パリ オリンピック開催まで、あと1年余りと近付いてきた今、フランス国家警察がパリオリンピック組織委員会本部に強制捜査に入ったというニュースはなかなかおだやかではありません。
捜査関係者がAFP(Agence France Presse)に伝えた話によると、検察(PNF)は進行中の2件の別々の捜査に関連して家宅捜索を許可、強制捜査対象はオリンピック組織委員会本部とオリンピック建設現場担当部署だということです。
検察報道官によると、この捜査は、「違法な利益相反、公的資金の悪用、賄賂」に関するもので、すでに最初の捜査は2017年に始まっています。
これはオリンピック組織委員会の前身のオリンピック招致委員会の段階からオリンピックに関する有力な意思決定者の署名が入った一連の契約書に端を発しており、すでに今回の強制捜査に入るまでに昨年から極秘裏に捜査が進んでおり、今回は、警察の中でも、その財務部隊であるBRDE(金融警察)が担当しています。
ということは、お金絡みのなんらかの不正の疑いがかなり濃厚であるということで、スポーツ、オリンピックにまつわる汚職は例外なくついて回る話のようです。
フランスには、AFA(L’Agence française anticorruption)という汚職防止のための国家機関(2016年制定の法律により制定)が存在しており、企業、政府、地方自治体が実施する汚職防止コンプライアンスメカニズムの現実と有効性を検証できる管理権限を持ち、以前存在していた中央汚職防止局(SCPC)に代わり、その権限が強化されています。
今回のオリンピック組織委員会の強制捜査についても、このAFAが「信義に影響を与えるリスク」と「利益相反」に関する2つの報告書を提出したことから、検察~金融警察が動いたようです。
AFA(汚職防止国家機関)によれば、「オリンピックのための買収手続きの一部に、不適切な点があり、正しく管理・監督されていない潜在的な利益相反が随所に存在している」と指摘しています。
オリンピックのみならず、フランスのスポーツ連盟は、このところスキャンダル続きで、フランス国家オリンピック・スポーツ委員会会長は内部論争?を理由に今年5月に辞任、ランスサッカー連盟の会長は、セクハラおよびパワハラの告発を受けて2月に辞任、元スポーツ大臣でフランスのラグビー監督も、汚職で有罪判決を受け、1月にフランスラグビー連盟会長の職を辞任しています。
オリンピックが始まる前から金融警察が強制捜査・・とは、始まる前からなに?と思ってしまいそうでもありますが、実のところは、オリンピックは大会が始まる前から大きなお金が動き、その一つ一つに利権が存在するのですから、当然といえば、当然のこと、少なくとも、警察が機能しているという意味においては、健全といえば、健全なのかもしれません。
しかし、このBRDE(金融警察)というのは、一度、たまたま出くわしたことがありますが、ふつうの警察官とは緊張感が違って、突入に際しては、かなりの大人数のうえ、ライフルを持った警察官まで混ざっていて、威圧感がハンパありません。
日本にもフランスのAFA(汚職防止国家機関)のような機関があり、それが機能していれば、摘発すべきところは、たくさんありそうなのに・・と思います。
パリ オリンピック組織委員会強制捜査
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