2023年6月5日月曜日

イタリア・トロペアで見つけた漁師さんの家族が営む絶品レストラン


正面窓の向こうが魚屋さん


 旅先でレストランを選ぶ時、最近はGoogleの検索に頼ることが増えているのですが、それでも、お店の雰囲気、料理の写真、また、お客さんたちが残しているコメントなどを見ながら、あーでもない、こーでもないと言いながら、真剣に探します。

 それでも、写真に載っているメニューは実際には、今は、なくなっていたり、また、人の好みや印象は、それぞれなので、あくまでも他人のコメントは参考までで、同じレストランでも、ベタ褒めしている人もいれば、クソみそにけなしていたりもするので、必ずしも自分の好みに合うものとは限りません。

 今回のイタリア・トロペアの旅では、幸いなことに、滞在中、訪れたレストランにはハズレがなく、どのレストランもそれぞれの良いところがあり、甲乙つけがたい感じでもあったのですが、今回の旅で一番感動したのは、Googleの検索では、最初はあがってこなかったレストランで、(よくよく調べれば、出てくることは出てくるのですが・・)、たまたま私のパスポート紛失騒ぎで、滞在を1日延ばして、ホテルに忘れたパスポートを取りに戻った帰り(正確には、予定どおりに帰る予定で駅までの道を歩いていた途中にみつけて、「あ~!ここ行きたかったね~!」と目を付けていたレストラン)、滞在を1日延ばさざるを得なくなったおかげで、幸か不幸かその機会に恵まれたレストランでした。

 トロペアの近辺は、その周囲の住宅などの外観から見るに、あまり経済的に豊かな感じはしないため、街の中のレストランの多くは、いわゆる主に観光客が多いレストランが大半を占めていて、それとて、そんなにバカ高いレストランではありませんが(このレストランの価格の基準が私の場合はパリが基準となっているので、比較が相応なものかどうかもわかりません)、本来、私が旅先で探そうとしているのは、地元の民で賑わっているような温かみの感じられるレストランが私の理想で、今回、最後に辿り着いたレストランは、まさに地元の漁師さんの家族が魚屋さんとレストランを両方、家族でやっているアットホームな感じのレストランでした。

 お父さんが海で獲ってきた魚を(息子さんはその助手として修業中といった感じ)自分の家の魚屋さんで売っていて、お母さんとその仲間?親戚?(娘も修行中?)がその魚を使って、魚屋さんのとなりでレストランをやっている、まるで垢抜けない感じではあるものの、地元の人が多そうなレストランでした。

 メニューには、英語訳もついているので、観光客をまるで無視しているわけでもないとは思うのですが、お店の人は皆、イタリア語しか話さないので、意思の疎通が大変なことはあります。しかし、そこは、なんとかなるもので、私たちの場合は、最初にお店の様子をうかがった時にいた、その場にいた地元の民らしきお客さんが英語で通訳してくれました。



 ただ、そんな様相だったし、今どき、クレジットカードも受け付けないので、少し、他のレストランよりは、休めの価格設定なのかと思いきや、他の観光客大歓迎のお店と大して変わらない価格なのは、「ここのお母ちゃん、気取らない感じがするけど、けっこうガッチリしてるんだな・・などと思っていました。

 まずは、突き出し?代わりのオーダーはしていないけど出てくるのが、香りのよいオリーブオイルにトロペア玉ねぎ、トロペアトマト、アンチョビがのったブルスケッタで、その彩りの美しさとそれぞれの素材の良さが際立つ、何気ない一品なれど、ちょっと感動する逸品で驚かされました。



 そして、いざ、注文したお料理が出てきてみると、その分量たるや、思わず、これ何人前ですか?という大きなポーション(普通のレストランの余裕で2~3人前)。最初に出てきた魚介のフリットは、レモンが添えられたイワシ、イカ、エビだったのですが、何より、そのどれもが新鮮で一つ一つが素材そのものの味が濃く、フリットはすべてカリッと揚がっており、カリッとしつつもイワシはふっくら、エビ、イカともにプリプリで、噛みしめるとエビ、イカ、それぞれの味がじわ~っと口に広がります。

これが一人前!


 もう一つ、注文した魚介のリゾットは、お米が崩れない程度に上手く火が通っていて、かつ、しっかり魚介の味が沁み込んでいる、これまた感動的なお味。2種類のエビといか、シャコ、ムール貝、あさり、トマトが入っていて、圧倒的なシーフードの調和されたお味に、出てきた時は、「すっごい量!」と目が真ん丸になったのですが、あまりの美味しさに、ふたりで、ものすごい勢いで食べて、あっという間に完食!

これも一人前!


 食べきれなかった魚介のフリットは、お持ち帰りにしてくれました。

 とにかく、想像を遥かに超えた美味しさに感動した私たちは、これをなんとか、おばちゃんに伝えたいと、おばちゃんたちが通りかかるたびに、満面の笑みで「モルト・ブオーノ!」を大連発。

 感激して食べている私たちにおばちゃんたちも満足そうで、最後に手書きのレシートがやってきて、お支払いを済ませた後に、リモンチェッロをサービスしてくれました。




 ただ、後で、このお店に関するGoogleのコメントを見ていると、めちゃくちゃにけなしているコメントもあり、また、そのコメントに対して、猛然と言い返しているお店側の回答がのっており、娘などは、それを読みながら、「これ、書いたの、きっとフランス人だ・・」と笑い転げていましたが、アンチのコメントに猛然と反発するあたり、なんかあのおばちゃんなら、わかる気がして、どちらにしても、気が強そうだけど、気をよくしてくれたお客さんにはめっぽう優しく温かい感じのおばちゃんの一面が覗けた気がしたのでした。

 いわゆる、体裁のいい感じのこじゃれた感じは全くないレストランではありますが、個人的には、この旅で最高のレストランに出会えたと私は大満足しています。

 また、いつかトロペアに行くことがあったら、また、きっと行きます。


Ristopecheria AngeloDel Mare

Via Degli Orti 26, 89861 Tropea ITALIE


イタリア トロペア 漁師さんの家族がやっているレストラン


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