デモ隊が乱入したシャトレの巨大コマーシャルセンター |
もはや土曜日のヘルスパスのデモが近々に終わるとは誰も思っていませんが、このデモは7月17日から夏のバカンス中もずっと続き、とうとう8週連続のデモとなりました。
フランスは何かといえば、すぐにデモが起こるので、余程の暴徒化でもしない限り、かなりの人数でさえ、それほど大ニュースにはなりません。
このパンデミックのさなかでさえも、昨年3月の1回目の完全なロックダウン(生活必需品の買い物以外は外出禁止)の時以外は、デモ(その時々で目的は違っていたけど・・)は常に認められ続けてきました。
ただし、デモを行うには、予め、その日時や場所(出発地やデモ行進するコース、到達地点)などを申請する必要があり、概ねその通りに行われます。
デモ隊は、時に暴徒化して破壊行為や暴力行為に発展したりする危険もあるため、在仏日本大使館なども事前に土曜日のデモの予定を知らせてくれます。
当然、私は、大勢の人が集まる場所は避けたいし、巻き込まれるのもゴメンなので、できるだけ、その近辺には近寄らないようにしています。
とはいえ、狭いパリのこと、また、デモ隊は行進して場所を移動するため、例えば、今回のデモの予定は、パリ1区、2区、4区、5区、6区、11区、12区、15区、19区、20区とかなりの区域を網羅(パリは1区〜20区まであります)、もうほとんどの区がデモのコースにあたっており、あまり神経質に考えたら、外出不可能です。
しかも、デモは必ずしも届出どおりのコースを進むわけでもなく、今回は、デモ隊の一つから一部から派生して、予定していたコースとは別の道を進み、パリ1区にあるシャトレのコマーシャルセンター(フォーラム・デ・アール)になだれ込み、コマーシャルセンターでのヘルスパス提示義務反対を叫び始め、一時、大変な緊張状態に陥りました。
フォーラム・デ・アールは、パリの中心地(パリ1区)にある大型ショッピングセンターで、数多くのブティックを始めとして、書店、電化製品、映画館、レストランなど115軒の店舗が入っている、かつてはパリの胃袋と呼ばれていたランジス市場の跡地に建てられた巨大モールです。
本当に行ってみるとびっくりするほど、そこへ行けば、どんなお店もあり、「あ〜このお店もある!あ!これもある!」と思います。しかも、RER(国鉄)やメトロの駅からも直結しているために、非常にアクセスも便利にできています。
しかし、今回のデモ隊がこのコマーシャルセンターに流れ込んで、「リベルテ!リベルテ!(自由!自由!)」と騒ぎ出し、パリ警察はオーバーフローを恐れ、店舗の閉鎖を要請、CRS(Compagnies Républicaines de Sécurité・特別警備隊)やBRAV-M(Brigade de répression de l'action violente motorisée・暴力行為を抑制するための厳重な警備隊)や大型の警察車両10台が出動する大騒ぎになりました。
« LIBERTÉ ! »
— Clément Lanot (@ClementLanot) September 4, 2021
Les anti #PassSanitaire ont réussie à envahir le centre commercial de Châtelet. #manifestation4septembre #Manifs4septembre https://t.co/Tf6S4stDxa pic.twitter.com/1VSKQsk1Ih
入り口だけでも一体、いくつあるかわからないほど大きい上に、メトロやRERの駅にも直結しているこのコマーシャルセンターをデモ隊の一部が突如、コースを変更して突入したために、突如、警察、しかも、通常の警察だけではなく、イカつい様相の特別警備隊が現れて、閉鎖されるということは、想像もつかない大混乱です。
これまでデモ隊が行進する通り沿いの店舗がシャッターを下ろさなければならないような場合もありましたが、このような巨大ショッピングモールに閉鎖の要請とは、なかなかな事態です。
我が家はシャトレからはかなり離れているものの、家からでも聞こえる警察車両のサイレンに、今日は、どこで何が起こっているんだろうか?と思っていました。
「自由!自由!」と叫んで、「自由」を訴える人は、結果的に「自由」を奪われる結果を招いていることに、やるせなさを感じるのです。
フランス ヘルスパス反対デモ コマーシャルセンター乱入
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