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2024年5月2日木曜日

15歳の少年の殺人事件 逮捕された少年と母親 

  


 シャトールー(フランス中央部・サントル・ヴァル・ド・ロワール地域圏)で起こった15歳の殺人事件は、未成年の超暴力(ウルトラ ヴァイオレンス)が問題視されている中、殺人事件の被害者、加害者ともに15歳というあまりに若い年齢や、当初は理由がはっきりわからなかったり、ほぼ同時に加害者の母親まで逮捕されたということで、大きな波紋を呼んでいました。

 被害者がアフガニスタン国籍であったことから、イスラム教がらみの事件であるとか、移民政策への非難の声が一斉にあがったりもしていました。

 ところが、次第に、この少年の逮捕・拘留から事情聴取で事実が明らかになりつつあり、そもそもは、この被害者と加害者は、以前からの顔見知りであり、被害者が他の仲間とともにラップバトルを始め、2人はののしり合いになったと言われています。つまり喧嘩が始まったのです。

 加害者の弟の証言によると、「最初に手を出したのは、被害者の方で、相手の顔を殴りつけ、鼻血を出した兄は、感情を爆発させてしまった・・兄は彼から殴られることに耐えられなかったのです」と説明しています。

 殴られて、殴り返すだけなら、まだそこまで致命的な結果にはならなかったかもしれませんが、彼は相手に反撃を加えるために、自宅にナイフを取りに帰り、ナイフを持って彼に襲い掛かり、数か所を刺して、そのまま逃走したのです。

 それなら、なぜ?母親まで逮捕されたのか?ということが謎ですが、これは、ナイフを取りに戻ってきた息子の異常な様子に息子の後を追ってきた母親がこのすでに襲撃された被害者の頬を平手打ちしたところが目撃されていたため、一瞬のうちに起こったこの一連の凶行のどの時点から母親が参加しているかが疑われているともされています。

 いずれにせよ、このナイフによる数か所の反撃の一刺しが被害者n心臓を直撃しており、これが致命傷に繋がったことが解剖の結果からわかっています。

 加害者家族は、アフガニスタン国籍ではあるものの、合法的にフランスに滞在していることがわかっており、政府は過剰な移民叩きにならないように、また、イスラム教問題とはなんら関わりのないことで、そもそもは子どもの喧嘩がエスカレートしたものだと強調しています。

 しかし、今年に入ってからも、もうどれだけ14~15歳くらいの超暴力事件がとりあげられたことか? 殺人事件にまで発展してしまうとなると、単にキレやすい・・などという次元を超えています。

 また、詳細はわかりませんが、この母親もかなり異常といえば、異常で、息子がナイフを取りに家に戻ってきて、ナイフを持って出て行こうとするのに驚いて、慌てて、後を追うまではわかりますが、息子が刺してしまった被害者の子どもに平手打ちをくらわすなど、ちょっと考えられない、理解不能なことです。

 相手の男の子は、刺されて(しかも自分の息子が刺して・・)死にかけているのに・・。

 未成年の超暴力はもちろん問題ですが、こういう母親も絶対におかしいです。この加害者の少年はもちろんのこと、この母親もしっかり追及してもらいたいです。


未成年の超暴力 15歳の殺人事件


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2024年4月29日月曜日

オルセー美術館 文化財破壊未遂で2名逮捕・拘留

  


 オルセー美術館で「文化財破壊未遂」で2名が逮捕・拘留されたというので、今度は、どの絵が被害を被ったのかと思ったら、入口で捕まったとのこと。

 彼らは、「Riposte alimentaire」(リポスト・アリマンテール)(フードレスポンス運動)という環境活動団体の名前の入ったTシャツを着ており、接着剤と粘性のある白っぽい混合物である白い液体を所持しており、これにより、なんらかの文化財に損害を与えようとしていたと見られています。

 この環境活動団体(旧ラスト・リノベーション)は、1月に「モナ・リザ」にスープを掛け(防弾ガラスによって保護された)、2月にはリヨン美術館に展示されているクロード・モネの絵画「ル・プランタン」にスープを投げつけ、ここ数カ月で有名になっています。

 現在のところ、なにしろ未遂で終わっているために、確実な犯行の確認はとれていないようですが、パリ14区の警察署が操作を委託されています。

 2月に、他の2人の活動家がリヨン美術館に展示されているクロード・モネの絵画「ル・プランタン」にスープを投げつけたときは、「私たちが反応しなければ、この春だけが残るだろう」、「もし春がなくなったら、未来のアーティストは何を描くだろうか?」とオンラインに投稿した動画で彼らの主張を訴えていました。

 私には、この手の運動?というか文化財の破壊行為に何の意味があるのか?全く理解ができないのですが、リポスト・アリマンテールは、自らを「気候的および社会的レベルで社会に根本的な変化をもたらすことを目的としたフランスの市民抵抗運動」であると主張しています。

 彼らは「私たちは芸術を愛しています」と言いつつも、「しかし、私たちの将来の芸術家たちは、焼け落ちた地球上には描くものが何も残らないでしょう」というのが抗議運動に芸術作品を選んでいる理由のようです。

 今回逮捕された2人は「過去の文化財破壊行為ですでに知られている」人物だったそうですが、それにしても舐められたものだとも思います。

 パリでは、美術館等に入る際には、荷物チェックがされるのがふつうですが、そこに堂々とこのような不審な荷物を持ち込み、しかもこの環境団体の名前のプリントされたTシャツを着て入ろうとするとは・・。

 よほどチェックが甘いと思われていたのか、それとも、この環境団体の名前がそれほど知られていない?と思っていたのか? 少なくも、今年に入ってからだけでもモナリザやモネの絵画への抗議運動でそれなりに名前を馳せている・・その団体名の入ったTシャツを堂々と着て入ろうとするとは・・美術館の警備の対象になっているとは思わなかったのだろうか?と思うのです。

 それにしても、文化財に溢れているパリの街で、これから一層、警戒は厳しくなるのだろうな・・と思わずにはいられません。


オルセー美術館 文化財破壊未遂


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2024年4月28日日曜日

農民たちの悲痛な叫びに対する政府の14の回答 

  



 高速道路を封鎖し、パリの街中まで農業用のトラクターなどが行進した農民たちの怒りが噴出した大規模なデモから2ヶ月が経ち、政府は、農民たちへの回答として、14項目の農業保護計画に関する措置を発表しました。

 世界で起こっている戦争がインフレを加速させ、また地球温暖化による干ばつや洪水などの天候不順や、環境保護のための規制や、健康を守るための厳しい農薬基準等、がんじがらめに苦しめられている農民たちの怒りが爆発したのです。

 また、フランスの農産物生産に課せられている厳しい規制が外国からの輸入品には、ほとんどスルーされている状態であったり、また、ウクライナを支援するためにウクライナからの農産物の関税を一時的に免税にしたりしているために、価格破壊が起こり、フランスの農産物は買い叩かれなければならない異常な事態が起こっていることなど、この農民の暴動がなければ、一般には知り得ないことが公になりました。

 さすがに自国の農業生産者がここまで痛めつけられる結果になっていることに、多くのフランス人も「これはなにかがおかしい・・」と農民たちの気持ちを理解していた気がします。

 2月に行われた国際農業見本市の場は、デモのトラクターが会場前に勢ぞろいする異例の雰囲気になり、開催初日にマクロン大統領が予定していた話し合いの場に環境保護団体や大量流通団体まで参加させようとした(丸め込もうとしたと受けとられた)ことから、さらに彼らの怒りは爆発し、この国際農業見本市があわやさらなる大暴動の火種になるところでした。

 この話し合いを拒否し、一旦は、扉を閉じてしまった農民たちの代表の集まる場にマクロン大統領は、勇敢にも一人で立ち向かい、吊るし上げを食うようなカタチになった緊迫した場面もありました。しかし、マクロン大統領は、その日、朝から晩まで一日中を国際農業見本市の会場で過ごし、色々な立場の人々と話すことに費やし、また、最後には、3週間以内に全ての関係者を集めて、情報を収集し、農業保護計画を立てることを約束しました。

 その約束の結果の一部が今回のこの回答だと思われます。

 彼らの回答によれば、2026年からの農民所得対策の実施と、農業年金の計算方法の変更、Bpifranceに対し最大1億ユーロの新たな融資、最大7万5000ユーロの現金融資、そして困難に陥った農場への20万ユーロの融資の設定、税金の控除、気候変動(霜、洪水、干ばつなど)で最も大きな被害を受けている農家を支援するために5000万ユーロの割り当て、気候災害や健康災害が発生した場合に、未建築物件に対する固定資産税の減免率を引き上げる計画、100ヶ所の農業用水貯留または灌漑プロジェクトを加速させ、「2024年末までに完了」させることなどを発表しています。

 これには、彼らが要求していた海外の輸入品への規制などが入っておらず、農民たちは、まだまだ充分ではない!・・まだまだ矛を収めるつもりはない!と頑張っていますが、少なくとも、彼らの訴えにより、多くのことが変わろうとしていることに違いはありません。

 働いても働いても苦しくなるばかり・・こんな社会ではやってられない!そう感じるところは、日本にもたくさんあると思います。フランスのデモは、文化だと誇らしく言うフランス人は少なくありません。あまりに日常化しているデモやストライキに辟易とする部分もなくはありませんが、こうしたことをきっかけに政府や社会が時代に応じるカタチで変わっていくことは、必用なことなのかもしれません。

 日本には、あまり大がかりなデモやストライキなどの文化が根付いていないうえに、社会の不具合を指摘して、問題視していくマスコミなどの報道機関があまり機能していない印象で、どうにかして、変えていかなければいけないことが変わっていかない・・社会的なうねりとして変えていくことができていない気がしています。

 今回の農業に対する改革も農民たちの強い訴えがなければ、あり得なかった話です。


フランスの農業保護計画


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2024年4月27日土曜日

パリオリンピック開会式1週間前からの通行止めとメトロ・RER 17駅閉鎖

 



 オリンピックの期間中は、かなり厄介なことになるだろうな・・予想はしていたものの、少しずつ具体的なプランが発表され始めて、けっこうウンザリしています。

 パリ警視庁は、「2024年オリンピック開会式 安全保証セキュリティ システム」として、オリンピック前後の通行止め、駅の閉鎖などを発表しました。

 オーステルリッツ橋からイエナ橋までの 6 キロ以上のセーヌ川の上をボートでパレードし、トロカデロでグランドフィナーレセレモニーを行うという前代未聞のオリンピック開会式は、その警備も前代未聞のようで、その1週間前から、この開会式の行われる予定の中心部には、赤とグレーの境界線が設定され、一般市民も思うように動けなくなります。

 このあたりを通行するためには、デジタルパスを事前に用意する必要があります。

 歩行者と自転車は、デジタルパス、チケット、または式典へのアクセスを許可するアクセス許可を持っていることを条件として、このエリアへのアクセスが許可されますが、グレーのゾーンには一般車両(特別なケースを除いて)は通行ができなくなります。

 特に開会式当日 7月26日午後1時からは、治安部隊と緊急サービス以外は通行止めになります。

 また、7月18日から、このグレーのエリア内にあるメトロの駅は閉鎖され、これらの境界線を横切るバス路線は迂回路線を通ることになります。

 最も厄介なのはメトロで、1週間前から17駅が閉鎖されます。駅によっては、期間がもっと、長くなるため、注意が必要です。

<7月18日から開会式まで閉鎖される駅>

・Tuileries ①

・Concorde ①,⑧,⑫

・Champs-Elysées Clémenceau ①,⑬

・Alma Marceau ⑨ 

・Iéna ⑨

・Trocadéro ⑥,⑨

・Passy ⑥

・Quai de la Rapée ⑤

・Cité ④

・Javel ⑩

・Musées d'Orsay(RER C)

・Champ de Mars Tour Eiffel(RER C)

・ Pont de l'Alma(RER C)

・⑦号線の Châtelet (⑪号線を含む), Pont Marie, Pont Neuf, et Sully Morlandの区間は乗客を乗せずに通過します。

 また、Champs-Elysées Clémenceau ①,⑬駅、は、7月1日~9月21日まで閉鎖、アーバンスポーツイベントが開催されるコンコルド広場、Concorde ①,⑧駅、Tuileries ①は6月17日~9月21日まで閉鎖、Concorde ⑫は5月17日~9月21日まで閉鎖されます。

 もっとも、このあたりは、駅と駅の区間が短くて、これらの駅が閉鎖されても歩いて別の駅に行くこともできるので、まるで動きがとれなくなるわけではありません。ただし、以前、ラグビーワールドカップの時にコンコルド広場にラグビーヴィラージュができていた時に、試合によっては、周囲に近寄ることができないこともあったので(歩行者にも交通規制が敷かれていて、ものすごい迂回させられました)、そういうことがないとも限りません。

 また、トラムについても以下が閉鎖予定です。

・Porte d'Issy (T2) 、Porte de Versailles (T2, T3a)は、7月25日~8月11日、8月29日~9月7日

・Colette Besson(T3b)は7月27日~8月10日、8月29日~9月8日

 まあ、主な閉鎖駅に関しては、オリンピック開会式の前の1週間のことで、しかも、限られた地域(とはいっても、セーヌ川を沿ってパリを分断する感じ)ですが、とはいえ、今は机上のプランですが、実際にその期間になれば、ここに人が溢れかえった状態になっているわけで、最近、パリ市内を移動していても、ここも、ここも人で溢れかえるのか・・と想像するだけでゾッとしています。

 しかし、ここまでやるのだから、絶対に成功してほしいと思っています。セーヌ川の上で94 隻の船で 10,500 人の選手がパレードするなんて誰が考えたのか? これはテレビで見るしかないだろうし、綿密にカット割りなども美しく構成されているだろうし、成功したら、本当に素晴らしいし、楽しみでもあります。

 

パリオリンピック1週間前から閉鎖されるメトロの駅


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2024年4月26日金曜日

フランスの空港管制官のストライキ 飛行機がキャンセルになった場合

  


 かねてから予告されていた空港管制官のストライキは、やっぱりけっこうな規模のもので、ストライキに動員されるとする人数から、オルリー便の75%、ロワシー便の55%がキャンセルになると予想されていました。

 航空管制官らは航空交通管制の見直しを規定した改革に抗議するために動員され、経営陣が提案した支援策は十分ではないと考え、特に5年間で25%の報酬増額を要求しています。

 労働組合との協議は難航していたものの、ストライキ通告は、一旦、解除されたにもかかわらず、結果的には、多くの空の便に影響が及び、マルセイユ・プロヴァンス空港発の便の65%、ロワシーシャルルドゴール空港発の便の55%が欠航となりました。

 フライトの欠航は主に短距離および中距離のフライトではありましたが、短距離・中距離のフライトを乗り継いで、長距離便に乗るという人もいるわけで、フライトのキャンセルはその後のホテルなどの日程までキャンセルしなければならない大変なこと。とても他人事ではありません。

 最も影響を受けたのは欧州地域での運航を増やしている格安航空会社で、ライアンエアーだけでも300便以上、イージージェットとトランサヴィアはそれぞれ200便以上がキャンセルになりました。

 これらの航空会社は通常運行の場合は、本当にビックリするくらい安いのですが、このようなトラブルには、めっぽう弱いようです。

 ストライキによるフライトキャンセルの場合は、チケットをキャンセルして払い戻し手続きを行うか、フライトを変更する必要があります。

 このフライト変更に伴う時間差間の食費・宿泊費も航空会社が一定の金額を負担しなければならないことになっているので、請求するべきです。請求しなければ、支払ってくれません。

 航空会社が代替便への変更を提案してくれる場合もありますが、必ずしもこれに応じる必要はなく、チケットをキャンセルする権利があります。チケットをキャンセルする場合は、フライトの飛行距離によって最低補償金額が定めらており、1,500 キロメートル以下のすべてのフライトの場合は 250 ユーロ、1,500 キロ以上のフライトには 400 ユーロ、それ以上の場合は、600ユーロということになっています。

 ただ、ここが格安航空会社の落とし穴で、この払い戻し手続きや返金、補償のシステムが一部の企業では明確であるものの、そのルールに透明性がない会社もあるのも現実のようです。

 しかし、このような時は泣き寝入りはもったいない!とにかく、被害を被っているのですから、ダメ元でも、取り返すつもりで、返金手続きはするべきです。

 この航空管制官のストライキ、組合と経営者側の協議は15ヶ月間も続いているのに、一向に進捗が見えず、挙句の果てにこの大がかりなストライキで迷惑を被る乗客は、全くのとばっちりです。

 私も旅行が大好きなのですが、いつも不安をよぎるのは、このストライキでキャンセルになったら・・ということ。

 ちなみに、一応、規定では、ストライキに加えて、フライトが少なくとも 3 時間以上遅延した場合、フライトのキャンセルに相当すると考えられ、航空券の払い戻しを要求できるそうです。

 FNAUT(La Fédération Nationale des Associations d'Usagers des Transports)(全国交通利用者団体連合会)は、航空会社が適切な対応をしない場合は、民間航空総局 (DGAC) に連絡して払い戻しを受けるようにアドバイスしています。

 もっとも、そんなことをしなくてよいのが一番で、避けられるものなら、避けて予約したいものですが、なかなかそうもいかずに難しいです。

 今年はオリンピックがあるので、少々イレギュラーな気もしますが、彼らは特に迷惑がかかる時期を狙ってストライキを起こすので、子どもの学校のバカンスの時期などが時期的には、狙われやすい気がします。でも、子どものバカンス時期にしか出かけられない人もたくさんいますよね・・。まったく酷いです!


フランスの空港管制官のストライキ


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2024年4月25日木曜日

ニース市長 夏季期間中の13歳未満の夜間外出禁止を発表

  


 未成年による超暴力的な事件や非行の増加や過激化による問題は、昨今、報道されるニュースからも深刻な問題となっているのがわかります。

 そんな背景を受けて、フランス国内の複数の地域の市長らは、13歳以下の未成年の子どもに対して、夏季期間中の夜間外出禁止令を発表しています。

 最初にこの夜間外出禁止令の発令が注目されたのは、ベジエ市(フランス南西部・オクシタニー地域圏)の極右に近い市長の発表で、「13歳未満の未成年者は、4月22日から9月30日まで、午後11時から午前6時まで、市内の3つの地域に外出してはならない」というもので、「これに違反した子どもたちの親は刑事訴追の対象となる可能性がある」と警告しています。

 また、この未成年の非行問題対策に追随し、ニース市長もまたこれに同意する意向を表明し、「5月より、13歳未満の未成年者は午後11時から午前6時までの間、一人での(保護者なしでの)外出禁止」を発表し、これが再度にわたるものであった場合、保護者を強制的に子育て講習に呼び出すようにしたいと語っています。

 外出禁止といえば、コロナウィルスによるパンデミックの際のロックダウンを連想してしまいますが、今回、対象とされているのは、未成年で、しかも13歳未満の子どもの話です。

 逆に市長に禁止されるまでもなく、そんな時間に親が子どもを外出させるということ自体が私には考えられないことで、その子どもがどうこう以前に、そんな時間に子どもの外出を許している親の方がどうかしている気がします。

 しかし、こういう法令が出されるということは、それを看過している親が少なくないということなのでしょう。

 「門限」という言葉がありますが、いい大人ならともかく、13歳未満の子どもの門限が夜の11時というのも、なんなら甘すぎるような気もします。夏の間は日も長く、いつまでも明るいので、暗くなったら、家に帰るというのが夜の11時?ということなのかもしれませんが、そのあたりもなぜ?夜間11時にしたのかは、よくわかりません。

 13歳未満といえば、フランスでいえば、小学校から中学校のはじめくらいの年齢です。

 我が家の娘がそれくらいの年齢の時は、まず昼間でさえも、ほぼ一人で外出させるということもなく、まず、ウィークデーなどは、学校にいる時間が長かったし、お休みの日もお稽古事などで、ほぼスケジュールがキツキツで外出する時間などなかったし、夜に子どもが一人ででかけるなど、想像したことさえもありませんでした。

 休日の日にお友達の家に行ったりするのも、必ず送り迎えをしていたし、私が行けないときは、お友達のパパやママが家まで送ってきてくれたりしたものです。ですから、夜遅くに子どもだけで集まるなどというお友達もいなかったのです。

 子ども自身が非行に走るというよりも、それ以外にも危険な目にあったり、事故にあったりしないかとそんな心配はしていて、周囲の保護者たちも幸いにそういうスタンスの人たちばかりだったので、それは、当然のことだと思っていました。

 こうして考えると、私立の学校は、概して親の意識が高いなので(というか普通なので)、そういう環境に子どもを置くこと、悪い環境から子どもを守ることは、大切なことなのだと思うのです。

 子どもの犯罪の低年齢化や激化、悪化について、社会のせいにする人々もいるようですが、特に未成年の子どもに関しては、ほぼ親の責任だと私は思っています。

 親がしっかりとしていれば、こんな法令をわざわざ制定するまでもないはずだと思うのですが、これが必用だということは、そんな年齢の子どもを放置しているということです。

 子どもも子どもですが、それを許している親の方がどうかしていると思うのです。

 なんなら、深刻な事件を起こしている未成年の年齢を見ていると、14~15歳という年齢が多いような気もするので、13歳未満などと言わずに、未成年は・・としてもいいくらいかだと思います。


13歳未満の夜間外出禁止


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2024年4月24日水曜日

SNCF(フランス国鉄)のストライキ回避のための活動早期終了制度 早期退職制度

  


 SNCF(フランス国鉄)は、年明けからしばしばストライキを始め、2月の段階ではかなり大々的なストライキをすでに行っており、これにより、15万人の人々が足止めをくう大混乱を引き起こしていました。

 これによる国鉄側の損害も相当なものであったはずですが、その後も労働組合側は初夏からオリンピック期間に向けてのストライキを予告しており、これをどうおさめるのだろうか?と思っていたら、案外、あっさり経営者側と労働組合の話し合いの折り合いがついたということで、意外に思いました。

 しかし、この折り合いがつくのも、当然といえば、当然で、彼らの要求であった年金改革による影響を軽減するという希望が叶ったようです。一般人の立場からすれば、「あんなに大騒ぎして改革した年金改革はなんだったのか?」と思うほどです。

 そもそも、SNCF(フランス国鉄)やRATP(パリ交通公団)などの鉄道関係の運転手や管制官などは、退職年齢がかなり早く設定されており、年金改革後も引き上げられたとはいえ、一般職から比べると法廷退職年齢も低く設定されていました。

 職種によって、法廷退職年齢が考慮されるのは、当然だとは思いますが、それがかなり幅があることに違和感もあります。

 今回の国鉄経営陣と労働組合が締結した契約によれば、会社からの給与を残したまま退職を認める新たな「活動早期終了制度」というものを設けています。

 これは、国鉄の中でも職種によって期間が異なるものの、過酷な仕事として位置づけられている運転士や転鉄士(ポイント切り替えなどを行う仕事)に関しては、法廷退職年齢の30ヶ月前には、活動早期終了制度を開始することができ、その間の15ヶ月間働いた分には100%、その後の15ヶ月間については、仕事をせずに給料の75%が支払われるといい、管制官に至っては、36ヶ月前にこの制度が開始できるというものです(18ヶ月は仕事をせずに75%分支払い)。

 国鉄側はキャリアの終わりを2つの期間に分割する制度と説明していますが、結果的には、早期退職が認められつつ、75%とはいえ、給与が支払われるわけですから、年金改革前とどこが違うのか?と思ってしまいます。

 今回の国鉄の決定により、とりあえずは5月以降のストライキが回避できたということで、今後、様々な公共交通機関がストライキを予定していますが、この国鉄の決定が指針のひとつになるのではないか?という見方もあります。

 とりあえず近々では、空の窓口である空港の管制官がストライキを予告しています。

 とにかく、今年は、オリンピックという一大行事を控えているため、最低限でも公共交通機関のストライキは、絶対に避けたいことに違いないので、今のタイミングのストライキ、あるいは、その予告は、いつも以上に要求が通りやすくなってしまっているのかとも思います。

 だいたい、ストライキがなかったとしても、なんらかのトラブルは必須な公共交通機関です。そのうえ、ストライキなんてことになったら、大変なことです。

 しかし、昔からこのSNCF(フランス国鉄)やRATP(パリ交通公団)などの特別扱い感は満載だったのが、年金改革で少しは軽減されたかと思っていたのに、結局は、やっぱり特別扱いなのには、「やっぱり結局、変わらないじゃん・・」という気がしてしまいます。

 運転手はなにも国鉄だけではないだろうに、他の交通機関の運転手は、「運転手は国鉄だけじゃない!」と怒っているんだろうな・・と、少しまえに乗ったタクシーの運転手さんが、「タクシー運転手は夏は働かない人が多いよ・・」と言っていたことを思い出します。

 外部の反発を恐れてか、SNCF側は、年金改革を否定するのではなく、あくまで一部を緩和するものとしていますが、この一部緩和でさえも、ふつうは認められないものであることには、かわりありません。


SNCF(フランス国鉄)活動早期終了制度


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2024年4月23日火曜日

続々と発表される社会保障費の削減について

  


 昨年、大騒動を巻き起こした年金改革がどうにかおさまったと思っていたら、ここのところ、立て続けに社会保障の削減が続々と発表されています。

 ついこの間は、失業保険の受給期間が削減されることが提案されたばかり。これに関しては、もちろん、第一には、失業率を下げるため、失業後にできるだけ早く仕事に就くことを促すためと言われていますし、一部は、初めから失業保険ありきの働き方をしているというか、受給資格を得るまで働いて、その後はしばらく失業手当で生活している人などがいることを理由のひとつに挙げています。

 後者のようなケースの場合、そもそも再就職が比較的、容易に見込める場合なのだと思うのですが、比較的、本人にとっては、深刻な話でもないかもしれません。

 ただ、底辺の人たちにとったら、再就職はそんなに簡単なことでもなく、おまけに就業期間中に支払う失業保険料の金額が減額されるわけでもないので、まさに、まさかの時の保険なわけで、「そんなことはありえない!」と抗議の声があがっていることも事実で、本当に困っている人からも保障を奪ってしまいかねないことになりかねません。

 今回、この失業保険に続いて、また、他の社会保障が削減されるというので、今度は何かと思ったら、家族援助や最低限の老齢年金保障のようなものを受給するためには、最低9ヶ月はフランスに滞在していなければならない(これまでは、6ヶ月間)というもので、これには、逆に、「今までは、フランスにいなくてももらえていたの?」と逆に驚いた次第です。

 これは、特に家族手当(児童手当など)に関するものだと言われていますが、子どもや家族がいる場合に、たとえ、9ヶ月としても6ヶ月としてもフランスに滞在せずに受給がどうやって可能になるのか?わかりませんが、そういう人々は、実にうまくこのような保障の類を利用しているものです。

 我が家も娘がまだ小さいときに、夫が突然、亡くなってしまったので、家族手当などは、ずいぶん受けてきましたが、さすがに、これはフランスにいるからであると思っていたし、逆に日本に帰ってしまったら、こういうお金を日本では出してくれないんだろうな・・と思っていました。 

 そういう意味では、本当に我が家はフランスのお世話になってきて、娘は本当にフランスに育てていただいたようなものだととても感謝しております。

 しかし、この社会保障の詐欺?申請は、相当な金額に上っているそうで、一番多いのは、医療保険詐欺で38億~45億ユーロ、家族給付金詐欺は25億ユーロから32億ユーロと言われています。今回の改正案により、その損失?を少しでも失くす計画だと見られています。

 まさか、フランスに住んでいない人を援助しなくてもいいとは思いますが、この手の削減が、不正受給を受けている人のために本当に援助が必用な苦しい人をより苦しめてしまうのではないか?という感じもなくはありません。

 そもそも、通常、ふつうに働いている場合は、税金、高いですから・・。


フランスの社会保障費削減


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2024年4月22日月曜日

嘘つきは泥棒の始まりは本当だった話

  


 以前、私がいた職場には、おかしな人がいました。同じ職場にいるのだから、ちょっと妙な人だな・・と思っても、関わらないわけにはいかず、仕事はふつうに一緒にしていましたが、プライベートでは、絶対に関わりたくない人だな・・と思っていました。

 とにかく、自慢話のつもりなのか?自分がすごいお嬢様育ちであり、有能であり、美しく、いかに洗練されているかということを語り、それがいちいち、ピントがずれていたり、かなりのウソが混ざってどんどんエスカレートして辻褄が合わなくなっていることに自分で気が付かないのか、聞いている方も辟易するのですが、いちいち話を遮ったりするのも面倒なので、「へえ~・・」という感じで聞き流していました。

 その辻褄が合わなくなっている話で彼女のウソはもうバレバレなのに、どういうつもりなのか? 目下の人間と自分が判断した人を見下すところがあり、「彼女は、私たちみたいに高学歴じゃないからね・・」などと、言われて、「私たちって???」と仲間扱いにされたときは、かなり絶句してしまいました。

 学歴といえば、今、日本では、小池百合子さんのことが騒ぎになっているようですが、ふつうの日常では、あまり学歴を話題にすることはありません。

 そもそも彼女はどんな学校を卒業しているのかも知りませんが、私だって、そんなに高学歴と自分で豪語するような学歴でもありません。敢えて、「彼女にどこの大学出てるの?」などと聞くこともしませんでしたが、だいたいの彼女の話を聞いていれば、なんとなく彼女が本当に高学歴なのかどうかは想像がつく話です。 

 そもそも、本当に育ちの良い人は、つまらないことを自慢したりしないし、もっとしなやかで、その言動に嫌みがない気がします。経済的に豊かに育ったかということが必ずしもその人の育ちの良さにはつながらないとも思います。要はお金持ちの子どもが全て育ちが良いか?というと、決してそうでもないと思うのです。

 まあ、嫌みなというか、嫌な人というものは、周囲の人々もたいてい同じように思っているもので、皆、そこそこには、控え目な言い方をすれば、彼女のことを「めんどくさい人」だと思っていたようです。

 私がその会社を辞めるときには、今後は一切、関わりたくないな・・と思っていました。

 聞いてもいないことに対して、周囲にはもうバレバレなウソを本当に息をするようにつくので、もう本人もウソをついているうちにそれが本当のことだと信じ込んでいるかのようで、病気なの?と、ちょっと怖い感じさえしたくらいです。

 よく「嘘つきは泥棒の始まり」と言いますが、私がその会社をやめてから、1~2年経った頃でしょうか? 彼女が会社のものを盗んで捕まって、会社を辞めさせられたという話を聞いたときは、「嘘つきは泥棒の始まり」というのは、本当なんだ・・とビックリしました。

 そういう話は、すぐに知れ渡るものにもかかわらず、それからしばらくたって、彼女に偶然、街で会ったときには、そんな話が知れ渡っているかどうかなど全く気にする様子は微塵もなく、「○○の○○さんの引きで、転職したの・・」とまたウソ話。

 そういう人は、何があっても、どこででも、たくましく生きていくものだ・・とげんなりしたのでした。


嘘つきは泥棒の始まり


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2024年4月21日日曜日

「捕食者の巣窟」と呼ばれる危険なオンライン・チャットサイト

  


 4月の半ば頃に、グランド・シント(オー・ド・フランス地域圏)で未成年の少年(14歳・15歳)が路上で男性を襲い、殴り殺してしまったという事件が起こったことなどから、未成年の超暴力化が問題にされていました。

 この事件が注目されたためかわかりませんが、立て続けに似たような事件もとりあげられていました。

 グランド・シントでの事件を起こした少年たちは、すでに公判前拘留され、殺人罪で起訴されています。少年たちは、過去にも暴力行為や窃盗などで逮捕歴があったものの、今回は、殺人事件、彼らは、殺すつもりはなかったが、暴力行為を行ったことは認めているといいます。

 ところが、彼らのこの暴力行為についての計画が「coco.gg」というオンライン・チャットサイトで、「未成年の少女を装って被害者との面会を設定した」と供述したことから、このサイトの危険性に注目が集まっています。

 ココランドとして知られるこのサイトは、性別、年齢、ニックネーム、郵便番号を入力すれば、誰でも参加できてしまい、モデレータや会話のセキュリティやコントロールが全く行われていないサイトで、本人の身分をいくらでも偽ることができるため、このサイトを使って起こされている事件は少なくないようで、これが「捕食者の巣窟」と言われる所以のようです。

 ホームページの左側には、「料理」、「映画」、「60歳以上」などの、ある種のオーソドックスな感じのテーマに加えて、「異教徒の女性」、「女子高生」、「ふしだらな女」のようなわいせつで下品なテーマも並んでおり、小児性愛的なものや、同性愛嫌悪的なものなども含まれます。

 このサイトは、とても簡単にアクセスできるため、また匿名性という気軽さもあいまって、フランスでは85万人のユーザーが存在すると言われています。

 このような危険なサイトは、未成熟な未成年者には特に危険なうえに、その他、「小児犯罪者、強姦者、同性愛嫌悪者、武器、麻薬売買などの不法な交換の場にもなっていると警鐘が鳴らされています。

 Innocence in Danger などの児童保護団体は2013年からこのサイトの閉鎖を求める署名を集め、訴えているそうですが、現在、集まっているのは5,000人ほどの署名だそうで、85万人のユーザーに対しては、あまりにも少ないことは驚きでもありますが、私自身もこの事件が起こるまでは、このサイトの存在は全く知らなかったので、社会問題として、大々的には取り上げられてこなかったのかもしれません。

 しかし、このサイトはガーンジー島でホストされているために、フランス当局が必ずしも対抗できないかもしれないと児童保護団体の弁護士が語っています。

 近年、いくつかの事件がこのオンライン チャットにリンクされており、 ある男は10年以上にわたって妻に薬物を投与し、ココランドを通じて見知らぬ人に彼女とのセックスを持ちかけており、 この事件に関して50人の男性が2024年9月にアヴィニョンで裁判にかけられる予定になっているそうです。

 しかし、このココランドは、ある意味、そのような界隈の人々には象徴的な存在になっているものの、残念ながら、これは他の多くのSNSやチャット形式(ゲームなど一見無害に見えるものも含む)に存在する状況の一例にすぎないという見方もあります。

 近年、SNSを利用した犯罪が多発するようになり、コントロールが本当に難しくなっていますが、ある程度のセキュリティが保たれた状態でないサイトには、少なくとも未成年者だけでもアクセスできないようにしてもらわなくては・・と思います。


危険なオンラインチャットサイト ココランド


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2024年4月18日木曜日

いつまで続くの?この気候? くもり時々晴れ、のち暴風雨・・

  



 春先は、天候が不安定になりがちではあるけれど、今年はちょっといつもより酷い気がしています。

 なにせ、全般的に年明けから天気の悪い日が多く、春が待ち遠しい気がしていたのに、春になっても、ちょっと晴れれば日差しは春の光になってはいるけれど、とにかく天気は荒れ模様の日が多いです。

 昨日も一昨日も、くもり時々晴れ、後、小雨が続いてその後は風が強くなって暴風雨みたいな感じになりました。朝、起きて、窓の外を見て、「やった!今日は晴れだ!」と思っても、そのうち、パラパラ雨が降ってきて、パラパラどころかけっこうな雨になったりもしtて、夕方になるとそれに風が加わって暴風雨です。

 先週は一瞬、20℃を超えるお天気の日が数日あって、「やっと、これで暖かくなる!」と喜んで、これならTシャツで大丈夫!と歩き回っていたら、翌週には、また冬に逆戻り。

 こんなところは、フランス人、実に服装の切り替えは鮮やかで、暑い日にはTシャツ姿、翌週、寒ければ皆、真冬の装備に戻っているところはさすがだな・・と感心します。

 いつもなら、お花見がてらにお花のきれいなところにでも出かけてみよう!などと思う季節なのですが、このお天気と気候では、そんな気分にもなりません。天気が悪い日が続いて、気持ちが沈みがちになったりすると、気候はその土地に住む気質にも影響しているんだろうな・・などということまで考えたりもします。

 以前は、雨が降っても、しばらく待っていれば止んでしまう感じだったので、雨でも傘をささないフランス人が多かったけれど、最近は、こう雨が多いとちゃんと傘をさす人も増えたような気がします。

 考えてみれば、日本には、よくある傘置き場のようなものや、雨に濡れた傘をカバーする袋のようなものが設置されていることもパリではほとんど見かけないので、今後はそういったものがパリにも必要になる日が来るかもしれません。

 これまでは、パリは一日中雨という日もあまりなかったし、もちろん天気の良い日は、青空にパリの街並みも美しく、夏の暑い日とて、本当に暑くて厳しいのは、ほんの1~2週間で、それも湿度が低いために建物の中に入るとスッと涼しかったりもしたので、気候も気に入っていたのですが、最近は、以前の気候とはすっかり変わりつつあるのを感じます。

 天気が良すぎるアフリカにいた時には、曇っている日には、心の底からホッとした記憶がありますが、パリでもこう天気が悪い日が多いと、気分もやる気も落ちがちで、もっと温暖な土地がよいな・・と、ないものねだりをしてしまいます。

 しかし、夏になれば、きっとまた猛暑がやってくるだろうし、本当に異常気象は年々エスカレート。猛暑の期間が長くなっているのは感じていたけれど、今度は雨の日が増えてきた感じ。確実に地球が壊れかけているんだろうな・・ということを実感しています。


異常気象


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2024年4月13日土曜日

公共交通機関のトラブルに遭遇し続けた1日

  

電車とホームの間がこんなにあいている・・


 久しぶりの晴天に恵まれて、こんな日こそ溜まっていた用事を済ませよう・・と明るいなかばお花見気分で出かけました。気候も良くなって良い気分でバスに乗っていたら、久しぶりにいきなりRATP(パリ交通公団)の検札官の一団が乗ってきて、乗客のキセルチェックを始めました。

 私自身は、Navigo(定期券)のようなものを持っているので、それを検札官が持っているマシンにかざせば、OKなのですが、近くにいた若い男性が無賃乗車だったらしく、身分証明書の提示を求められ、「この場で払うなら、50ユーロ・・現金がなければ、クレジットカードでも払えます・・」などと言われていました。

 この男性、身分証明書を探しているのか?ゴソゴソとスマホをいじりだして、なかなか手続きは済みません。その間に別の無賃乗車だったらしい若い男性がいきなりバスを降りて逃走・・それを追いかける検札官の一団のうちの一部の人。

 その間、延々とバスは停車状態で出発できず。しばらくして、ようやく・・生半可には、解決しないと判断したのか?RATPの一団と捕まった男性は、そこで下車してやっとバスが出発しました。渋滞だけでなく、バスはこんなことでも遅れるのです。

 現在は、パリ地区は学校のバカンス期間ということで、工事のためにいくつかの路線が閉鎖になっており、迂回しなければいけないことも手伝ってか、平日の昼間というのに、その他の路線は少々、いつもより混んでいる感じです。

 この先、6月までは、まだまだパリのメトロ・・あちこちの路線で閉鎖が続くようです。

 そんな状態なので、パリ市内を動くのには、いつもなら、そこまで確認しないのですが、念のためにその路線が動いているかどうか?確認して動いています。

 そんなわけで、いつもはあまり乗らないRER C線を使おうとサイトでチェックすると、なんと、工事中でもないのに、「不通」と出ていてウンザリ・・この近くの他の駅は?何に乗ればよかったっけ??・・と考えながら歩いていると、不通なはずのC線の駅に人が下りていくのを見て、「えっ?もしかしたら、動いているの?」と一応、駅まで行ってみると、なんと電車は普通に動いていて、「なんだ・・動いてるじゃん!」とズッコケましたが、まあ、動いていないはずが動いているのだから、まあ良しとするか・・でも、サイトは必ずしもあてにならないことを確認。

 ふだんはあまり乗らないC線ですが、駅で停車した際に、車両とホームの間が少し段差があるうえに、けっこう間があいていて危ないな・・と思いました。

 ひとつ用事を終え、別の場所に移動するのに、今度は別のメトロに・・。ところが、今度は、乗ったはいいものの、突然、ある駅でメトロはストップ。理由も何も説明はありませんが、それは、いつものこと・・。まあ、そこまで急いでもいないし、座れているから、そのまま本を読んで待っていようと思っていると、隣に座っていた結構、年配の女性が運転席の運転手に「いつまで待たせるの!」と激しく抗議を続けていました。若くなくても凄いパワーで運転手に食って掛かる様子を内心「すげ~~」と思いながら眺めていました。

 そのうちに、「しばらく動けませんから、お急ぎの方は別の手段で移動してください」とアナウンス。そうは言っても、そういったとたんにメトロが動きだすこともあるので、しばらく待っていましたが、どうやら、当分、動かないようだからと私も諦めて、しょうがないから、バスで行こうと駅を上がっていき、一駅分、歩くと次の駅の前では、救急車が数台停まっていて、人だかりができていて、大騒ぎになっていました。

 どうやら、その駅で電車とホームの間で人がはさまってしまう事故が起こったとのこと・・さっき、C線で車両とホームの間があきすぎていて危ないな・・と思ったばかりのできごと、C線だけでなく、電車とホームの間隔がけっこうあいている場所は多いのです。

 ともあれ、あのまま電車の中で待っていなくてよかった・・と思ったのでした。

 こうやって、パリ市内を移動する中で、こうも次々とトラブルに遭遇し続けるとは・・オリンピック前で工事が多いのは承知しているものの、さすがにそれまでには、工事は終わっているとしても、こうも色々トラブルが多くては・・これは人災的な側面も多いため、ふだん、パリ市内の交通機関に慣れている人ならばともかく、大多数が外国からくる人々に埋め尽くされるタイミングでは、さぞかし混乱も倍増するのだろうな・・と、やっぱり思ってしまった1日でした。


パリの公共交通機関


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2024年4月9日火曜日

パリオリンピックまで3ヶ月 セーヌ川の水質状況の悪さに警告

  


 パリオリンピックをほぼ100日後に控え、NGOサーフライダー財団は、6か月にわたるサンプリング調査を実施し、オリンピックのいくつかのイベントが開催されるセーヌ川の水質が「憂慮すべき」状態であると警告しています。

 財団は、トライアスロンとオープンウォータースイミングイベントの開催地となるアレクサンドルIII橋とアルマ橋の下で測定された14件の測定のうち、13件が推奨閾値を「上回っている、またはかなり上回っている」状態であったことを発表しました。

 欧州トライアスロン連盟の基準によれば、糞便汚染を示す 2 つの細菌、大腸菌および腸球菌の濃度が100 ml あたり 1000 cfu、腸球菌では400 cfu/100 ml を超えてはならず、それを超えると、その水は水泳には適さないと考えられます。

 オードパリ研究所によって行われた分析では、大腸菌の濃度が定期的に 2000 cfu/100 ml (2 月 7 日のアルマ橋の下で最大 7,250) を超え、腸球菌の濃度が 500 cfu/100 ml (2 月 7 日の最大 1,190) を示しています。

 これらの憂慮すべき結果に直面して、サーフライダー財団は「セーヌ川の水質に対する懸念の増大」を表明し、アスリート、さらにはイル・ド・フランスの住民にとって「汚染された水の中で進行するリスク」を指摘しています。

 特に今年に入って天候が悪く、例年にくらべて雨も多く、セーヌ川は水位が上がっており、橋の下を通る船が通れなくなったりしているケースが増えています。これに対し、大会開催側は、オリンピックが開催される夏の期間は「強い日差し、少ない降水量、長い日照時間、少ない川の流れ」となる川の状況も異なるものであり、水泳は可能であると想定していると語っています。

 また、イル・ド・フランスは、「雨天時の衛生網を改善する作業が4月と5月に開始され、浄水場の消毒装置を稼働させることによりセーヌ川の水質はオリンピックでも維持される」と釈明しています。

 1ヶ月まえほどに、このセーヌ川の水質についてが話題になった頃、インタビューに答えたマクロン大統領がセーヌ川の水質を保障するために「自分がセーヌ川で泳いでみせる!」と豪語したことが水質以上に話題になりましたが、マクロン大統領がセーヌ川で泳ぐ場面が本当にみられるのでしょうか?

 一般的に、パリに住んでいる人が「セーヌ川で泳ぐ」とか、セーヌ川で泳いでいる人を見かけたら、「ちょっとイカれている・・ちょっと、あたまがおかしい・・」と思うのがふつうで、ここで泳げと言われたら、かなりなレベルのアドベンチャラスなチャレンジです。

 最初にオリンピックには、セーヌ川でトライアスロンをやると聞いた時には(かなり前のことですが・・)、「え~~~??」と驚いたものの、それまでには、きれいにするのかな?と思ってもいたのですが、どうやら、直前になっても水質は改善されていないようです。今回、3ヶ月前になってどうやら水質に問題があるらしい・・などという話を聞いても、「そうでしょうね・・」という感じ。

 恐らく、この改善されない理由のひとつは、この雨の多い気象状況にも起因しているとは思いますが、この壮大?なセーヌ川で泳ぐという計画、泳げない場合に備えてのプランを検討するべきなのではないか?との声も上がり始めています。

 すでにリハーサルイベントは、キャンセル(延期)されています。


セーヌ川の水質 パリオリンピック トライアスロン


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2024年4月8日月曜日

医者の予約を反故にしたら罰金5ユーロ 世界最高の医療システムを追求するために・・

  


 「私たちは世界最高の医療システムを維持したいと考えています」

 昨年、異例の若さで一国の首相に抜擢されたガブリエル・アタル氏は次々と様々な国のシステムを改革しようとしているのが日々感じられます。

 今回、彼が発表したのは、医療システムについての改変ですが、私がちょっと意地悪にひっかかったのは改変の内容の前に彼の言う「世界最高の医療システムを維持したい・・」の「維持」の部分です。

 WHOによると、フランスの医療制度は2000年には世界一だったと言われているそうですが、現段階での世界ランキングはせいぜい20位と言われています。もっとも世界一ではなくとも20位ということは、世界水準でいえば、高水準であるには違いないのかもしれませんが、このざっくりとでも世界最高と言ってのけるあたり、やっぱりマクロン大統領に似た感じの言い方をするな・・という印象です。

 私自身、長いことずっとフランスに住んでいるので、他の国の医療システムについては、日本のことでさえもよくわからないので、正直なところ、どの程度の水準なのかはわかりません。

  個人的には、持病はあるものの、大きな変化はなく、とりあえず、なにかあれば、かかりつけのお医者さんに相談して、問題があれば、処方箋を書いてもらって、特定の検査に行ったり、専門医にかかったりしているので、差し迫って困ることはないのですが、この先の特殊な検査だったり、専門医にかかる場合は、予約しようと思っても、それが数ヶ月から半年近く先だったりするのには、閉口することもあります。

 この流れは、もうずいぶん前に、自分のかかりつけの医者というものを選ばなければならなくなって、専門医にかかる場合は、そのかかりつけの医者に処方箋を書いてもらわなければならなくなったからだったのですが、当初は、なんでそんなに面倒なことを?と思ったものの、それに慣れてみれば、適格な検査や専門医を自分自身で判断できる知識が私にはないので、結局は、それが良かったのだな・・と思っていました。

 私の場合は、かかりつけのお医者さんには、すぐに予約がとれる状態なので、その部分での問題はないのですが、私の場合は幸運な部類に入るのかもしれず、かかりつけの医者にさえもすぐにアクセスできるとは限らないようです。

 医者不足が叫ばれ始めて以来、医学部の定員を増やしたりする措置はとられているものの、彼らが現役として活躍できるようになるまでのしばらくの間は医者不足は解消されることはないので、医者の負担を軽くし、仕事を簡素化するための措置が考えられているようで、医師が事務処理に費やす時間を減らし、より多くの時間を患者に充てられるようにするため、2024年末までに1万人の医療助手を採用するとしています。

 また、これまで医者の処方箋なしには買えなかった扁桃腺や膀胱炎などの抗生物質に対して、薬局の薬剤師が直接、処方することができるようになったり(6月から)、メガネを作る際に眼科の検眼を受けずとも、眼矯技師が直接、適応させることが可能になります。

 特にメガネなどの場合は、大手の眼鏡屋さんに行けば、眼科さながらの検眼システムがあったりするので、これは、妥当だな措置だな・・などとも思います。

 しかし、なんといっても今回の医療システム改変の中で、一番注目されているのは、医者の予約を反故にした場合は(予約をキャンセルしなかったり、24時間以内に行かなかったりした場合)には、「罰金5ユーロ」(2025年1月から)というもので、この罰金は、どのようにして、回収するのかわかりませんが、これこそ、事務手続きが爆増する原因となるのではないか?とも感じます。

 この5ユーロ(約800円)という金額も、罰金としては、なかなか微妙な金額のような気もします。

 世界最高の医療システム・・という壮大な感じのするうたい文句の割には、医者の予約バックレたら罰金5ユーロというなんだか、ちぐはぐなレベルの内容が並ぶことに理想と現実の壁を感じないでもありません。

 いずれにせよ、この発表により、医師組合との交渉が始まることになります。

 今、私は、専門医などの予約がとりづらいことなどはあっても、そこまでフランスの医療システムに不満があるわけではありませんが、これまで友人や知人が重病にかかって入院した時などには、かなり酷いな・・という話なども聞いているので、あくまでも、日常的にそんなに深刻な状態ではないからかもしれません。

 いずれにしても、できるだけ医者のお世話にならずにすむようにしたいものです。

 そうそう、フランスの医療システムですごいな・・と思うところは、ガン治療に関しては、特別な治療の場合は別として、無料ということです。これはもうずいぶん前に友人がガンに罹った時に知ったもので、ミューチュエル(国民健康保険をカバーする保険)に入っていなかったという友人に「え~~?どうするの?」とビックリした時に、幸か不幸か、ガンの場合は一切、お金がかからない・・と聞いて、喜んでいいのか、悲しんでいいのかわからない複雑な気持ちがしたものです。


医者の予約反故罰金5ユーロ 世界最高の医療システム


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2024年4月6日土曜日

違法精製の問題にはとどまらないネスレグループのミネラルウォーターの安全性

  


 昨年末から今年の初めにかけて、違法精製水をナチュラルミネラルウォーターとして販売している問題が大スキャンダルとして騒がれていたネスレグループのボトル入りのミネラルウォーター問題でしたが、その話題が騒ぎになっても、スーパーマーケットなどの一般市場では、これまでと何の変化も見られず、同じものが販売されていることに、「どうしてなんだろう?」、結局、精製法がナチュラルミネラルウォーター名乗ってはいけないだけ?という問題なんだろうか?と、ちょっと不思議に思っていました。

 それは、ペリエ、ヴィッテル、エビアン、コントレックスなどのごくごく身近な誰でもいつでもどこでも手にすることができるようなポピュラーなものであっただけに、私にとっては、けっこうショッキングなニュースでもあったのです。

 しかし、今回、新しい環境保護法案が審議され、PFAS(パーフルオロアルキルおよびポリフルオロアルキル)、永遠の汚染物質と呼ばれる汚染物質問題が浮上したことにより、再び、ネスレグループのミネラルウォーター問題に火がつきつつあります。

 PFAS問題が今回、注目された際にPFASが含まれている製品の中にボトル入りミネラルウォーターも存在していることに、私は少々、ひっかかりも感じていたのです。

 それは、フランスインフォとル・モンド紙が同日、明らかにしたもので、ちょっとおさまりかけていたネスレグループのミネラルウォーター問題をぶり返すかたちとなったのです。

 前回の騒動のときには、この巨大な多国籍企業ネスレグループがこの水源の水の違法精製を何年も検査官を欺くために電気キャビネットにフィルターを隠すことまで行いながら隠蔽してきたのは、自社製品の健康上の安全性を保証するためだったと説明していました。

 しかし、ANSES (国立食品・環境・労働衛生安全庁)は、報告書の中で、グラン・エスト地域(エパール、ヴィッテル、コントレックス)、オクシタニー地域(ペリエ)などの水源の汚染が広範囲に及んでおり、微量汚染物質の存在も銘記しており、ネスレグループが販売するナチュラルミネラルウォーターの健康品質の保証に対する信頼性が不十分であることを明かしています。

 ANSES の専門家らは結論の中で、「糞便由来の汚染に関する複数の問題」、「顕著な微量汚染物質の慢性的な存在」、「PFASの存在」、「汚染物質の監視を可能にするパラメータの欠如」を考慮して、当局に対し、ネスレ工場に対する監視強化計画を実施するよう勧告しています。

 明らかに、汚染された水源を天然ミネラルウォーターの製造に利用すべきではないということです。

 さらに驚くことに、検査官が警告している内容の中には、「水を浄化するために導入された違法な処理が健康上のリスクを引き起こす可能性が高い」としている点であり、これには、目も当てられません。

 水の安全性を確保しようとして違法な精製法を用いてまで精製していたものが、この違法な処理自体が健康上のリスクを引き起こす可能性が高いというのですから、ふつうなら、操業継続は不可能となるはずです。

 一般的には、誰もが知っているようなネスレグループの製品のような名前がついている製品は、なんとなく安心できたり、信頼できたりする感覚があるのですが、この問題を見ていると、大企業ほど隠蔽しようとする・・発覚しても開き直る・・政府もぐるになって隠蔽に加担したり、口を閉じてしまったり、特別に容認したりする・・ことが多い感じで、あんまり信用できないものだな・・と思うのです。


ネスレグループ ミネラルウォーター


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2024年4月5日金曜日

2026年 永遠の汚染物質 PFAS 製品を禁止する環境保護法案採択

  


 PFAS(パーフルオロアルキルおよびポリフルオロアルキル)は、人工的に作られた有機フッ素加工物の総称で、その非粘着性、防水性、耐熱性が高く評価されており、特に繊維製品、食品包装、消火泡、非粘着コーティング、化粧品、植物検疫製品、半導体、インクなどの多くの日常生活で利用される製品の多くに使用されています。

 PFAS は化学的安定性により環境中での分解が限られているため、体内に摂取した場合は、体外に排出されにくく、蓄積され、それらが廃棄物として排出された場合は、私たちが飲む水、土壌、空気、海に広がり最終的には食物連鎖に入ります。 母乳を介した乳児への感染も現在では証明されていると言われています。

  欧州環境庁によると、PFAS は、ほぼ確実に、内分泌かく乱作用に関連したさまざまな影響、つまり免疫機能の変化、腎臓および精巣がん、肝障害、コレステロール増加を引き起こすだけでなく、胎児の発育にも影響を及ぼすとされています。

 また、国際がん研究機関(IARC)は、PFOAを「人間に対して発がん性がある」、PFOSを「発がん性がある可能性がある」と分類したと、2023年11月30日付のランセット・オンコロジー誌で発表しています。

 国際的には、ストックホルム条約の枠内で、特定のPFAS(PFOS(パーフルオロオクタンスルホン酸)、PFOA(パーフルオロオクタン酸)、PFHxS(パーフルオロヘキサンスルホン酸)はすでに禁止されています。

 フランスでは、2024年2月、PFAS汚染は公衆衛生上の懸念から政府委託の報告書は当局に対し、PFAS汚染を調査し、これらの汚染物質の「産業排出を緊急に停止する」よう求めていました。

 PFASが使用されている製品やこれに汚染されている製品をみれば、どれだけ私たちの日常生活に浸透してしまっているかを考えると恐ろしいかぎりですが、ひとまず、今回のフランスでの環境保護法案で2026年には禁止されるのは、衣料用繊維製品(その他の繊維製品は2030年)、ワックス製品、化粧品とされています。

 この PFASで一番に思い浮かべるいわゆるフッ素加工のフライパンなどの台所用品は、その最大手であるSEBグループ(ティファールなど)による大規模なロビー活動により、代替品の欠如や無害の主張、過剰転置などを理由にこの禁止製品枠からは外されていることは、どうにもしっくりしないモヤモヤが残るところではあります。

 しかし、この PFASの有害性についての知識をある程度、持っていれば、たとえ、販売されていても、消費者はそれを利用するか否かは自分で選択することはできます。

 ル・モンド紙とフランス・インフォ紙が公表した調査結果によれば、先日、別の問題でスキャンダルとなったミネラルウォーターにも含まれているということです。

 このような問題に神経質になり過ぎると、もう食べてもよいもの、利用してもよいものが非常に限られてくるような気がしてしまいますが、やはり、体内に蓄積され、排出、消去する技術が存在しないとなると次世代の子どもを産んで育てていく若い世代にとっては、無視できない極めて深刻かつ重大な問題でもあり、小さい子どもを持つお母さんたちは、注意してあげないといけないだろうな・・と思うのです。

 この PFAS問題だけでなく、より良いものを開発して進歩していたつもりが有害だったり、環境を破壊していたということは、けっこう多くて、それを戻すって大変だな・・と思うことが最近、多いなと思うのです。


2026年 PFAS 製品禁止


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2024年4月4日木曜日

タクシーの運転手さんによると今年の夏はタクシーが大幅に減るらしい・・

  


 私はふだん、パリ市内かせいぜい、ごくごくたまにパリ近郊くらいしか移動しないので、ほぼタクシーというものに乗ることはありません。私がタクシーに乗るのは、日本から帰ってきた時にあまりに荷物が多いために、空港から乗るときくらいなものです。

 ヨーロッパ内を旅行してきた時は、そんなに荷物も増えないので、タクシーを使うまでもないのです。

 今回も空港からの帰り道はタクシーで帰ってきました。まず、驚いたのは、空港のタクシー乗り場の行列で、こんなにタクシー乗り場に行列していることも珍しいほどの行列でした。とはいえ、少し待っていれば、空港にはタクシーが集まってくるので困るほどではありません。

 長旅の末、無事に荷物を受け取れてホッとしつつも、ガックリと疲れが出てボーっとしながら、ようやくタクシーに乗って家の場所を言うと、車はスムーズにスタート。

 夜だし、スイスイと家に着くだろうと思いきや、なんと途中で渋滞にひっかかり、車はノロノロ運転。今、別のルートが工事中で閉鎖されているために、いつもは他の道を通る車が全部こっちに来ているために渋滞しているのだとか・・。

 高速まで工事で閉鎖とは・・そういえば、オリンピックの交通規制のために高速道路のレーン規制をするという話をしていたので、それだったのかもしれません。

 そのあたりで、運転手さんとの話が始まり、ここ数週間でフランスでは何か変わったことはありましたか?」と聞いてみると、「マクロンがとんでもないことを言って騒ぎになっている・・明日には、戦場に行かなくちゃならないかもよ・・」などと半分冗談めかして話してくれました。

 マクロン大統領が「戦場に派兵の可能性も排除しない」と発言して、国内だけでなく、海外からも批判を受けていたのは、私が日本に出かける前のこと。また、何かさらに過激なことを言ったのだろうか?と思いきや、それを補強するような発言はしていたものの、運転手さんにとっては、その発言がよほど、衝撃的であったのではないかと思われます。

 彼曰く、「マクロンは狂ってる・・」と。

 そして、タクシー乗り場の行列の話をしたら、実はタクシーの台数がそもそも減っているのだ・・という話。インフレや環境問題のための様々な規制によりタクシー業界もけっこう厳しいのだとか・・。

「オリンピックの時なんて、みんなバカンスに出ちゃうから、もっともっと減っちゃうよ・・」とのこと。オリンピック関係者や観光客が膨れ上がることでタクシーの利用客も相当数増えるだろうに、タクシー減っちゃうの? 日本人ならば、書き入れ時とばかりにタクシーも増えるだろうと思うのは、ここでは違って、「いろいろと規制もうるさいし、だいたい夏のバカンス期間中に仕事なんてやってられるか!」となってしまうみたいです。

 いつもの何倍もの観光客がどんどんフランスに入ってきて、恐らく、いつもよりも数倍厳しいセキュリティ体制がとられているであろう空港からものすごい数の人が出ていかなければならない状態で、その、ものすごい数の人が空港に溜まってしまうことがあっても大変です。

 空港からの移動手段は電車やバスもあって、タクシーだけではないにせよ、タクシーを利用しようと思う人はかなりいるであろうに、まず国の玄関である空港を考えても、大変な状態に陥ることは、必須ではないかと思うのです。

 パリに着いたとたんに、また戦争の話とオリンピックの話か・・と急にフランスに戻ったことを実感させられる感じがしたのです。

 日本でのクタクタになりながらも、久しぶりに会えた友人や親戚との楽しく美味しかった時間にどこかフワフワした気持ちでもあった私は、そんな話題を続けたくなくて、運転手さんに、「どちらの方ですか?」とか、「お子さんはいるんですか?」とか、おばさんチックな質問をして、話を切り替えたのでした。

 運転手さんは、アルジェリアの人で、子どもは上から「14歳、12歳、8歳、5歳・・」と言うので、思わず「えっ?4人も?」と驚くと、「4人なんて、ふつうでしょ!僕は日本人じゃないから子供は一人だけとか言わないからね・・」と言われ、「一人だけでもいればまだまし、子どもゼロの人も多いから・・」となんだかフォローになっていない切り返しをしたのでした。

 しかし、現実的にこの夏の、特にオリンピック期間中のタクシー問題、政府はどうするつもりなのでしょうか?・・強制的に働けなんて言えないだろうし・・だからといって白タクに頼るわけにもいかないだろうし・・とちょっとお手並み拝見という気がしています。


パリオリンピック期間中 夏のタクシー


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2024年4月1日月曜日

イル・ド・フランス・モビリテ 2023年に発生したRER A,B,C,D,P 線の多数の遅延に対する払い戻し

  


 2023年に発生した多数の遅延を補償するために、イル・ド・フランス・モビリテは期間限定(2024年3月20日~4 月 17 日)で遅延補償キャンペーンを行っています。これは、RER A,B,C,D,P 線に関するもので、これにより、最大 126.15 ユーロの払い戻しを受けることができます。

 これは今年初めての試みではないようですが、遅延あたりまえのフランスで遅延に対しての補償を行うということで、ある意味、画期的な気もします。

 以前、あまりに長いストライキのために払い戻しではなく、次の月は割引になったことがあったような気がしますが、遅延に対する払い戻しはまた別レベルのことです。

 2023 年、イル・ド・フランスの公共交通網の一部の路線は定刻性の面で目標を達成できず多数の遅延が存在したことを補償するもので、これらの遅延はネットワークを近代化し持続的に改善するために必要な多数の作業が遅延の原因になっているとしています。

 これらの遅延に対する補償は主にパリ郊外線に関するもので、2023 年の少なくとも 3 か月間定刻性が 85% 未満であったすべての路線が払い戻しキャンペーンの対象となります。

 払い戻しは、Navigo(定期券のようなもの) 加入者であるイル・ド・フランス居住者であり、該当している路線に居住または勤務している場合に認められるとしています。

 払い戻しの手続きは全てイル・ド・フランス・モビリテの自分のアカウントから(ない場合はすぐに作れます)簡単にできるようになっています。

 もともと公共交通機関の定刻性といものにあまり期待しないようになっているし、どの程度の遅延を遅延と見なしているのかも疑問ではありますが、少なくとも遅延に対する払い戻しを行うというのは、遅延に対する反省が認められるもので、進歩だな・・と思います。

 私は、郊外線をあまり利用しないので、幸か不幸か今回の払い戻し対象にはなりませんが、どちらかといえば、特にここ1~2年、工事のために閉鎖されることの多いメトロの路線に対しても、ぜひ払い戻しを行ってほしいと思っています。

 このメトロの工事に関しては、代替バスなどが運行しているものの、全く充分なものではないうえに、利用しづらいもので、それこそ閉鎖のための迂回などのために、そのたびに大幅に時間がかかることになっているのでほとほと迷惑しています。

 このメトロの工事のための閉鎖に関しては、子どものバカンス期間中や夜間や週末などにしてくれてはいるのですが、それでも、もうこれでもか!というくらいの頻度で、しかも全線閉鎖せずとも部分的に少しずつやるとかもう少し乗客の迷惑を最小限にする方法はあるのでは?と思います。

 しかし、少なくとも遅延に対して、改善の兆しが見えることは嬉しいことです。

 


パリ郊外線 遅延のための払い戻し


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2024年3月31日日曜日

マッチングアプリ  ”ティンダー・レイピスト” 強姦魔の元写真家に懲役18年+永久国外退去命令

  


 「ティンダーレイピスト」と呼ばれる38歳のモロッコ人男性が、マッチングアプリ「ティンダー」を通じて知り合った女性に対する12件の強姦と3件の性的暴行事件で有罪判決懲役18年を求刑されています。

 この38歳の元写真家は、2014年から2016年にかけて、出会い系アプリ「ティンダー」を使って多数の女性を自宅に誘い込み若い女性たちを襲いました。 彼はモデルを探している写真家であると名乗っており、彼女たちに写真撮影を持ち掛け、巧に自宅に誘いこんで女性を襲うという同じ手口を数多くの女性に対して行っていました。彼の自宅ではアルコールが提供されると、その後、全員が異常な酩酊と体力の低下を訴えており、中には、薬物を投与されたと主張している女性もいました。

 被害者の女性たちは、事件当時20代前半の若い女性ばかりであり、この男性がモデルを探している写真家だと名乗っていたとしても、安易に男性の部屋にあがることも不用意でもあるし、そもそも相手をよく知らない出会い系サイトというものには、ふつうに出会う場合に比べて危険性が高いことは忘れてはいけないことを思い出させてくれます。

 この他に2件の告発がなされていましたが、2件の事件に関しては、証拠不十分として不起訴になっていますが、少なくとも17件の告発状が出されていることになります。

 彼はこれらの関係は合意のうえであったとか、そもそもそんなことは起こってはいなかったと主張し続けていましたが、2件の証拠不十分で不起訴になったケースを除いて15件に関しては有罪判決が下り、懲役18年の有罪判決となりました。

 この一連の彼のやり口は、計画的であり、連続的でもあり、極めて自己中心的で悪質であることから、懲役18年に加えてフランス領土から永久に離れる義務を伴っています。

 彼はすでにこの事件に対して2年半の公判前拘留を経て、写真家としての活動を禁止され司法監督の下で釈放されたのちにすぐに同様の事件を犯しています。

 再犯率が高いと言われるこの手の性犯罪で、司法監督下とはいえ、なぜ公判前拘留を中断して釈放してしまったのかは理解しがたいところです。

 今回の裁判にこぎつけるまで被害者の女性たちにとっては、長い闘いの日が続いていたようで、公聴会が数日間続くうちに、お互いを知らない被害者女性たちが近づき、お互いをサポートし、励まし合う姿が見られたと言います。

 この裁判で争われたのは、17件でしたが、恐らく告訴に及んでいない女性がまだまだ存在していると思われ、実際に今回の裁判で争われている事件以外にもすでに別の告訴状が提出されているそうです。

 マッチングアプリを全て否定するつもりはありませんが、危険人物も含まれているこんなケースもあるので、充分に気を付けてください。


マッチングアプリ レイプ


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2024年3月8日金曜日

全国労働組合のオリンピック期間ストライキ警告に見える社会的アンバランス

  


 冬休みが終わるか終わらないかのタイミングから、通常、フランス人の間では「夏のバカンスはどこへ行くか?」という話題で持ちきりになり、実際に夏のバカンスの予約を開始します。

 ところが、今年は、例年とは同じにはいかずに、夏のバカンス期間中には、フランス人にはオリンピック・パラリンピックという巨大な壁が存在します。

 考えてみればみるほど、このオリンピックという最高の機会をフランスCGT(労働組合)が黙って見過ごすはずはないし、実際に、彼らが訴えている「オリンピック開催により数十万人の労働者が打撃を受ける」というのは、事実でもあります。

 国家総動員とまではいかないまでも、パリオリンピック開催には、多くの人がフランス人の生きがいとも言える夏のバカンス期間を働かなくてはならず、また、これを政府が当然のことのように行おうとしていることに怒りを訴えています。

 オリンピックのために多くの人々が残業を余儀なくされたり、バカンスがとれないことや、通常よりもずっと長い時間働かなければならないことに対して、何も対処されていない!政府は即刻回答すべし!と。

 また、オリンピックのために、イル・ド・フランス(パリ近郊地域)に来なければならない労働者たちのその間の滞在施設(住居)は大惨事に見舞われています。その間に働かなければならない人々の子供たちは、どうするのか? その超過労働に対してのボーナスは正当に支払われるのか?などなど、言われてみれば、オリンピックという華やかな舞台の裏には、問題が山積みになっています。

 たしかに、このために、イル・ド・フランスにやってくる人々の滞在施設とて、パリ近郊のホテルや短期の貸アパート等はすでに満室状態でその価格だけでも大変な高騰ぶりという話で、海外からの選手団を受け入れるために、奨学金を受けて生活している学生の宿泊施設などでさえも、6月には追い出されるという話に、怒りの声が上がっています。

 そのうえに、一体、どこにこのオリンピックのために動員される人々が一体、どこに滞在できるのかは、大変な問題だと思います。

 内務省は、すでにオリンピックに動員される警察官については、今年1月の段階で最大1,900ユーロのボーナスを約束していますが、オリンピックに動員されるのは、警察官だけではありません。このフランスCGT(労働組合)は、全ての公務員にボーナスを!と訴えています。

 同時に病院や医療関係者は、このオリンピック開催に関して、警鐘を鳴らし続けています。パンデミックとまでは言わないまでも、何百万人ものオリンピック関係者や観光客が訪れるといわれるこの期間に、これに応じて起こり得る事故や病人に対して、対応しきれるスペースも人員も全く足りていません。

 「政府は大会の社会的課題を検討し、適切な決定を下さなければならない」、「すでに何度もこの問題提起を政府に対して行っているのに、一向に何の対策もとられていない!」と。

 すでにRATP(パリ交通公団)やSNCF(フランス国鉄)などがストライキの通告を行っていますが、具体的な政府からの労働者への回答は出されていないままです。

 私自身は、オリンピックの現場で働くわけではありませんが、生活しているだけでも、この期間、ふつうに出歩くことができるのだろうか?という不安が日に日に増しています。

 最近では、オリンピックのポスターが発表されたりして、華やかさばかりが強調されていますが、この巨大なイベントが多くの人々の犠牲のうえに成り立つものであることは、明白で、オリンピックって本当に必要なのだろうか?と思わないでもありません。

 たしかに、オリンピックで得られる収益も莫大なものであることには違いないとは思われるものの、今の時代、一般市民にとっては、ふつうに生活を送るだけでも大変なのに、オリンピックだの万博だのに割かれる莫大な費用や労力・・2年前に「私たちは、豊かさの終焉のときを生きている」とスピーチしたマクロン大統領ですが、どうにもこのオリンピック、豊かさの終焉を生きているのは、その陰で働く労働者だけのように見えてしまうバランスの悪さが気になります。

 しかし、そこは、フランス人、黙ってガマンしないところは、さすがです。


オリンピック期間のストライキ


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