2023年6月22日木曜日

パリ5区でのガス大爆発の大惨事で吹っ飛んだのは17世紀後半に建てられた歴史ある建物

  


 本来ならば、この日はフェット・ド・ラ・ミュージック(音楽祭)の日で、パリのあちこちで、音楽祭が開かれ、最も日が長い夜にみんなが音楽を楽しみ、浮かれている日のはずでした。

 ところが、夕方、16時54分、パリ5区サンジャック通りで大爆発が起こり、建物1棟はほぼ全壊、爆発により、周辺に引火し大火災が起こり、音楽祭気分も爆発とともに吹き飛んでしまった感じになりました。

 パリの建築物には、旧建(旧建築)、新建(新建築)という区別の仕方をすることがありますが、この爆発の起こった建物は、旧建も旧建、ルイ14世の時代、17世紀の後半に建てられた建物だとかで、大変に古い歴史的建造物と呼ばれる建物だったそうです。

 パリの美しい街並みは、この旧建を可能な限り残し、外観はできるだけ崩さないように、とはいっても、内装や設備等は整備し続けられているのがふつうです。

 今回の大規模なガス爆発の原因は現在のところ解明されてはいませんが、警察は事故と事件の両方の可能性を踏まえて捜査を開始しているそうです。

 ガス爆発による建物が崩壊し、瓦礫の山となり、炎が上がっている光景は、パリの真ん中で戦争が起こったかと思えてしまうほどの衝撃的な映像です。


 このような災害にありがちな負傷者、犠牲者の数が少しずつ増えていくのも心が痛むところですが、現段階では、負傷者37名(うち4名は生命に危険の及ぶ重症状態)、行方不明者2名を瓦礫の中を捜索している状態で、夜を通しての捜索が行われるそうです。

 爆発による負傷者は、パリ市内の3ヶ所の大きな病院に搬送されたほか、ブラスリーの一つに緊急救急センターが設置されました。

 爆発が起こった時間は夕方17時頃で、比較的、外出している人が多い時間帯であったことから、この規模の爆発にしては、被害者が少ないとは言われていますが、周辺の住民の動揺は激しく、また、安全が確認できるまで、周辺の住民も立ち入りができません。

 この爆発現場には、約270人の消防士が出動し、10人の医師も駆けつけ、パリ市は緊急対策所を設置しています。

 最も日が長い日の夜は、ゆっくり暮れていく日の中に、いつまでも瓦礫の山を映し出しているのでした。

 ガス爆発の起こった建物では、爆発の数分前に強いガス臭がしたという証言が多数あり、この爆発がガスによるものであることは、わかっていますが、17世紀から存在しつづけていた大きな石の建物が一気に吹っ飛び、周囲の3棟にわたり、大きな被害が及んでいることからも、その爆発がどんなに大きなものであったか、現場近くから避難してきた人は、「大きな爆発は少なくとも2回あり、地響きが起こった・・」とその時の恐怖を語っています。

 しかし、瓦礫の山に見えることは、17世紀後半の建築物が大きな石のブロックで組み合わせて作られていたことで、その大きなブロックに切られた石は、この大爆発をもってしても、粉々に崩れることもなく、そのままの形を成している頑丈なものだったということも驚きです。

 色々な事件が起こりますが、このような事件は、個人的には避けようもないことですが、原因はしっかり究明し、これが故意に起こされた事件でないならば、このような事故が二度と起こらないような対策を講じてほしいと思っています。

 本当に、いつ、何が起こるかわからない毎日です。


パリ5区ガス爆発


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