最近、パリの街を歩いていると、パリの街のところどころに日本のエッセンスを感じるお店を見つけることが多くなりました。
それらのお店は、なぜか、しっくりと街の中に馴染んでいるものもあれば、どこかそこ一画だけが、異次元な空間だったり、色々ですが、このお店は明らかに異次元の世界で、また違う形で人目を引く感じではあります。
私自身、お店の前をたまたま通りかかっただけなのですが、そのお店の色使いといい、雰囲気といい、かなり独特なもので、狭いながらも、お店を一歩入れば、そこは、とてもパリとは思えない空間なのでした。
中に入って、お店の人に聞いてみたところ、そこは「原宿のクレープ屋さん」をコンセプトにしたお店なのだそうで、中はマンガの主人公と思われる人形やポスター、布などが一面を覆い尽くし、途中でオーナーは一度変わっているものの、そのままの形でもう10年ほど、そこに存在しているのだとか・・。
もともとクレープといえばフランスが本場・・その本場のフランスでわざわざ原宿のクレープの逆輸入バージョン・・なかなか大胆な発想です。
「どんなお客さんがいらっしゃるのですか?」と尋ねてみたところ、ちょっと苦笑しながら、「まぁ、普通のフランス人はいらっしゃらないですが、かなりコアな常連客に支えられておりまして・・」とのことでした。
このパンデミックで倒産して閉店に追いやられたお店は数知れず、その中で生き残ってこれたのですから、なかなかなものです。
いわゆるフランスの折り畳まれているクレープではなく、コルネ式で生クリームがたっぷり入ったクレープは、ショコラ、フランボワーズ、キャラメル、バナナ、ミックスフルーツ、アイスクリームなどに加えて、ツナとコーンとトマトのサラダやモツァレラチーズとトマトなどの甘くないものもあり、変わり種には、唐揚げのクレープや、納豆とアボカド、抹茶味のものなどもあります。
価格設定も4ユーロ(520円程度)から6.5ユーロ(850円程度)くらいとパリでの外食としては、かなりお手軽な感じです。
最も人気なのは、イチゴやバナナ、フランボワーズ、生クリームが入った上にチョコレートケーキかチーズケーキまでトッピングされためちゃくちゃボリューミーな「プリンセスクレープ」なるものだそうです。(6.5ユーロ)
一番人気のプリンセスクレープ |
それでも、このようなお店が10年以上もパンデミックの危機さえも乗り越え、脈々と続いていることを考えれば、この種のコアな客層もフランス人の中にしっかり定着していることを思わずにはいられません。
クレープといえば、フランスの食べ物で、それが日本に渡って、変化球バージョンでフランスに戻ってきているこの不思議な現象。
私は、日本でクレープを食べたことがないので、日本の味が再現されているのかどうかは、わかりませんが、パリに来て、日本の味が恋しくなったら、こんなクレープバージョンもあるので、試してみてはいかがでしょうか?
パリにある原宿のクレープ屋さん
Princess Crepe
3 Rue des écouffes 75004 Paris
Metro① Saint-Paulより徒歩5分
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