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2026年5月2日土曜日

エールフランス-KLMは「6月まで」ジェット燃料を問題なく確保できる見込み

  


 航空機燃料問題が原因で減便・欠航が増える流れが始まっている中、エールフランスーKLMは、「6月までは、ジェット燃料を問題なく確保できる見込みであること」を発表しています。

 すでに、KLMオランダ航空(エールフランスーKLMとは別会社)は、2026年4~5月、欧州域内で160便をキャンセル(主に短距離路線)、ルフトハンザドイツ航空は、子会社機材(約27機)を運行停止、座席供給を5%削減など、縮小モードに入っています。

 そんな状況であるからこそ、このエールフランスーKLMの発表が行われたわけです。

 エールフランスは、「パリ・シャルルドゴール空港は、パイプラインでル・アーブル石油ターミナル(フランスの港湾都市ル・アーブル周辺にある石油関連ターミナル群)と接続されていること、同社はノルウェー、北米、アフリカから石油を調達していること、欧州にはまだ戦略備蓄があり、必用に応じて放出することも可能であること」などを説明しています。

 また、欧州連合は、米国で生産されているジェットA灯油の輸入を承認することを検討していると言います。

 一時、エールフランスがパリ⇔羽田便を増便するという話が出ていましたが、これに関しては、「湾岸諸国からの輸出に大きく依存しているアジアの2つの空港(東京とシンガポール)からは、増便は望まない旨の要求が出ている(既存の便に関しては問題なし)」と説明しています。

 いずれにせよ、中東情勢で燃料供給が不安定になっていること、ジェット燃料価格が短期間に2倍以上に上昇していることにより、同社は既に燃料費の増加分を顧客に転嫁することを発表していますが、このうちの40%分は回収しきれていないということです。

 つまり大幅な値上げにもかかわらず、燃料価格の上昇には追い付いておらず、結果として採算があわなくなってしまうケースが増えているわけで、結果的には縮小、欠航に繋がり得るということです。

 ただし、(例えば)パリ⇔東京間のフライトのような長距離便は利益率が高いために優先される傾向にあるため、キャンセルになる可能性は低いと考えられます。

 私は、幸いにも日本には行ったばかり、次の日本行きについては、まだ全然、考えていないので、航空便の価格等は調べていませんが(怖くて見れない)、相当な値上がりが予想されます。

 ただ、エールフランスの今回の「6月まで」は、問題なく確保できるという発表は、そもそも期間限定のもので、「6月まで」と区切るところが、かえって猜疑心を搔き立てられてしまうのです。


エールフランス-KLM ジェット燃料


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2026年5月1日金曜日

バスが橋から転落、セーヌ川に落下するという信じられない事故

  


 エソンヌ県(イル・ド・フランス地域圏)(オルリー空港の南数キロメートル地点)ジュビシー・シュル・オルジュとドラヴェイユを結ぶ橋を走行していた教習中のバスが午前9時30分頃、橋から転落しセーヌ川に落下するという衝撃的な事故が発生しています。

 運転していたのは教習中の運転手でその指導員と他に2人が乗車していました。

 制御を失ったバスは、ティンボー埠頭に駐車していた車両(無人だった)に衝突後、セーヌ川に転落しました。バスは完全に水没しましたが、事故に巻き込まれた4人は近くにいたボートクラブのゴムボートによって川から引き上げられました。



 被害者たちは全員無事で、病院に搬送されています。

 事故現場付近では、ボート、ヘリコプター、ドローンも出動。救助活動には、合計110名以上の人員が動員され、消防車16台、消防士34名、警察官60名、河川消防隊が派遣されました。

 事故原因は現段階では不明。運転手に対するアルコール、薬物検査結果は陰性でした。

 しかし、いったん駐車中の車両に衝突しながら、それでも止まらずに橋の上から転落してしまうということは、かなりのスピードが出ていたと思われますが、こうして、文字に起こせば、ある程度の過程を経て、落下したような感じもするのですが、実際にバスに乗っている当事者からしたら、ほんの一瞬のできごとであったと思われます。

 バスに乗ったまま、もし、そのバスが川に転落したら・・なんて、考えたこともないのですが、どうやって、バスの中から脱出したのでしょうか?

 まったく、考えられないようなことが起こりますが、こんなこと、想像すら、したことはありませんでした。常に想像の上をいってくれる・・そんな感じを受けています。

 25歳のバス運転手見習いは、過失傷害容疑で身柄を拘束されました。

 訓練中だったとはいえ、この女性、運転手を続けるのでしょうか?


訓練中のバス、セーヌ川に落下


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2026年4月26日日曜日

外国人に対する滞在許可証発行(Titre de Séjour) 手数料値上げ

 


 滞在許可証の申請・更新手続きは、フランスに居住するうえでは、必要不可欠なものです。

 なのですが、この滞在許可証(Titre de Séjour)の申請や更新手続きは、フランスの中でもっともウンザリする手続きでもあります。

 私の場合、最初の申請時に、10ヶ月くらいの時間がかかり、その後、2回、更新手続きをしていますが、いずれも、良い思い出がありません。

 その滞在許可証の新規発行、更新手続きの手数料がこの5月1日から値上げになるそうで、初回発行手数料は、これまでの225ユーロから一気に350ユーロに値上げになります。

 225ユーロから350ユーロに値上げというのは、なかなかエグい値上げ率です。

 ただし、私は今まで知らなかったのですが、特定の対象者には割引料金というものもあるようで、学生、季節労働者、家族再統合、オーペア(住み込みベビーシッター)などの場合は、この割引料金が適用されます。

 しかし、この割引料金でさえも値上げ、これまでの75ユーロから150ユーロになります。

 また、滞在許可証には、一時滞在許可証というものもあるそうで、この滞在許可証は特にフランスでボランティア活動を行う外国人、または、重病の未成年者の親対象のもので、この発行手数料は100ユーロです。

 ただ、このケースにおける手数料が免除されるパターンもあるという項目の中に、「売春から足を洗い、社会復帰・職業統合プログラムに参加している個人」というものがあり、なんだこれ? と、ちょっとグレーな部分を感じました。

 

 また、滞在許可証(一般的な)の更新手続きの場合も、これまでの225ユーロから250ユーロに値上げされます。こちらの方は初回の申請に比べれば、比較的、緩やかな値上げです。

 けれど、正直、この手数料が高いとか安いとかいうことを考えている余裕もないほどに、手続きには、トラブル満載のケースが異常に多いので、(前回の私の更新手続きの際には、パンデミックのためのロックダウンのすぐあとだったこともあったのか? 書類を提出しているにもかかわらず、全く音沙汰なしの日が続き、実際には、それまでの滞在許可証の期限が切れてしまったのに、まだ更新手続きが終わらない・・という困った事態になり、手続き中ということで、レセピセ(という仮の滞在許可証)をもらってはいたものの、こちらの方の期限も切れてしまい、もうこれでは、仕事もできなくなってしまう(滞在許可証は労働許可証でもある)という事態に陥ってしまったことがあります。

 そうなってしまえば、もう私は、一応、書面上では、不法滞在者ということになってしまうわけで、お役所に出向いても予約がなければ、入れてもらえず、予約をとろうとしても、電話もメールも繋がらず、もうこのままではいられないと、弁護士さんに頼もうと書類を用意して、明日には、送ろうと思っていたところに、突然、「あなたの滞在許可証はできています」という通知が入り、ヤレヤレ・・この数ヶ月間の苦しみは何だったのか?と本当にやるせない気持ちになったのでした。

 当然、このゴタゴタしていた半年以上の期間の分も次回の滞在許可証の年月が消費されている感じになっていて、なんで~~?この期間、くれてなかったじゃない??と思ったのですが、もうどこに向けて発したらいい怒りなのか?黙って引き下がりました。

 幸いにも私の場合、10年に1回の更新手続きなので、次回の更新手続きまでには、まだ少し時間があり、なんなら、その頃には、また、さらに値上げになっているかもしれません。

 しかし、10年で250ユーロとしたら、 年間25ユーロ、そこまで法外な値段とも思えません。というか、値上げよりも、どうにか、手続きを滞りなく、しっかりやってくれることの方を私は、強く切望するのです。


滞在許可証発行(Titre de Séjour) 手数料値上げ


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2026年4月22日水曜日

ベビーフードにネズミ駆除剤混入の衝撃

   


 4月中旬、ネズミ駆除剤が混入されているドイツのヒップ社製ベビーフード5瓶がオーストリア、チェコ共和国、スロバキアで発見されるという食品への不正混入事件がヨーロッパを揺るがしています。

 捜査当局は、これらの製品への毒物混入は同社を脅迫するための企み(たくらみ)の一部であると見ています。

 6瓶目はオーストリアにあると見られており、危険性が高いのですが、現在のところ、見つかっていません。

 事が公になったのは、ヒップ社がプレスリリースで「予防措置として、オーストリアの巣パール店舗で販売されているベビーフード全製品を自主回収します」と発表したことにより、衝撃が拡がり始めました。

 この警告は、何者かによる妨害行為によって、「190グラム入りのニンジンとじゃがいものピューレの瓶」に危険物が混入された疑いがあるというものです。

 ヒップ社がプレスリリースを出した翌日、この懸念は事実であることが明らかになりました。オーストリア東部、ブルゲンラント州警察はプレスリリースで、その日の午後に分析されたサンプルから「ネズミ駆除剤」が検出されたと発表。

 よりによってというか「ネズミ駆除剤」とは、なかなかパンチが効いているというか、ヘタな毒物のなまえが出てくるよりも衝撃的な印象でもあります。

 オーストリア食品安全局(AGES)は、声明の中で「このような瓶を摂取すると命にかかわる可能性があります」と警告しています。

 「出血、極度の衰弱、または顔面蒼白などの症状があらわれた場合は、医者の診療を受け、お子様がベビーフードを摂取したことを伝えてください」と注意を促しました。

 ドイツ警察は、この毒物混入事件の容疑者からメールが届いていると発表していますが、受信者の身元は明らかにされていません。

 バイエルン州警察によると、「容疑者はネズミ駆除剤入りの瓶の底に赤いシールを貼っていた」ことを明らかにしていますが、同時に「このベビーフードの消費者はしっかりと密封された瓶を開ける際の特徴的な「ポン」という音がするかどうかも確認するように・・」と注意喚起をしています。

 音がしない場合は中身が腐敗している場合もあるとしていますが、腐敗以前にネズミ駆除剤が入っている可能性があるとなったら、問題外です。

 この危機に直面し、ヒップ社は、「生産、品質管理、検査プロセスは完全に機能している」と主張しており、「この事件は製品の品質や製造とは一切関係ない」と説明しています。

 正直、この話を聞いて、少し前のネスレ、ラクタリス等の毒素入りの粉ミルク事件を思い出し、「またか・・」と思いましたが、粉ミルク事件の際には、結局は原料自体に問題があったわけで、今回は、ネズミ駆除剤は、後から混入されたもののようで、脅迫状まで届いているとなれば、事件の性質は、異なるものなのかもしれません。

 しかし、いずれにせよ、乳幼児がターゲットになっている事件のため、不可抗力で知らずに摂取してしまう(させてしまう)というリスクは充分にあり得る話。幼い子どもなど、弱いものに対する攻撃となれば、余計に卑怯なやり方に違いありません。

 今、私の周囲に乳幼児を育てている人がいないので、粉ミルクやベビーフードなどは、長らく目にしていないのですが、もうこんな話ばかり聞いていたら、粉ミルクも怖いし、ベビーフードもあげるのは怖くなってしまいますね。

 私が子育てしていた頃は、粉ミルクは飲ませていましたが、ベビーフードは、非常用くらいなもので、あとは、だいたい特別にベビーフードを用意するというよりは、大人用の食事を味付けするまえのものを別に取り分けて、柔らかく煮込んだりするだけで、特にベビーフードを作ったという感じでもないかわりに、市販のベビーフードというものも、ほとんど使いませんでした。

 ヒップ社は、「この問題は、特定の流通経路のみ」に影響しており、他のヨーロッパ諸国はこの捜査はこの捜査には関与していないと明言しています。


ネズミ駆除剤入りベビーフード


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2026年4月21日火曜日

国家安全文書庁(ANTS)がサイバー攻撃のため、1,900万人の個人情報漏洩

    


 フランス内務省は、国家安全文書庁(ANTS)がサイバー攻撃を受け、データが漏洩した可能性があると発表しました。

 国家安全文書庁(ANTS)は、身分証明書、パスポート、運転免許証の申請を処理する省庁です。

 今回のサイバー攻撃によるデータ漏洩により、個人アカウントおよび業務アカウントからの漏洩を伴う可能性があると言われています。

 内務省は、影響を受けた「個人データ」には、ユーザーの氏名、メールアドレス、生年月日などが含まれると明言。刑事訴訟法第40条に基づき、捜査開始を目的として、パリ検察庁に報告書が提出されました。

 国家安全文書庁の声明では、「皆さまには特に何もしていただく必要はありません。対象車には電子メールで直接通知しています。」と明記し、セキュリティ強化措置を実施したと説明しています。

 現在進行中の調査に基づき、個々のアカウントに関する個人データは、ログインID、姓名、メールアドレス、生年月日、固有アカウント識別データ、出生地、電話番号などが含まれています。

 なお、添付ファイルなど各種手続き中に送信されている補足データに関しては問題がなく、これらの個人データによって、個々のアカウントに不正アクセスが可能になることはないと述べています。

 「大丈夫・・大丈夫・・慌てないで・・」という内容ですが、実にこのサイバー攻撃のために、1,900万人のフランス国民が影響を受ける可能性があります。

 これらの盗まれたデータは今や「サイバー犯罪版 e-bay」とも言われるオークションプラットフォームに出品され、ハッカーたちがそこでデータ売買を行っていると言われています。

 このハッキングによって、詐欺行為が雪だるま式に拡大する危険性があり、サイバー犯罪者がこれらの情報を多く知れば知るほど、彼らの手口は巧妙化します。

 今後、数ヶ月は詐欺行為に十分警戒する必要があると専門家は警告を発しています。

 これらのデータ漏洩の後は、フィッシングや詐欺行為が急増するということです。

 ハッカーはメールやテキストメッセージなどの手段を用いて、リンクをクリックさせたり、フォームに入力させたり、機密情報を提供させたりして、金銭をだまし取ろうとするのです。

 「メールやテキストメッセージを受け取った際には、常に警戒し、ログイン要求の発信元を常に二重に確認する必要があります」と呼びかけています。

 特にAIによって、サイバー犯罪者の能力は向上しており、以前は手作業で行っていた数千通ものメールを一度に送信できるようになっているため、膨大な量の詐欺メール送信が可能になっているため、被害も甚大になりつつあるのです。

 原因がサイバー攻撃によるものとはいえ、そのデータ漏洩元が国家安全文書庁(ANTS)というのですから、シャレになりません。

 とりあえず、私は、不明な番号の電話には出ないし、不明なメールは決して開けないようにしています。


国家安全文書庁(ANTS)がサイバー攻撃


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2026年4月20日月曜日

5月1日のパン屋さんとお花屋さん 2倍の給料で従業員が働けるようになる

  


 ここのところ、毎年のように、5月1日が近付くと物議を醸していた、5月1日の労働問題、特にパン屋さんとお花屋さん・・。

 5月1日は祝日ですらない日本では、考えられない話だと思うのですが、フランスでは労働者の祭典?の特別な日、労働者のための祝日であり、基本、従業員を働かせることはできません。(飲食店やホテル等は除く)

 どんなに営業違反が日常になっているようなお店などでも、これが発覚した時の高額罰金の恐ろしさにおののいて、その日だけは、お店を閉店するというのが基本的な姿勢でした。

 日常的にも日曜日は休業するお店がほとんどで、(それでも、最近は日曜日でもオープンする(許可をとっていれば営業できる通り(道)(店舗)もある)お店が増えましたが・・)日曜日に従業員を働かせるためには、休日出勤手当が支払われなければなりません。

 しかし、そんな日曜日でも、パン屋さんとお花屋さんは、別格扱いで日曜日でも営業しているお店は多く、なぜか、別扱いになっているのがフランスです。

 なので、5月1日が営業できない(経営者とその家族だけは働ける)というのに、特に抗議の声をあげていたのが「パン屋さんとお花屋さん」というのもわからないではありません。

 外国からやってきている私にとって、なぜ?そこまで5月1日の営業、従業員を働かせるか否か問題にそこまでこだわるのか?今一つ、理解がしきれないことではあるし、なぜ?そこまで頑なに働かせないことを固持し続けるのか?と思わないではありません。

 日曜日の営業にしても、むしろ、多くの人がお休みの日だからこそ、ゆっくり買い物に行ける時間があるときにこそ、営業したら、いいんじゃないの?とも思うのですが、働かない、働かせないことを守り続けるのもフランスらしい・・それこそがフランス・・そんな気もするのです。

 しかし、今年は、また、その件について(5月1日の労働問題)の議論が進んでいるにもかかわらず、法案の採決が今年の5月1日には間に合わないことを見越して、セバスチャン・ルコルニュ首相は、前倒しに、「パン屋と花屋は5月1日に従業員を働かせることができる」と発表しました。

 ただし、「従業員が自主的に働きたい場合、しかも、2倍の賃金が厳守されることが前提」となっています。

 たしかに、2倍の賃金が貰えるとなれば、その日に働きたい人だって多いはずです。

 また、この件を周知徹底させるために、関係当局に対し、影響を受けた事業者に罰金を科さないように指示すると明言しました。

 大方、「これは常識的なこと!」、「規制と禁止が常態化している過剰規制経済にある程度の自由と実用主義を取り戻す歓迎すべき決定!」と歓迎する声が多いような気がするのですが、一方、CGT(労働組合)の「労働者の権利の侵害に繋がりかねない」という声や他業種(お肉屋さんやお魚屋さんなど)からは、「理解しがたい不平等な決定であり、職業間の平等を侵害するものだ」という非難の声も上がっています。

 既に、食品業界連合(CGAD、精肉業者、チーズ販売業者など)をはじめとする他の業種も5月1日の労働権を求めており、同連合は「5月1日に従業員を雇用する可能性を明確に認めること」を求めています。

 セバスチャン・ルコルニュ首相は、「各業種についてはさらなる協議を行う」とし、「6月初旬にあらためて関係者全員と会合を開く」としています。

 「5月1日は義務的な有給休暇」これが、現時点での基本的な考え方なのです。

 とりあえず、5月1日のお花屋さんの休業はフランス国内で「2,000万ユーロ」の経済的損失をもたらしていると試算されています。


5月1日のパン屋さんとお花屋さんの営業問題


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2026年4月19日日曜日

エリゼ宮の食器盗難事件で最高財務責任者に懲役2年

  


 パリ刑事裁判所はエリゼ宮から約100点の食器が盗まれた事件について、これに関わった人物らに判決を下しました。

 驚くべきことに、この盗難事件の実行犯はエリゼ宮の大統領官邸財務担当官でした。

 この事件では3人の男が有罪判決を受けていますが、当然、一人はこの食器を盗んだ男、もう一人は盗品をオンラインで販売する仲介を務めた実行犯のパートナー(食器販売会社のマネージャー)、そして、その盗品の主な購入者であった男(当時、ルーブル美術館受付係)という3人です。

 この事件はセーヴル国立磁器工場がエリゼ宮のモノグラム入りの皿がオンラインで販売されているのを発見したことから発覚。大統領府執事は銀食器やポリアコフ、アレチンスキーなどの芸術家の複数の品物が紛失していることに気付き、告訴していました。

 捜査はすぐに、倉庫の鍵を直接管理できる唯一の人物であった男(国賓晩餐会のテーブルセッティングも担当)に焦点が絞られ、捜査官は彼のロッカーと車内を捜索し、盗品を発見しました。

 2月下旬の公判では、彼は「盗んだ食器を自宅で飾るつもりだった」と説明していましたが、捜査はすぐに転売ネットワークの存在を突きとめました。そもそも、この事件はオンライン上でエリゼ宮のモノグラム入りの食器が販売されていることにより発覚したのですから、そんなことがバレるのは、時間の問題だったわけです。

 この男のパートナーである転売者は、Vinted のビジネスアカウントやFacebookの専門グループでの販売などを通じて、盗品を販売していました。

 そもそも、エリゼ宮の食器には、番号が振られており、エリゼ宮のモノグラムが刻印されているため、公式ルート以外では、販売することができません。

 しかし、この主犯の男はエリゼ宮の中にいたために、目録を偽造することが可能だったわけで、これらの偽造目録とともに盗品を捌いていました。

 さらに、驚いたことにこの判決は、裁判長が判決の言い渡しの際に「犯行期間、盗まれた品数、そして、それらの金銭的、歴史的価値を鑑み、本件は重大な犯罪であると判断した」と説明しているにもかかわらず、量刑は私の想像以上に軽いものでした。

 推定被害総額37万7370ユーロと言われるこの犯罪の実行犯には、加重窃盗罪として懲役24ヶ月(うち12ヶ月は執行猶予)の判決を受け、電子監視ブレスレットを装着した自宅軟禁刑と罰金1万ユーロ、3年間のエリゼ宮への立ち入り禁止、高級品オークションへの参加を永久に禁止の判決が下されました。

 電子監視ブレスレットを装着するとはいえ、実質的には、投獄されることはないわけです。罰金1万ユーロにしたって、これまでどれだけ盗品を捌いて利益を得てきたかを考えれば、安すぎる気がするし、しかも、エリゼ宮立ち入り禁止が3年間だけなんて!ふつう、永久に立ち入り禁止でしょう!と思いませんか?

 彼のパートナーもほぼ同等の刑(懲役24ヶ月、うち16ヶ月は執行猶予)です。

 なんなら、コレクターであったこの盗品を購入して起訴された男は、懲役1年(執行猶予付き)とはいえ、気の毒といえば、気の毒で、彼は疑念を抱きながらも、これらの盗品のために1万5千ユーロを費やしてしまっており、なんなら被害者でもあるわけです。

 なんとなく、モヤッとするする判決でした。


エリゼ宮の食器盗難事件


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2026年4月18日土曜日

そういえば、PICARD(ピカール)はいつ行っても感じよいお店

  


 たまたま近くに行く用事が毎週あるので、必ずその時に寄ってみるのがパリの冷凍食品のお店のPICARD(ピカール)です。

 だいたい、その時に安くなっているものの中に、目ぼしいものがあるときにだけ買い物する程度なのですが、比較的、新製品が出る頻度も高いので、一応、覗いておこうかな・・?と、まあ、そんな感じです。

 まあ、私がPICARD(ピカール)の商品でいつも冷凍庫に常備しているのは、鯖の切り身で、これは、本当に美味しいし、便利です。色々、お料理の仕方はあるとはいえ、オーブンで焼くだけで美味しくいただけるし、青魚は健康に良いと思っているので、いつも、必ず、我が家の冷凍庫にはPICARD(ピカール)の鯖が入っています。

 先日も覗きに行ったら、たまたま鯖が安くなっていたので、「よし!」と思いつつも、ずいぶん、値上がりしたな・・値引きして、この値段か・・と心の中でぶつぶつ思いつつもレジに並んで順番を待っていたら、私の前で会計をしていた女性に「その帽子、とてもエレガントで素敵ですね!」とレジのお姉さんが話しかけていました。

 思わず、私もその女性に注目すると、ちょっと質の良さそうな赤いハットをかぶっていて靴も赤、ポシェットも赤。なかなかおしゃれで素敵・・。それがけっこう年配の女性でした。

 私も女性のファッションに気付いて、すぐ後ろで大きく頷いていると、その年配の女性はとても嬉しそうにして、レジのお姉さんにお礼を言っていました。

 この年配の女性も素敵だけど、このレジのお姉さんも自然な感じの人への誉め言葉でとっても感じ良い人で素敵な人だな・・と感心していました。

 しかし、考えてみれば、PICARD(ピカール)というお店は、いつ来ても、どこのお店に入っても、絶対に店員さんで嫌な思いをしたことが一度もないな・・と思い至りました。

 パリは、最近はだいぶマシになったとはいえ、どこのお店でも、たいがい嫌な、感じの悪い店員さんというのがいるもので、それがPICARD(ピカール)では一度もないな・・と。

 チェーン店ではあるので、全てのお店を知っているわけではないので、たまたま私が出会ったことがないだけ・・なのかもしれませんが、私の個人的な印象として、やっぱり違うのです。

 そりゃあ、超高級店とか超高級ホテルとか、それなりの値段を払うお店だったらば、比較的、感じも良い(いや、それでも、感じ悪い人にあたることはある)かもしれませんが、ごくごくふつうのお店でこういうことは珍しいのです・・フランスでは・・。

 採用の際の基準が厳しいのか? それとも、研修の際の教えが厳しいのか?おそらく、その両方ではないかと思うのですが、とにかく、PICARDは感じの良い店員さんばかりです。

 以前、ユニクロがパリに進出し始めたばかりのころ、ユニクロは日本と同じサービスの提供をパリの店員さんに求めていて、それがあまりに厳しくて、従業員が定着しないため、いつもユニクロは求人出してる・・ということがありました。今ではユニクロもすっかり有名になり、店舗も増え、店員さんも、ユニクロのやり方を受け入れながらも折り合いをつけ、上手くまわるようになりましたが、当初は大変だったのです。

 そんな中、PICARDはユニクロほどに店舗が急拡大したわけではないのですが、安定した店員さんの質を保っているのもフランスにしては、珍しいことだな・・と思っています。

 そもそも、接客業。店員さんの接客が皆、感じ良いことだけで驚くことが、おかしいんですけどね・・。でも、やっぱり、フランスってそういう国なのです。


PICARDの接客


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2026年4月17日金曜日

7歳の男の子 1年以上もバンの中で監禁生活の悲劇

   


 事件は近隣の住民(ミュールーズ(フランス東部、 グラン・テスト地域圏 の オー=ラン県 南部の都市)の「複数の住宅が共有する私有の中庭に駐車されていたバンから子どもの声が聞こえる」という通報により発覚しました。

 通報を受け、現場に到着した警察官は車(バン)の所有者に事情聴取を行いました。所有者の男性は、最初、「ロックシステムの故障でドアが開かない」と主張し、「娘が何かをさがしているうちに車内に閉じ込められた」と説明しました。

 しかし、バンのロックを解除すると、警察はゴミの山と排泄物の近くに毛布にくるまり、裸で胎児のような姿勢で横たわっている子どもを発見しました。

 子どもの顔色は青白く、明らかに栄養失調状態。子ども(少年)は直ちに病院に搬送されました。

 この少年の父親である43歳の男性は不法監禁の罪で起訴されました。

 しかし、この監禁の期間がハンパなく、少年は2024年の9月から1年以上もバンの中に監禁されており、バンの中に閉じ込められた当時は少年は7歳でしたが現在は9歳になっていました。

 37歳のパートナーと12歳と10歳の娘と同居していた父親は少年を監禁し、適切な世話を怠ったことは認めていますが、彼は「パートナーが息子を精神病院に入院させようとしていたために、息子を守るためにバンに乗せていた」と説明しています。

 父親のパートナーは何か異変を感じていたものの、息子がバンの中にいるとは知らず、車から物音が聞こえたことがあったので、中に誰かいるのかと思って声をかけたこともあったが、返事はなかったと言い、彼女はパートナー(子どもの父親)からは、息子は精神病院に入院していると説明を受けていたと話しています。

 しかし、当の少年は捜査官との面談で、「継母が自分を精神病院に送ろうとしていた」、「この女性は自分の最大の敵だ、邪悪な女だ!」などと話しており、この義親子?の関係が極端に悪かったことを物語っています。

 なお、この少年の精神異常状態を裏付ける医学的証拠は全くありません。異常どころか、この少年、小学校1年までは通っていましたが、当時の成績は非常に優秀だったようです。

 日本でも京都で小学生が行方不明になった事件が大騒ぎになって、結果、死亡していたというニュースが出ていますが、このフランスの事件に関しては、生存していたとはいえ、1年以上も行方不明になっていたというのに、どこからも騒ぎにもなっておらず、何の届け出もなされていません。

 少年は、小学校に在籍していたにもかかわらず、学校側から警察への連絡もなく、同居していたはずの姉妹たちも何の疑問も抱かず、また、祖父母は、孫に会えなうなっていたにもかかわらず、何の不信も抱かず、なんだか、全てが異常な気がします。

 この少年は父親のパートナーとの関係に明らかに深刻な問題を抱えており、少年は、「彼女は自分をアパートに住まわせたくなかった」と言っており、「父親は自分を精神病院に入院させないためにバンに乗せた」と主張しています。

 父親は息子をバンに監禁して以来、食べ物とペットボトルの水を届け、1日に2回面会し、建物の正面に防犯カメラを設置して、カメラをバンに向け、監視していました。

 映像には、父親が1日2回バンに行き、なにかをバンに投げ入れる様子が映っていたようです。

 それにしても、7歳から9歳まで、監禁されていたにもかかわらず、父親をかばっている少年が哀しすぎます。

 どんな理由があろうとも、こんなに長期間、子どもをバンの中に監禁するなんてあり得ないし、たとえパートナーと折り合いが悪いとしても、そのパートナーと一緒に暮らし続けて子どもをバンに閉じ込めるとか、どう考えてもあり得ません。

 もっと詳しい事情はこの先、解明されていくこととは思いますが、結果的にこの父親も母親も起訴され、特に父親に関しては、公判前拘留となり、身柄を拘束されています。

 子どもに対する虐待などの犯罪はたくさんありますが、それが親子である場合、より許せない気がします。

 

7歳男児バン監禁事件


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2026年4月7日火曜日

オルリー空港で迫撃砲⁈⁈⁈ イタリアからのイージージェット機 着陸回避

  


 検察庁によると、オルリー空港憲兵隊(GTA)はイージージェット機を標的とした迫撃砲攻撃があったと報告していました。検察庁が入手したパイロットの供述によると、午後5時40分頃の発射時、機体は滑走路付近で煙の柱を発見し、着陸進入を中止し、その後、旋回してから着陸しました。

 調査によると、迫撃砲は滑走路付近で結婚式に出席していた人々によって発射されたもので航空機を標的とした意図はありませんでした。発砲現場付近の滑走路は念のため約50分間閉鎖されました。

 検察当局は航空交通の遅延は報告されていないことを確認しています。現時点で逮捕者は出ていませんが、「航空機航行妨害」の容疑でオルリー空港運輸局(GTA Orly)に捜査が委託されています。

 これはイタリア・ベネツィアからパリ・オルリー行の easy-Jet EJU 4874便が着陸準備中にパイロットが滑走路から小さな爆発が起こっている様子と煙が出ているのを発見し、再び上昇を余儀なくされたというもので、迫撃砲と報道されたこの攻撃?は、実は結婚式の行列の一団が打ち上げた花火(迫撃砲型の花火)であったことが判明。

 軍事的な迫撃砲攻撃などではありませんでした。

 とはいえ、この迫撃砲型花火は、大きな爆発音と強い煙を発生させるため、航空機からは危険な発射物に見えたと言われています。なにせ、このご時世、なにがあってもおかしくないのですから、パイロットが危険回避として、着陸を一時中止するのも当然のことです。

 しかし、もしも私がその飛行機に乗っていたとしたら、着陸態勢に入っていた飛行機が突如、着陸を中止して上昇を始めたら、やっぱり怖かっただろうな・・と思うのです。

 航空機は周辺空域を旋回し、別の滑走路に安全に着陸したということです。

 航空機憲兵隊(GTA)のパトロール隊が現場を撮影していた目撃者からビデオを回収して状況を確認したところ、数人が乗った乗用車が近くで花火用の迫撃砲弾を空に向けて発射していたことがわかっています。

 正確には約15台の車両(乗用車約10台と数台のATV)からなる結婚式の行列から、約10発の迫撃砲弾が発射されていました。

 まったく人騒がせな結婚式の花火でしたが、これは法的処分の可能性もありえるということです。

 第一に、実際に「航空機の運航妨害」となっており、空港周辺で危険物(花火を含む)を使用し、航空機の安全を脅かす行為であり、実際に一時的とはいえ、滑走路が閉鎖され、航空交通に影響が出ているため、法的処分の可能性は充分に考えられる話です。

 また、公共空間での大型花火の使用は多くの場合は許可制であり、この花火は無許可であった可能性も高いということです。

 イタリアからの便ならそんなに長距離ではないフライトですが、とはいえ、一度、離陸すれば、着陸するまでは、少なからず不安はあるもの。その証拠に無事、着陸すれば、どんなフライトでも毎回、一応、ホッとします。

 一度は着陸態勢に入った飛行機が再び上昇した際、機内では一体、どんな説明がされていたのかはとても気になるところです。


オルリー空港 迫撃砲騒動


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2026年4月5日日曜日

公衆衛生上の重大な問題 カーフール(ヴァル・ドワーズ)の店舗一時閉鎖

  


 ヴァル・ドワーズ県(イル・ド・フランス地域圏)は、衛生上の不備を理由にハイパーマーケット カーフールの店舗を一時的に閉鎖を決定、同店は、その後、衛生基準を満たすよう改善されたものの、「公衆衛生上の重大かつ差し迫った危険がある」と判断しました。

 ヴァル・ドワーズ県は先週、当該店舗の「販売・調理・取り扱い・保管」に対する行政上の営業停止命令を発表しています。

 停止理由として挙げられたのは、「害虫の発生(ネズミの糞の存在)」、「賞味期限切れ食品の取り扱いおよび販売」、「不適切な条件下での食品保管」、「不衛生で維持管理が行き届いていない施設および設備」などです。

 行政側は「これらの不備により、当該施設は汚染や微生物の発生、食中毒のリスクがあり、公衆衛生に深刻かつ差し迫った危険をもたらす」と説明し、基準を満たせば営業停止命令は解除されると明記しています。

 フランス第2位の食品小売業者であるカーフールは「影響を受けたエリアの徹底的な清掃をただちに開始するとともに、この容認できない店舗の不備の原因究明と必用な経営上の結論を導き出すため、内部調査を開始した」と発表しています。

 AFP通信が公表しているカーフール・フランスの経営陣宛の書簡の中でCFDT労働組合は、「大手小売企業にふさわしくない欠陥」を非難し、数年前から投資不足、建物の維持管理の不備、一部店舗の不衛生な状態について警鐘を鳴らしてきたと指摘しています。

 組合は、「緊急資金の拠出」や「維持管理方針の見直し」といった即時の対応を要求するとともに、「清掃と害虫駆除」は従業員ではなく、専門業者に委託するべきであると主張しています。

 一般的にスーパーマーケットの清掃や害虫駆除は従業員が行っているのかどうかは、わかりませんが、「自分たちの仕事はここまで」と区切ることを主張するのは、いかにもフランスらしいことだと思います。

 もっとも、カーフールのような大きな組織となると、店舗によって、異なることも多いのではないかとも思われますが、多くの食品を扱う店舗のネズミ駆除のような仕事になれば、もうこれは、一般の人に手に負える問題ではないので、もしも、これを専門業者に任せていないとなれば、それは大きな問題であり、経営上の問題にも関わってくることかもしれません。

 一時は隆盛を極めていたカーフールのような、なんでもたくさん置いているタイプのお店も時代の流れにより、消費者のニーズが変化してきて、すべて縮小傾向に、扱う商品の種類(以前は電化製品から園芸、学用品、洋服、靴、おもちゃ、自転車などなんでもあるイメージだった)がどんどん減少して、ふつうのスーパーマーケットと変わらない規模にしなければ、成り立たないようになってきています。

 同じ経営を維持していくだけでは経営は成り立たず、常に変化していく時代についていかなければならないハイパーマーケットはなかなか経営が大変な状況なのです。

 そんな中で、基本的なずっとかわらず存在し続けている食品に対しての衛生問題、清掃、害虫駆除など、実はいつでも存在してきた問題への対応が疎かになってきていたというのは、やはり肝心なところで足をすくわれることにもなりかねない、大変なことなのです。


カーフール(ヴァル・ドワーズ)の店舗 衛生問題で一時閉鎖


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2026年3月31日火曜日

パリのバンク・オブ・アメリカへのテロ未遂事件

  


 最近のフランスで起こる凶悪事件の実行犯には Snapchat 等のSNSにより、未成年の若者たちが少額(その犯罪の重さに比してという意味で)の報酬で依頼されて実行してしまうというケースが目に見えて増加しています。

 ちょっと思い出せるだけでも、薬物取引による元締めの争いによる残虐な報復行為や携帯ショップ襲撃など、私でさえも、ここ数年で、あっという間に片手で足りなくなるほどの事件が思い浮かびます。

 Snapchat は、世界で月間アクティブユーザーが4億人を超え、特に10代・20代の78%以上が日常的に利用しているSNSであると言われています。

 今回、パリのバンク・オブ・アメリカに対する襲撃未遂事件においても、現在までに計5人が逮捕されていますが、このバンク・オブ・アメリカの前で手製の爆弾を仕掛けているところを現行犯逮捕されたセネガル出身の17歳の少年は、このSnapchatを通じて、炭化水素の容器と起爆装置からなる爆発物を仕掛けるように、報酬600ユーロを受け取り、依頼されたと供述しています。

 中東情勢がいつまでも集結しない中でのテロ行為に600ユーロの報酬で依頼を受けて実行してしまうところが信じられないことでもあります。

 この事件の背景には、イランとの関連も疑われており、この少年がどのような思想の持主であったのかは、現段階では伝えられていません。

 ただ、このテロ未遂事件とイランとの関連については、3月21日の段階でパリはイラン系グループによる脅威にさらされており、テレグラムに投稿された動画の中で「ハラカト・アシャブ・アル・ヤミン・アル・イスラミア(正義の友のイスラム運動)」は、GoogleMapを使って、パリ8区のボエティ通りにあるバンク・オブ・アメリカの本社に赤い点滅表示を示していました。

 「フランスのバンク・オブ・アメリカは単なる銀行ではなく、影のシオニスト(レスチナの地にユダヤ人の国家を建設・維持すべきだと考える人々)勢力でもある」、「手遅れになる前に出ていけ!これが最後の警告だ!すぐに銀行から出ていけ!」とこの親イラン系テレグラムチャンネルでアシャブ・アル・ヤミングループは主張していました。

 そして、1週間後の3月28日、このテロ未遂事件が起こっています。

 しかし、バンク・オブ・アメリカ襲撃未遂事件において、直接的な動画や犯行声明は出ていません。

 そのような背景からこの事件の司法捜査は国家対テロ検察庁(PNAT)が主導しており、イラン政府によるテロ行為の可能性が真剣に検討されていると言われています。

 今回の事件は犯行手口がオランダやベルギーで発生したテロ事件とあらゆる点で似通っていると言われているのも、この関連性が疑われている要因となっています。

 もちろん、現在の中東での出来事も大問題であるのはもちろんのことですが、この未成年をも巻き込むSNSを利用しての犯行依頼の手法、またそれにこの少年たちが犯罪に手を染めてしまう傾向も充分に深刻な社会問題の一つであるとも言えます。

 フランスでは15歳以下のソーシャルメディア利用禁止が来年度(2026年9月)に間に合うようにすすめられていると聞いていますが、すでにこのような事件が起こってしまっており、また、年齢的にも今回、逮捕されている少年を見ても、15歳以下の禁止には、かからないことになってしまいます。

 まさに、どんどん蔓延していくSNSの世界に法がついていけていない・・そんな現状が見えてきます。


バンク・オブ・アメリカへのテロ未遂事件 


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2026年3月24日火曜日

旅行中、娘がお財布を失くしました・・ 

  


 まあ、落とし物、紛失等が多い娘なのですが、その他の面では、ものすごくしっかりしているのに、なぜか?落とし物、紛失癖がなんとしてもなおらない娘なのです。まあ、今となっては、なおそうとしている感じもないのですが・・。

 現在はパリと東京に別々に暮らしているため、彼女の生活の全てを知っているわけではありませんが、たまに電話で話すとき、必ず聞くのが「最近、なにか?失くしてないの?」ということで、すると、たいていは、少し考えて、「大丈夫・・」といいつつ、「いやいや、あったわ・・」というのがふつうで、必ず、何かを失くしています。

 しかし、日本に来て以来は、その失くしたものは必ず出てくるという、妙な自信が彼女には生まれてしまい、「でも、結局は見つかったから、ノーカウントね!」などと余裕をかましています。

 ここ最近は、そんな彼女が落とし物をした話も電話で聞くだけ・・しかも、もう落としたものが見つかってからのこと、現実に私自身がドキドキするわけではありません。

 けれど、先日、旅行中、旅館を出発する段になって、最後の会計を済ませて、入湯税なるものを請求されたとき、私が支払ったのですが、その時、彼女も自分のお財布をなんとなく、確認したのでしょう。

 車のエンジンをかけながら、「お財布がない!」と始まったのです。昨日、旅館に帰ってきてからは、お金を支払う機会はなく、最後に使ったのはどこだった?と考え始めましたが、彼女がお財布から現金で支払うことはごくごく稀なことで、それでもなぜか伊豆は現金しか受け付けないというお店もけっこうあったのです。

 彼女はたいていは、携帯でピッと支払うケースが一番多く、そのため、お財布がないことにすぐに気がつかないのだと思います。

 彼女のお財布には、現金の他にクレジットカード、運転免許証等も入っており、現金よりもクレジットカード、免許証の再発行手続きなどの方が大変なことです。

 ましてや旅行中、カーシェアーを登録しているのは彼女なので、彼女以外はその車は運転することができません。私は、お財布を失くすなどということは経験したことがなかったため、というか、ふつうは、お財布を失くしたら、ひたすら焦ると思うのですが、全く動じることなく、旅館の人々まで巻き込んで探してもらったりもしているのに、お礼をいいつつも、そのまま出発。

 「まず、カード止めなきゃいけないんじゃないの?」とか、昨日、最後にお財布を使った場所を思い出して、そこにもどってみなきゃ!とか、私は、およおよとパニック状態。

 だって、運転免許証が入ったお財布をなくしてしまったってことは、今、彼女は免許不携帯状態なわけです。

 慣れている?というのか、耐性ができているというのか、娘も内心、心穏やかではないのでしょうが、平静を装っているのか、「そのうち、出てくるでしょ!」と全く行動を起こしません。

 もう、私は、昨日、買い物をした場所、立ち寄った場所を思い出しながら、もう全然、観光を楽しめる気持ちではなくなっています。

 しかし、彼女はその日も平然と観光を続けたのです。

 そして、また別のとあるパーキングで、車を停めようとしていたとき、ひょんなことで「あっ!あった!」と車の中にあったお財布を見つけたのです。お財布は、車のサイドのドアのポケットの中に入っていました。

 娘はむしろ、お財布が出てきたことが自慢気でもあるかのごとく、「ほら!だから、あるって言ったじゃない!そんなに慌てることじゃない!」と心配した私の方が悪いみたいに言うのです。

 しかし、実際問題として、本当に失くしていたということだって、十分ありえた話で、通常の日常生活の中ならばともかく、かなり広範囲を車であちこち移動している旅行中の紛失物。

 探して歩くのは至難の業です。

 娘は私のことを、必要以上に動揺しすぎると言うんですが、まったく、あの「絶対出てくるから大丈夫!」という自信はどこからくるんでしょう?

 今回は、結果的には、自分で入れた場所を忘れていただけ・・という落とし物とは違う性質のものだったかもしれませんが、彼女の場合、本当に失くしているケースも多々あるため、私は、焦ったわけです。

 これまで娘の落とし物の話は話に聞いていただけで、現場に遭遇したのは初めて、あの落ち着きぶりには、本当にびっくりしました。

 落とさなくても盗られかねないパリと落とし物をしても平然としている(それもおかしいけど)日本を複雑な気持ちで、今回のバタバタを振り返ってみたのです。


紛失物 落とし物


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2026年3月19日木曜日

パリのメトロは路線によって差が激しい    

  


 すでに、あっという間にフランスでの生活も四半世紀を超えるほど長くなり、それなりに、パリの街中をウロウロとしているので、そのわりには、そこまで詳しくはないとはいえ、日常的には、私がパリ市内を移動する時には、メトロやバスなどの公共交通機関を利用しているので、バスはあまりに路線が多いので、そこまでではありませんが、メトロに関しては、乗ったことがない路線というのはないと思います。

 しかし、考えてみれば、私が出かけるエリアは限られているため、日常的に私が利用する路線というものも、偏りがあることは否めません。

 パリの治安の悪さは、有名?とはいえ、それなりにエリアによって、ずいぶんと違いもあるため、明らかにヤバそうな地域には、敢えて近寄ることはしません。

 それでも、たいていは、なにか情報を得て、「あっ!ここ行ってみよう!」と思って、普段は行かない場所に行ってみる場合(なにか美味しい食べ物を探してのことなのですが・・)、そういえば、この路線に滅多に乗らないな・・などと思いながら、出かけます。

 最近のパリのメトロは、本当に工事が多く、どんどんキレイになっていっているイメージがあったのですが、これがとんでもない話で、先日、たまたま、ちょっと気になるお店に行ってみようと出かけ、メトロ10号線に乗ったところ、これが驚愕するほど汚くて、おまけにたまたまだとは思うのですが、やってきた車両が大胆に落書きされた車両で度肝を抜かれてしまいました。

 私が乗った車両がたまたま最悪だったのかもしれませんが、それにしても座席に座ろうと思っても、車両の床に直に座るのと、座席に座るのと、どちらが汚いだろうか?と一瞬、考えてしまったくらいです。

 私は、途中、他の路線から乗り換えてのたった4駅ほどの移動でしたが、かなりショッキングでもありました。

 しかも、かなり、郊外でもなく、パリの中心部を通っている路線でもあり、なぜ?この路線がこんなに汚いんだろうか?と不思議な気持ちさえしたほどです。

 全ての路線をチェックしなおしたわけではないのですが、路線によって差が激しい・・激しすぎるのは明白で、同じパリ市内で、こんなに路線によって差があるのは、奇妙なことです。

 幸いなことに、私が一番、利用することが多いのは14番線で、新しいだけあって、かなり、パリのメトロの中ではきれいだと思います。

 また、拡張された路線など、新しい駅に行ってみたり、新しい車両に乗ってみたりすれば、ピカピカ、キラキラで、それはそれで、「これ?ホントにパリ?」と思うほどにキラキラ・ピカピカ。

 まあ、新しくできたばかりのところを見に行っているので、きれいなのは当然なのですが、それにしても、この差はスゴいのです。


パリのメトロ


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2026年3月15日日曜日

フランスの研究者らがアルツハイマー病の新たなメカニズムを発見   

  


 3月初旬にリールの研究者らが発表した科学論文で、アルツハイマー病の発症と進行における細胞の関与が初めて明らかにされたとして、この発見により、発症前であっても早期介入が可能になるという希望が生まれたと注目されています。

 これは、神経科学と認知科学の研究者であるヴァンサン・プレヴォ氏の指導の下、フランスの国立保健医療研究所(INSERM)、リール大学、リール大学病院(CHU)によって行われた研究です。

 アルツハイマー病は、記憶と学習を司る脳領域である海馬に位置するニューロン(神経細胞)のゆっくりと進行する変性によって引き起こされます。徐々に変性は脳全体に広がり、記憶、日常的な作業の遂行、空間と時間の見当識に問題が生じます。

 アルツハイマー病患者に共通する特徴の一つは、主にニューロンに存在する「タウタンパク質」(神経細胞の中で物質を運ぶ仕組みで脳の神経細胞の構造を安定する役割)の異常な蓄積で、通常は少量が分泌されて血液中に排出されますが、アルツハイマー病患者のタウタンパク質の構造は変化し、ニューロン内で正常な機能が果たせなくなり、血流から適切に排出されないタウタンパク質はニューロン内に蓄積し、脳機能を阻害し、徐々にニューロンの変性を起こし、認知機能の低下に繋がるということです。

 ここでリール大学は脳と身体の他の部分との間の重要な情報交換を担っている「タニサイト」が重要な役割を果たし、タニサイトがタウタンパク質の輸送に関与し、脳脊髄液からタウタンパク質を補足して毛細血管へ輸送していることを発見したと発表しています。

 もう一つの発見はタニサイトが実はタウを脳から除去して血流へ輸送する主要な経路であるということです。

 マウスにおいて、これらの細胞の活動そ阻害することで、研究者たちは、アルツハイマー病の初期段階を発症したことを確認したと説明しています。

 そしてアルツハイマー病で亡くなった患者の脳を調べたところ、タウタンパク質を含むタニサイトが損傷していることが明らかになり、断片化された細胞は、もはや血液を脳性髄液に適切に結合できずにタンパク質の必用な排出を妨げていました。

 この発見により、「タニサイトが断片化する前に生活習慣の改善や薬物療法などを通じて早期介入を行い、タニサイトの窒息に対処することで、発症リスクを低減することが期待できると言われています。

 将来的にはこの発見はアルツハイマー病の予防に役立つ可能性はあるものの、現時点では、治癒できる可能性は低いとも言われています。

 現在、フランスでは約90万人がアルツハイマー病に苦しんでおり、現在の薬物治療やケア活動では、アルツハイマー病を治癒することはできず、認知機能低下の症状を遅らせることしかできていません。

 

アルツハイマー病のメカニズム


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2026年3月13日金曜日

労働省が「就職面接でますます一般的になっているハンドバッグテストは違法」と警告    

  


 ここ数年、フランスでは、就職面接の際にハンドバッグの中身をテストするケースが増加しており、このような状況に遭遇した就職面接に臨んでいる女性がソーシャルメディアや報道機関でこの状況に苦情を申し立てており、労働省は就職面接における「ハンドバッグテスト」は違法であると宣言しています。

 私は、フランスでも幾度となく、就職面接を受けてきましたが、幸いなことに、このような経験は一度もありませんでした。ただでさえ、少なからず緊張する就職面接のような場において、突然、「バッグの中身を見せてください」などと言われたら、どんなに驚いただろうか?と思うと、ちょっと信じられない気持ちです。

 仕事の機会は得たいものの、こんなことを求める会社は辞退したくなる気もします。

 このおかしな現象が、フランスで始まったのは、2025年頃からのことで、そんなに歴史は長くないものの、この慣行は、過去2年間でアメリカで広まったものだとも言われています。

 女性のバッグの中身はその人の生活の全てを物語るものであるとか、バッグの中の整理整頓がその人の能力を知るうえでの判断基準のひとつになりえる・・とか、そんな理由付けがもっともらしく説明されています。

 しかし、実際には、バッグの整理整頓方法と職業上のスキルを関連付ける科学的根拠は存在せず、全くのデタラメです。

 逆の見方をすれば、散らかったバッグはどんな状況にも適応できる能力と解釈できる可能性もあります。

 この「バッグの中身を公開せよ」という要求は紛れもなく違法。プライバシーの侵害であり、憲法、民法、欧州法に違反しています。

 また、このバッグテストは、多くの場合、男性はバッグを持ち歩いていないことが多いためか、圧倒的に女性に対して行われているテストで性差別であるとも言われています。

 フランス労働法・社会保障協会(AFDT)によると、「応募者がこのような不条理な慣行にさらされた場合、損害賠償を求めて法的措置を取ることができる」のだそうです。

 さしずめ、私自身に関して言えば、私のバッグの中身はかなりグチャグチャで、やたらと荷物が多く、このようなテストをされれば、一発アウトです。

 また、バッグの中身ではありませんが、私は以前、ある通信社で働いていたことがありますが、その事務所の乱雑さは、最初、衝撃的でもあったほどでした。

 このようなプライバシーの侵害のようなことがおこるなんて、フランスらしくないな・・と思うと同時に、これってセクハラ・パワハラの一種なのではないか?とも思うのです。


ハンドバックの中身テスト


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2026年3月12日木曜日

欧州連合(EU)域内の女性のほぼ3人に1人がの暴力を経験しているという驚くべき調査報告書  

  


 EUの2つの機関である欧州連合基本権機関(FRA)と欧州ジェンダー平等研究所(EIGE)が発表した調査報告書によると、EU域内の女性の3人に1人が生涯で暴力を経験していることが明らかになっています。

 この調査は2020年9月から2024年3月にかけて18歳から74歳までの女性11万4,000人以上を対象に実施されています。

 欧州連合基本権機関(FRA)によると、「女性の約30%がパートナーから屈辱、脅迫、または支配的な態度をとられた経験があり」、約10人に1人が「パートナーから傷つけられた」と回答し、17.2%が性的暴力を受けた」としています。

 さらにFRAは、「女性の8.5%がネットいじめを受けた」と報告し、「10.2%がパートナーからオンライン監視、またはストーカー行為を受けた」と付け加え、オンライン暴力の増加を指摘しています。

 この調査によると、パートナーによる虐待の被害者のうち、警察に通報するのは、わずか6.1%、パートナー以外の人物から暴行を受けた被害者のうち、わずか11.3%です。

 EUは、女性に対する暴力を撲滅させるための法的文書である「イスタンブール条約」(女性に対する暴力および家庭内暴力および、これらとの闘いに関する国際条約)に批准し、各国に対し、法律整備や被害者支援体制の強化の義務付けや国際的な監視制度を設けることを規定していますが、事実上、これは全く機能していないと言わざるを得ません。

 しかし、このイスタンブール条約に対して、ブルガリア、チェコ共和国、ハンガリー、リトアニア、スロバキアの5ヵ国は批准していません。

 ちなみに日本は加盟していません。

 この調査に関しては、特にオンライン暴力の増加を問題視していますが、女性への暴力に関しては、「知られたくない」という心理が働くことから、通報にも至らず、暴力が常態化したり、無視されたりする結果に繋がることから、制度的な欠陥が浮き彫りになったと言えます。

 以前、職場にどうやらDVを受け続けているらしい同僚がいて、心配したことがありましたが、本人が「転んだ・・」などと言い訳するので、それ以上は介入できず、それでも、あまりに頻繁に転びすぎるので、「絶対、転んだんじゃないよね・・」などと言っていましたが、結局、彼女はしばらくして、仕事を辞めてしまって以来、その後はどうなったのかはわかりません。

 このような国際条約などには、実際には、まるで機能していないものがけっこうあるものです。


女性への暴力


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2026年3月11日水曜日

SHEIN はなぜ?そんなにフランスに店舗を展開しようとしているのか?      

  


 中国のオンライン・ファッション小売大手「SHEIN」がリモージュ、アンジェ、ディジョン、グルノーブル、ランスのBHV百貨店に出店することを発表しています。

 SHEINは、すでにパリの一等地にある老舗百貨店BHVマレ店内に店舗をオープンしており、この出店に関しても様々な物議を醸し、反対する声も多かった中、そのうえ、そのわりと直後にSHEINのウェブサイトの第三者販売専用セクションに少女の様相を呈したセックスドールやA級武器が掲載されていたことが発覚し、一時的にサイトは閉鎖され、大いに問題視されていました。

 その他、環境汚染や不正広告などについても問題を指摘されています。

 私も一度、BHVマレに入っているSHEINを覗きに行ったことがありましたが、店内においても大々的な広告がされているにもかかわらず、そこまでの人出は確認できず、それ以降もあまり盛り上がりは見せていないようです。

 というのも顧客側は、オンラインよりも価格が高いという印象を持っており、SHEIN側はこれは誤った認識であると主張はしているものの、顧客側がそのような印象を持っているかぎり、どういわれようとそのイメージを払拭しなければなりません。

 しかし、さすがにBHVの一店舗目のオープンから10日後にはすでにSHEINは、顧客を失望させないために、商品ラインナップや価格設定を変更する必要があると述べています。

 とはいえ、BHV全体を見渡してみれば、それ以外の店舗は本当に無残な客入りで、よくもこんな場所でこんな店舗を構えてやっていけるな・・とちょっとハタから見ても心配になるくらいです。

 SHEINの受け入れに関してはBHVに出店している店舗はある程度のステータスを誇りにしているというところがあるのでしょうが、そこにSHEINのような安さが売りのような店舗を加えることには抵抗があったとはいえ、これが顧客を呼び込む呼び水になるのではという期待もあったかもしれません。

 決して、上手く行っている感じでもないSHEINの1号店にもかかわらず、SHEINはなぜ?そんなにフランスに店舗を展開しようとしているのか?といえば、フランスを世界的ファッションの拠点として捉え、ブランドの信頼性の向上や欧州市場全体への影響力の拡大、「安いだけ」から「トレンドを作るブランド」への展開を目論んでいると言われています。

 フランスはEUの主要消費市場の一つでオンライン購買率も高い国であり、フランスでは都市部以外に住む顧客が多く、これに対応するものとも思われます。

 また、地方に店舗を展開することにより、現地での雇用創出や投資を強調することで、多くの規制の緩和に繋がることも期待していると思われます。

 とはいえ、決して好調とは見えないSHEINのパリ実店舗出店にもかかわらず、あくまでも強気のSHEIN。簡単には諦めないことが成功の秘訣という気もしないこともありませんが、この地方5店舗の出店が吉と出るか?凶と出るか?は、まだ不透明です。


SHEINフランスにさらに5店舗出店


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2026年3月10日火曜日

深刻化する子どもの持久力の低下        

   


 最近の文部科学省の調査によるとフランスの10歳~11歳の子どもの半数以上がジョギングペースで5分以上走れないことが明らかになりました。

 テストを受けた26万7,000人の児童のうち、半数以上が最低時速 9.5kmで5分以上で走ることができず、さらには18%は時速 8.5kmで3分以上止まることなく走ることができませんでした。

 このデータは性別や社会的背景に関連した不平等の拡大を浮き彫りにしており、非常に憂慮すべきものだと言われています。

 このテストは2025年9月に行われたもので、心肺持久力運動、立幅跳び、30メートル走の3種目で構成されていました。また、10歳以上の子どもたちには、少なくとも3分間、そしてその後少なくとも5分間、一定のジョギングベースで止まることなく走ることが求められました。

 最初の持久力運動で不合格となった生徒は5人に1人、2番目の持久力運動でも半数が不合格、全体として、持久力運動で満足のいく成績を達成した生徒はわずか34.2%でした。

 このうちの割合は女子では21.6%、男子では43%で、また社会的地位指数1(最も恵まれない地位とされる)の学校では合格率25.3%、社会的地位指数5(最も恵まれている地位とされる)学校での合格率は43.4%という数字も出ています。

 個人的には、子どもの持久力が社会的不平等に関連しているという見解は、「お金がなくても、子どもに運動させることはできるのではないか?」、うちなんか、決して豊かではなかったけど、子どもの身体を鍛えることは、夫婦そろって、お金をかけずにやっていた!」とピンと来ないところがあるのです。

 私はとにかく体力云々よりも子どもに健全にエネルギーを発散させるために、休みごとに市内のプールに連れて行ったり、夫は休みの日には、娘をグラウンドに連れて行っては知らせたりしていました。(常に肥満気味だった夫に対して、私はおまえも走れよ!などと思っていました)

 なので、決してお金がかかるものではなく、社会的格差が影響するものではないと思っていたのですが、こうして「社会的地位指数」などというものを基にデータを比較されて、このような結果が出れば、実際には、その違いは顕著であるので、認めざるを得ません。

 しかし、言えることは、結局は親の意識の問題で、やっぱり、この社会的地位指数の上位にいる人々は、子育てに対する意識が高いのだと言わざるを得ません。

 数年前から学校でのスポーツ、体育の時間の強化などという話もチラホラ聞いていましたが、わずか10歳やそこらで10分ジョギングできない子どもが半数とは・・さすがに深刻です。

 うちの娘は、とにかく小さい頃からエネルギーを発散させて、疲れさせることをひたすらやってきた結果、これが鍛えて続けていることになり、生半可なことではへこたれない娘に仕上がったので、10分やそこらで走れなくなる子どもなど、想像すらしないことでした。

 このような子どもの体力・持久力の低下には、身体を動かして遊んだりすることから、スマホ、タブレットで遊ぶ、時間を費やす子どもが増えたことも影響していると思われます。

 子どもは心身ともに健康に育てるためには、特に幼少の頃には、身体を動かさせることが大切なんだと思います。


フランスの子どもの持久力低下問題


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2026年3月9日月曜日

フランスで再注目されている「ブークリエ・サニテール(Bouclier sanitaire)」        

   


 巨額の財政赤字を抱えるフランスで主に社会保障・医療制度の公平性、公正性をめぐる議論(2025年末の社会保障赤字は230億ユーロ)の中で、昨今、浮上しているのが「ブークリエ・サニテール(Bouclier sanitaire)」です。

 これは誰もが負担過多にならずに医療を受けられる仕組みをめぐって行われている議論で、直近では、フランスの公共財政専門の経済学者フランソワ・エカル氏が提案しているもので、同氏によれば、「この制度は現行の制度よりも再分配効果が高く、不平等性が少ないものだ」と訴えています。

 現行の制度は国民が支払う医療費は、国民健康保険でカバーされる部分と国民健康保険ではカバーできない部分を補足健康保険(任意)が補う形になっており、この補足健康保険(通称ミューチュエル)はもちろん別に支払うのですが、その金額によってもちろんカバーされる範囲は異なります。

 以前は、このミューチュエルに加入している人が大半という印象でしたが、この保険料も値上げされ、これに加入していない(特に若者)も増加しているようです。

 私がフランスに来たばかりの頃は、このミューチュエルは当然、加入するものと教えられて、また、娘がまだ小さくて、医者にかかることも多かったので、何の疑問もなく加入していました。

 しかし、この補足健康保険に加入しているにせよ、していないにせよ、どちらにもひっかからずに自己負担せざるを得ない医療費に関しては、(最)貧因世帯の家計にとって、(最)富裕世帯よりも大きな負担となっている・・つまり、これらの自己負担額は最低所得層10%の家庭では、生活水準の2.76%に達するのに対し、再考所得層10%の世帯にとってはわずか0.59%にしかならないということです。

 この不均衡を解消するために、医療費の年間支出上限額を所得比例型で設け、上限に達すると、それ以上の負担が発生しなくなるというシステムです。

 考えてみれば、これは非常に合理的な考え方で、多くの補助金・援助金、他の多くの社会保障については、この所得比例に応じた金額設定になっていることが多いフランス(日本のように一律いくら・・とかいう補助や援助はあまりありません)で、逆に、なんで、今までこうなってなかったんだろう?と不思議にさえ思います。

 ただ、現在、大きなネックの一つは、補助健康保険の意味が薄れることで、この大手の補助健康保険会社とこの種の類の企業と結びつきの強い政治家が反対しているそうですが、これは、主客転倒というか、そもそも何のための保険?何のための政治?という話でもあります。

 この制度は2007年に当時、貧因対策高等弁務官を務めていたマーティン・ヒルシュが提案し、技術的な実現可能性を示していたと言われていますが、実現しないままに放置され続け、最近になって、ふたたび、それを焼き直した感じでフランソワ・エカル氏が再提案しているものです。

 国民の生活を改善するためのはずである政治が有効な制度をストップしているという例はけっこうあるものです。

 高齢化問題を抱える日本にも参考になることではないか思ったので、話題に挙げさせていただきました。


所得比例型医療費上限制度「ブークリエ・サニテール(Bouclier sanitaire)」


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