで通常運転な感じ。

 昨日もメトロに乗ろうとして駅に行ったら、ちょうど、メトロが停まっていたので、ラッキーとばかりに飛び乗ろうとすると、すれ違いざまに歩いて行くおばさんが、「動いてないわよ・・」と・・。それでも、乗って待ってよう!と思って、周囲を見渡すと、まわりは平然と何もなかったように静か・・。まもなく、なんの説明もアナウンスもなく、メトロは発車。

 まあ、空港となれば、ちょっと規模も違い、また、国内の空港が同時にいくつも閉鎖となれば、かなり焦る気持ちにもなるのですが、もともと通常運転でさえも、オンタイムということがあまりないわけで、いざ、爆発となれば、そんなことも言っていられないのですが、フランスにいたら、ちょっとゆるく構えているくらいがちょうどいいかもしれない・・などとも思うのです。


フランス 空港爆破予告 避難勧告


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2023年10月18日水曜日

パリはハロウィンカラーになってきた・・

  


 またまた、予約してから、3ヶ月近く待たされた心臓専門医の診察の日がようやくやってきて、数ヶ月前に行った検査の結果を持って行ってきました。パリの街はすっかりハロウィンの飾りつけが増えてきました。

 もともと、イベントごとに興味が薄い私は、あまり、ハロウィンなどは、特にやったことがありません。

 子供の頃に母がかぼちゃをくりぬいたりして、飾りものを作っていたりしたことがありましたが、自分としては、一回くらいは、娘が小さかった頃にかぼちゃをくりぬいて、同じようなかぼちゃおばけみたいなものを作ったことがあったかな~?という程度で、ほとんどといっていいくらい興味がありませんでした。

 そもそも、このハロウィンの時期は、フランスではハロウィンというよりもトゥーサンというカトリックの祝日(バカンス)で、亡くなった人を追悼する日であり、家族とともにお墓参りをするという色が強く、この時期になると、墓地がたくさんのお花で埋め尽くされます。

 しかし、ここ最近は、このトゥーサンのお墓参りはそこそこで、それよりも、ハロウィン=仮装大会のような色が強くなってきた気がします。

 スーパーマーケットなどに行っても、ハロウィン仕様のお菓子や、仮装のための衣装などがたくさん並んでいて、フランスも変わったな~と年寄りのようなことを思います。 

 

     


 一番、びっくりしたのは、心臓専門医の診療所までハロウィンの飾りつけがされており、お菓子などがおいてあったことです。



 お祭り好きなフランス人、これに乗らないはずもないのですが、場所が場所、それでも、診察が終わったあと、会計の際に受付のお姉さんが、「お菓子持って行って!」と楽しそうにいうので、チョコレートを物色していると、魔女が大声をあげてガブッと私の手にかみつきそうになる仕掛けになっていて、私は、年がいもなく、悲鳴をあげてしまいました。

 おもしろがる受付嬢をよそに、私の悲鳴をききつけて、診察室からみんなが出てきて、魔女以上に私がみんなを驚かせてしまいました。

 「これって、心臓によくないんじゃない?」と言いながらも、みんな楽しそうで、私も余計にチョコレートをもらってきました。

 トゥーサンからハロウィンに移行しつつあるフランスを実感した一日でしたが、私は、もう少ししたら、ご無沙汰している夫のお墓参りに行こうと思っています。


ハロウィン


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2023年10月17日火曜日

やっぱり私は日本人・・

  


 常日頃から、私には、「日本に行ったら、買いたいものリスト」があって、思いついたら、メモするようにしています。そのほとんどが食料なのですが、日本に行く予定が決まると、今度は、フランスの家に大事に備蓄してある日本食材を再チェックして、うんうん、これは、今度買ってくるから・・と、いつもよりは気前よく、消費し始めます。

 たいていの日本食は、パリでも手に入るので、何も日本に行かなければ手に入らないものばかりではないし、なくなると、パリで買い足したりすることもあるのですが、やっぱり日本で買うよりは、数段、高いのでケチ根性が働いて、「う~ん・・こんなにするんだったら、今度、日本に行った時に買ってくることにして、やめとこ・・」となるのです。

 パリにも日本食以外にも美味しいものは、たくさんあり、日本が遠くなればなるほど、パリで食べられる他の美味しいものを探して歩いたり、食べ歩いたりもするのですが、いざ日本行きの予定を決めると、フランスのものには、食指の動きがパッタリと止まるとまではいかなくとも、魅力が半減してしまうことを感じます。

 いくら、日本食屋さんもけっこうあるとか、他の美味しいものもたくさんあるとかいっても、結局は、日本で食べることができるたくさんの食べ物には、かなうわけもなく、極端な話、おにぎりと卵焼きとお味噌汁・・みたいな質素なものでも、本当は私は、こういうのが一番好きなんだな・・と思うと、つくづく私は日本人なんだな~と痛感します。

 もうフランスでの生活も長くなって、多少のトラブルは日常茶飯事だとしても、これといって、耐えられないようなこともなく、フランスも居心地がよくなっているのですが、現在のような世界情勢が不安な事態になってみれば、やっぱり、一番に守られるのは自国民なので、こういう事態になったら、自分の国(日本)にいた方がいいのかな?と思うこともあります。

 しかし、最近の日本を見ていると、フランスの方が全然、いいじゃん!と思うこともけっこうあって、以前ほどに、日本の方が絶対いいに決まってる!と思うことは少なくなっているのも事実です。

 しかし、今もなお、日本の方がぜったいいいに決まっているのは、食べ物で、「日本に行ったら、食べたいものリスト」と「日本に行ったら、行きたいお店(そのほとんどがレストラン)リスト」も同時に存在します。

 それは、私が日本で生まれ育った日本人で、私の味覚が日本仕様に育っているからなのかはわかりませんが、日本に行く気持ちになっているだけで、もうすでに、他のものへの魅力を失いかけているのは、本当に自分でもビックリするほどです。

 そんなに日本の食べ物が好きなら、日本に住んだらいいじゃないか?と言われるかもしれませんが、でも、それがあたりまえで、いつでも簡単に手に入るようになったら、それはそれで、魅力も半減するわけで、こんな感動を味わえなくなると思うと、今のこの日常があってこそ、大好きな日本の食べ物への感動があるとも思うのです。

 これを他のものに、置き換えて考えれば、あまり満ち足りすぎる生活は、感性を鈍らせ、感動することが少なくなるような気さえしてくるのです。


日本食 日本人


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2023年10月16日月曜日

パリ・オペラ通りの3軒のパン屋さん 

  


 以前は、職場が近かったので、オペラ界隈は、自分のテリトリーというか、庭同然のような気分でいたのですが、かつては、日本人エリアなどと言われていたこともあり、日本食屋さんが多かったり、日本食材のお店が多かったり、日本の銀行などもあったし、日本人としては、便利な場所でもありました。

 しかし、オペラ通りという有名な通りの名前がついているわりには、なんだか、代わり映えのしない、正直、今一つパッとしない印象もありました。

 今では、日本食人気から、オペラ通りから一本入ったサンタンヌ通りなどには、軒を連ねているラーメン屋さんには、行列が絶えなくなり、別の意味で有名にもなりました。

 ただ、しばらく足が遠ざかっていて、数年たった今、少しずつオペラ通りも変化していて、特に、大人気パティスリー・セドリックグロレなどの進出に加えて、新しく、日本式チーズケーキのお店・匠(TAKUMI)などもできたりして、一気に高級な感じのお店が増えてきました。

 日本人からしたら、なにもパリで日本式チーズケーキを食べなくてもいいかな?と思いつつも、ちょっと覗いてみると、チーズケーキはもちろんのこと、日本のような食パンやお弁当やおにぎり、お弁当まで売っていました。

 日本のパン屋さんAKIが近く(サンタンヌ通り)に出店して、大人気を博して以来、AKIは店舗を広げ、今やサンタンヌ通りには、AKIカフェ、AKIもちなど、何店舗も販路を広げていますが、そのAKIの高級バージョンといった感じです。

 最近、甘いものを食べすぎているので、ケーキはやめておくけど、せっかく来たのだから、食パンくらい買って帰ろうかな?と思って、食パン1つを頼むとなんと1本10ユーロ(約1600円)と言われて、びっくり! よく見てみれば、1本というだけあって、およそ2斤分の大きさなのですが、それにしても、いくらなんでも高すぎないか?と、「では、半分で・・」というと、なんと半分だと6ユーロ。



 10ユーロの半分は5ユーロではないか?とセコい考えが頭をもたげたものの、まあ、一度は食べてみたいし、まあいっか・・と食パン半分を買って帰りました。

 同じオペラ通り沿いには、セドリックグロレがあり、そちらは、さらにいっそうお高いわけで、ちょっと金銭感覚がおかしくなりそうな感じですが、そのTAKUMIとセトリックグロレの間には、日本でもおなじみのPAULというパン屋さんがあって、そこは、通常運転というか、まあ通常価格でなんとなく、ホッとさせられたのでした。

 日本にもPAULのお店はあるようで、以前、日本に行った時、日本のPAULがあまりに高くてビックリしたことがありましたが、オペラ通りのPAULは、扱っているパンやケーキ、サンドイッチなどの種類も多くて、しかも、気持ちを平静に保てる範囲内のお値段。

 これまでは、正直、PAULでさえも、パリでも(日本ほどではないにせよ)、少々、ふつうのパン屋さんに比べてちょっと高めかも?などと思っていたのですが、このインフレで、一気に普通の他のパン屋さんも値上げしているせいか、そんなに高く感じなくなっているうえ、この常軌を逸した2軒のパン屋さんのお値段に挟まれていることを思えば、ずいぶんと庶民的なお店のような気もしてしまいます。


 中でもブリオッシュ2本で5ユーロ・・などと書かれているのを見て、思わず買ってしまいそうになりました。



 今までパッとしないと思っていたオペラ通りにこうした超高級店が並ぶようになって、なんだか、その華やかさが嬉しいような悲しいような・・。

 オペラ通りは、言葉どおりにオペラ座からも近くて、ルーブル美術館やチュイルリー公園、ヴァンドーム広場やコンコルド広場などにも歩いて行ける場所で観光地といえば観光地? ゆえに、高級なものでも、けっこう売れていくことに、驚かされているのです。

 そんな中でも懸命に頑張っているPAULが愛おしいです。

 ちなみにオペラ通りには、パリならどこにでもあるスーパーマーケット・MONOPRIX モノプリがありますが、ここのモノプリは観光客をターゲットにしているのか?おみやげにしやすいような、ちょっと可愛いパッケージのお菓子類など、他のモノプリにはないような商品も扱っています。


オペラ通り パン屋さん セドリックグロレ TAKUMI PAUL


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2023年10月15日日曜日

最大級 テロ対策警戒警報発令のフランス プラン・ヴィジピラット ルーブル・ヴェルサイユから避難退去

  


 イスラエルでの大惨事に続いて、フランス国内、パ・ド・カレ(フランス北部オードフランス)のアラスの高校が襲われるという凶悪テロ発生を受け、ボルヌ首相は、プラン・ヴィジピラット(Le plan Vigipirate)に基づき、フランス国内のテロ警戒レベルを緊急に最大級に引き上げることを発表しました。

 ヴィジピラットとは、フランスのテロ対策の一環であり、テロ行為の脅威を可能な限り早期に防止または発見するために、社会全体に警戒と安全を目的とし、フランスの国民、領土、利益をテロの脅威から適切に保護することを掲げています。

 具体的には、フランス国内および海外のフランス国民および国益に対するテロの脅威を評価し、リスクレベルに応じたセキュリティシステムを決定するとしています。

 今回の場合は、その警戒態勢がMaxと判断されたようです。

 諜報機関はテロリストの脅威を評価し、その分析により国防国家安全保障総事務局 (SGDSN) は一般的な ヴィジピラット(Vigipirate )のセキュリティ態勢を確立するというもので、テロ攻撃の主な潜在的ターゲットの脆弱性を探求し、それらを軽減することを目的としています。

 日本に比べると、格段にテロに遭遇する機会が多いと思われるフランスでは、このようなシステムがあるのは、当然といえば当然なのですが、いざ、このような警戒警報のようなもの・しかもそれがMax!などと発令されれば、心穏やかではありません。

 パ・ド・カレの高校で起こったテロ事件の発生は、現在の世界情勢を鑑みれば、このような警戒レベルになるのは、わかるのだけれど、いざ警戒警報ともなれば、さすがに緊張感も上がり、外出はしないようにしていました。

 ここ数日は、テレビをつけても、ずっとイスラエルの悲惨な映像が流れていて、だんだん気が滅入ってくるので、テレビはあまりつけないようにしているのですが、それでも、昨日は、一日中、遠くから聞こえてくるパトカーだか救急車だかのサイレンの音が途切れることはなく、家にいても、なかなかなストレスでした。

 私が一日外出しなかったその日、外では何が起こっていたかというと、あちこちで爆弾騒ぎがあり、お昼頃には、ルーブル美術館で入場者に避難命令が出て、1万5千人が退去、その後、ヴェルサイユ宮殿、パリ・リヨン駅などでも次々と避難命令が出たようで、それは、そのたびに警察や消防隊などが駆け付け、行き来していれば、一日中、サイレンが鳴りやまなかったのも当然だな・・と思ったのです。


 これらの避難勧告は、moncommissariat.frというサイト上の匿名メッセージで届いた爆破予告によるものであると後になって、発表されています。

 ルーブル美術館には、1万5千人もの人が入っているのか?などと、そこじゃないでしょ?というところに、ビックリしたりしていたものの、サイレンのなり続けるルーブル美術館内のパニック状態は、想像するだけでも恐ろしいことです。

 こう世界情勢が不穏な雰囲気になってくると、やっぱり、日本の方が安全なのかも?などと、不安にもなるのでした。

 あまり聞きなれなかったプラン・ヴィジピラット・・などというものを調べてみたら、つまりはテロ対策の計画で、その中には、防御だけでなく、いざという時の攻撃レベル(防御のための攻撃)などという項目もあって、ますます、戦々恐々とした気持ちになります。

 しかし、結果的には、ルーブル美術館もヴェルサイユ宮殿も何ごともなかったようではありますが、一日中閉館となり、追い出された観光客には、本当にお気の毒なことです。

 パンデミックがおさまりつつあって?年金改革反対デモや警察官発砲事件の暴動などもようやく過ぎ去って、と思ったら、またテロ騒ぎで、動乱の日々は続きそうです。

 明日は、どうなるんだろう?と思っていたら、夜中にヘリコプターまで飛んでいました。

 フランスは、この問題に関してのデモを禁止していますが、そんなの簡単に言うこと聞く国民ではありません。イスラエル問題は、他人事ではないフランスです。


テロ警戒警報最大レベル


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2023年10月14日土曜日

あの怖いおばさんたちは、どこへ行ったのか?

  


 フランスで私がいいな・・と思うことのひとつに、何気なく目があった人が、ニッコリ笑顔で微笑んでくれるところがあります。

 私の偏見かもしれませんが、これには、特に美しい女性が多い気がして、全然、知らない人でも、笑顔でニッコリされると、なんとなく、ほわっと暖かい気持ちになって、おこがましくも、見習いたいなぁ~などと思います。

 それとは真逆で、私がフランスに来たばかりの頃、なんとなく、今よりも、もっと日本人を見かけることが多かったような気がするのですが、場所にもよりますが、それでも、やっぱり、日本人を見かける(観光客ではない在仏日本人)ことは、あんまり多くなくて、たまにメトロの中などで、ふと、「あっ!あの人、きっと日本人だ!」などと思われる人を見かけると、私としては、なんとなく同胞という気がして、嬉しかったりもしたのですが、けっこう高い確率で、怖い顔をして、睨みつけられることが多く、そのたびに、「なんでなの??」と悲しい気持ちになったものでした。

 当時といっても、もう20年以上も前の頃のことなので、あの頃、私が「怖い!」と思ったおばさんたちは、団塊の世代と言われる年頃の人が多く、あの頃のパリにいる日本人には、独特なアクの強さがあったような気がします。

 パリに住んでいる理由はそれぞれに色々な理由があるでしょうが、当時は、けっこう日本に住んでいる日本人に比べたら、比較的地味めで、あまり化粧っ気もない人も多かったり、かと思うと、その服装などから、昔の日本人のパリのイメージをそのまま自ら体現し続けているような、つばの広い帽子をかぶっていたり、ボブにきつめのメイクをしていたりする様子は明らかに浮きまくっているような感じだったり、とりあえず、ふつうの人はあまり見かけないような気もしていました。

 現在は、パリで日本人を見かけても、あんなに怖い顔で睨みつけられることもなく、すごくナチュラルな感じになったな・・などとも思うのですが、当時を思い出すと、あのおばさんたちは、なんで、同じ日本人に対して、あんなに怖い顔で睨みつけたりしていたんだろうか?と不思議な気持ちで、今でもよくわかりません。

 知らない人に対して、にっこり笑顔を見せるというフランス人とは対照的だっただけに、当時はすごく残念な気がしたものです。

 しかし、最近は、そういうこともなくなったということは、あの怖いおばさんたちは、どこに行ったんだろうか?と思いますが、年齢的にすでに引退しているか、日本に帰国してしまったのか?わかりませんが、同じ日本人から嫌な思いを受けることはなくなりました。

 みんながみんな同じではありませんが、知らない人とも目が合ったら、なんとなくにっこりして見せる・・ということは、国籍関係なく、決して、悪い気はしないわけで、よい習慣であると思うのですが、また、同時にニッコリと笑顔を向けられるたびに、あの怖いおばさんたちのことをうっすらと思い出すのです。


笑顔


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2023年10月13日金曜日

繋がりを絶った友人

  


 私は、もともと、そんなに友達が多い方ではないのですが、よく言えば、どちらかというと、本当に心の許せる人と深く付き合うタイプです。

 たくさんの友達が欲しいとも、あまり思いません。そうそう気の合う人というのも、そんなにいるわけでもなく、なんとなく、いつの間にか友達になって、だんだんとその友人関係が凝縮されていく感じで、離れていても、付き合いが続いている人とでも友人関係が続く場合もあるし、意図的ではなくとも、なんとなく、知らず知らずのうちに疎遠になっているという場合も少なくありません。

 もういい加減、いい歳になって、無理して付き合うのは友達ではないし、私は、一人の時間もとても好きなので、仕事上などならば、仕方ないとしても、それ以外で、無理をするつもりもありません。

 ましてや海外にいれば、日本の友人とは疎遠になりがちになってしまいますが、それでも、今はネットがあるので、繋がり続けて、時々、思い出したように連絡を取り続け、日本に一時帰国した際には久しぶりに会って、一緒の時間を過ごしたりもします。

 そんな日本の友人は、学生時代の友人や、職場で知り合った人、また、留学中に知り合った人やフランスに来てから知り合った人もいます。

 いつも日本にいるわけでもないこともあって、私は同窓会のようなものには、行ったことがないし、特に行きたいとも思いません。

 いくら友人が多くはないとはいえ、限られた一時帰国の期間に友人や親戚など、会える人も限られてしまい、あっという間に予定がギチギチに詰まってしまうのも、楽しい反面、ちょっとしんどかったりもします。

 先日、同い年の従妹から、連絡があって、高校の同窓会に行ったら(彼女とは同じ高校に通っていました)、私が仲良くしていた友人に会って、連絡をとりたいって、言ってたよ!よかったら、連絡してあげて!と言われて、気が重くなりました。

 彼女(高校の時の同級生)とは高校を卒業して、お互い別々の大学に進み、別々の会社に就職してからも、付き合いは続いていて、時折、一緒に飲みに行ったりしていて、フランスに来てからも、たまにメールをしたりもしていて、ある時期までは、一応、付き合いは途絶えずにいました。

 しかし、夫が突然亡くなってしまった時、その直後は、もう呆然自失というか、悲しみのどん底にいた私は、とりあえず、日本で付き合いが続いている友人たちにもメールで連絡をしました。

 本当に、あの時ほど気持ちが落ち込んだことは、なかなかなく、まだ小さい子供を抱えて、海外でどうやって暮らして行こうか?と途方に暮れてもいました。

 そんな時、今では、もうはっきり覚えていないのですが、突然の訃報に彼女から、一応、お悔やみのようなメールが来て、お悔やみの言葉とともに「足るを知る・・」というような説教じみたことが、書かれていて、私はその瞬間に彼女との間に大きな鉄の扉が降りるような気がしたのでした。

 夫を亡くした直後の人間に「足るを知る」ってどういうこと?と。もう怒りという気持ちよりも、心が反応しない感じでした。しかし、とりあえずは、「このような状況に、この内容は私には、受け入れられない・・もう、連絡しないでください・・」というような返事を送り、彼女からのメールの履歴もアドレスも全て消し去り、繋がりを絶ったのでした。

 その後は、こちらでの生活も仕事と子育てと忙しく、日本に一時帰国する際にも、期間限定であれこれと用事をこなしたり、他の友人や親戚と会うのにいっぱいいっぱいで、正直、彼女のことを思い出すこともありませんでした。

 もう、あれから、ずいぶんと時間が経ったので、もうどうでもいい・・という気持ちもあるものの、今でもあの時のヒリヒリした気持ちを忘れることができません。

 トラウマというほどのことでもないかもしれませんが、あの時の気持ちが蘇えると未だに心がヒリヒリしてしまうので、今さら、繋がりを再開する気持ちにもなりません。今後、日本に住むことがあって、時間が有り余るほどあったらば、また、違うのかもしれませんが、私の気持ちは解けずにいるのです。

 間に入らせられてしまった従妹には、申し訳なく、事情を話して、ごめんね・・と謝ったのですが、「どおりで、彼女、やけに必死だった・・」と言っていました。

 今さら、彼女を恨む気持ちもありませんが、一時期、一緒の時間を過ごした時があったというだけで、もういいじゃないか・・と思いつつ、久しぶりに浮上した彼女の話にちょっとモヤモヤしたのでした。


学生時代の友人


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2023年10月12日木曜日

未成年強姦容疑のフランスの人気ユーチューバーの捜査打ち切り

 



 フランスの人気ユーチューバー・ノーマン(Norman Thavaud)(当時フランス3位の登録者数1200万人)が、複数の10代の少女や若い女性を巻き込んだ未成年者強姦の容疑でパリ検察庁に身柄を拘束されたという衝撃的なニュースが走ったのは、昨年末のことでした。

 事が公になったのは、被害に遭った少女がInstagramで被害を告発したことがきっかけでした。

 このインスタでの告発を見かけた同様の被害を受けていた少女、女性たちが次々に我も我もと、まさにMe too運動のような現象が沸き起こり、その動向を、さらに影響力を持つ、フランス第1位のユーチューバーSqueezieが「特定のユーチューバーが若い女性登録者の心理的脆弱性につけこんで性行為を強要する不適切行為を行っていること」を非難する内容のツイートしたことから、さらに騒ぎが大きくなり、検察が始動することになったのです。

 当時は少なくとも30人の女の子が声をあげており、うち9名が告訴し、中には当時、未成年であった少女も含まれていたため、事はより一層、深刻な色が濃くなっていました。

 彼の行為は、フランス国内にとどまらず、SNSで繋がりのある他の国の女の子(カナダやアメリカなど)にまでにも及んでおり、捜査には、なかなか時間がかかっていた模様です。

 しかし、先日、パリ検察庁は、「事件当時の少女たちの年齢が特定できなかったこと、被告人が特別に未成年・子供の身体に魅力を感じていることを示唆する話し方や態度が確認されなかったこと」また、「被害者とのやり取りが多分にセンチメンタル、感傷的であり、多くの場合において、性的なことに関しても明白なやりとりがあったため、レイプ、または、性的暴行と認めることはできなかった」と捜査を打ち切ることを発表しています。

 現在、日本で大騒動になっているジャニーズ性加害問題とは、少々異なるものではありますが、未成年への性加害、ユーチューバーを芸能人と呼ぶかどうかは別として、有名人であることを利用したと思われるこの行為には共通するものがあります。

 とかく、この未成年への性加害ということに関しては、欧米なら、絶対に許されないことと(今回の日本のジャニーズ問題などでは)、ことごとく言われていますが、」このように捜査打ち切りになってしまうこともあるのか・・」と、ちょっと別の意味でビックリしています。

 つまり、今回の被害に対しては、過去に行われていた性加害の具体的なことの証明がはっきりなされなかったということなのでしょうが、被害者は被害に遭ったと訴えている・・しかも、同様の被害に遭った人が複数に及ぶ・・というだけでも、無罪とは考え難い気がします。

 しかし、今回の告訴が却下されたとしても、原告側は、今後、民事で争うことも充分に考えられ、すっかりカタがついたわけではありません。

 当然のことながら、彼のYouTubeの広告は、すべて停止され、現在も、広告はもどっていませんが、びっくりすることに、登録者数は若干の減少は見られるものの、依然として1160万人というすごい数の登録者を抱えています。

 捜査中ということで、彼のチャンネル自体は、削除されてはいないのだとは思いますが、広告なしのまま、忘れ去られないようにということなのでしょうが、ペースダウンしているものの、彼は動画の配信を続けています。

 彼のファンからしたら、むしろ、広告なしにYouTubeが見られるわけですから、都合がよいのかもしれませんが、これほどのスキャンダルを抱えながらも、ファンが離れないということは、表向き、倫理的には、未成年への性的虐待は絶対に許さない!と言いながらも、それとこれとは別・・とけっこう節操のない?人も多いのかもしれません。

 彼ほどの大物ユーチューバーとなれば、YouTubeの広告収入以外のビジネスを展開しているのだろうし、YouTube自体は、彼自身の広告のような役割を果たしているのでしょうが、この事件の捜査が打ち切られてしまうことには、私としては、どうにもモヤモヤがおさまらないところです。

 しかしながら、ジャニーズ問題に比べれば、少なくとも検察が動き、捜査がなされたことで、大々的なニュースにもあがっているだけでもまだマシなのかもしれませんが・・。


フランスの大人気ユーチューバーの性加害問題


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2023年10月11日水曜日

パリの歴史的建造物でもある行列の絶えないパン屋さん メゾン・ベルジュロン Maison Bergeron

  


  パリには、パン屋さんが当然?のことながら、たくさんあります。パン屋さんは、一般的に、ブーランジェリー(パン屋)とパティスリー(ケーキなどのお菓子類)とに分類されますが、実際には、その両方を扱っているお店が圧倒的に多いです。

 しかし、どちらにしても、このパン屋さんの類がたくさんあるということは、それだけの需要があるということでもありますが、一方では、それだけ競争が激しいとも言うことができます。

 今回、ご紹介するお店は、パンもお菓子も扱っているという意味で、メゾンと名乗っていますが、このお店は、いつ通りかかっても、時間に関係なく行列ができています。

 大々的に広告をしているわけでもないにもかかわらず、また、同じ通りには、いくつものパン屋さんがあるにもかかわらず、このお店には、いつも行列ができているのには、いくつかの理由があると思われます。

 比較的、エッフェル塔というパリの一大観光地に近いということもあるとは思いますが、この通り沿いにあるパン屋さんは、ここだけではないので、必ずしもこの立地条件が人気の第一の理由とも思えません。

 私が思うにこのお店の人気の理由の一つは、このお店自体が歴史的建造物であることもあるような気がしています。店内に入るとそのクラッシックな華やかさに圧倒されます。店内の装飾や壁面や天井の壁画などは、なかなか見事です。


 そして、パンにせよ、ケーキ類にせよ、とにかく種類が多くて、どれも美味しく、美しく、また、回転が速いため、できたてのものを味わえるということ、そして、そのうえ、何よりも価格が適正、妥当であるということではないかと思います。

 あまり売れていないパン屋さんなどだと売れ残ったクロワッサンなどは、翌日加工して、クロワッサン・オ・ザマンド(クロワッサンにアーモンドやお砂糖をまぶしてある)になり変わっていたりするという話も聞いたことがありますが、このお店の場合は、そんなこともなさそうです。

 最近のパリのパン屋さん、特にパティスリー関係の有名店、人気店のお店は、とかく、ちょっと目を疑うような、にわかに信じがたい値段のお店が多くなっている中、これだけのクォリティでこのお値段、だからといって、すごくお安いというわけではありませんが、クォリティに見合った適正価格、これなら、この価格でも納得できるな・・というような感じです。

 また、サンドイッチ、ピザ、フガス、フォカッチャ、キッシュ、ハンバーガー、サラダなどの軽食になるようなものの品揃えも多く、また、ピザやフガス、ハンバーガーなどに関しては、オーブンで温めなおしてくれたり、フライドポテトなども頼めばついてくるという他のパン屋さんではあまりお目にかかれないサービス、心遣いがあります。




 もちろん、ドリンクとセット(サンドイッチとドリンクがセットで 6.2ユーロ~、デザートも追加で 9.5ユーロ)になっているものもあります。

 とかく外食は高めなパリで、10ユーロ以下での食事というのはなかなかありません。下手なレストランに行くよりも、ランチなどだったら、パン屋さんでパンやケーキを買って、緑の広がる公園などでピクニック気分で食べる方がよっぽどよかったりする場合も多々あります。







 とにかく、サンドイッチにしても何にしても、パン屋さんなので、まず何よりもパンが美味しく、サンドイッチの中身なども他のお店ではお目にかかれないような珍しいものもあるのも魅力です。しかも、けっこうお手頃価格で一食、楽しめると思います。

 私は、今回はジャンボン(ハム)のフガスを買って帰って、家で温めなおおして、食べましたが、しっかりたべごたえもあって、とっても満足でした!

 

サイズ感が伝わらなさそうですが、実はけっこう大きいです。


パリの美味しいパン屋さん メゾン ベルジュロン Maison Bergeron

Maison Bergeron 112 Rue Saint-Dominique 75007 Paris 


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2023年10月10日火曜日

埼玉県の児童保護に関する法案とフランスの児童保護

  


 私は、日本で子育てをしたことがないので、正直、日本での子育てについては、よくわかりません。

 しかし、埼玉県の自民党県議団により、子供だけでの留守番や外出を「置き去り」として禁ずる虐待禁止条例改正案というものが提出されたという話を聞いて、ちょっとギョッとしてしまいました。

 対象年齢は小学校3年生までで、4年生から6年生は努力義務として、子供だけでの留守番や外出を禁止し、県民に対しては、禁止行為の通報を義務付けるというものです。

 日本の場合は、多くの場合、小学生になれば、送り迎えもいらなくなるし、子育ても一段落という感じがあるような気がしていて、フランスでは、小学校を卒業するまでは、送り迎えをすることがふつうなので、日本はいいな・・などと思ったこともあります。

 うちの場合は、小学校高学年になった時点で、リスクを負うのであれば、送り迎えもしなくてもよいということでしたが、リスクを負うのであれば・・などと言われれば、喉元にナイフをつきつけられているようなもので、そんなリスクを負うのはゴメンです。もしも、何かあったら、取り返しがつくものではないと思い、結局、小学生の間はずっと送り迎えをしていました。

 そんな感じでもあるので、子供だけでの留守番や外出は、フランスでは、基本的にあまりないことだし、しかし、その代わりに、通常の学校の授業が終わった後には、希望者にはエチュード(宿題などを見てくれる時間)の時間があったり、これだけ多いバカンス期間なども、必ず地域ごとに子供を預かってくれる場所が設けられていて、様々なアクティビティをさせてくれたりする受け皿があります。

 日常は、エチュードの時間は18時半までだったので、仕事を切り上げて、18時半までにお迎えに行くのは大変なことでしたが、それでも、このエチュードの時間には大変助けられたし、バカンス期間中の子供の居場所も、設けられていたので、一応、安心して、子供を預けることができていました。

 基本的に児童保護については、かなり厳しい面もあるフランスでは、もし、この義務を怠っていれば、通報されることもあります。

 一度、パリに引っ越してくる前に、ご近所の誰だかわかりませんが、嫌がらせに、「あの家は子供を学校に行かせていない!」などと、通報されて、児童保護機関の人が家にやってきたことがありましたが、こちらとしては、学校に問い合わせてもらえば、すぐにわかること、なんなら、学校以外にも公文やバレエなどのお稽古事の送り迎えもあって、目が回るほど忙しく、他の子よりも違う学びの場にも行かせている!と、憤慨し、そんな通報にひるむことはありませんでした。

 しかし、夫が亡くなって、我が家が外国人の母子家庭として児童裁判所の監督下におかれてからは、目をつけられたら、下手をすると子供を取り上げられてしまうため、この子供の置き去りに関しては、それまで以上に神経質になり、18歳になるまでは、子供を一人にすることは、決してありませんでした。

 娘も成人して、子育てを終わった今、日本よりも治安が数段悪いと思われるフランスでも、無事に子育てができたことは、ヤレヤレという気持ちもある一方、厳しい児童保護の法律があるとはいえ、これらの子供を預かってくれる受け皿があったことには、とても感謝しています。

 埼玉県の事情はよく知りませんが、埼玉県の虐待防止条例改正案というものに対して、その条例の前に、埼玉県には、私がフランスで利用させてもらってきたような、子供を一人にしないための受け皿というものがあるのだろうか?と、現役で子育てをしている人々がちょっと気の毒になってしまいます。

 これでは、女性に働くな!といっているようでもあり、また、子供を作るな!といっているようでもあり、子供を守るつもりがその家庭の生活そのものが成り立たなくなってしまう場合もあるのではないか?と、歪なものを感じます。

 そして、県民に通報を義務付けるというのも、ただでさえ、周囲の監視の目がキツそうな日本で、他人を責める格好の材料となりかねないような気もします。

 フランスでは義務と補償はセットのようなものところがあり、小さい子供を一人にしてはいけないという親の義務がありますが、それとセット補償?として、子供を預かってくれる場所が存在しています。

 子供を一人にしないということは正論ではあるかもしれませんが、そのために、国が何かの受け皿を同時に用意しない限り、それは単に子育てを苦しめるものにしかならないと思うのです。


埼玉県虐待禁止条例改正案 


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2023年10月9日月曜日

露天のクレープの生地はマンホールに保管されていた・・

  


 パリのシャン・ド・マルス(エッフェル塔近くの広場)の露天商が販売していたクレープの生地がマンホールに保管されていたと聞いて、驚愕しています。

 そもそも、多くの露天商は無許可営業が大部分を占め、怪しい存在でもあり、ふつうの飲食店ならば、パリ市によって、定期的にアトランダム、あるいは、通報により行われている衛生検査は結構、厳しいものであると聞いていますが、無許可営業ゆえ、そのような食品管理の検査などを受けているわけでもなく、考えてみれば、なんでもありの状態で、そのようなことも充分、あり得るのだろうな・・と思うのです。

 食べ物に限らず、この手の無許可の露天商などは、警察の取り締まりが来ると、すぐに逃げられるように、下に布地を敷いていたりして、すぐにそれを抱えて逃げられるようにしているために、その場にそんなに大量のストックは抱えていないのです。

 私も以前にオペラ通りだったか?パリの街中を歩いていた時に、若い青年が走ってきて、おもむろにマンホールをあけて、ペットボトルの小瓶を大量に持っていくところを目撃したことがあり、こんな場所を勝手に保管場所に使っているのか?と仰天したことがありました。

 ふつうの日常生活ではあまり、お目にかかることがないマンホールですが、パリ市内?は、特に地下には、思いがけないような地下道(道というほどでもないかもしれない)が入り組んでいて、たしかに、気温も低いだろうし、ある意味、冷蔵庫のような役割を果たすということもあるのかもしれませんが、問題なのは、ネズミもここを行き来している・・というか、ネズミの大運動上でもあるわけで、衛生上は大いに問題があります。

 パリ市は、来年のオリンピックに向けて、この露天商の摘発に力を入れ始めたようで、これらの露天商はもちろんのこと、そのストックの保管場所として使用されているマンホールのチェックに警察が介入し始めているとのことです。

 ここ一ヶ月ほど、一回の警察の介入でおよそ、30キロの商品を押収して廃棄していると言われており、9月のある1週間には、マンホールから、水380本、ワイン50本、ビール200本、トウモロコシ90本を押収したと報告されています。

 これらの商品は衛生的に大変な問題を抱えているため、パリ市は、多くの消費者、観光客に露天商の飲食物への注意の呼びかけを始めています。

 考えてみれば、パリの街中には、びっくりするほど多くの露天商が存在し、ましてやクレープなどといえば、直接、口に入る食べ物。クレープの場合、その場で焼いてくれるものもあれば、冷凍の生地を温めなおしているだけのものもあり、マンホールの匂いをお砂糖や、チョコレートクリームなどで、ごまかしているとさえ言われているものもあります。

 パリの街をクレープ片手に歩く・・などと、若い女の子が憧れそうな絵ではありますが、ちゃんとしたお店で買わないと、マンホールで保管されていたクレープを食べるハメになる危険性があるようなので、充分にご注意ください。

 パリ市は来年のオリンピックに向けて、多くの観光客を迎える準備をあちこちで、していますが、このマンホールクレープの摘発もそのリストに加えられた模様です。


パリ露天商 マンホール クレープ


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