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2025年6月18日水曜日

また起こってしまったタカタのエアバッグの死亡事故

 


 マルヌ県ランスでシトロエンC3のタカタ製のエアバッグが爆発し、37歳の母親が死亡、同乗していた13歳の少女が負傷しました。

 タカタのエアバッグについては、もうここ数年、その欠陥が指摘され、リコール対象となっており、シトロエンだけでなく、多くの自動車メーカーは車種により、エアバッグ交換や運転停止などの通知をしてきたはずでしたが、このシトロエンに関しては、ただちに運転を中止するように勧告されていたのは、2008年から2013年に登録された旧型車までで、今回のエアバッグの死亡事故が起こったのは、2014年の車であったそうで、2014年から2019年の間の対象車両所有者には、一応の連絡はしていたと言われていますが、運転中止義務とはされていなかったそうで、しかも、今回の犠牲者には、この通知(シトロエンC3のエアバッグを交換するよう通知する手紙)でさえも届いていなかったそうで、不運が重なった感じもあります。

 この女性は、ランスの高速道路を運転中、大型貨物車に追突され、車はコンクリートの壁に衝突し、道路の反対側で停止。その際にエアバッグが作動し、女性は車の外に放り出され、道路上で発見されたといいます。

 彼女は病院に搬送されましたが、その後、死亡。被害者の咽頭部から金属片が見つかり、原因はエアバッグであったことが確定したと発表されています。

 これまでのこのエアバッグの事故から、このエアバッグは、時間の経過、湿度、熱によって劣化するガスによって、爆発することがわかっていましたが、これまでは、そのとおりに高温多湿の地域での事故の発生がほとんどで、今回のようにフランス北部での事故というのは、初めてのことなのだそうです。

 とはいえ、最近は、南部・北部関係なしに温暖化の影響で、今月もパリでさえも、まだ6月だというのに30℃超えの日が続いており、北部でさえも気温が低いとは限らなくなっています。

 しかし、フランスでの、このタカタのエアバッグの欠陥問題、リコールについては、もう数年にわたり、騒動になっているというのに、まだ知らない人がいたのかと思うと、シトロエンは、とりあえず、この危険の通知が充分に出来ていなかったという面においては、罪深いことです。

 今回の事故を受けて、運輸相は、該当車であるシトロエンC3とDS3の稼働停止を求めています。また、これまの2008年から2013年に登録された旧型車という限定であったものをシトロエンC3とDS3の全車両に拡大しています。

 しかし、当のタカタ社に関しては、すでに倒産してしまっているので、もうこれ以上、タカタに責任追及はできないことと思いますが、もうすでにこのエアバッグに問題があることは、確定しているので、それを搭載している車を販売している自動車メーカーは、少なくとも徹底して該当車を所有しているユーザーに通知する義務があります。

 車の追突事故などの際の衝撃から運転手を守るはずのエアバッグが衝撃により、爆発して運転手が車から放り出されて死亡してしまうとは、恐ろしいばかり。

 そもそも大型車に追突された時点で不運としかいいようがありませんが、それに加えてエアバッグが爆発するとは、もう目も当てられない事態。同乗していた娘の命は助かったとはいえ、この事故により、自分の目の前で母親を失ってしまったのですから、大変にショッキングなことであったに違いありません。

 

タカタ エアバッグ死亡事故


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2025年6月17日火曜日

コマーシャルセンター内の公衆トイレで・・

  


 パリのトイレ事情は、日本に比べると恵まれているとはいえない状態なので、できるだけ外でトイレに行かなくても済むようにしているのですが、時折、やむを得ない状況に追い込まれた時には、仕方なく公衆トイレに駆け込むこともあります。

 日本では信じられないことかもしれませんが、公衆トイレの場合などは、便座がついていないトイレもけっこうあるので、潔癖症の方には(そうでなくても)、かなり厳しいかもしれないので、覚悟が必用かもしれません。

 とはいえ、外出中のトイレ問題は差し迫った状況下になれば、もうそんなことも言っていられず、もう頭が真っ白の状態になって、トイレを探し回ることになります。あの緊迫感たるや、ちょっと、なかなか他にはない独特な瞬間です。

 よく出かける場所ならば、このあたりなら、ここのトイレ・・と、だいたいのトイレの場所はチェックしてあります。

 その点、コマーシャルセンターなどは、まあまあ、センター内にトイレは数ヶ所あることが多いので、そんなに心配はありません。

 先日、あるコマーシャルセンターに買物に行った際、そこのトイレは、まあまあ許容範囲内に入る程度のトイレなのは知っていたので、あまり躊躇なしにトイレに行ったのですが、そこで繰り広げられていた光景には、ちょっとショックを受けました。

 なんだか、荷物の多い小さな子ども2人を連れたオリエンタルな容貌の女性がいたのですが、いくつかトイレが並ぶ中の車椅子が入れる少し大きめのトイレを占領していて、ドアは開け放ったままなのですが、その中に全裸の少女(3~4歳くらい)が二人。暑いので、薄着とかいうレベルではなく、一糸まとわぬ姿・・扉も閉めない状態で真っ裸の子どもとおかあさん。

 さすがにトイレとはいえ、真っ裸の子どもがいたら、ちょっとギョッとします。どうやら、おかあさんは、子どもに行水?させていたというか?子どもの身体を洗っていたみたいなのですが、なかなか衝撃的な光景。しかも、その子どもたちの表情がなんとも言えない顔つきをしていて、とても複雑な気持ちになりました。

 なんというか、悲しそうでもあり、無表情でもあるような・・独特の顔つきでした。

 子どもを連れたホームレスなのか?難民なのか?わかりませんが、あまり、そういう人々がいる地域でもなく、ここには、時々、行くことがありますが、こんな光景に遭遇したのは初めてでした。

 平日の午後の時間で、その年ごろの子どもはふつうなら学校に行っている時間。こんな生活をしている子どもは、どんな人に育つのだろうか?と、ものすごくモヤモヤした気持ちになりました。

 蛇足になりますが、パリでトイレを探す場合、比較的大きな良いホテルのラウンジに近いトイレなら間違いないし、カフェや飲食店などにあるトイレは、まあまあ大丈夫なことが多いです。

 先日、サンラザール駅にある有料トイレに入ったら、カードでピッと払えて(1ユーロ)便利で、わりかしきれいでした。


パリの公衆トイレ


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2025年6月16日月曜日

ナイフに関する恐るべき数字 ナイフ襲撃事件は年間1万回以上も起こっている

  


 先週にオート・マルヌ県ノジャンの中学校で起こった中学生のナイフによる学校監督職員刺殺という衝撃的なニュース以来、ナイフに関する報道が散見されます。

 私は、まず、なぜナイフなんか持ってるの?しかも中学生が学校に行くのに・・と思ったのですが、これはなにも中学校に限ったことではないらしく、中には、小学校でさえも、ナイフによる事件は起こっているようで、本当に驚愕させられます。

 ということは、これが子どもに限ったことでなければ、もっともっと多いわけで、なんと2024年には、フランス国内ではナイフによる襲撃事件が10,397件も起こっていたそうで、これは1日あたり、28件のナイフ襲撃事件が起こっている計算になります。

 2024年、パリだけで学校内でのナイフによる襲撃事件が130件も起こっており、うちわけは、中学校で74件、高校で38件、小学校で18件となっています。

 中学校での事件が高校での事件の倍以上であることや、小学校でさえも事件は起こっているということには、本当に驚くばかりです。なんだかこのような狂暴な事件は、年齢が上がるとともに増加していくようなイメージがあったので、高校よりも中学校の方が事件が多いということは、このような犯罪が低年齢化しているということなのでしょうか?

 これらの事件は、今回のノジャンのケースのように極端に残忍だったりする場合を除き、ほとんど報道されてはいませんが、1日あたり28件もナイフ襲撃事件が起こっていれば、もういちいち報道してもいられないのかもしれません。

 特に学校内に持ち込むケースに関しては、今回のノジャンのように荷物検査を行い、憲兵または、警察によって荷物がチェックされているようですが(不定期抜き打ち検査)、ナイフを所持していた生徒は全員、規則に従って懲戒聴聞会の対象となることになっています。

 しかし、これは、あまり抑止力にはなっていないようです。

 一般社会においては、それ以上に荷物検査などということは不可能に近いので、ナイフ所持の数などは、計れないのが現実ですが、これだけ事件が起こっているとなると、相当数の人がナイフを持っているのではないか?と思ってしまいます。

 よく護身用などと聞くこともありますが、たとえ護身用ナイフを持っていたとしても、私のようなへなちょこでは、早々にナイフを取りあげられて、逆に敵に武器を与えることにもなりかねないし、人にナイフを向ける勇気もないので、そんなものは持っていない方がマシかも・・と思っています。

 しかし、思い出してみれば、亡き夫もそういえば、なんだか、いかついナイフを得意そうに買ってきたことがありました。「何に使うの?」と聞いたら、「コレクションみたいなもの、かっこいいでしょ・・」という答えが返ってきました。

 コレクションと言ったわりには、扱いはぞんざいで、その後、ずっと道具箱のようなものの中に放置されたままで、今でも道具箱を覗いたら、まだあるんじゃないかと思います。

 私は、「こういうもの、男の人って好きなんだな・・」と、なんとなくぼんやりとその時は思っていましたが、あれは、なんだったんだろうか?と今になって思います。

 しかし、事はもっと深刻で、それを持ち歩いて人を刺してしまうという事態が年間1万件以上も起こっているなんて、武器を持ち歩く勇気もない私は、もういかに、狙われないようにするか?くらいしか、対処方法はありません。


ナイフ襲撃事件


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2025年6月15日日曜日

アンチファストファッション法 ファストファッションと超ファストファッション

  


 今年の4月の段階ですでに発表されていたSHEIN,  TEMU,  Ali Express などの中国からの小包に課税するという話は、「アンチ・ファストファッション法」として、より広範囲に具体的に、また強力なカタチになりつつあります。

 4月の段階では、年間8億個以上の中国からのこれらのネットショッピングによる小包が到着しており、これが少額のために関税がかからずにフランスに入ってきており、この少額だが莫大な数のネットショッピングがフランスの繊維業界・服職業界を脅かしているというもので、これは、航空便という輸送に関してのみならず、低価格のために、結局はすぐに廃棄されてしまう、いわば使い捨てファッションという面からも環境問題にそぐわない見過ごせない状況であるとしています。

 今回、フランス上院に提出され、可決した「アンチファストファッション法」は、単なるアンチファストファッションというよりも、ターゲットを中国のネットショッピングプラットフォームであるSHEIN,  TEMUに絞ったものになっているのが現状で、ファストファッションとして知られているZaraやH&MやKiabiなどのブランドは、超ファストファッションブランドではないとし、すでにフランスで長く価値を見出しているとして、このアンチファストファッションのリストからは除外されています。

 フランスの中規模程度、小規模の服飾業界が不振でここ数年で倒産した企業が相次いでいます。多くの人々が特にパンデミックを境に大きくネットショッピングに傾き、需要の構図が一気に変わり、これに早く対応できなかったフランスに根付いていたはずの服飾ブランドがあっという間に本当に見事なほどにバタバタと倒れています。

 そもそもはファッション業界というものは、流行というものがあり、時代に乗っていなければ、また、それを牽引していくくらいでないと、生き残れない業界でもあります。

 昨今の若者たちは、偽ブランドも隠さず、それで構わないと堂々と偽物をいとわず持って歩く(身に着けて歩く)人が増えたそうで、そこそこ可愛ければ、品質は二の次でも、とにかく低価格のものに手がのびる世代が登場してきています。

 半面、シャネルやディオール、ルイヴィトンなどのハイブランドの価格は天井知らずという値段をつけても、やはりそれを買いたい人は後をたたず、超ハイブランドか超低価格のものが人気で、その中間に位置するこれまでの、そこそこ手が届く範囲の中途半端な位置にあったブランドは、一番生き残りが難しいのです。

 その中間あたりで、大成功しているユニクロは、本当にスゴイと思います。フランスでのユニクロは、日本のユニクロのイメージよりももう少し高級感があり、また、絶対的な品質の良さには定評があり、ネットショッピングはもちろんのこと、パリの大きなコマーシャルセンターには、たいていユニクロの店舗が入っているようになったくらいです。

 本当は、資本主義の社会では、仕方のない話で、これらの中堅どころのブランドもそのどちらにも該当しないながらも、何等かの押しを開発して、生き残らなければならないところ、フランスは、これを環境問題という大義名分を用いて、法律で超ファストファッションの勢いを止める手立てを打とうとしているのです。

 フランス環境庁によれば、フランスでは毎秒35着の衣類が廃棄されているといいます。たしかに環境問題的には、よいことではないとはいえ、本音を言えば、欧州企業やフランスの企業を保護するための法律といっても過言ではありません。

 この法案は、排出量、資源利用、リサイクルの可能性などファストファッション企業が販売する製品の環境への影響を評価するエコスコアシステムを導入し、最も低いスコアを獲得したブランドには、2025年から商品1点あたり最大5ユーロの税金が課せられ、2030年には、10ユーロに増額される可能性があります。ただし、税金は商品の小売価格の50%を超えることはないことになっています。

 また、この法には、超ファストファッションの広告禁止やオンラインで宣伝するインフルエンサーへの制裁も含まれているそうです。

 しかし、この法がターゲットにしているのは、主に2つのブランド(SHEIN,  TEMU)であり、フランス国内で生産・販売されている、衣料品の少なくとも90%を占めるブランドは除外されています。

 この法案はまだ上院で可決しただけで、まだ完全に施行されることが決定されたわけではありませんが、なんらかのかたちでこの中国のファストファッションに制裁を加えることはほぼ確実です。


アンチファストファッション法


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2025年6月12日木曜日

15歳未満へのナイフ販売禁止とソーシャルメディア禁止

   


 先日のオート・マルヌ県ノージャン(グラン・テスト地域圏)での14歳の少年が学校職員(サーヴェイヤント=監督員?)をナイフで襲って殺してしまった事件以来、「15歳未満へのナイフ販売禁止とソーシャルメディア禁止」についての論争が起こっています。

 この事件の直後にマクロン大統領は、「15歳未満のユーザーによるソーシャルネットワークの利用禁止を急ぎたい」と発信。

 また、フランソワ・バイルー首相は、「未成年者へのナイフの販売禁止は15日以内に法令が交付される」と発表しています。

 この事件の被告となっている少年が犯行に使ったナイフは自分で購入したものではなく、家から持ち出した20㎝ほどのキッチン用ナイフだったと言われていますが、暴力行為へ魅せられていたと語っているようで、SNSの影響があったかもしれません。

 とはいえ、法律上、すでに、未成年には、あらゆる種類の軍事?攻撃用物資、弾薬、武器、ナイフなどを購入する権利はないのですが、未成年に対して販売することも禁止されています。

 また、購入だけでなく、ナイフを所持したり、持ち運んだりすることも禁止されており、未成年者であっても成人であっても、刃物と見なされるナイフを持って外出することは、禁止されているのです。

 これらのナイフ等を携帯していた場合には、正当な理由が提示できなければなりません。ピクニックに行くとか、狩猟に行くなどは、正当な理由として認められるということですが、この取り締まりをし始めたら、大変なことになります。

 なので、実際に禁止されているとはいっても、それはまったく遵守されていないということです。考えてみれば、このような禁止事項というものは、けっこうあるものかもしれません。

 つまり、これらは、非常にはっきりと鮮明な法的な禁止事項でありながら、実状は、ぼやけた法令としてしか機能していないのが現実で、それこそネットなどでの販売・購入に際しては、年齢確認等のステップがあるものの、これらは、いくらでも偽認証できてしまうわけで、これをどのように取り締まっていくのか?荷物を受け取る際に、保護者のサインが必用になるようにするとか、色々、提案はされているようですが、そもそも偽の年齢で認証を受けている場合には、該当しそうにありません。

 また、ソーシャルメディアの利用に関しても、禁止となると、色々と複雑な問題もあり、効果的に利用している場合も多いので、あながちその全てを禁止するということもまた、容易ではありません。

 フランスでは、すでに2023年の段階で、危険因子の高いメディアとして、15歳未満の子どもがTikTok、Snapchat、Instagramなどのソーシャルネットワークにアクセスすることを禁止する法律が可決されています。

 しかし、これはフランスですでに可決していながら、デジタルプラットフォームを規制する欧州法の遵守が欠如しているために、フランス国内でも施行できずにいました。

 ここのところが、マクロン大統領が「欧州全体の決定をいつまでも待てないので、2ヶ月以内にこの欧州法が前進しなければ、フランスだけでも、この禁止を施行する」と言っている所以です。

 どちらにしても、ソーシャルネットワークを全て否定はしませんが、これが、まず、なぜ?15歳未満・・と15歳なのか?なんなら、責任をとれない未成年全体に拡大してもよいのでは?と思わないでもありません。

 最近、フランスで起こっている犯罪を見ていると、大人が未成年の子どもを募って、犯罪の手先に利用したりするケースも多々あり、SNSが今まで無かった犯罪を生んでいることはたしかです。

 今回、フランス中を騒がせているこの14歳の少年は、全く反省の色も後悔もなく、また、被害者に対しての同情や謝罪の感情もないと伝えられています。人の命を奪うということに関しての重みや、それに関わる人々の痛みを感じられないというのは、どういうことなのだろうか?と思います。

 まだ14年しか生きていないのに、どうしたら、こんなになっちゃうんだろうか?と空恐ろしい気がします。やっぱり子育てって怖いし、責任重大なことです。

 このような問題を解決するのに、刃物の販売禁止とか、ソーシャルネットワークの禁止とかも必要なことなのかもしれませんが、根本的なことは、なにか別のことにあるのではないかという気がしています。


15歳未満 ナイフ販売禁止 ソーシャルメディア禁止


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2025年6月11日水曜日

学校の入り口での手荷物検査で14歳の少年がまさかのナイフで監督教員を殺傷

   


 事件は朝8時15分頃、オート・マルヌ県ノージャン(グラン・テスト地域圏)の中学校登校前の手荷物検査中に起こりました。陰惨な事件を回避するために行われていた検査の場でこのような衝撃的な事件が起こるとは、まさに、為す術がないかのようにも思えます。

 この事件の被害者となった女性は、この中学校の教員助手というか生徒を監督するサーヴェイヤントという職にありました。この学校でのサーヴェイヤントという職務、娘が学校に行っていた時に時々、耳にすることがあって、そのサーヴェイヤントってなに?と娘に聞いたことがありましたが、教師ではなく、キャンティーンや休み時間の校内などでの見回り係というか監督員のような立場の人とのことでした。

 教師ではなく、別にこのような職務というものがあることに、フランスらしいな・・と思った記憶があります。

 この女性は、元美容師さんで、クローン病を患い、健康上の理由から転職をしたばかりで、新しい人生(仕事)に大変、満足していたそうで・・まだ若干31歳の4歳の子どものママでした。

 一方、加害者の少年については、あまり、まだ詳しい情報は流れていませんが、特別に問題が見られる子どもではなく、全くのノーマークの生徒だったようで、むしろ、校内では、「いじめ対策チーム」のリーダーを務めていた少年だったということで、余計に闇深い気がします。

 とにかく、この14歳の少年は、この31歳の女性をナイフで数ヶ所刺して、結果的には殺してしまったわけで、すぐに逮捕されたものの、その衝撃は非常に大きく、大統領をはじめ、首相、教育相などが、すぐにマスコミの前に立ち、鎮痛な思いと今後の対策について、話しています。

 マクロン大統領は、この事件を受けて、「15歳以下のソーシャルメディアの使用を禁止する必要がある」と発表し、「欧州レベルでの実現を可能にするために数ヶ月間の猶予を設けるが、欧州レベルでの実現が2ヶ月以内にできなければ、フランスだけでもまず開始する」と述べています。

 このソーシャルメディアの禁止となると非常に大きなことになるとは思いますが、バイルー首相は、特に「ナイフなどの凶器の購入規制の厳格化」、「15歳以下の子どものオンラインでのナイフ購入を禁止する」ことなどを発表しています。

 これには、「すでに、子どもがこれらの凶器の購入は禁止になっているはず・・」とのことではありますが、現実にはそれが可能なままになっているのです。

 この未成年者の傷害事件についての報道を見ていると、ほぼほぼ皆、あたりまえのようにナイフを持っていることに驚かされます。それが、放課後や夜中に街にウロウロでかける少年たちだけでなく、ごくごくふつうの学校生活の中にも浸透しつつあるということが、異様なことです。

 そもそも今回のように、学校前で手荷物検査を行わなければならない事態・・その検査中にこのような陰惨な事件が起こってしまうということは、本当に悲惨な状態です。

 私は、フランスの学校については、娘が通っていた学校についてしか知らないので、このような事件を見るにつけ、あまり一般的なことは、知らなかったのだな・・と思いますが、とにかく、娘が通っていた学校(小学校から高校まで)は、大変、厳しい学校で、問題がある生徒は容赦なく、転校を促され、授業はもちろんのこと、日常生活での規律や礼儀などについても大変、厳しく、ポイント制?のようなものがあって、✖が3つ以上つくと、追い出されかねない・・それが、教師に対して、口答えしたり、怒られて、教師を睨み返しただけでも減点・・というのを聞いて、驚いたことがありました。

 特に中学校からは、授業の速度も大変速く、とにかく点取り虫の子が多かったので、そんな日常生活の些細なことで学校を追い出されるなどということは生徒たち自身にとっても考えられない感じだったと思います。

 初めて、その学校を見学に行った時は、もう学校内の空気が全く違って、凛とした感じがあり、ここなら大丈夫・・と思ったことを覚えています。

 このような様々な少年事件を見ていると、かなり厳しくしないとダメな年頃もあるのではないか?とも思うのです。

 子育ては、それぞれの子どもにとって、それぞれ違うので、何が正解かはわかりませんが、やっぱり、安全な環境に子どもをおいておきたいと思うじゃないですか・・。


荷物検査での14歳の刺殺事件


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2025年6月10日火曜日

人道支援船「マドリーン」拿捕に抗議する人々がレピュブリック広場に溢れている!

  


 私はこのガザへの人道支援船が出航したことまでは知っていたのですが、その後、この船がイスラエルによって拿捕されていたことは知りませんでした。

 昨夕、パリ・レピュブリック広場に人が溢れている・・というニュースを見て、「なんでなんで?何があったの?」と、最初はわかりませんでした。

 なにしろ、人の集まり方が尋常ではなく、パリでは度々、デモがあったりすると、その集合場所になって、レピュブリック広場に大勢の人が集まることは、決して珍しいことではないのですが、これだけの人が集まるということは、そうそうあることではありません。しかも、週明けの月曜日に・・。

 これは、この医療支援と食糧を届けるためにガザへ向かっていた船で、この船には、環境活動家のグレタ・トゥーンベリ氏、パレスチナ人自由連盟の欧州議会議員リマ・ハッサン氏、フランス人ジャーナリストを含めた12名が乗船していました。


 

 このうちの6名はフランス人であったことから、フランスでは特に大騒ぎになっているようで、もともと人道的な案件については、ことのほか、強い反応を示すフランス人・・これだけの人が集結しているのもうなずける気がします。今回のこのデモは、人道支援船の救助に加えて、そもそものガザでの大量虐殺に抗議しているものです。

 これには、早々にマクロン大統領もイスラエルに対し、「人道支援の封鎖は恥ずべき行為である」と強い非難の意を表明し、「フランス人6名の解放」を求めています。

 これに対し、イスラエル外務省は、「帆船はイスラエル沿岸に向けて安全に航行している。乗客は安全に帰国する予定である」と声明を発表しています。

 また、同省は、「この人道支援船はグレタ氏らが宣伝目的のみで、トラック1台分にも満たない支援物資でメディア挑発行為を企てた。過去2週間で1,200台以上の支援物資を積んだトラックがイスラエルからガザ地区に入り、ガザ人道財団が約1,100万食の食事をガザ地区の民間人に直接、配布している」、「船に積まれていた援助物資は、正当な人道的ルートを通じて、ガザに移送する」とも付け加えています。

 このイスラエル側の言い分が真実かどうかは、別としても、少なくとも人道支援船を拿捕し、乗組員を拉致するという控え目にいって、強引で暴力的なやり方には、疑問を感じずにはいられないところです。

 拿捕されたマドリーン号は、イスラエル海軍の船艇2隻に護衛され、その日の夕方イスラエルのアシュドッド港に入港しています。

 WHO(世界保健機構)は、先週末土曜日に発表した声明で「ガザ地区の保健医療はすでに崩壊しており、同地区(特に北部)にはすでに機能している病院はない」と発表しています。

 この人道支援船がマスコミへの広告目的であったとしても、それを拿捕したことで、一層、この騒ぎは広まった気がします。


人道支援船「マドリーン」拿捕


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2025年6月8日日曜日

空港職員もぐるだった! フランス・ブラジル間の大規模なコカイン密売組織

  


 今回の摘発のきっかけとなったのは、昨年末に当局が、ブラジルからのフランスへの飛行機によるコカインの輸送を特定し、特定された便がシャルルドゴール空港に到着後、貨物パレットの検査が行われ、コカインの塊45個(計50㎏)が入った箱が発見されたことが始まりでした。

 その後、1月22日にこのブラジルからのコカイン密売の大規模組織摘発に向けて、約100名の国家憲兵隊と様々な専門部隊が動員された特別チームが設けられ、着々と捜査が進められてきました。

 捜査により、セーヌ・サン・ドニを中心として活発に活動するコカイン密売ネットワークを特定、この密売組織は、空港会社の従業員や幹部数名を雇って、毎月20㎏から50㎏のコカインを輸送していたことが判明しました。

 つまりは、空港の検査員を買収して抱き込んでいたのですから、空港の通過も難なく通ってしまっていたわけです。少し前に、漁師を巻き込んで密輸の手伝いをさせていた海路でのコカイン密輸が摘発されていましたが、今回の空路の場合は空港職員を抱き込んでいました。

 いつも私が日本に帰国した際に、スーツケースいっぱいの食糧品を重量が超過しないかとドキドキしながら、荷物を持って帰ってきているのが、ホントにバカみたいです。

 今回の摘発では、当局は、フランス・ブラジル間のコカイン密売組織を壊滅させたといっていますが、これで本当に壊滅したかどうかは、別としても、この大きな摘発が彼らコカイン密売業者にとっては、重大な回路が奪われたことには、違いありません。

 この事件では、オワーズ県、パ・ド・カレー県、セーヌ・エ・マルヌ県、ヴァル・ド・マルヌ県、ヴァル・ドワーズ県、セーヌ・サン・ドニ県などイル・ド・フランス地域圏を中心に8名を逮捕しています。

 今回の逮捕劇で逮捕されているのは、8名だけですが、実際にこれに関わっている人数は、相当数にのぼるものと見られています。

 6月3日の摘発において、当局は、約50万ユーロの資産と10万ユーロを超える現金を回収。加えて当局は、拳銃と弾薬、防弾チョッキ、現金10万1,605ユーロ、高級衣料品や香水、宝石類、車5台、家屋、銀行口座を含む48万6,000ユーロ以上の犯罪資産が押収されています。

 しかし、考えてみれば、毎月、20㎏から50㎏密輸されていたというコカインは、それだけ、需要があったというわけで、しかも、これにより、彼らは莫大な資産を築き、そのうえ、拳銃や防弾チョッキまで備えているとは、恐ろしい組織です。


フランス・ブラジル間   大規模コカイン密売組織


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2025年6月7日土曜日

ヌイイ・シュル・セーヌのカフェでラビ襲撃

  


 パリ、およびパリ近郊は、全般的に治安は良いとは言えないものの、その地域によって、いかにも危険な場所とそうでない場所があります。

 その意味では、今回、事件が起こったヌイイ・シュル・セーヌは、どちらかといえば、良い地域、パリ16区のすぐ隣で、比較的富裕層が住んでいたり、名だたる有名な企業が本社を構えていたりする場所でもあるので、ちょっとこんな事件がヌイイで起こるの?と驚いたのも事実です。

 ただ、今回の襲撃事件は、単に金銭目的の強盗とか、そういうものではなく、宗教的、人種的な攻撃行為なので、場所は関係なかったのかもしれません。

 これは、ヌイイ・シュル・セーヌの広場にあるカフェに座ってふつうに会話していたラビ(ユダヤ教における宗教的指導者)が突然、襲われたもので、座っていたラビの背後から、椅子で頭を殴りつけたという暴力事件です。

 ところが、このラビは、1週間のうちに襲われたのが2度目であったということで、一度目は、ドーヴィル(パリから2時間ほどで行ける比較的近いバカンス地(海))の路上で、明らかに酔った3人に襲われ、腹部を殴られ軽傷を負っていました。この1度目の事件の犯人は、未だ追跡中とのことです。

 2回目の襲撃は、白昼堂々、カフェで・・ということだったので、この犯人はただちに身柄を拘束されています。身柄拘束された容疑者は、パレスチナ出身のOQTF(フランス領土退去命令)対象者で、ドイツへの渡航を許可する文書を持っているものの、人道的な理由から、追放が不可能な国から来ているということで、追放ができない状態にあったと言われています。

 しかし、OQTF(フランス領土退去命令)対象になっていながら、追放できない者が街に紛れているということは、おかしな話だとも思います。

 しかし、1週間に2度も襲撃にあい、おまけにいきなり頭を椅子で殴りつけられるという凶行に遭いながら、このラビは、当初は、「頭に煙突が落ちてきたかと思った・・少しトラウマが残るかもしれない・・」と言っていたものの、その後は、極めて落ち着いていて、「外傷はなく、少し頭が腫れているだけ・・神様に感謝です」といいつつも、「もし、相手が私ではなく、子どもやもっと弱い人だったら、どうなっていたかは私には想像もつかない」とも語っています。

 この事件に関して、内務大臣は即、反応し、「ユダヤ人の同胞に対して、我々は彼らとともにあると伝えたい」、「信仰を理由に人を攻撃するのは恥ずべき行為だ!」、「反ユダヤ主義はあらゆる憎悪と同様に私たちの社会にとっての致命的な毒です」と発信しています。

 また、このような事件が起こる背景として、イスラエルへの憎悪がユダヤ人に汚名を着せてしまっている一般的な状況において、今回の攻撃は、フランスのユダヤ人を有害とする風潮を示しているとも付け加えています。

 しかし、このラビは、なかなか強靭は人で、「私はこのことで、これまでの習慣を変えるつもりはなく、キッパー(ユダヤ教の民族衣装の一種の男性がかぶる帽子のようなもの)をかぶり、あごひげをはやしてパリの街を歩き続ける」と語っています。


ヌイイ ラビ襲撃


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2025年6月6日金曜日

現金決済の終わり? ATMに関する複数のデマとほんの少しの真実

  


 「2025年末までにATMがなくなる!」・・この現金決済、ATMに関する複数のデマがSNS上でまことしやかに出回り、一部の人々の間に混乱を巻き起こしているようです。

 特に、目立っているTikTokの動画では、「2025年末までにATMがなくなることが確定しました!代替となるのはこれです!この大規模な交換作業は全国で進行中です!」というもので、また、X上では、「ATMから現金を引き出すには、今後は身分証明書が必用になる!」と主張しているものも散見されるそうです。

 フェイクニュースにはよくあることですが、これらのデマには、多くの嘘と少しの真実が混ざっています。

 実際に、フランスでは、現金決済をする人の数は急激に減少しているため、各銀行はコスト削減のために、ATMの数を減らしているのは事実で、2018年から2023年の間には、8,000ヶ所のATMを閉鎖したと言われています。

 私自身もここ数年、もうフランスで現金をおろすということは、およそなく、せいぜい一年に一度、あるかないかのことで、ごくごくたまに支払いが低額のために現金しか受け付けないというお店がないこともない(しかし、最近は、お目にかからないけど・・)ので、そんな時のために一応、お財布には20~30ユーロくらいは入れていますが、それは滅多に使うことはありません。

 どうせ、同じ銀行から落ちるお金・・いちいち現金をおろす必要はなく、そもそも高額の現金を持ち歩くのは物騒です。そうそう・・今、思い出しました!最近、現金を使ったのは、日本大使館でのパスポート更新の料金の支払いでした。(未だに現金しか受け付けない日本大使館)

 しかし、フランス銀行連盟によれば、2025年末までにATMが消滅することは絶対にないそうです。

 日本に一時帰国する度に驚くのは、日本は未だ現金を使用する人がすごく多いことと、銀行のATMがいつもすごく混雑していることです。

 フランスでは、買い物の際に現金を使用している人は極端に減っていますし、銀行自体もATMを減らしているうえ、ATMが混雑しているという光景は最近、見かけたことがありません。

 フランス政府は、多くの犯罪を防止する観点からも現金は廃止の方向に進みたい意向を持っていることは事実で、ジェラール・ダルマナン法務相は、「日常的な犯罪詐欺、麻薬取引の大部分は、犯罪組織内にあっても現金であり、これ(現金取引)を廃止することは、犯罪を削減させるのに単純だが、極めて有効な手段である」と語っています。

 北欧ではすでにかなり現金を利用する人が減少しており、スウェーデンでは現金が使われているのはわずか28%、ノルウェーでは35%という調査結果(べリングポイント調査)が出ているそうで、それに比べれば、フランスは、51%となっており、ちょうど半々くらいの割合になっています。

 しかし、現金だけだった?時代から考えれば、この変化はあっという間の出来事だったので、今後は、やはり、現金はますます減少していく傾向にあることには、代わりはありません。

 個人的には、おつりの計算が苦手なフランス人でも間違えることなくあっという間に電子決済をしてくれるのは、安心だし、なぜ?現金?と思ってしまいます。

 しいて言うならば、カードなどの電子決済の場合は、ついつい使いすぎるというくらいでしょうか・・。

 一般的に現金を使っている人には、比較的、高齢の方々が多いような気もするので、世代交代とともに、やはりこの割合は、どんどん減っていくのだろうな・・と思います。

 しかし、同時に、このようなデマがあっという間に広まるということも、やっぱり恐ろしいことだと思うのです。


ATM消滅


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2025年6月5日木曜日

グレヴァン美術館から盗まれたマクロン大統領の蝋人形が・・

 


  週初めの月曜日、パリ9区にあるグレヴァン美術館(蝋人形館)からマクロン大統領の蝋人形が盗まれるという事件が起こっていました。

 そんなもの?どうやって盗めるの?と思いますが、これは、NGOグリーンピースが抗議活動に利用するために借りた・・と言っているらしいのです。


 このマクロン大統領の蝋人形は4万ユーロ相当のものだそうなのですが、盗まれた後、最初は、ロシア大使館前に設置され、側に活動家の一人が「プーチンとマクロン 放射能同盟」と書かれたプラカードを掲げていました。



 後日、このマクロン大統領の蝋人形は、EDF(フランス電力)の本部前に移動された模様で、グリーンピース・フランスのジャン・フランソワ・ジュリアール事務局長は、「当初、約束したとおり、エマニュエル・マクロン大統領の蝋人形は借り物なので返却に来た」とEDF本部近くで声明を発表しました。

 「グレヴァン美術館と警察には通報したので、回収に来るのは彼らの責任です」と彼は言っており、盗み出しておいて、借りたといいつつ、返却したので、取りに来い!というあたり、なかなか横柄な感じがすごいな・・と思うのです。

 とはいえ、一応、この盗難事件に関して2人が逮捕されているそうです。

 このマクロン大統領の蝋人形盗難の様子やパリを移動する様子が、SNS上で拡散されているのですが、妙にリアルな蝋人形が布もかけられないままに、抱えられて移動させられる様子はとてもシュールです。

 なんだか、グレヴァン美術館の存在は知っていたし、時々、前を通ることもあるのですが、今まで、まったく興味がなかったのですが、今回の騒ぎのおかげで、なんだか見に行きたくなりました。

 これはもしかして、グレヴァン蝋人形館の凄いコマーシャルになったかもしれません。


グレヴァン美術館 グレヴァン蝋人形館 マクロン大統領の蠟人形


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2025年6月2日月曜日

昨日のパリはヨーロッパの首都だった!

  


 「昨日のパリはヨーロッパの首都だった!」と文化大臣が語ったそうで、それほど、サッカーの欧州チャンピオンリーグでのPSG(パリ・サンジェルマン)の優勝は、フランスを熱狂の渦に沸きに沸いていました。

 このサッカーへの熱狂に全くついていけない私には、それがどんなにスゴイことなのかは、あんまりピンと来ていなかったし、どちらかというと、「ちょっと騒ぎすぎじゃない?」くらいに思っていました。

 しかも、パリでやっていた試合でもないのに、優勝が決まった後は、パリでは花火が禁止されていたというのに、あちこちで花火があがり、街中の車がクラクションを鳴らしているような感じで、夜、遅くまで、サポーターが集まっているシャンゼリゼやパークからも遠い我が家のアパートの中にいても、その歓喜の渦から逃れられない感じでした。

 この騒ぎは翌日まで続いていて、選手たちはドイツから1時間半のフライトを経て、凱旋帰国して、シャンゼリゼでパレード。この日はシャンゼリゼには、25,000人が集まったとかで、もう街が唸っているような感じでした。

 今回のシャンゼリゼでのPSGチームの凱旋パレードは、同じくシャンゼリゼに人が集まるパリ祭のパレードなどと違って、サポーターたちは、歓喜に溢れ、興奮して、力の限りを尽くして歓声をあげているのですから、これは大変な騒ぎです。

 亡き夫はあまりサッカーに興味がある人ではありませんでしたが、そういえば、このチャンピオンリーグだけは見るといって、テレビの前でですが、アパート中に轟き渡るような大声を出して応援していたことを思い出しました。

 このサッカーに対する盛り上がり方、異様なテンションには、私は一生、ついていけないと思うし、もうこれはフランス人のDNAに組み込まれているのではないかと思う熱狂ぶりです。

 シャンゼリゼでのパレードの後は、選手たちは、マクロン大統領にエリゼ宮に招待され、祝福を受け、午後9時からは、パーク・デ・プランス(PSGの本拠地・ホームグラウンド)で、祝賀パーティーが大々的に行われます。

 マクロン大統領とて、これだけ国民が熱狂しているものを捨て置けないのだとも思いますし、マクロン大統領自身もサッカーの大ファンであると思われます。

 もともと熱狂的に歓喜したり、パーティーで騒いだりということは、めっぽう苦手な私は問題外なのですが、たいていの日本人はこれは、ちょっと引くだろうと思うほどの熱狂には、私は、一生ついていけない気がしています。

 皆が熱狂しているところ、水を差すような話ではありますが、優勝が決まった日、フランスでは優勝当日の夜の祝賀行事?中には2名の死亡者、192名の負傷者が出て、559名が逮捕されたそうです。

 まさに、熱狂するのも命がけです。

 そういえば、昔、ロンドンにいた頃、一時、障がい者の施設でボランティアをしていたことがあったのですが、その中にいたけっこうハンサムな若い男の子が半身不随で、原因はサッカーの試合に応援に行った際に負った怪我だと聞いて、「サッカーって怖い・・」と思ったことを思い出しました。


PSG パリサンジェルマン 優勝  


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2025年6月1日日曜日

パリはサッカーUEFAチャンピオンズリーグ決勝戦に厳重警戒

 


 サッカーはフランス人にとって、何なんだ?と最近、思うようになりました。

 一昨日、シャンゼリゼの近くを通ったら、なんだか、色々なお店がバリケードを張っていて、「えっ?なんで?」と思いました。どうやら、土曜日に行われるサッカーUEFAチャンピオンズリーグの決勝戦が行われるとかで、それに備えているとのこと。

 しかし、決勝戦が行われるのは、ドイツのミュンヘンです。

 しかし、決勝戦に進出しているのがPSG(パリ・サンジェルマン)とインテル(イタリア)なのだそうで、勝っても負けても、フランス人は大騒ぎなのです。

 これが暴動とかいうことではないだけ、まだマシなのかもしれませんが、サッカーの欧州チャンピオンズリーグの決勝戦のために、ここまでしなければならないことも、正直、ちょっとおかしなことではないか?とも思うのです。

 サッカーは数あるスポーツの中でも、おそらく最もサポーターの多い、フランス人がもっとも騒ぐスポーツで、前回のチャンピオンズリーグの際も多くのサポーターがコンコルド広場やシャンゼリゼに集まり、大フィーバーになりました。

 今回は、この騒ぎに無防備でいるわけにはいかないと考えた、なにかと言えば、お祭り騒ぎに集まるシャンゼリゼの商店は、銀行、バー、高級ブティックなどが、ショーウィンドーをはじめ、店舗に板やバリケードを張って備えています。ソシエテ・ジェネラル(銀行)などは、巨大な木製パネルで完全に密閉しています。また、ブルガリ、ディオール、ラコステなどは、グリッドシステムと呼ばれる鉄格子のようなシステムを導入しています。

こんなバリケードを張るにもおしゃれな感じにしているところは、さすがだなとも思います。(そうではないところもあるにはあるが・・)

 


 それでも、パリ市は、このお祭り騒ぎを全面的に抑え込むことはしない姿勢を見せ、このエリアを封鎖したりするつもりはなく、「一定の条件下で一般公開する」と発表しています。

 とはいえ、安全のため、当日は午後7時からホテルを除くシャンゼリゼ周辺の広い地域にある一般の公開施設は閉鎖を命じられています。また、通常路上にパーキングされている車は撤去するように通知されています。

 お祭り騒ぎ→興奮して騒ぐ→車を燃やす・・のはよくあるパターンなので、言われなくとも、車は避難させるのがふつうではあります。

 このような騒ぎに乗じて、暴動のようなことを起こすブラックブロックのような集団がいることも事実ではありますが、いくらサッカーで勝っても負けても、嬉しくても悔しくても、物を破壊してまで騒ぐのがあたりまえのようになっているのは、いかがなものだろうか?と思うのです。

 このようなことが起こらないように防護しているのはわかりますが、騒ぎが起こることがもう前提のようになってしまっているのも、おかしなことではないかと思うのです。

 この日はパリには警察官が5,400人が配置されるそうで、このおよそ半数以上がシャンゼリゼ周辺に配置される人員なのだそうです。

 しかも、驚きなのは、この試合がパリで行われるものでもないのに・・というところです。

 家にいても、とにかく外が騒がしく、結局、PSGが勝ったからか?クラクションが鳴り響き、花火が打ちあがる音があちこちから聞こえてきます。

 しかし、やっぱり燃えてます・・・。これはPSGのホームグラウンドの近くらしいです。 



 こういう騒ぎを見ていると、人はなにか熱狂するものを常に求めているのかなと思います。


サッカー欧州チャンピオンズリーグ決勝戦 シャンゼリゼ


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2025年5月31日土曜日

久しぶりに1日晴天だったけど、ついてなかった日

  


 昨日は、久しぶりに1日、パリは晴天だという予報だったので、いくつか写真を撮りに出かけました。こんなに気持ちよく晴れるのも最近では珍しく、晴れているというだけでなく、気温もグッと上がって、30℃を超える夏日。

 街中の人々の服装もすっかり真夏の装いになっていて、そんな時は、「わぁ~もう夏だ!」と、ちょっとウキウキ嬉しくなります。

 お天気が良いからか?もう少しずつ観光客が増えてきているのか、心なしか、バスやメトロなども平日の昼間なのに、けっこう混んでいます。

 外出するときは、たいてい同じなのですが、でかける場所によって、ここへ行くなら、ついでにあそことあそこも寄って行こう・・となんとなくプランをたてます。

 そんなことを考えながら、バスに乗っていると、なぜか、まだ目的地につかないのに、なぜかバスはストップ・・最初のバスには終点まで・・と思っていたところが、いつのまにか?というか、今日はここが終点だといいます。

 「なんだよ・・ついこの間、乗ったときには、ちゃんと終点まで行ったのに、また工事?」と思いながら、しぶしぶバスを降りて、歩きました。またまた、このパターンか・・とぶつくさ思っていると、これで終わりではありませんでした。

 そして、次はメトロに乗ると、今度は、けっこう混雑していました。しかし、混雑といっても、いつもよりも若干混んでいる程度で、不快なほどではありません。むしろ、みんな天気が良いと、それだけで、ちょっと楽しそうで、高揚しているような感じもあり、いつもより明るい雰囲気でさえあります。

 パリで写真を撮りたかったら、晴天の日が断然、美しいです。今は、特に緑の木々が若い芽から延びてきた芽から、色々な緑に包まれていて、それがブルーの快晴の空ととてもマッチして、また、どこを撮っても、パリの美しい建築類がアクセントに入ってくれて、とてもきれいです。

 だいたい目ぼしをつけていた場所を数ヶ所廻って、次の場所へ移動しようとメトロ14号線に乗り換えようと思ったら、まさかの全線不通。工事のために2日間終日不通なんだとか。

 14号線はずっと工事が続いていましたが、たいていは、夜間、あるいは、週末の工事なために、最近は、ほぼほぼ影響を受けてこなかったので、まさかの平日の全日の工事とは、油断していました。

 しかたなく、その分を別のルートで移動するわけですが、14号線のような乗客の多い路線が終日止まっているとなると、他の路線に大きくシワ寄せが行くわけです。

 私は、代わりにバスで・・と思ったのが悪かった・・すごい混雑・・に加えて、急な気温上昇のために、冷房なしのバスがきついきつい。また、いつもは乗らない路線に皆が乗っているものだから、いちいち行く先などを運転手さんに尋ねたりしているので、バスはなかなか動きません。

 おまけに、(私はNavigo(パリ市内を使える定期のようなもの)を持っているので、関係ないのですが・・)バスの乗車時にチケットを買おうとしている人に、運転手さんが、「もう、チケットなくなっちゃったから、ネットでRATPのサイトで買ってください!」などと説明しています。

 皆がスマホですいすいチケットを買えるわけではないので、これがまた大混乱。

 だいたい、バスの運転手さんがその場で売るチケットがなくなっちゃった・・なんてことがあるんだろうか?とビックリしました。

 久しぶりのよいお天気で気持ちよく、歩いたものの、なんだかガックリと疲れてしまいました。でも、さすがに外はけっこう暑くても、まだ本格的な夏ではないので、自宅のアパートの建物の中に入ると空気がスッとして気持ちよい程度です。

 しかし、これがお天気の悪い日だったら、もっとイライラしたかなとも思うので、とりあえずは、お天気が良いということは、精神衛生上もよいことだと一人納得しました。


晴天のパリ


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2025年5月30日金曜日

7月1日からフランス全土で子どものいる場所は禁煙

  


 労働保健大臣は7月1日からフランス全土の「ビーチ、公共の公園や庭園、学校、バス停、スポーツ施設の周囲」での喫煙が禁止されると発表しました。

 禁煙に関しては、フランスは日本よりもずっと緩く、以前は歩きたばこ・・歩きながらタバコを吸っている人も多くて、危ないな~と思うことがよくありました。ただ、最近は、ずいぶん路上喫煙者も減った感じで、もしかしたら、電子タバコに移行している人もいるから、気が付かないのかもしれませんが、それにしても、やっぱり、ずいぶんとは減っていると思います。

 それでも、別に禁止されているわけではないので、たまに外での喫煙者を見かけることはあるし、バス停などから、数メートル?離れたゴミ箱などには、灰皿とまではいかないまでも、タバコの火を消すトレイのようなものがついていたりもします。

 これまでフランスはそんな感じに喫煙については、わりと緩かったので、日本に行くと、本当に街中で喫煙者を見かけなくなったのには、いつのまにか、すごい徹底しているもんだ・・と感心します。

 今回のフランス全土禁煙令?とも言われる勧告は、とりあえず子どものいる可能性のある場所では禁煙ということで、これに違反すると罰金135ユーロが請求されるそうです。罰金のない禁止は禁止ではないフランスならではの感じです。実際には誰が取り締まるのか?これもまた謎です。

 フランスには、この罰金つきの罰則はけっこうある気がしますが、例えば、恐らく各市ごとに、犬などの糞を放置すると罰金○○ユーロ・・などという看板を見かけますが、これを実際に罰せられている人を見たことはありません。

 この喫煙禁止令は、中学校、高校にも適用され、特に「中高生が校舎前で喫煙することを防ぐのが目的」というどっちがどっち?とよくわからない説明も添えられています。そもそも中学生や高校生の喫煙はどこでも禁止なはずです。

 フランス政府は遅ればせながら、「初のタバコのない世代を創出したい」と考えていると述べています。言うまでもなく喫煙者は見るからに減っていると思うので、そのうち、そんな時代が来るのかもしれませんが、そんなに言うなら、もうタバコ売るのやめれば?!と言いたくなります。

 またタバコの値段も値上げだそうで、もともとのタバコの原価というものはわかりませんが、ひと箱だいたい11ユーロ(約1,800円)くらいだそうです。これは、おそらく、その大部分が税金なのだろうと思います。この税収も政府にとったら、侮れないものなのかもしれません。

 また、一方では、タバコ以上に麻薬や覚せい剤などのドラッグの勢力がどんどん拡大しているらしいことは、なんだか片手落ちな気もしないではありません。

 なんといっても、フランスは欧州一の麻薬消費国と言われているそうで、そっちの方もなんとかすれば? こちらの方はタバコのような莫大な税収もありません。つい先日もテレビのニュースで莫大な量のメタンフェタミンの製造所を差し押さえたという話をしていました。

 とりあえず、政府関係者は、このタバコ禁止令を掲げて、「タバコが公衆衛生に及ぼす損失について」ひたすら言及しています。フランスでは毎年、10人に1人がタバコに関連して死亡しており、喫煙が原因で7万5千人が亡くなっているのだそうで、これは、1日あたり200人以上の死に相当するそうです。

 タバコも麻薬もドラッグもどれも身体に悪いことだと思いますが、とりあえず、喫煙者は目に見えるほど減っているので、こちらの方に罰則をつけて禁止の方向に向かうのは良いとして、どちらかといえば、増加の一途を辿っているような麻薬・ドラッグの方をなんとかしたらよいのに・・と思わないでもありません。


フランス全土禁煙


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2025年5月28日水曜日

マクロン大統領がブリジット夫人に平手打ち?をくらった瞬間が撮られてしまって大騒ぎ

 


 ベトナムのハノイ空港に大統領専用機が到着し、飛行機の扉が開いて、機内にいたマクロン大統領の姿が映し出されたと思ったら、その奥にいる赤いジャケットを着た女性の手だけが映り、マクロン大統領の顔を両手で払いのけようとしている映像が写しだされたことで、SNS界隈は大騒ぎになりました。

 マクロン大統領でさえも予想していなかったこのアクションに彼は慌てて飛行機の扉を閉じましたが、時、すでに遅し、マクロン大統領夫妻のこの一瞬のアクションが大騒動?を巻き起こしました。

 この映像は、あっという間にSNS上で拡散され、慌てたエリゼ宮(大統領官邸)は、咄嗟に、「この映像は、信憑性がないもので、世論を操作する目的でAIを駆使して作成された偽画像だ!」と釈明しました。

 ところが、すぐ後に、この映像が非常に信頼のおけるAP通信社によって撮影されたものであったことが判明したことで、ごまかそうとしていたエリゼ宮は、さらに苦境に立たされる結果となりました。

 「マクロン大統領がブリジット夫人に平手打ちをくらった!」とSNS上では、全世界に拡散され、実際に見てみれば、平手打ちではないものの、どうみても通常、公に姿を表す二人の雰囲気とは違う、ハッキリ言ってケンカしている状態・・。

 その後、飛行機のタラップを二人で降りてくる際にも腕を組んでタラップを降りようとしているマクロン大統領の腕をとらずに一人で降りてくるブリジット夫人。

 おそらくこの映像を撮ったAP通信社でさえも、まさか、こんな映像を撮るつもりはなかった・・たまたま撮れてしまったものと思われますが、これを大スクープ映像?と言っていいのでしょうか?

 これがさらなる騒動に発展したのは、明らかにエリゼ宮が誰かの陰謀のように発表したことで、最初からしっかり確認して正直に説明すればよかったものの、他人のせいにして嘘を発表したのがいけなかった。

 結局、マクロン大統領本人がインタビューに答えて、「よくあること・・大騒ぎすることじゃない・・」と釈明。

 陰謀のように発表したことから、モスクワからも「クレムリンの仕業だったかもよ・・」などと嘲笑される始末です。

 まあ、普段は映像に公開されないだけで、夫婦の間ではよくあることなのかもしれませんが、なんとなく、このご夫婦の力関係を想像してしまうのでした。

 なんといってもマクロン大統領と彼女が知り合ったのは彼が15歳のとき、年齢差は24歳、しかも、教師と生徒だったのですから・・。


マクロン大統領平手打ち


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2025年5月27日火曜日

一晩で4件もの深刻な薬物過剰摂取による救急隊発動 国会議員までが含まれていた・・

  


 パリで24時間の間に4件の深刻な薬物の過剰摂取事件(事故?)が記録され、そのうち2件は重篤な症状で生命に危険を及ぼすものでした。

 被害者?のうち3名は、若い男性で土曜日の早朝に11区の同じバーから出てきたところでした。彼らは全員ケムセックスの愛好家の間で人気のあるドラッグGHBを他の合成薬物とアルコールと組み合わせて使用していたと見られています。

 今回の通報はいずれも路上に出てきて深刻な状況に陥ったところを通報されたもので、痙攣を起こした25歳の男性は、救急隊員によってすぐに手当が施されましたが、救急隊員は彼の所持品からピンク色の袋を発見。袋の中には、3-MMCと思われる白い粉末の痕跡が発見されました。

 ほぼ同時に救急隊はそこから数十メートル離れた歩道で別の若い男性が意識を失って倒れているという通報を受けました。

 彼は透明な液体(GHB)を所持していました。最初の男性は意識不明の危篤状態で10区のラボジエール病院に搬送され、二人目は、意識のある状態で12区のサン・アントワーヌ病院に搬送されました。

 これらの最初の事件発生の直後、わずか1キロ離れた公道で3件目の事件が発生。この被害者?も、実は同じバーから出てきた人物でしたが、こちらの方は若い国会議員であったそうで、彼も12区のサン・アントワーヌ病院に搬送されています。この国会議員の名前は公表されていませんが、この人は国会議員を続けるのでしょうか?

 そして、もう1件は、マレ地区の繁華街リヴォリ通り(4区)で発生。彼女は意識不明のまま15区のネッケル小児病院へ搬送。同行していた男は逮捕され、パリ中央警察署に拘留されています。彼は一晩中、彼女と一緒にGHBを使用していたと自供しています。

 薬物が蔓延しているとは聞いているものの、一晩に4件もの薬物による深刻な事態発生とは、こんなことを聞くのは初めてのことです。

 GHBというのは、私はこれまで聞いたことがなかったのですが、非常に危険な薬物であることは明白です。

 パリでは毎年平均20人から30人が薬物の過剰摂取で亡くなっているそうで、これらの死亡事故の半数は合成薬物が原因のようです。

 このような事件でしか、薬物の情報に触れることはないのですが、快楽を求めての薬物は、実は苦しみの方が多いのではないか?と思ってしまうのですが・・。


薬物過剰摂取


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2025年5月22日木曜日

増加する携帯電話ショップ強盗と犯罪のウーバー化

  


 2025年に入ってから、イル・ド・フランス(パリ近郊地域)で携帯電話ショップ強盗が増加しています。

 犯罪にもトレンドというものがあるとするならば、今はこの携帯電話ショップ強盗が新たにそのトレンド入りしそうといったところかもしれません。

 以前(といっても10年くらい前まで)は、「メトロやバスなどの公共交通機関の中で携帯電話を出すのは危険です!」などと呼びかけられていたし、そんな注意喚起のポスターが貼られているのをみたこともあります。

 実際に、メトロの中で携帯を見ていて、駅で停車時に買ったばかりの携帯をひったくられた!とか、駅を出たところで、携帯をひったくられた!と嘆いている同僚がいました。

 しかし、さすがにパリでも今ではメトロなどの中では、もう大勢の人が携帯を覗いている状態で、あまり携帯をひったくられるという事件を耳にすることも減りました。

 今、増加している携帯電話強盗はダイレクトにショップを狙ってのもので、しかも、その多くの場合がSNSで強盗の依頼を受けた若者が組織的なグループの手先となって、いわゆる犯罪の一部を請け負う掛け子のような存在のようです。

 マニュアルがあるのか?彼らの手口はだいたい似通っていて、閉店間際のお店を狙って、ガスボンベとショッピングカートのようなもの数台をひいたフードで顔を隠した男が店内に押し入り、従業員を脅迫して、店内あるいは、店の奥にある商品を詰め込み携帯電話を始めとする通信機器を奪っていきます。

 強盗たちは、数分間の間に数百台の携帯電話を回収していき、店の被害は5万ユーロを超えることも少なくないといいます。彼らは短い時間で多くの利益を得られることがわかっています。

 しかし、実際にこの種の強盗に及ぶ多くは、14~15歳、あるいは18歳から25歳くらいの若者で、警察からマークされていない、いわば素人の犯行がほとんどで、彼らは、暗号化されたメッセージサービスにメッセージを投稿するだけで、強盗という犯罪に加担することになっているというのが実状のようです。

 彼らには、店舗から携帯を強奪してくることで、一定の報酬を受け取り、その上の組織が携帯電話を海外に売り飛ばすルートを確保しているようです。

 多くの場合はこの犯罪者同志もお互いに面識もなく、全くの知らない者同士です。

 2025年3月1日から5月1日の2ヶ月間の間に、イル・ド・フランスではこの携帯電話ショップ強盗事件が17件も発生しているそうです。

 それにしても、このSNSでの犯罪依頼に応じて、簡単に強盗を請け負う若者の増加には、暗澹たる気持ちにさせられます。

 このように、ウーバーのように簡単に犯罪を依頼すれば、すぐに犯罪者が乗ってくるということにも恐ろしさを感じますが、彼らはお互いを見知らぬ分だけ、雑に扱われ、簡単に切り捨てられるという側面も持っています。

 捜査官にとって、こうした強盗はランダムな側面を持っているため、予測が困難でもあります。

 しかし、いくら短時間で高収入とはいえ、強盗という、なかなか派手な犯罪に加担するのは、あまりにリスキーとは思わないのだろうか? 簡単に切り捨てられるとは思わないのだろうか? と短絡的な犯罪の増加が恐ろしい気がします。


携帯電話ショップ強盗


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2025年5月19日月曜日

フランス政府 ギアナのジャングルの真ん中に厳重警備の刑務所開設

  


 麻薬密売人対応の厳重警備刑務所の設立については、かねてから発表されており、すでにヴァンダン・ル・ヴェイユ刑務所(パ・ド・カレ県)とコンデ・シュル・サルト刑務所(オルヌ県)が組織犯罪対策のために選ばれたのに続き、3つ目の厳重警備刑務所として、フランス領ギアナのサン・ローラン・デュ・マロニに新しい刑務所を建設することを発表されています。

 日本には島流しという言葉があり、熱帯雨林のジャングルの中の刑務所・・などと書かれているのを見ると、島流しに匹敵するようなイメージがありますが、それにしては、なかなか規模も大きく500名収容可能な施設というのですから、かなり大きなものです。

 もっとも、このうちの特別エリアを設け、厳重警備を必用とする60人~100人を特別隔離して、厳重警備体制を敷くということのようです。

 ここ数年で暴露されている現在の刑務所の様子を見ると、麻薬密売組織だったりすると、携帯電話なども使い放題だったり、刑務所の中から犯罪を指揮したりしているケースが見られたりもして、逃亡計画が綿密に練られて、実際に護送車が襲撃されて、逃亡が成功してしまったりする事件も発生しています。

 このような、実際に投獄されつつも犯罪行為が続行されることを阻止するために、この麻薬密売組織撲滅のために、彼らを本当の意味で隔離し、一般社会から隔離するために、このような特別厳重警備の刑務所を増やしていく意向のようです。

 しかし、実際には、これらの刑務所が選ばれている地域は実際に麻薬密売組織の温床となっている地域でもあり、今回のギアナに関しても、島送りというよりは、ギアナそのものが、麻薬密売県としての認識になっており、コカイン密売の主要拠点のひとつでもあるようです。

 フランス本土で消費されるコカインの少なくとも20%は、ギアナから来ていると言われており、毎年、何百人もの「運び屋」がカイエンヌ空港で逮捕され、彼らの荷物や胃の中には南米産のコカインが詰まっているそうです。

 荷物はもとより、胃の中にまで忍ばせてくるというのはスゴイ話です。

 当局は、フランス領ギアナとフランス本土を結ぶ航空便には約30人の運び屋が混ざっていると推定しています。

 このギアナの超厳重警備刑務所は2028年に開設される予定になっています。

 都市部にある刑務所とは異なり、電話やドローンの電波を完全にブロックできる場所に設置されるそうです。

 この麻薬密売組織撲滅のための厳重警備刑務所については、多くの批判の声と同時にこの麻薬密売組織と思われるこの計画への反発のために、フランス全土で同時に刑務所が襲撃されるという事件も起こっていますが、これらの動きに屈することなく、政府は着々と計画を進めていたようです。

 しかし、当然のことながら、これだけの規模の刑務所を管理するためには、相当数の厳格なルールを遂行できる職員が必用となると思うのですが、この人員をどこから確保するのだろうか?と疑問に思わないでもありません。


ギアナ ジャングル 厳重警備刑務所


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2025年5月18日日曜日

カンヌ国際映画祭でヤシの木が倒れて日本人プロデューサーが重症

  


 今年も華やかにカンヌ国際映画祭が開催中で、それとなく気にしてちらちらと様子を伺いつつ、トム・クルーズが来ているとか、露出の多いドレスを着ている女優さんがいるとか・・そんなニュースを見ていました。

 日本の映画はどんな映画が来ているんだろう?と思っていたら、あまり日本映画の話題はk「今年は今のところ、騒がれていないな・・」と思っていたら、思わぬアクシデント?のニュース・・しかも、どうやら日本人が被害者・・というニュースに驚きました。

 どうやら、5月17日の午後、カンヌ(アルプ・マルティーム県)のクロワゼット通りでヤシの木が倒れ、日本人プロデューサーが頭部に重傷を負った・・とのニュース。

 最初の報道によると、被害者は映画製作者週間で自身の映画「ニュー・ブランド・ランドスケープ」を発表するために来ていた30代の日本人プロデューサーとのこと。

 頭部を負傷した彼は救急隊員によって、その場で応急処置を受けたあと、危険な状態で病院に搬送されたといいます。アルプ・マルティーム県消防隊によると、彼の容態は重篤とみられるが生命の予後については、発表されていません。


 直後の調査結果によれば、木を支えていたテルミット(酸化鉄とアルミニウムの混合物)の支柱部分が弱まり、予想外の風圧でヤシの木が倒れたものと見られています。

 その場に居合わせた者の証言によると、「ものすごい突風が吹いて、叫び声が聞こえたので、振り向くと、ヤシの木が根こそぎ倒れていた」のだそうです。

 カンヌにあるヤシの木はカンヌ国際映画祭のシンボル的な存在でもあり、カンヌには欠かせない存在でもあります。

 パルム・ドール受賞70周年を記念して、クロワゼット劇場では、芸術家ジャン・クリストフ・ルソーがデザインした金の葉で覆われたヤシの木も設置されています。

 この時期、カンヌ映画祭の話題は多くの報道番組に取りあげられていますが、このヤシの木の事故については、とりあえず、当日の夜には、大きくは取り上げられていないのは、被害者の容態が大したことなかったのか?それとも、華々しい映画祭のイメージには、ふさわしくないと思われたのか?

 ニュースを掘り起こせば、いくつかの報道はあり、目撃者によれば、なかなかインパクトのあるヤシの木の倒れ方で、なにしろ、数メートルもあるヤシの木が根こそぎ倒れ、電線まで切断されたというのですから、そんなに小さな事故とも思えないのに、不可解なことです。

 怪我をされた日本人のプロデューサーの方の1日も早いご回復をお祈りしています。


カンヌ国際映画祭 日本人プロデューサー重症


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