2023年6月28日水曜日

服従拒否で警察官発砲 17歳の青年死亡の後、警察官のウソがばれた・・

  

警察への抗議で街が荒れに荒れる様子


 ここ1~2年、警察官の発砲事件がすごく増えた気がします。警察官の発砲事件の全てが公になっているわけでもないと思うので、特にとりあげられているのは、被害者が死亡した場合の、それも一部のことだと思いますが、今回の事件は、特に発砲した警察官が虚偽の報告をあげていたことが、発覚してから、さらに騒ぎが大きくなっています。

 事件は、午前8時半頃の通勤時間帯のナンテール(オー・ド・セーヌ県)(パリ近郊)RERナンテール・プリフェクチュール駅付近でおこりました。

 事件直後の警察の説明によれば、「車両確認のために2人の警察官が車を停車させたものの、彼は警察官の命令に従わずに無理に車を発車させ、警察官の1人が轢かれそうになったために、もう1人の警察官が発砲した」つまり、発砲時に車は警察官に突っ込もうとしていたと説明。

 また、「運転手は複数の交通違反を起こしている人物であった」ことを付け加えています。

 しかし、その後、すぐに、防犯カメラや、警察官が車両を停めている様子などの模様を撮影していた複数の動画がSNSで次々に拡散され、この警察の説明がウソであったことが明らかになって、騒ぎは一層、大きくなりました。


 動画を見ると、2人の警察官が黄色い車を停車させている様子が映っています。 警察官の1人はフロントガラスにもたれて立っており、ピストルで運転手を狙っています。 運転手が車を再発車させると、警察官は車両の側面の至近距離から発砲しています。車が発車するタイミングと銃声は、ほぼ同時で、2人の警察官はどう考えても、車に轢かれそうな位置に立ってはいません。

 銃声のタイミングからも、かなりの至近距離で運転手が撃たれていることは明白で、銃弾は青年の胸に的中していました。


 そうでなくとも、被害者の青年は未成年、警察官の発砲により殺されたとなれば、物議を醸すところ、警察官の報告が虚偽の報告であったという証拠?の映像があっという間に、拡散されて、「たしかに服従拒否は違法ではあるが、それは死刑に値するものではない!」とか、「警察はこうして、殺人を正当化してきたのか?」など、政治家まで巻き込んでの大論争を引き起こしています。

 そして、この事件を受けて、警察への抗議の声が高まり、ナンテールの街は、ゴミ箱が燃やされ、車が燃やされ、爆竹がなり、黒煙があがり、騒ぎは夜まで続きました。

 ナンテール検察庁は、被害者となった運転手に対しての公権力を持った人物への服従拒否と殺人未遂の疑いで捜査を開始、そして、発砲した警察官に対しては、公権力を有する人物による意図的な殺人事件として捜査を開始しました。

 また、当然のことながら、被害者家族の怒りは激しく、この被害者側の弁護士は、3件の告訴状を提出したことを発表しています。1件目は、「警察官による故意の殺人」、2件目は、「同僚(加害者警察官と行動していた警察官)に対する殺人共犯」、そして3件目は「公の文書における虚偽」の3件についてです。

 どんな事件においても、そもそもの罪だけよりも、ウソがばれた時の叩かれ様は、火に油を注ぐ勢いになるのは、自明の理です。


 しかし、このような騒ぎになって、警察への怒りで街のあちこちが燃え上がっているときも、やはり、警察官は、この車での服従拒否に使われた拳銃よりも、さらに大きい銃を構えて警備している様子には、何の救いも感じられないのです。


警察官発砲17歳青年死亡


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