2021年9月27日月曜日

ヘルスパスのQRコードのオンライン上の盗難と偽造QRコードへの警告

  


 ヘルスパスにより、日常を取り戻しつつあるフランスですが、ヘルスパスの登場とともに出現したのは、偽造ヘルスパスの販売や、ヘルスパスQRコードのオンライン上での盗難事件です。

 そもそも、偽のワクチン接種証明書(QRコード付き)がSNSで出回り始めたのは、ヘルスパスが起用されるよりもずっと前からの話で、ワクチン接種が広まり始めた6月の時点で、すでに大問題になり、実際にそれにパリの病院の看護師が加担していたことなどが発覚したりしていました。

 SNS上では400〜500ユーロで販売されていると言われている偽造ワクチン証明書に加えて、ワクチン証明書(ヘルスパス)QRコードがオンライン上で盗まれるというケースまで登場し、フランス国民健康保険機構は、現在までのこの不正なヘルスパスの数は、約36,000件にも上っていると見積もっています。

 先日もマクロン大統領とカステックス首相のヘルスパスのQRコードがSNSに流出し、二人のヘルスパスが新しく作り直されたという話が物議を醸していましたが、このケースは、実際にそれを使用するためには、あまりに有名人すぎて、多分に嫌がらせや挑発的な意味があったように思われますが、実際に一般人も知らないうちに、オンライン上で自分のQRコードが盗まれているということは、充分にあり得ることなのです。

 そもそもヘルスパスのチェックは、(例えばレストランなどの入店の際などでも)非常に簡単なもので、自分の携帯に保存したQRコードをかざして、お店の人が同様に携帯で、ピッピッと読み込むだけで、詳しい内容などは、チェックしていません。

 ヘルスパスのQRコードには、名前と生年月日、接種したワクチンの種類と2回目のワクチン接種の終了日が記載されているだけのものなので、本人確認も行われない(IDカードとの照合など)ため、正直、私のヘルスパスを誰か別の人が使用しても、全くわからないのです。

 まあ、せいぜい、性別、年齢などで、明らかに違いがある場合は、気がつかれる可能性もないではありませんが、これまで私がヘルスパスを提示した際には、ヘルスパスの内容を詳しく見られたケースなどは一度もなく、盗まれたヘルスパスを使用していてもほとんど発覚しないのではないかと思ってしまいます。

 マクロン大統領やカステックス首相のように、盗まれたヘルスパスがSNS上で出回ったりすれば、すぐに発覚しますが、一般市民の場合は、盗難にあったことさえも気づかない可能性があります。

 しかし、マクロン大統領のヘルスパスを盗んだ犯人はすでに確定されているようで、追跡をすれば、犯人特定は可能なことのようです。

 とはいえ、不正に使用されたヘルスパスは、無効になるため、その場合は、新しいヘルスパスを作り直す必要があります。


 フランス政府は、この偽造ヘルスパスやヘルスパスの盗難に際して、盗難にあった可能性のあるヘルスパス所持者に向けて、その事例を報告し、現在のヘルスパスを一旦無効にしてから、新しいヘルスパスを作り直すように呼びかけています。

 I Tの進歩で私たちの生活は格段に便利になり、現在フランスで行われているヘルスパスのチェックなども非常に簡単にできるようになりましたが、技術が進歩すればしたで、必ず登場する裏で不正を行う存在は、家に押し入られて何かを盗まれるような盗難とは別のタイプのもので、盗難に遭っているかどうかもよくわからない気味悪いものでもあります。

 フランスでの予防接種証明書(ヘルスパス)の不正使用は、45,000ユーロ(約585万円)の罰金と3年の懲役で罰せられます。


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