2023年7月1日土曜日

手がつけられなくなっているフランスの暴動に巻き込まれて、しばし、お店に閉じ込められた・・

  

急にお店のシャッターが閉まって、店内に閉じ込められた・・


 検問拒否のために17歳の未成年が警察に射殺された事件からもう4日経つというのに、暴動は一向におさまりそうにありません。むしろ、どんどん、酷くなっている気がします。

 中心となって暴れているのは、未成年や若者たちが中心で、とにかく暴力的で、これはもうすでに抗議ではなく、単なる破壊行動、大規模な放火、強奪行為になってきています。

 これは、フランス全土にわたるもので、とにかくその破壊の仕方が桁外れで、車やバスやトラムまで燃やすので、現在のところ、バスとトラムは全国的に21時で運行停止となっています。

 今回の暴動は、どうやら、いつもの暴動とは違うようで、もう破れかぶれというか、標的が一般の店舗から、市役所、図書館、學校、劇場など、ありとあらゆる場所に至っており、また、日常はさほど治安の悪くないと思われている場所でまで、破壊行為や放火などが起こるので、ちょっと制御不能で予測不可能、手が付けられない状態になっています。

 3日目の夜は1番で917人が逮捕されたとかで、しかも逮捕者の平均年齢は17歳というのですから、いつものデモに乗じて破壊行為を行うブラックブロックなどの破壊集団ともまた別なのか、低年齢化しているのか、はたまたその両方なのかは不明です。

 逮捕者の中には若い子だと13歳、14歳などという場合もあるそうで、夜中に未成年が、しかもこのようなご時世にでかけることを放置している親も親だと思ってしまいます。

 とにかく、この騒ぎがおさまるまでは、バス(やトラム)が21時になくなってしまうというだけでも、この日が長く、気候も良い時期に大変、迷惑な話、バスもトラムも同じですが、自分たちの生活に必要な市役所や学校や図書館などを破壊するのは、どういうことなのだか、まるで意味がわかりません。

 たまたま、昨日、パリ郊外に用事ができ、用事が思ったよりも早く済んだために、時間がぽっかり空いたので、「そういえば、ソルドが始まったんだった!」と帰りに滅多に行く機会がない郊外(といってもメトロで行ける範囲のパリから近いところ)のコマーシャルセンターにソルドを覗いてみることにしたのでした。

 何回かは行ったことがあるものの、ここのところ、かなりご無沙汰していた場所で、郊外だけあって、広くて大きいコマーシャルセンターでお店もたくさん入っているし、店内もゆったり場所がとってあるので見やすかったりもするのです。

 久しぶりの買い物で、けっこう新しいお店に変わっているんだな~とか、こんなに安いお店があるんだ!などと、ちょっと夢中になって試着を繰り返したりしながら、買い物をしていて、そろそろ帰ろうとしていた時のことです。

 急にお店が騒がしくなって、店内はソルド期間中ということもあって、結構にぎわっているというのに、急にお店のシャッターが閉まり始めて、「危険だから出ないでください!」、「大丈夫ですから、落ち着いてください!」「現在、お店の外には出られなくなりました!」とスピーカーでお店のセキュリティの人がアナウンスを始め、お店がブロック状態、店内に大勢のお客さんとともに缶詰状態になりました。

 このご時世、なんとなく、「もしかしたら、あの暴動隊?がやってきたのかな?」と、思いながら、どうにも不安な気持ちになりました。フランス人はパニックを起こすと大変なので、セキュリティの人は「落ち着いて!落ち着いて!」を繰り返すばかりで、尋ねても、理由は説明してくれません。

 中には、不安で泣き出してしまうおばさんまでいて、泣き叫んでいるおばさんを店員さんが、必死になだめています。放火が相次いでいるというものの、ちょっと放火するにしては規模が大きすぎるコマーシャルセンターゆえ、この建物全体に火をつけるのはムリな話。私は、とりあえずは店内にいれば、大事には至らないだろうと思っていました。

 しばらくすると、「こちらの出口から外に出てください・・」と言われて、お店の外に出ると、もう中央の入口(出口)は閉鎖になっていて、コマーシャルセンターからすぐ近くのメトロの駅まで閉鎖になってしまいました。

 とにかく大きなコマーシャルセンターゆえ、出入口がたくさんあって、駐車場をつたって、敷地外に出る途中、数人の警察官がティーンエイジャーらしき男の子を後ろ手に手錠をかけて、連れていくところでした。

 なぜか、その一団には、覆面をした黒装束の若い男が一緒で、「暴れている奴らがいっぱいいるんだよ・・自分は違うけど・・」と言いながら、ポケットには催涙ガス?と思われるスプレーを携帯していて、その恰好で自分は違うって、他人事みたいによく言うな・・妙な人だ・・と思いましたが、それよりも、今度は「メトロの駅が閉鎖なら、どうやって帰ろうか?」と一瞬、途方に暮れました。

 バスやタクシーに乗ろうにも、もうコマーシャルセンターの周囲は警察車両や消防車両が次々と到着する中、大渋滞が起こっており、これは車はムリ・・と判断し、次のメトロの駅まで20分近く歩くことにしました。

 バスがなくなっちゃうから、夜9時前には帰らなきゃと思っていたのに、事件に遭遇したのは、夕方5時頃のことです。

 どうやら、今回の暴動は、色々なタイプの暴動が混在しているようで、どちらにしても、警察官の射殺事件という大義名分を掲げて、ただ暴れたい、破壊したい、これを機に強奪、強盗してやろうという人も多そうで、これはどうしたら、鎮まってくれるのか?ちょっと見当がつかずに実害にも遭い、もうウンザリしています。

 ただ、今回は未成年や若者が中心ということで、SNSで集合をかけたり、また、スナップチャットなどで破壊行動の動画をあげては、その破壊ぶりを競いあったりしている動きもあるとかで、もう、あまりの愚かさに言葉もありません。このSNSの使い方もどうにか規制をしてほしいです。

 とにかく、やっとのことで家に帰りついて、家の近辺の平和ぶりにホッとさせられたのですが、この状態が続けば、もう出かけるのも億劫になってしまいそうです。

 先ほど、司法大臣がテレビのインタビュー番組で話をしていましたが、「フランス人にはたくさんの権利も認められているけれど、同時に義務もたくさんあるんだ!」、「特に未成年が暴動に参加している場合は親は子供を責任を持って指導してほしい!」「罰則も強化する!」と。

 とにかく、現在のフランスの暴動は度が過ぎます。

 4日目の夜は警察官・憲兵隊4万5千人が動員したそうです。


フランス暴動


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