2021年9月15日水曜日

大学・高等教育機関でのイベント・パーティーにもヘルスパス

   


 小・中・高校は既に夏のバカンスを終え、授業が再開していますが、大学以上の高等教育機関での講義はこれから徐々に再開されます。

 これらの大学以上の高等教育機関は、パンデミック以来、長いこと対面授業が回避されていた期間も長く、今年度の初めから、ようやく対面授業が再開されます。大学の対面授業には、ヘルスパスの提示は義務付けられてはいないものの、久しぶりに本格的に対面授業が再開され、学生同士が集えば、当然、予想されるのは、学生同士のイベント・パーティーの再開です。

 この事態を目前にして、高等教育大臣フレデリック・ヴィダルは、学生の行うパーティー・イベントの開催に際しては、ヘルスパス提示義務の対象となることを発表しました。

 彼女は、パーティーやイベントをやみくもに禁止するのではなく、敢えて許可する道を選んだとしています。


 これにより、校内、あるいは施設内でのイベント・パーティーに際しては(週末の集まりも含む)、事前申請の届出が必要となり、参加者はヘルスパス(2回のワクチン接種証明書、72時間以内のPCR検査の陰性証明書、6ヶ月以内にコロナウィルスに感染した証明書)の提示が必要になります。

 「学生同士が関わり合う必要性と全ての人の健康と安全との間の公正なバランス」を追求するための手段の一つとしてのキャンパスライフでのヘルスパスの導入と、施設の収容能力の75%を超えてはならず、マスク着用が推奨されています。

 そのため、大学では、学生会主催の祝祭活動、講義・研修などとは関係のない文化・スポーツ活動、外部の参加者を受け入れるスタッフが50人を超える科学セミナーや会議などについても同様の措置が取られる見込みです。

 クラス内に感染者が出た場合は、小・中・高校の規則と同様に感染者は隔離、接触者に関しては、ワクチン未接種の場合は、一定期間の隔離が求められます。

 この措置は、感染対策の措置としては、ある程度は有効ではあるとは思いますが、学生同士が行うパーティーを全て取り締まることができるわけでもなく、大っぴらにはできないだけで、いくらでも抜け道は考えられ、ましてや重症化のケースが比較的少なく、歯止めの効きにくい年代の若者たちによる感染拡大の危険性を充分に避けられるとは考えにくいと思います。

 もともと、罰則のないルールはルールではないようなところがあるフランス人の、しかも、若い世代の統制は、そんなに簡単ではありません。

 大学が始まると絶対、パーティーが始まるから釘を刺した。しかし、抜け道はいくらでもあり、パーティーなどをやらないわけはありません。

 何もしないよりは、マシではありますが、結果的には、全国的なワクチン接種率の上昇が、最も確実な感染拡大回避の道だと思うのです。

 パンデミックにより、若者には若者の、年長者には年長者の大切な時間が失われてきました。これ以上、パンデミックを長引かせないためにも、あともう少し、私たちは、感染対策をとりながらの生活を続けなければなりません。

 すっかり日常モードのフランスですが、まだまだ気を緩めるわけにはいかないのです。


大学 パーティー ヘルスパス


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