2023年6月24日土曜日

ガス爆発事故現場は想像以上に悲惨だった・・

 


 たまたま近くに用があって、「そういえば、あの爆発事故はこの辺りだった!」と思い立って、野次馬根性で事故現場をのぞきに行きました。爆発事故のあった辺りはパンテオンからも遠くなく、近くには、リュクサンブール公園や多くの有名な大学や高等教育機関もある高台の、パリらしい優雅な街並みの中にあります。

 事故からまだ日が経っておらず、事故現場の周囲はかなり広い範囲が立ち入り禁止になっており、ごくごく周辺の住民以外は入ることはできません。



 しかし、パリらしい入り組んだ小路の向こうには、爆発現場となった見るも無残な建物の残骸と焼けただれた壁が見え、あらためて、今回の爆発事故がいかに暴力的なものであったかが、直に目にしてみると、かなり衝撃的です。

 ほぼ、隙間なく立ち並んでいる建物の中にぽっかり空間ができていて、周囲の建物の補強と事故現場に設けられているバリアとが、事故からまだ1日半くらいしかたっていないのに、こんなに出来上がっていることに、驚かされます。しかし、このような補強工事を行ってはいるものの隣接している建物の倒壊の危険は残っているそうです。

 現在のところ、原因はガス漏れという説が強く、地域のガスは全て止められているそうで、さぞかし不便なこととは思いますが、この現場を見れば、この二の舞になることを考えれば、苦情も出そうにありません。

 日常的には、フランスの工事は遅くて、時間がかかり、工事現場などに貼られている施工期間などはあまりあてになるものではなく、たいていは期日どおりに仕上がらないことがふつうなのに、さすがにこのような危機的状況の場合は、昼夜を通して工事が続けられているのか、1日でこれだけ進んだの?と驚きです。

 負傷者数は事故当日には、37名と報じられていましたが、2日経った現在では、負傷者は54名に増えており、また依然として行方不明とされている女性が1人存在しています。彼女はこの爆発事故現場の中にあったアメリカン・アカデミーの教師だそうで、事故が起こった時間にその建物にいたことが確認されていますが、彼女は2日経った現在も発見されていません。

 瓦礫の山を取り除く作業は想像以上に難航している模様で、大変、不謹慎な疑問ではありますが、建物をこれだけ崩壊させる現場に人がいた場合、人間というものはかたちを留めているものなのかなどとも考えてしまいます。

 聞くと見るとは大違いというか、映像で見ていた事故現場も、実際に目の当たりにしてみると、その衝撃度はかなり違います。

 事故の起こったパリ5区の市庁舎には、被災者の精神的なケアーサポートセンターに加えて、被災者の宿泊施設の手配、具体的な法的側面や保険の手続きなどにも寄り添って支援していくことを呼び掛けています。


近所のレストランには来週月曜日には再開しますとの張り紙


 当然のことながら、ごくごく近隣の店舗、レストラン、カフェ等も当面、とりあえず、今週いっぱいは休業とのことで、これもまた大きな損害です。

 現場には、私のような野次馬がけっこうやってきていて、ちょっとあり得ない惨事に皆、呆然としています。

 現場に通じる道は数本あるとはいえ、それほど大通りに面している場所でもなく、これだけの建物が一瞬の爆発により崩壊してしまうということが、どれだけの混乱状態であったか?また、付近の人々がどんなパニック状態で避難したか? それが、どんな恐怖であったのか?を現場を見て、あらためて、痛感させられました。

 まだまだ復興どころか、現場検証すら、手をつけられる状態ではなく、いかに昼夜を徹して作業を行ったとしても、この17世紀後半に建てられたという建物はもと通りになるということはないし、この旧建が立ち並ぶ界隈にどのような建物を建て直すのかは、常に美しいパリの建物を残し、パリの景観を保ち続けることを大事にしているパリ市としても、周辺の建物とのバランスをとって、どんな建物を建てるのかは注目したいです。


パリ5区ガス爆発


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