2023年6月23日金曜日

ヨーロッパの地球温暖化は世界の他の地域の2倍の速さで進んでいる

 


 年々、夏の暑さが厳しくなっていることは、身をもって感じています。しかも、夏のような猛暑が始まる時期も、年々、早まってきて5月の後半から6月にかけて、もう真夏並みの気温の上昇が見られ、また、秋が訪れたと思ったら、また夏日になったり、おのずと、暑い期間が長くなっています。(冬もまた気温は高く、昨年は20日連続の10℃超えという暖冬で150年ぶりの記録を更新しています)

 以前は、日本への一時帰国は子供の学校の休みに合わせてということになり、しかも、娘が小学生の頃は、日本の小学校に短期間でも体験入学させたくて、フランスの学校がお休みになってから、日本の学校の夏休みに入るまでのわずかなタイミングを狙っていくことになり、その時期は、日本もちょうど梅雨明けするかしないかの最悪のタイミング(梅雨があけない場合は雨で、梅雨あけした場合は夏の暑さが爆発する時期)、しかも、航空券は一年で一番高い季節と、この時期の日本行きは最悪のタイミングでした。

 娘が小学生だった頃は、逆にフランスの夏は楽勝な感じで、エアコンなしでも全然、乗り切れる感じで、けっこう暑い日があっても、それは数日から、せいぜい1週間程度のことで、それ以外は、夏で暑くなるとはいえ、湿度がないので、日陰に入ればすっと涼しかったり、また、夏のバカンス期間はむしろ、パリの住民がパリからいなくなるため、街中も空いていて、こんな時に日本に行くなんて、なんてバカらしいんだろう・・と思っていました。

 あっという間に過ぎてしまった、この15年くらいを考えると、いったい、いつからこんなにパリの夏が暑くなってしまったんだろうか?と思うと、その変化がかなり急速であったことを思い知らされます。

 最近の世界気象機関(国連の機関)とコペルニクス・ネットワーク(欧州連合の地球観測プログラム)の発表によると、「1980 年代以降、ヨーロッパ大陸では地球温暖化が世界の他の地域の 2 倍の速さで進んでいる」とのことで、わかってはいたものの、あらためて、特にヨーロッパが世界の他の地域の2倍の速さで・・などと言われると、脅威と恐怖を感じます。

 昨年は、6月の段階で、フランス国内で40℃を超える地域が出たり、今年も6月というのに30℃超えの日が10日以上も続く異常な暑さで、6月からこれでは、7月、8月は一体、どうなってしまうんだろうか?と不安がよぎります。

 もう夏に日本に行かなくなって、ずいぶん経つので、長いこと日本の夏を経験していませんが、日本の場合は暑さとともに、飛行機を降りた瞬間に感じる、呼吸を一瞬ためらうような湿度の高さがあります。その代わりにというのもなんですが、日本は清潔でどこに行っても冷房完備で、パリのように「やった!冷房車にあたった!」なんていうこともなく、全線、全車両、冷房完備です。

 フランスの場合、暑くなってくると、問題は暑さだけでなく、たちまち「臭い」の問題も発生してくるわけで、先日も家のアパートのエレベーターに乗ったら、強烈な体臭の人が乗ってきて、「ボンジュール!」と明るく挨拶しつつも、あまりに強烈な臭いが衝撃的で軽いめまいがしたほどです。

 また、地域によっては、街中でさえも臭いが酷い地域もあり、先日、たまたまそんな地域を通って、これは大変な場所だ・・街中の空気中に臭いが漂うというのはただ事ではないわけで、(もちろん、パリ市内といっても場所によりますが・・)以前、弟がパリに来た時に、街中がDUTY FREE SHOPの匂いがする(香水の匂いということらしい・・)と言っていたのを思い出し、香水の匂いの方がどれだけマシか?などと1人思いながら、なんともいえない臭いの中を耐えながら歩いたのでした。

 そもそもフランスで香水が発達したのは、体臭がきついため・・などという話も聞いたことがあるような気がしますが、最近は、香水を使用する人も減ったのかな?などとも思います。

 今では子供の学校のお休みも関係なくなったので、日本に行こうと思えばいつでも構わないのですが、パリも夏が暑くなったからといって、さすがに夏の間を選ぶ理由はまるでなく、航空券に関して言えば、相変わらず高いどころか、以前と比べたら、それこそ2倍近いので、いくら冷房完備とはいえ、日本に行く気にはならないのです。

 しかし、ヨーロッパ大陸の温暖化は、やはり深刻なようで、この暑さが干ばつ、山火事等の災害を引き起こし、昨年は、16,365人が熱波のために死亡しているそうです。

 とはいえ、フランス人は太陽が大好きで、ビーチでもなく、パラソルもない街中の炎天下のテラス席でも食事を楽しめる人々で、私が感じているほどには、この暑さにもへこたれていないような気もします。


ヨーロッパの地球温暖化は世界基準の2倍


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