フランス公衆衛生局、国立がん研究所の調査によると、1990年から2023年の間にフランスにおけるガン症例数が2倍に増加した(男性は98%増、女性は104%増)と発表しています。
2023年は、まだ約半年しか過ぎていないというのに、すでに43万人以上の人が新たにガンと診断されています。
これは、フランスの人口動態の進化(人口の増加と高齢化)や、ライフスタイルに関連したリスクの増加が関連していると言われていますが、特に生活習慣、タバコ、アルコール、偏った食事、運動不足、紫外線なども、大きな原因だと見られています。
男性に多いのは、前立腺ガン、肺ガン、結腸直腸ガン、女性では、乳ガン、結腸直腸ガン、肺ガンの順に続いています。
ガンは男性の死亡原因の1位、女性の死亡原因の2位(1位は循環器系疾患)、ガンによる死亡年齢の平均は男性73歳、女性75歳です。
一方では、早期発見と治療の技術の進歩により、死亡率は減少しているとのことで、前立腺ガンの5年生存率は、93%、乳ガンは88%まで上昇しています。(ただし、肺、肝臓、食道、すい臓のガンに関しては20%以下と言われています)
行動やライフスタイルを変えることでガンのほぼ、半数を回避できるとする学者もいます。
フランスはかなり、力を入れて、この早期発見、早期治療を促進しようとしているようで、ここ数年、私自身の個人的な印象によれば、年齢を重ねていることもあるのでしょうが、以前よりも、多くの種類のガン検診の通知を受け取るようになった気がします。
しかし、一般的なフランス人のガン罹患のケースとは異なるかもしれませんが、これまで数少ない私の在仏の日本人の知り合いで亡くなった人々は、全てガンが原因だったのも事実で、彼らはそれほど、高齢でもなく、やはり、海外生活はストレスも多いからかなぁ?などと、漠然と思ったりしていました。
その中でも、最も私の身近にいた人は、大腸ガンでしたが、最初のガンが発見された時には、彼女がミューチュエル(国民健康保険をカバーする保険)に入っていないという話を聞いて、「えっ??どうするの?」と病気そのものだけでなく、治療費の心配をしたのですが、幸か不幸か?フランスではガン治療は基本的には無料(というか国が負担してくれる)とのことで、びっくりした覚えがあります。
しかし、手術をして、5年経つか経たないかのギリギリのタイミングで再発してしまい、それからの治療は、トラブルも重なり、本当に悲惨なもので、彼女自身も、手術後にどのような状態になるのかを具体的に把握していなかったこともあり、また、結果的にとことん、ガンと闘うという治療法を選択したために、最後の最後には、この状態でよく生きている・・とお医者さんに言われる状態でも、意識ははっきりしていて、最後にお見舞いに行った時も、(たまたま彼女のお誕生日だった・・)「気分が悪いのに、食事にステーキとかが出てくるのよ・・」などと話していたのを覚えています。
彼女が亡くなったのは、それから1~2週間後のことでした。
日本人に多いと言われる胃ガンが男女ともにトップ3に入っていなかったりするのも、食習慣の違いも体質の違いもあるのでしょうが、日本とて、4人に1人とか6人に1人はガンに罹ると言われている今、フランス人とて、例外ではないということなのかもしれません。
しかし、まあ、ものすごく楽観的に考えれば、検査数が増えているのも、この数字が増加している理由かもしれないし、今まで発見されなかったガンが発見されるようになり、治る可能性が高まったということかもしれません。
私など、検査というものがものすごく億劫で敬遠しがちなのですが、進行して手が付けられない状態になることを考えれば、せっかく無料でやってくれる検査・・ちゃんとやろうかな・・と思い始めています。
フランス ガン患者数30年で2倍に増加
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